もう総仕上げの時期なんだけど…/原ゆみこのマドリッド

2020.06.07 19:30 Sun
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©Atlético de Madrid
「ちょっと怠け気味かもしれない」そんな風に私が眉をしかめていたのは土曜日、アトレティコが週末2日間を練習休みにしたのを知った時のことでした。いやあ、リーガの各クラブが活動を再開して早4週間が経過。今週はいよいよチーム全員揃ってのセッションも可能となり、いよいよ来週末の試合に向けて、どこもラストスパートに入ったはずなんですけどね。来週日曜の対戦相手、アスレティックも土曜にはサン・マメスで秘密特訓をしている中、これまでシメオネ監督が欠かさず続けてきた水曜定休に加え、土日も休養日にするって、一体どういう余裕なのでしょう。

まあ、どちらにしろ、この新型コロナウィルス流行によるparon(パロン/リーガの中断期間)後のプレシーズン練習はかなり特殊で、足慣らしの親善試合もまったくありませんからね。それどころか、いきなり実戦に突入した後は週末、ミッドウィークと怒涛の展開となり、11節を7月19日までに一気に消化。幸い国内の感染状況も収まってきたため、リーガ再開の計画段階で言われていた事前1週間の合宿や、終了までの1カ月半ぶっ続けという長期合宿の案はいつの間にか、立ち消えになっていたんですが、もしや一旦始まると、選手たちもおいおい休めないとあっての温情だった?

だってえ、お隣のレアル・マドリーなどはこの土曜、来週日曜午後7時30分からのエイバル戦を想定して、同じ時刻にエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノで紅白戦をやっていたんですよ。ええ、試合が中断したのを利用して、3月から絶賛改装工事中のサンティアゴ・ベルナベウについてはどうやら、スタンドにファンを入れての興行が可能となるのは早くても10月だろうとクラブは計算。今季終了までの5試合はバルデベバス(バラハス空港の近く)の敷地内にあるRMカスティージャのホームで開催することにしたため、あまりここのピッチに慣れてない選手たちにそびえ立つスタンドに遮られない夕方の日差しや、TV中継に備えて増強した照明、この時間帯の暑さなどを体験させる必要があったんだと思いますけどね。

金曜にはフットバレーを楽しんだマドリーではもう、負傷で欠けているメンバーは練習再開前、自宅で踵を骨折したヨビッチだけ。3月にダラスで受けた足首の手術から完全回復したアザールなども早速、partidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)でgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を披露していましたし、チーム全員が首位バルサとの勝ち点2差を引っくり返し、3年ぶりのリーガ優勝をゲットしてやろうと意欲満々なのは、ファンにとっても喜ばしい限りかと。

一方、アトレティコより勝ち点1多くて、5位にいる弟分のヘタフェも土曜にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスの近くにある練習場でミッチリとトレーニング。こちらは火曜からマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でキャンプを張っているグラナダと来週金曜に対戦とあって、アルバセテとの中断試合の後半部分を火曜に繰り上げられたラージョ程ではなくとも、他より早く準備しないといけないんですが、今頃になって、30代FWトリオの一角、マタが累積警告で出場停止になることが発覚するとは!いやまあ、ホルヘ・モリーナもアンヘルも健在ですし、3カ月近く間が空いたおかげで、ヘタフェも負傷者が一人もいなくなったんですけどね。

同様に2年間の長きに渡って、苦しんできたヒザのケガの最終リハビリをしているシマノフスキ以外、今週はタリンとルイバルも練習に復帰したお隣さんのレガネスも土日返上でセッションを開催。木曜に続いて、日曜にも試合開始時間に近い午後7時にブタルケで来週土曜のバジャドリー戦に向けたリハーサルをするんですが、意外だったのはここ数日、来週からスペイン全土の70%近くが警戒事態緩和フェーズ3に移行することが決まったのを受け、2部のラス・パルマス、オビエド、サラゴサ、そして1部でも最下位のエスパニョールがスタジアムの収容人員3割の観客を入れることを要請。

いやまあ、バルセロナはマドリッドと一緒でやっとフェーズ2になるんですが、この段階でも闘牛場などは人数を制限しつつ、観客が入れるみたいですし、とにかく1部残留を争っているチームにとっては、ファンの応援があるとないのでは大違いですからね。当然、現在19位で残り11節に懸けているレガネスも4000人弱でもいいから、ブタルケのスタンドにサポーターを呼びたいんじゃないかと思いましたが、入場前の検温やソーシャルディスタンスを守った席配置などの面倒を嫌ったか、クラブは今季中、スタジアムの門戸をファンに開く気はないそう。

うーん、CSD(スポーツ上級委員会)のイレーネ・ロサノ委員長も感染第2波防止の方を重視、とりあえず最初の2節は全て無観客試合にするように言っていましたけどね。実際、金曜にスタジアムツアーを再開したものの、始めの2試合がアウェイ戦でワンダ・メトロポリターノには来週末まで戻って来ないせいか、アトレティコからはスタンド解放のかの字も聞こえてこないんですが、「Tiene que haber igualdad/ティエネ・ケ・アベール・イグアリダッド(公平であるべきだよ)。どこかのスタジアムにファンがいたら、他のとこにもいないとね」というコケの意見ももっともかと。

