【ELプレビュー】インテルの堅守か、シャフタールの破壊力か? 最多王者が待つ決勝を懸けた一戦!

2020.08.17 18:00 Mon
Getty Images
ヨーロッパリーグ(EL)準決勝、インテルvsシャフタールが、日本時間17日28:00にドイツのデュッセルドルフ・アレーナで開催される。共に前身のUEFAカップで優勝経験を持つ強豪が、大会最多王者セビージャが待つ決勝進出を懸けて激突する運命の一戦だ。
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闘将コンテ監督の下、今シーズンのセリエAを2010-11シーズン以来の2位でフィニッシュしたインテルは、最低限のノルマである来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権を確保。そして、今大会では同じくコッパ・イタリア、クラブワールドカップの2冠に輝いた2010-11シーズン以来となるタイトル獲得を目指す。新型コロナウイルスの影響により、いずれもシングルマッチ形式での戦いとなったラウンド16、準々決勝ではヘタフェ、レバークーゼンという守備、攻撃と異なる特長を持つ曲者に競り勝って準決勝の舞台に駒を進めた。直近のレバークーゼン戦ではMFバレッラ、FWルカクのファインゴールで幸先よく2点のリードを得たが、2点目直後に1点を返されると、以降は追加点を挙げられず、拮抗した展開に持ち込まれた。それでも、今季セリエ最少失点の堅守を武器に逃げ切って、公式戦10戦負けなしとした。
タレントの質、今大会3度の優勝という実績を考えれば、決勝進出の本命であることに間違いはない。だが、コンテ監督はチェルシー時代の2017-18シーズンにFAカップを制覇しているものの、監督キャリアを通じてカップ戦の戦いを苦手としている。とりわけ、ヨーロッパのコンペティションでは思うような結果を残せていない点が唯一の不安材料だ。

一方のシャフタールはルイス・カストロ新監督を招へいした今シーズン、序盤から圧倒的な強さをみせ、4年連続13度目のリーグ制覇を成し遂げた。CLグループステージ3位敗退に伴い、ラウンド32からの参戦となったELではベンフィカ、ヴォルフスブルク、バーゼルといった難敵を退け、セビージャに敗れた2015-16シーズン以来の準決勝に到達した。
準々決勝のバーゼル戦ではエースFWジュニオール・モラエスの開始早々の先制点を皮切りに、MFタイソン、MFパトリック、DFドゥドゥとブラジル出身4選手のゴールで4-1の圧勝を飾り、今回のインテル戦に大きな弾みを付けている。

ELでの優勝経験は2008-09シーズンの1度だけだが、ここ数年に関してCLでの経験はインテルを凌駕している。今シーズンはマンチェスター・シティ、アタランタと同居したグループCを3位で敗退したが、アウェイゲームではシティに1-1のドロー、アタランタに2-1で勝利とその実力は本物だ。

なお、両チームの通算対戦成績はインテルの1勝1分け。2005-06シーズンのCL予備予選3回戦では、敵地での初戦をFWマルティンス、FWアドリアーノのゴールで勝利したインテルが、ホームでの第2戦も1-1のドローで終えてグループリーグ進出を決めていた。

◆インテル◆
【3-5-2】

▽インテル予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ハンダノビッチ
DF:ゴディン、デ・フライ、バストーニ
MF:ダンブロージオ、バレッラ、ブロゾビッチ、ガリアルディーニ、ヤング
FW:ルカク、ラウタロ・マルティネス
負傷者:MFヴェシーノ、FWサンチェス
出場停止者:なし
退団者:なし

出場停止者、退団者共にいない。ただ、レバークーゼン戦で負傷したサンチェスがヴェシーノと共に欠場となる。

スタメンに関してはレバークーゼンと同じメンバーを起用することが濃厚だ。ただ、戦術理解、パフォーマンス向上が顕著なエリクセンや、コンディションを考慮してシュクリニアルやカンドレーバ、ビラギあたりがスタートから起用される可能性も考えられる。

◆シャフタール◆
【4-2-3-1】

▽シャフタール予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ピアトフ
DF:ドゥドゥ、クリフツォフ、ボンダル、マトヴィエンコ
MF:アントニオ、ステパネンコ
MF:マルロス、アラン・パトリック、タイソン
FW:ジュニオール・モラエス
負傷者:DFイスマイリ、MFマリシェフ
出場停止者:なし
退団者:なし

出場停止者、退団者共にいない。負傷者に関しては長期離脱中のイスマイリ、マリシェフがメンバー外となっている。

スタメンに関しては大勝したバーゼル戦と同じメンバーを選択するはずだ。

★注目選手
◆インテル:FWロメル・ルカク
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インテルの注目プレーヤーはEL10戦連発が懸かる主砲だ。昨シーズンまで在籍したマンチェスター・ユナイテッドでは2年連続リーグ二桁得点も、やや才能を持て余した感もあったベルギー代表FWだが、今季からプレーするインテルではコンテ監督の志向するスタイルと完璧な親和性を見せ、ここまでキャリアハイの公式戦31ゴールを挙げている。

また、直近のレバークーゼン戦ではエバートン時代から継続していたELでの連続ゴール記録を9試合に更新し、元イングランド代表FWアラン・シアラーを抜き、単独での新記録を樹立している。

シャフタールは前線にタレントを揃える一方、最終ラインに関してはGKピアトフを除き実績、経験不足の選手が多く、インテルにとって付け入る隙が大いにある。ただ、以前からビッグマッチでの勝負弱さが指摘されるルカクは、インテル加入後もセリエAではユベントス、ラツィオ、アタランタとトップ4のライバル相手に一度もネットを揺らせていない。そのため、ファイナル進出を懸けたこの重要な一戦ではEL10試合連続ゴールを達成し、勝負強さを発揮したい。

◆シャフタール:FWジュニオール・モラエス
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シャフタールの注目プレーヤーは頼れるエースストライカーだ。ブラジル屈指の名門サントス出身のモラエスは、東欧のクラブを渡り歩き、2018年夏にシャフタールに加入。176cmと上背はないものの、動き出しとポジショニングセンス、多彩なフィニッシュワークを兼ね備えた万能型ストライカーは、今シーズンの国内リーグでは20ゴール8アシストの見事な数字を残し、2年連続のリーグ得点王に輝いている。また、ELでも好調を維持しており、前述のルカクには劣るものの、3試合連続を含む4ゴールを挙げている。

対戦相手のインテルは守護神ハンダノビッチを含め、世界屈指の守備陣を揃えており、攻略は決して簡単ではないが、タイソン、マルロス、パトリックとブラジル出身カルテットで奏でる即興性の高い崩しは十分に通用するはずだ。その中で33歳のベテランFWの決定力が、勝利の鍵を握る。

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