【EL決勝プレビュー】セビージャ最多6度目の戴冠か、コンテ初の欧州カップ制覇でインテル復権か? 初対決の行方は…

2020.08.21 17:00 Fri
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ヨーロッパリーグ(EL)決勝、セビージャvsインテルが、日本時間21日28:00にドイツのシュタディオン・ケルンで開催される。4年ぶり最多6度目の戴冠を目指すスペイン屈指の強豪と、22年ぶり4度目の優勝を狙うイタリアの名門による初対決のファイナルだ。

2015-16シーズンにEL3連覇を果たし、今大会最多5度の優勝を誇るセビージャ。以降の3シーズンではチャンピオンズリーグ(CL)で2年連続のベスト16、昨季はELでベスト16とタイトルから遠ざかってきたが、今季は4年ぶりにEL決勝の舞台に戻ってきた。就任1年目の智将ロペテギ監督の下、堅守と素早い攻守の切り替え、厚みのあるサイドアタックを武器に、ラ・リーガでも4位フィニッシュを果たしたチームは、今大会を通じてチームとしての完成度を増している。

グルーステージからの参戦となった今季はアポエル、カラバフ、デュドランジュという格下と同居したグループAを5勝1敗で首位通過を果たすと、コロナ禍での中断前に行われたラウンド32ではクルージュ相手に苦しみながらも、アウェイゴール数の差で退け、昨季と同じラウンド16に進出。
レギュレーションの変更により、ラウンド16以降をすべて中立地ドイツでの一発勝負形式で戦うことになった中、ローマ、ウォルバーハンプトンという難敵を連破。さらに、準決勝では優勝候補筆頭のマンチェスター・ユナイテッドを相手に、守護神ブヌの圧巻の働きと、FWスソ、FWルーク・デ・ヨングの今大会初ゴールにより、2-1の逆転で接戦をモノにし、6度目の優勝に王手をかけた。

一方、2009-10シーズンにはモウリーニョ監督の下、イタリア史上初のシーズン3冠を成し遂げたインテルだが、翌2010-11シーズンのコッパ・イタリア優勝を最後に、約10年に渡ってタイトルから遠ざかってきた。しかし、ユベントスの黄金期を支えてきたマロッタCEOの下、名門復権を目指すチームは今季、百戦錬磨のコンテ監督を招へいすると、セリエAでは9年ぶりの2位フィニッシュを果たし、復活への第一歩とした。そして、今回の決勝ではヨーロッパカップ戦初制覇を目指す闘将と共に、22年ぶり4度目のタイトル獲得を目指す。
バルセロナ、ドルトムントと同居したCLグループステージを3位で終えたことにより、今季のELではラウンド32からの参戦に。そのラウンド32ではルドゴレツを一蹴すると、セビージャ同様に中立地ドイツでの一発勝負形式での戦いとなったラウンド16以降ではヘタフェ、レバークーゼンとの接戦をモノにし、順当にベスト4進出。ウクライナ王者シャフタールとの準決勝では再び接戦が予想されたが、主砲ルカクと若きエースFWラウタロ・マルティネスがいずれもドッピエッタを記録するなど、攻守に相手を圧倒。5-0の圧勝を飾る最高の形でファイナルの舞台へ駒を進めた。

UEFAコンペティションの常連である両チームだが、意外にも今回が初対戦となる。ただ、セビージャでは古巣対戦のMFバネガに加え、FWオカンポスとスソがインテルの宿敵ミランに在籍経験がある。一方、インテルでは古巣対戦はいないが、昨季までアトレティコ・マドリーの主力として活躍したDFゴディンは顔なじみとの対戦となる。

なお、この一戦に向けてはセビージャが公式戦20戦試合(11勝9分け)、インテルが公式戦11試合無敗(8勝3分け)と、いずれも好調を維持しており、好勝負必至のファイナルとなりそうだ。

◆セビージャ◆
【4-3-3】

▽セビージャ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ブヌ
DF:ヘスス・ナバス、クンデ、ジエゴ・カルロス、レギロン
MF:ジョルダン、フェルナンド、バネガ
FW:スソ、エン=ネシリ、オカンポス
負傷者:MFオカンポス
出場停止者:なし
退団者:MFロニー・ロペス