え、そのコケがラジオに話していたインタビューでは珍しく、独創的な発言もあったんじゃないかって?いやあ、私が驚かされたのは、「Si se suspende todo, este año somos campeones de la Champions/シー・セ・ススペンデ・トードー、エステ・アーニョ・ソモス・カンペオネス・デ・ラ・チャンピオンズ(もし打ち切りになったら、ウチは今季のCL王者さ)。だってボクシングみたいにボクらは現チャンピオンを倒したんだから」という意見で、いえ、確かにアトレティコは中断前、最後の試合となった、CL16強対決2ndレグでリバプールに勝利。

アンフィールドで2ゴールを挙げ、その直後に始まった自宅待機期間には、「通しては2回程、延長戦は3、4回見たかな。Cada vez que lo veo se me pone la piel de gallina/カーダ・ベス・ケ・ロ・ベオ・セ・メ・ポネ・ラ・ピエル・デ・ガジーナ(見る度に鳥肌が立つよ)」とマルコス・ジョレンテも言っていたように、昨年の6月1日にワンダでトロフィーを掲げ、プレミアリーグが今月半ばに再開次第、今季のリーグ優勝も決まりそうな相手を2連勝で退けるという、見事な試合ではありましたが、でもそんなのもう、3ケ月も昔のことですからね。

おまけにCL、ELは複数の国のチームが残っているため、大会の再開は全ての国でコロナによる国境封鎖が解け、自由に行き来できるようになってからが大前提。一応、8月に再開予定とは言われているものの、準々決勝以降を一発勝負にするエクスプレス方式を採用するのか、CL決勝予定地のイスタンブールから無観客試合では採算が取れないという文句が出ているのもあり、他の都市でファイナルフォー開催となるのか、まだ全然、予測がつかないんですよ。

もちろん、この水曜に今季限りでのアトレティコ退団を発表。同じアルゼンチン人でチームメートとしても一緒にプレー、2011年からは二人三脚で働いていたシメオネ監督の下を離れ、独り立ちする”モノ”・ブルゴス第2監督の「Me quiero retirar del Atlético siendo campeón/メ・キエロ・レティラール・デル・アトレティコ・シエンドー・カンペオン(チャンピオンになって、アトレティコから引退したい)。最後までCL優勝という夢を追い求めるよ」という野望が叶えられるなら、それに越したことはないんですけどね。

とはいえ、アトレティコが準々決勝進出を決める1日前にはメスタジャでの16強対決2ndレグが無観客で開催。1stレグ4-1の大敗に続き、3-4で連敗した上、相手アタランタのガスペリーニ監督がその試合中もコロナ感染の症状があったことを先日認め、その後、バレンシアのスタッフ、選手に何人も感染者が発生する結果になったなど、今季のCLはとにかく、イレギュラーなことが多すぎてねえ。

そんなシーズンにアトレティコが優勝しても、とりわけ通算13回のCL制覇歴を誇るお隣さんなどには鼻で笑われてしまうような気がしないではないんですが、まあそれはそれ。今はサウールも「Pensé muchas veces que no se acabaría esta Liga/ペンセ・ムーチャス・ベセス・ケ・ノー・セ・アカバリア・エスタ・リーガ(今季のリーガは最後までやらないんじゃないかと何度も考えた)」と告白していましたが、6位のまま、打ち切られるのは幸い回避。せっかく残り試合でクラブの最低目標である4位以上、来季のCL出場権獲得を果たすチャンスが巡ってきたのですから、ここはまずリーガに集中してもらわないと。

ちなみに今回のプレシーズン中にケガをしたジョアン・フェリックス、そしてコレアも金曜にはグラウンドでの個人練習を始めたアトレティコなんですが、アスレティック戦での先発メンバーはほぼ固まっているよう。GKオブラクにDF陣はトリピアー、サビッチ、ヒメネス、ロディ、前線はモラタとジエゴ・コスタ。中盤は不動のカンテラーノトリオ、コケ、サウール、トマスに加え、残り一席をコレア、ビトロ、カラスコ、レマル、エレーラで争っているのだとか。何せ、ここに来て、最初は来週日曜午後1時からとなっていたにも関わらず、ビルバオ(スペイン北部)の予想気温が26度と、あまり高くなかったせいか、いきなり午後2時キックオフに変更されていましたからね。それでも湿度が結構あるため、体感温度は30度近くになるそうですが、この再開リーガは天気予報によって、開始時間が移動するため、お気に入りのチームの試合生中継を楽しみにしているファンは小まめに情報をチェックしておいた方がいいですよ。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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近づいて来たのは優勝だけじゃない…/原ゆみこのマドリッド

「だんだん煮詰まってきたわね」そんな風に私が首を振っていたのは金曜日、この週末には結果の組み合わせ次第によって、エスパニョールの2部降格が決まるかもしれないという記事を読んだ時のことでした。いやあ、33節で彼らがレアル・ソシエダに負けた後、ピッチインタビューを受けたGKディエゴ・ロペスに向けられたマイクのカバーにLaLiga Smartbank(スペイン2部)のロゴが入っていたのは、単なる放送局のミスだと思うんですけどね。とはいえ、その最下位のエスパニョールとこの日曜に対戦するレガネスも彼らより、たった勝ち点1多いだけなんですよ。 ええ、火曜のセビージャ戦でもオリベル・トーレスの2発とムニルに決められ、人気のないブタルケのスタンドを背にしてはない力を振り絞ることもできず、0-3と負けてしまったマドリッドの弟分チームも現時点、残留ゾーン17位のセルタとの差は勝ち点9。このままだと、放っておいてもあと2試合でゲームオーバーとなるんですが、何せ、エン・ネシリの恩返しゴールこそ防いだとはいえ、2月にブライトワイテがバルサに特例移籍で行ってしまった後、唯一、得点が期待できるFWだったオスカルがカリージョと共にグラナダ戦で負傷。どちらも今季絶望となっているため、もうホントにタイタニック状態なんですが、金曜には1つだけいいニュースが。 それは2017年12月のデポルティボ戦での負傷以来、恥骨やハムストリングの手術を受け、ようやく完治した昨夏、2部の弟分アルコルコンとの親善試合で右ヒザのじん帯を断裂。新型コロナウィルス流行によるparon(パロン/リーガの中断期間)を経て、ミニプレシーズンで体調を整えてきたキャプテンのシマノフスキがようやく出場できるようになったと、アギーレ監督がビデオ記者会見で告げていたことなんですよ。ええ、先日はビジャレアルのブルーノ・ソリアーノも3年近くのブランクを乗り越えて復活していましたし、シマノフスキもチームが1部にいる間に戻って来られるのは不幸中の幸いだった? いえ、もちろん当人は数字的に確定するまでは1部残留に死力を尽くす心積りでしょうけどね。ロケ・メサも出場停止となるエスパニョール戦、そして次の16位エイバルとの試合と2連勝できれば、少しはパノラマも違ってくるかもしれませんが、何せその先がねえ。セラデス監督の緊急解任により、チーム付き役員のボロ氏が暫定監督として、6度目となる出動をしているバレンシアはともかく、アスレティック、そして最終戦が兄貴分のレアル・マドリーとなると、もうその頃には上位陣の順位が確定していることを祈るぐらいしか、私もできないんですが…。 ちなみに今週はまず、そのレガネスと同じ火曜にアトレティコがバルサに挑んだんですが、妙にアクシデントが多い試合でしたね。だってえ、前半12分にはその直前、メッシのFKをクリアしたジエゴ・コスタが今度は同選手のCKをクリアしようとしたところ、ボールが太ももに当たってオウンゴールに。そんな不運にもめげず、その日は前線にコスタだけでなく、このところFW稼業に目覚めたマルコス・ジョレンテ、コレア、カラスコと、シメオネ監督にしては珍しく4人もアタッカーを並べていた甲斐があったか、18分にはエリア内に入り込んだカラスコをアルトゥーロ・ビダルが倒し、アトレティコはPKをゲット。ところが、先制点献上の汚名払拭とばかり、コスタが蹴ったPKがGKテア・シュテーゲンに弾かれてしまったとなれば、もうどうしたいいものやら。 でも大丈夫だったんですよ。ええ、その時はVAR(ビデオ審判)が、コスタが蹴る前にテア・シュテーゲンの足がゴールラインから離れていたことを発見。やり直しを命じてくれたため、今度は先輩のコケが出場停止、マドリッドでお留守番している中、一番古株のカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)であるサウールがキッカーに。1月にサウジアラビアで行われたお隣さんとのスペイン・スーパーカップ決勝でのPK戦で1番手を務め、見事に失敗するという黒歴史を乗り越えて、同点ゴールを決めてくれたから、助かったの何のって。 その後はハーフタイム近くにメッシのFKをGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)で防ぐなんてこともあったんですが、1-1だったスコアは後半5分に再び動きます。ええ、今度はサビッチの出場停止により、折よく負傷も治って、再開後、初先発をしていたCBフェリペがセメドをエリア内で倒してペナルティ。こちらは定番通り、メッシが決めて、自身のバルサ700得点目を祝っていましたが、まさか18分にはそのセメドが律儀にもお返しをしてくれるとは!ええ、それは後でシメオネ監督も「Está volviendo a su mejor versión, a la de su primera etapa/エスタ・ボルビエンドー・ア・ス・メホール・ベルシオン、・アラ・デ・ス・プリメーラ・エタパ(彼自身のより良いバージョン、最初の在籍時の状態に戻りつつある)」と褒めていた選手のおかげでした。 1月に中国の大連一方からレンタルで戻って来たカラスコが、またしても敵ゴールを目指してドリブル。後ろからセメドの足が触れて倒れたところ、この日の審判は太っ腹ですねえ。こちらもPKに取ってくれたため、サウールがリピートして、再度アトレティコは同点に追いつくことに。ただその後は両者共々、決勝点を挙げることができず、更に昨夏、契約解除金1憶2000万ユーロ(約145億円)で河岸を変えたグリーズマンをセティエン監督が後半丸々近く、ピッチサイドでアップさせた挙句、後半ロスタイム入り直前で入れたりしたものですから、いやまあ、一番はこれまで16試合で5分け11敗と、リーガのバルサ戦で1勝もしていないシメオネ監督が今回も初白星を手に入れることができなかったせいなんでしょうけどね。 2-2という結果に世間はアトレティコがお隣さんの優勝を後押しすることになったこと、これで3連続引き分けとなったバルサのセティエン監督と選手たちのフィーリングのなさ、更には鳴り物入りの補強だったはずのグリーズマンの不遇ぶりなどの方に注目していたんですが、いやまあ。3位のアトレティコは、レガネスに4位セビージャが勝ってもまだ勝ち点差2、CL圏外5位のビジャレアルとは5差あったため、とりたてて騒ぐ必要もなかったってことでしょうか。 そして1日おいた木曜日、バルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノにもう1つの弟分、ヘタフェを迎えたマドリーはというと。