出場停止者、退団者、負傷者はいない。スタメンに関してはラウンド16以降、固定されているベストメンバーが起用されるはずだ。ただ、コンディションが懸念されるオカンポスに代わってムニル、戦術的な判断によってエン=ネシリからデ・ヨングと、前線に関しては変更の可能性もある。

◆インテル◆
【3-5-2】

▽インテル予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ハンダノビッチ
DF:ゴディン、デ・フライ、バストーニ
MF:ダンブロージオ、バレッラ、ブロゾビッチ、ガリアルディーニ、ヤング
FW:ラウタロ・マルティネス、ルカク
負傷者:MFヴェシーノ
出場停止者:なし
退団者:なし

出場停止者、退団者共にいない。負傷者に関してはヴェシーノに加え、軽傷を抱えるサンチェスの起用が懸念される。シャフタール戦ではベンチ入りしていたが、プレーできるとしてもプレータイムの制限が見込まれる。

スタメンに関してはセビージャ同様に、レバークーゼン、シャフタール戦を戦ったメンバーが引き続き起用されることになる。

★注目選手
◆セビージャ:MFエベル・バネガ
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セビージャの注目プレーヤーは古巣との一戦がセビージャでのラストマッチとなる絶対的司令塔。今シーズン終了後にサウジアラビアのアル・シャバブへの移籍が決定しているバネガは、このEL決勝がセビージャでの正真正銘のラストマッチとなる。そして、その対戦相手は奇しくも、2016-17シーズンに1年間在籍した古巣インテルとなった。

フリートランスファーで加入したインテルでは公式戦33試合に出場して6ゴール8アシストとまずまずの数字を残していたが、スパレッティ監督の就任に伴い一転して構想外に。わずか1年でのセビージャ復帰に際しては900万ユーロと言われる移籍金が支払われており、その恩義に報いるためにも古巣初対決でチームにタイトルをもたらす活躍を見せたい。

そういった個人的な背景に加え、戦術的な部分でも32歳の元アルゼンチン代表MFはセビージャ勝利のキーマンだ。インテルは大勝したシャフタール戦同様に、このファイナルでも前から激しい圧力をかけて相手のビルドアップに制限をかけると共に、あわよくばショートカウンターからゴールをこじ開けるゲームプランを採用するはずだ。

シャフタールはそのインテルのプランにまんまと嵌ってしまったが、セビージャには抜群のキープ力とポジショニングでプレスを回避できるバネガがいる。この一戦では守備強度が高い相手の中盤をうまくいなし、高精度のパスで相手ウイングバックの裏を狙う味方に決定機を供給する働きが期待される。さらに、得意のプレースキックで古巣へのキツい恩返し弾を見舞いたい。

◆インテル:FWラウタロ・マルティネス
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インテルの注目プレーヤーは若きエースストライカー。インテル加入2年目で背番号10に見合う風格が出てきた22歳のアルゼンチン代表FWは、今季の公式戦48試合で21ゴール7アシストと見事な数字を残している。とりわけ、主砲ルカクとの補完性は抜群だ。

バルセロナへの去就報道が盛んに報じられたシーズン終盤戦は、セリエAでわずか3ゴールしか挙げられず苦戦した印象だが、ナポリ戦で見事なゴールを挙げるなど、ここに来て調子を取り戻している。そして、直近のシャフタール戦では2ゴール1アシストの活躍をみせ、チームの決勝進出に大きく貢献している。

今回のファイナルに向けてはEL10試合連続ゴール中のルカクに大きな注目が集まるところだが、快足のDFクンデ、地対空の強さが光るDFジエゴ・カルロスという相手の屈強なセンターバックに徹底監視されるはずだ。そういった中、より自由度の高いプレーが可能なラウタロのパフォーマンスが堅守攻略の鍵を握る。

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【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.36“セリエ最多勝ち点”記録尽くめ/インテル[2006-07]