実はこちらも試合を決定づけたのはペナルティで、いえ、これまでリーガの3強には14試合2分け12敗と1勝もしておらず、マドリー戦でもパッとしたところを見たことがないボルダラス監督のチームはかなり善戦したんですけどね。通常ならツートップにするところをマタ1人にして、中盤を厚くしながら、とりわけ32分に頭に喰らったbalonazo(バロナソ/ボール直撃)のせいで気分が悪くなったバランがミリトンに代わった前半など、むしろ押していたぐらいだったんですが…まさか殊勲のスコアレスドローも見えてきた後半34分、オリベイラがカルバハルをエリア内で倒してしまうとは! もうその頃にはジダン監督も先発したビニシウス、イスコ、モドリッチをアセンシオ、ロドリゴ、バルベルデに一斉交代していたんですけどね。しかも前半にはそのカルバハルがオリベイラにペナルティ疑惑のあるファールをしていたとなれば、悔しさも一際かと思いますが、この日もそつなくPKを成功させ、ベンゼマに次ぐチーム堂々2位となる今季9本目を挙げたセルヒオ・ラモスには文句のつけようがありませんって。結局、その1点がモノを言い、ウーゴ・ドゥーロ、ホルヘ・モリーナ、ジェイソン、アンヘルらが入ったヘタフェも反撃に努めたものの、試合は0-1で終了。残念ながら、6位となって、4位のセビージャとの差も勝ち点5に開いてしまいましたっけ。 え、それでも木曜に2年間、レンタル移籍先のドルトムントで大活躍したマルチSBのアクラフがインテルに4000万ユーロ(約48億円)で売却となり、来季もレギュラーの座が安泰となったカルバハルもが「El Getafe ha hecho un partido muy complete/エル・ヘタフェ・ア・エッチョー・ウン・パルティードー・ムイ・コンプレトー(ヘタフェはとても完璧な試合をやった)。ウチに最も困難を与えたチームの1つだよ」と認めていたように、このレベルのプレーができれば彼らもまだ、クラブ史上初のCLデビューを諦める必要はないんじゃないかって? そうですね、ちなみに今もナチョが負傷中で、控え不在のポジションをカバーするには最適だった人材をマドリーが放出した理由は、ジダン監督によると「Aquí está la parte económica y la deportiva/アキ・エスタ・ラ・パルテ・エコノミカ・イ・ラ・デポルティバ(ここには経済的とスポーツ的な部分がある)」とのことなんですが、ヘタフェも6月末でレンタル契約が終わるケネディとデイベルソンを引き留めることができず。こちらもやはり「un tema económico/ウナ・テーマ・エコノミコ(経済的な課題)」(ボルダラス監督)だったため、やや攻撃力が削がれた面はありますが、何にしろ、夢は大きく持った方がいいですからね。 そんなヘタフェはこの週末、すでに残留確定がほぼ確実となっているオサスナとエル・サダルで対戦。一方、この勝利でいよいよバルサとの差が勝ち点4に拡大、このままだと37節には優勝の決まるマドリーも同じ日曜午後2時(日本時間午後9時)から、サン・マメスでのアウェイ戦なんですが、とにかくリーガ再開後は破竹の6連勝中ですからね。コパ・デル・レイ決勝を来年に延期したため、コパ優勝によるEL出場権獲得を諦めながら、リーガ7位に回ったその権利を奇しくもその決勝の相手でもあるレアル・ソシエダと争っているアスレティックとはいえ、今回はヘタフェも兄貴分の援護射撃を期待してもいいんじゃないでしょうか。 そしてこの連日、試合がある再開リーガの恐ろしさというか、もう金曜にはアトレティコが34節トップバッターとして、ワンダ・メトロポリターノでマジョルカと戦っているんですが、いやあ、カンプ・ノウでは相当自信をつけたんでしょうか。前半から積極的に攻めた彼らは26分、この日のCFを務めたモラタがサドラルに倒され、PKをゲット。いやまあ、ここは先日のコスタ同様、キッカーに立ったモラタも最初、GKレイナに止められ、跳ね返りも敵DFにクリアされてしまったんですけどね。デジャブのごとく、またしてもVARからやり直しの指示が届くとは! この日の理由はモラタが蹴る前にペナルティエリアに選手が入ってしまったからだそうですが、コスタと違い、2度目のPKトライにサウールの手を借りなかった当人はかなり意地っ張り?幸い、今度はゴールが決まって、アトレティコの先制点となったものの、本当に安心できたのは前半ロスタイムで、ええ、ジョレンテがエリア内右から出したラストパスをモラタがゴール前で2点目にしてくれた時のことでしたっけ。 後半はマジョルカが攻勢に出て、久保建英選手をカバーしていた左SBのカンテラーノ、マヌ・サンチェスもかなり苦労していたんですが、残念ながら、得点までには至らず。そうこうする間に頻繁に敵エリアに近づいていたアトレティコは、コケが中途半端にクリアされたボールに駆けつけてシュートしたところ、ライージョに当たって3点目となってくれるんですから、まったくラッキーなこともあるもんです。 おかげで3-0という快勝で4位とは勝ち点5差、5位とも8差と、いよいよ3位フィニッシュに近づいた彼らですが、ちょっと気掛かりなのは、いえ、後半、モラタと交代したコスタにはツキがなく、カンプ・ノウでのリベンジができなかったのはまだいいんですけどね。むしろ、この日は先発に選ばれたジョアン・フェリックスのシュート照準が相変わらず狂っていることの方で、後半早々、引き上げさせられた際には彼もかなり怒っていたようなんですが、まあまだ20才と若い選手ですからね。 ここは来週火曜のセルタ戦での挽回を期待することにして、やはり大変そうなのはレガネスとは勝ち点差4あるものの、降格圏の末席18位にいるマジョルカ。いえ、久保選手などは試合後のピッチインタビューで、「17位のセルタとは5差だから、もしボクらが残り4試合全てに勝てば、残留の可能性はかなりある」と気丈に答えていたものの、現実的には相当に厳しいかと。一応、次節ではアトレティコもお手伝いできるとはいえ、その前、土曜のベティス戦でセルタが勝ってしまったりすると、レガネスやエスパニョールみたいな諦めモードが漂ってくるかもしれません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.04 16:20 Sat
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そして連日リーガは続く…/原ゆみこのマドリッド

「あまりに目まぐるしいっちゃない」そんな風に私が溜息をついていたのは木曜日、久々にマドリッド勢の試合が途切れた夜のことでした。いやあ、セビージャとベティスのアンダルシアダービーからリーガが再開して早2週間、すでに4節消化ともなると、新型コロナウィルス流行によるparon(パロン/リーガの中断期間)で3カ月余り氷ついていた順位表も結構、様変わりしているんですけどね。一番は3月には宿敵バルサに勝ち点差2をつけられ、2位の座に甘んじていたレアル・マドリーがポイント数は同じながら、堂々の首位に返り咲いたことですが、その下のCL、EL出場圏順位にも結構、動きが生じることに。 その最たる例はアウェイでの不成績が祟り、弟分のヘタフェの1つ下、6位の座に甘んじていたアトレティコで、5月初旬から始まったミニプレシーズンにはクラブ幹部から相当、ハッパをかけられていたんでしょうね。CLとELでは収入が1憶ユーロ(約121億円)程、上下するため、給料カットや放出の脅しまであったかどうかは知りませんが、たったの4試合でセビージャまで抜いて、ちゃっちゃと順位をここ近年の定位置、3位まで戻しているとなれば、同じ5位で足踏みしている後輩とはやっぱりどこか覚悟が違う? え、だからって別にアトレティコが上位2チームに追いついて、優勝戦線に復帰なんてことはありえないんだろうって?まあ、それはその通りで中断前の首位との差は勝ち点13、再開4試合後もやっぱり13のままと、あちらは天上の彼方、otra liga(オトラ・リーガ/別のリーガ)にいますからね。彼らが残り7試合全勝したとて、お隣さんだけでなく、バルサも一緒に5試合も負けるなんてこと、とても考えられないため、そんな高望みをしているアトレティコファンはいないんですが、むしろ最近の懸念は再開後、まだ1勝も挙げられず、リズムに乗れない弟分たちの方でしょうか。 実際、前節は火曜の午後7時半から揃ってアウェイ戦に挑んだアトレティコとヘタフェだったんですが、結果は明暗を分けることに。ちなみにマドリー同様、レバンテもコロナ禍最盛期にCSD(スポーツ上級委員会)やラ・リーガに今季いっぱいは無観客試合と通告されたため、シュタット・デ・バレンシアの大型改装工事を開始。残りのホームゲームをバレンシア(スペイン南部のビーチリゾート都市)から100キロ離れたラ・ヌシアにある2部Bチームのスタジアムで開催することに。そこで前日から乗り込んで、初めて経験するピッチに備えたアトレティコだったんですが、この日は第2FWとして入ったマルコス・ジョレンテが序盤から大活躍してくれます。 ええ、2度もエリア内右奥まで切り込み、GKアイトール・フェルナンデスの手を煩わせていたんですが、その猛攻が実って、15分に入った先制点でも彼は決定的な役割を果たしたんですよ。コケが短いFKを出して始まったプレーでは、トマスのエリア外シュートは敵の壁に弾かれたものの、アリアスからのスルーパスをジョレンテがコントロール。今度はGKをかわして横にボールを送り、ゴール前にいたジエゴ・コスタだか、その前で守っていたブルーノだかの足に当たってゴールになってくれるんですから、この急造アタッカーの有能なことと言ったら、もう! いやあ、その劇的な出世ぶりには、「Hay vacile por mi posición, no por quién juegue/アイ・バシレ・ポル・ミ・ポシシオン、ノー・ポル・キエン・フエゲ(ポジションでからかわれることはあるよ。誰がプレーするかじゃなくてね)。だって、守備的ボランチのボクがFWやるんだから」とジョレンテは笑っていましたが、長らく実践しているパレオダイエット(旧石器時代の自然食)だけでなく、最近はHogo社製の特性エネルギー回復ベッド(3万5000ユーロ/約430万円)を購入。3カ月のconfinamiento(コンフィナミエント/外出禁止)期間中も当人は更なるフィジカル能力強化に努めたようなんですけどね。 実際、熱心にトレーニングしていたのは確かで、シメオネ監督も「練習ぶりを評価して、リバプール戦から前線に置くことにした。Al final la gente que trabaja siempre tiene premio/アル・フィナル・ラ・ヘンテ・ケ・トラバハ・シエンプレ・ティエネ・プレミオ(最後は働く者が常に賞金を得る)」と話していましたが、もしやそのジョレンテの資質にもう少し早く気がついていたら、リーガの状況も変わっていた?だってえ、今季のアトレティコが首位戦線から早々に脱落したのは首のヘルニア手術で長期戦線離脱があったコスタにしろ、モラタ、コレア、スター候補として獲得したジョアン・フェリックスまで、なかなかゴールが決まらず、得点力不足にかなり酷いところがあったせいなんですよ。 それを思うとちょっと悔しい気もしますが、後半はトマスのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)もコスタのオフサイドで認められず、そのコスタのヘッド、コケがフリーで撃ったシュートも枠を外れ、追加点は奪えず。それでもバルディやマジョラルが絶好の好機に同点弾を挙げられなかったため、「Estábamos jugando ante un equipo que eliminó al campéon de Europa/エスタバモス・フガンドー・アンテ・ウン・エキポ・ケ・エリミノ・アル・カンペオン・デ・エウロッパ(ウチはヨーロッパ王者を敗退させたチーム相手に戦ったんだ)」というパコ・ロペス監督の諦めの言葉が示す通り、そのまま0-1でアトレティコの勝利です。 おかげで再開後、ヨーロッパの大会出場権獲得に向けて猛ラッシュをかけてきたビジャレアルと引分けた4位セビージャに勝ち点2差をつけ、シメオネ監督も「世界一のクラブであるリバプールを破った後、tenía claro que el equipo iba a competir como lo está haciendo/テニア・クラーロ・ケ・エル・エキポ・イバ・ア・コンペティル・コモ・ロ・エスタ・アシエンドー(チームは今やっているように競うだろうことを確信していた)」と胸を張れたんですが、木曜の夜にはそのアトレティコがCL16強対決で連勝したチーム、とうとうプレミアリーグ優勝も決めていましましたからね。その横でまたしてもヘタフェが同じ轍を踏んでいるんですから、困ったもんじゃありません。 いや、最近はマドリッドの街もかなり平常状態に近づいてきたんですが、まだバル(スペインの喫茶店兼バー)で2時間、座っているのは怖い気もして、リーガ再開後に契約したインターネット中継を自分のPCで見ている私はウィンドウを2つ開けて、文字通り、両方の試合を並列観戦していたんですけどね。