1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.36</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2006-2007シーズン/インテル 〜セリエ最多勝ち点〜</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2006-07inter.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ロベルト・マンチーニ(43) 獲得タイトル:セリエA 攻撃力8:★★★★★★★★☆☆ 守備力9:★★★★★★★★★☆ タレント10:★★★★★★★★★★ 連係8:★★★★★★★★☆☆ 選手層10:★★★★★★★★★★ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">記録尽くめ</div> カルチョーポリの影響でセリエBに降格したユベントスが不在だった2006-07シーズン。この状況下でマンチーニ監督に率いられたインテルが圧倒的な強さを見せる。降格したユベントスからイブラヒモビッチとヴィエラを招き入れ、チェルシーからレンタルでクレスポ、モナコからマイコンを獲得。リーグ屈指の陣容を整えてシーズンに臨んだ。 序盤戦から勝ち点を積み上げたインテルは、第8節からセリエA新記録となる17連勝を達成。記録が途切れて以降も勝ち星を積み重ねたチームは、30勝7分1敗という素晴らしい成績でスクデットを手に入れた。 ただ、リーグ戦で圧倒的な強さを見せたマンチーニ・インテルだが、それ以外の大会でタイトルを獲得することはできなかった。CLでは決勝トーナメント1回戦でバレンシアに敗れて敗退。コッパ・イタリアはリーグ優勝を決めた後に行われた決勝だったが、ローマによってシーズン2冠を阻まれた。 それでも、セリエAで素晴らしい結果を残したインテルは、様々なリーグ記録を塗り替えている。前述した17連勝に続き、シーズン30勝、アウェイ戦15勝、アウェイ戦11連勝。そして、最多勝ち点となる97ポイントだ。最多勝ち点記録やシーズン勝利数記録などは、2013-14シーズンのユベントスが塗り替えることとなるが、当時のインテルが圧倒的な強さを誇っていたことに疑いの余地はない。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">個に依存したスタイル</div> マンチーニ監督が率いたインテルは、イタリアらしい堅守速攻をベースとしたチーム。各ポジションに実績のあるタレントを有していたことで、守備的に戦いながらも前線の個が確実にチャンスを生かして結果を残した。特に、イブラヒモビッチにロングボールを当てるという強烈な個に依存する戦い方が主だった。 システムは[4-3-1-2]や[4-4-2]といった守備が安定しやすい布陣を採用。最終ラインは両サイドバックに攻撃が持ち味のマイコンやグロッソ、マクスウェルを起用したが、マテラッツィやサムエルらが中央を固めた。また、コルドバやブルディッソはセンターバックだけでなく、サイドバックとしてもプレー可能であったため、負傷者が出た際や守備固めの時に重宝された。 中盤は、カンビアッソやヴィエラの負傷離脱を強いられたが、守備陣と同じく複数のポジションをこなせるサネッティやスタンコビッチが確実に穴を埋める。また、34歳のフィーゴはスピードこそ衰えたが、ドリブルのキレやキックの精度など色褪せることのないテクニックを披露した。 FW陣は、チーム得点王(15ゴール)のイブラヒモッチを軸に豊富な駒を揃えていた。チーム2位の14ゴールをマークしたクレスポは、イブラヒモビッチと強力な2トップを形成。また、左足の魔術師・レコバ、イブラヒモビッチの貴重なバックアッパーであったフリオ・クルスはピッチに立てば仕事を果たした。一方、アドリアーノは私生活のトラブルやケガ、マンチーニ監督との不和といった影響で徐々に立場を失った。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">DFハビエル・サネッティ(33)</span> インテルの偉大なカピターノであり、誰もが認める鉄人。2006-07シーズンは、インテルの選手として、そしてキャプテンとしてシーズンを通して働き、悲願のスクデットを獲得した(2005-06シーズンは繰り上げによる優勝)。本職の右サイドバックだけでなく、左サイドバックや中盤のあらゆるポジションで安定したパフォーマンスを披露。チームへの貢献度は計り知れなかった。その後、インテルおける通算出場記録を塗り替えたサネッティは、19年間過ごしたクラブで現役を引退した。 2019.04.21 12:00 Sun

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