正直、頭がこんがらがるため、あまりお勧めはしませんが、ホセ・ソリージャでバジャドリー戦だった彼らも兄貴分よりはかなり遅れたものの、前半40分にスローインから、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のウーゴ・ドゥーロがゴール前でアルカラスに潰されている間にマタが撃ち込み、先制点をゲット。 ところがロスタイム5分にはハイボールを争った時にジェネがウナルの頭を叩いたと、ペナルティを取られてしまったから、さあ大変!ウナルが自身で蹴ったPKで同点って、うーん、そのプレーを見る限り、「los gritos de los jugadores, sin afición en el campo, son inusuales, y se exagera mucho todo/ロス・グリトス・デ・ロス・フガドーレス、シン・アフィシオン・エン・エル・カンポ、ソン・インウスアレス、イ・セ・エクサヘラ・ムーチョ・トードー(スタジアムにファンがいない中、選手の叫び声が聞こえるのはあまりないことだから、何でも誇張している)」というボルダラス監督の文句も結構、的を得ているような。 ただ、ヘタフェには決勝点を挙げる時間は後半丸々あったにも関わらず、ホルヘ・モリーナ、アンヘルも投入し、30代FWトリオ揃い踏みでもゴールが入らないのではねえ。結局、1-1で終わり、スコアレスドローだったエスパニョール戦以外、グラナダには逆転負け、エイバルにも追いつかれ、4試合3分け1敗でまだ白星が掴めないとなると、やはりレンタル契約が6月末で終わるデイベルソン、ケネディの繰り上げ退団はちょっと早計に過ぎたかも。何せ月曜の次節は、こちらも1分け3敗と再スタートに失敗して、今は7位に落ちてしまったとはいえ、中断前は4位を張っていたレアル・ソシエダをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えないといけませんからね。 その後の木曜にもバルデベバス(バラハス空港の近く)のエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノに兄貴分のマドリーを訪ねなければならないため、現在勝ち点4差となったCL出場圏入りをヘタフェが再び狙うのはかなり難しくなったと言えなくもありませんが、大丈夫。たった4節でこれだけ変わるってことは、次の4節でも同じ可能性があるってことですから、まだまだ諦める必要はありませんって。 一方、アトレティコの次節は土曜午後10時(日本時間翌午前5時)から、ワンダ・メトロポリターノでのアラベス戦。水曜にはリーガ再開後、初めてディオフをもらった彼らの翌日の練習ではちょっと、不思議なテーブルサッカーなんかも見られたんですが、ようやくフェリペもケガが治って合流。オサスナに0-5のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見舞ったのも何かの夢だったか、再び1-0勝利の定番に戻ったチームには、これって朗報ですよね。 そして同じ火曜にバルサがアスレティックをラキティッチのゴールで1-0と下した後、水曜にマジョルカ戦を迎えたマドリーはどうだったかというと。いやあ、毎回、彼らが徒歩でスタジアム入りする映像を見ると、本当に職住接近で羨ましくなるんですが、この日のジダン監督はアザールとビニシウスをスタメンで一緒に使うため、いつもの4-3-3のシステムを4-2-3-1に変更。ベンゼマがトップ、右サイドにはベイル、アザールをトップ下に起用していましたが、お気に入りの左サイドで見事に期待に応えたのが、来月には20才になるブラジル人FWでした。 ええ、前半18分にはモドリッチが周りの喧騒に関わらず、エリア内左でゆったり短く出した、ベテランならではのスルーパスをvaselina(バセリーナ/ループシュート)。GKレイナの頭の上を越えて先制点を決めたとなれば、もう誰も彼の決定力不足を笑ったりはしない?23分にも今度はベンゼマからボールをもらって、同じようにフィニッシュしていましたが、残念ながら、こちらはゴールバーを直撃。でもねえ、実は今回もマドリーの得点にはイチャモンがついていて、それにはモドリッチがボールを受ける前、センターライン近くでドリブルするダニ・ロドリゲスから、カルバハルがボールを奪ったプレーがファールだった疑いがあったから。 うーん、結局、その点に関してはVAR(ビデオ審判)でもスルーされてしまったため、またしてもカタルーニャメディアがマドリーびいきのジャッジだと、声高に批判することになったんですけどね。それでも後半12分、直接FKをセルヒオ・ラモスが見事に決め、最後は2-0の勝利ですからね。となれば、ピッチインタビューでラモスが、「マドリーがあれこれ言われるのは普通のこと。Se genera porque estamos líderes, antes no se hablaba tanto/セ・ヘネラ・ポルケ・エスタモス・リデレス、アンテス・ノー・セ・アブラバ・タント(そういうのが起きるのはウチが首位だから。その前はそんなに言われなかったよ)」と余裕を見せていたのも当然だったかと。 何せ、試合前にはジダン監督も「Mejor si se queda en casa/メホール・シー・セ・ケダ・エン・カサ(家にいてくれた方がいい)」と警戒していたマドリーからレンタル中の19才、久保建英選手の好プレーはあったものの、マジョルカはエースのブドミルが決められず、一番注目を浴びていたのが、15才219日のリーガ最年少デビュー記録を作ったルカ・ロメロでしたからね。木曜にはエスパニョールもベティスに1-0で負けたため、結局、もう1つの弟分レガネスを含む降格圏3チームは皆黒星で足並みを揃えたんですが…いや、問題は16位に上がったセルタ、17位の残留ラインのエイバルが勝って、マジョルカとは勝ち点6、レガネスとは7も開いてしまったことの方ですよね。 そして今週末、来季の続投はないとの報道があったアギーレ監督がそれは事実無根と完全否定したものの、月曜のグラナダ戦でカリージョとオスカルが負傷。FWがゲレーロとアサレだけになり、ますます暗雲が立ち込めるレガネスは土曜にオサスナとアウェイで対戦し、マドリーは日曜午後10時にエスパニョール戦と再び、降格圏のライバル相手に援護射撃ということになるんですが、今度は出場停止だったカセミロも戻りますからね。1週間前にハムストリングのケガで全治3週間と言われたイスコも超特急回復して、マジョルカ戦に途中出場していますし、再開後から4連勝している彼らの快進撃は今しばらく続くんじゃないでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.06.27 10:00 Sat
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吉凶が分かれてしまった…/原ゆみこのマドリッド

「一体、何考えているんだか」そんな風に私が呆れていたのは月曜日、マドリッドの弟分ヘタフェのケネディとデイベルソンが6月末で終わるレンタル契約を延長せず、クラブもそれぞれチェルシーとパルメイラスに対し、買い取りオプションを行使しないことにしたため、もう今季の試合に出ずにチームを離れるという記事をマルカ(スポーツ紙)で見つけた時のことでした。いやあ、先日、契約満了となるアントゥネスが退団すると聞いた時には33歳のベテランですし、長期負傷をして以来、あまり出番に恵まれず、オリベイラとククレジャ、ニヨムもいて不自由していない左SBの選手だけに仕方ないかなという感じはしたんですけどね。 それがアタッカーの2人なると、何せ新型コロナウィルス流行によるparon(パロン/リーガの中断期間)が終わった後、再開してからの3試合を2分1敗と、3月までの快進撃をどこかに置き忘れてしまったようなチームですからね。ボルダラス監督は「結果を出していないのはウチだけじゃない。例えば、レアル・ソシエダなんて、再開後の勝ち点は私たちより1少ないのに、parece que el equipo que no se está adaptando es el Getafe/パレセ・ケ・エル・エキポ・ケ・ノー・セ・エスタ・アダプタンドー・エス・エル・ヘタフェ(ヘタフェが適応できていないように見られる)」と反論していましたが、いや、中断前、4位だったチームは1分け2敗で勝ち点1というだけですし、あまり低次元な比較はしないでほしいかと。 実際、デイベルソンは初戦のグラナダ戦に先発、ケネディは3試合に途中出場しただけなんですが、2カ月間のconfinaiento(コンフィナミエントー/外出禁止令)による自宅トレの後、約1カ月間の厳しいプレシーズン練習をこなしながら、あとはもういいよというのもねえ。だってえ、幸いヘタフェはまだ5位のままとはいえ、クラブ史上初のCL出場という夢を叶えるための4位まで、いつの間にか、勝ち点差4がついているんですよ。 この先、リーガではまだレアル・ソシエダとの直接対決、そして兄貴分のレアル・マドリー、アトレティコとの難しい対戦が控えている上、先週UEFAの会合で再開予定が出たELでも1stレグが延期された16強対決、インテル戦が中立地のドイツで8月5or6日に一発勝負で開催されるとか。それがわかっていながら、戦力を削っているなんて、とうとうこの月曜にはスペイン全土で解除されたEstado de Alarma/エスタードー・デ・アラルマ(警戒事態)中、唯一、ERTE(不況時の雇用調整法)や選手の給料カットをしないクラブであることをアンヘル・トーレス会長は自慢していたものの、財政の内実は結構、厳しかった? いやまあ、ここで前節のヘタフェの試合を伝えておくことにすると、土曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスでエイバルと戦った彼らは前半30分、ククレジャのクロスをアンヘルがエリア内で繋ぎ、エテボがゴール前から撃ち込んで先制。そこまでは良かったんですが、なかなか追加点が取れずにいるうち、ハーフタイム直前にはFKから、エンリッチ、チャルレスと連続ヘッドで同点に追いつかれてしまうのですから、まったく中断前の堅守はどこへ行ってしまったのやら。 幸い、後半40分に再び、FKからビガスのヘッドがGKダビド・ソリアを破った際にはVAR(ビデオ審判)がヘルプ、オフサイドを取ってくれたため、試合は1-1の引き分けで終了。先制しながら、逆転負けを喰らったグラナダ戦の二の舞は避けられましたが、その次のエスパニョール戦でも前半早い時間から、相手が退場者を出して10人になったのを利用できず、勝利のゴールを誰も挙げてくれませんでしたからね。前述の2人に加え、エテボ、カバコも負傷欠場となるヘタフェの31節は火曜にバジャドリーとのアウェイ戦。降格圏まで勝ち点差7と程々に余裕のあるチーム相手ですが、結構しぶといのは土曜の遅い時間、ワンダ・メトロポリターノで戦った兄貴分が証明してくれています。 そう、100日以上ぶりにホームに戻ったアトレティコでしたが、連戦3試合目ともあって、シメオネ監督はローテーションを実施。皆勤常連のコケ、サウール、ロディ、そしてジエゴ・コスタとサビッチをベンチスタートにしていましたが、おかげでキックオフ前に余裕があったんですかね。ビセンテ・カルデロン時代から、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)側のコーナーには長年のファンであるマルガリータさんが毎試合、1996年のdoblete(ドブレテ/リーガとコパ・デル・レイの2冠のこと)達成時、セットプレーのキッカーとして数々のゴールに貢献したヒーロー、パンティッチを称えるための花束を置いているんですが、今は観客を入れられないため、もちろん彼女もワンダに来ることはできず。 そこでキャプテンのコケが代わりに花束を置く役を仰せつかったんですが、携帯でマルガリータさんに指示を受けていたのはともかく、まさか「これで運が向いて勝てますように。Y metemos un gol del balon parado/イ・メテモス・ウン・ゴル・デル・バロン・バラードー(セットプレーでゴールを入れるよ)」という彼の言葉がまさか、現実になるとは! ただ、ベンチには4月に亡くなったアンティッチ監督の、スタンドにもペイロ、ジョーンズ、カポンら、この中断期間中に他界したアトレティコOBの名を記したユニフォームを飾り、コロナ禍の犠牲となった大勢のソシオ(協賛会員)のユニも各人のシートに用意。イムノ(クラブ歌)のバイオリン生演奏を聴きながら、選手たちが黙祷を捧げた後、ゴールが入るまではかなり辛抱の時間があって、開始3分にはワルドの強烈シュートをGKオブラクがジャンピングセーブ、29分にもマテウスにフリーで撃たれ、枠スレスレを外れていくという、ヒヤリとさせられるシーンも。ジョアン・フェリックスのシュートも決まらず、前半が無得点で終わった時、「だからオサスナ戦で5点も取らないで、節約しておけば良かったのよ」と呟いていたのはきっと、私だけではなかったかと。 後半になると、リーガ再開後の新機軸、5人交代枠をいたく気にいったようなシメオネ監督は11分から、早速フレッシュな戦力を投入。まずはエレーラとレマルをコケとカラスコに、続いてジョアンとモラタをコレアとコスタに、そして最後にマルコス・ジョレンテをビトロへとチェンジします。すると35分、トマスの弾丸シュートはマシップに代わり、先発GKに抜擢されたカロにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたものの、それでゲットしたCKをコケがまさに自身が花束を置いたコーナーから蹴ったところ…カロがパンチングしたボールをビトロが1人、悠々とヘッド。オリバスがヘッドでクリアしたものの、その位置がすでにゴール内だったため、値千金の1点がスコアボードに挙がることに。 いやあ、これにはどうやら「Estábamos celebrando una parada/エスタバモス・セレブランドー・ウナ・パラダ(ウチはセーブを祝っていて)、うっかりマークが甘くなっていた」(セルヒオ監督)と、バジャドリーサイドの油断のおかげもあったようですけどね。少なくともTVで見る分には、局が挿入するイメージ音声の応援歌がずっと聞こえていて、大体、こういうじれったい展開はアトレティコの十八番ですし、何より今は「El mejor plan es ganar/エル・メホール・プラン・エス・ガナール(一番のプランは勝つこと)。そこから全てのビジョンが楽観的に、ポジティブになってくる」(シメオネ監督)のは本当ですからね。 再開後ホーム初戦を得意の1-0で勝利して、前節にようやく戻ったCL出場圏でもセビージャを抜いて3位に上昇してくれたため(月曜の31節でセビージャはビジャレアルと引分けて、また3位に)、ファンはかなり満足しているんじゃないかと思いますが、さて。アトレティコの次戦は火曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)からレバンテとのアウェイ戦。あまり得意な相手ではありませんが、パコ・ロペス監督のチームもシュタット・デ・バレンシアの改修工事のため、今季の残りは100キロ離れたアリカンテのラ・ヌシア(スペイン南部)にあるエスタディオ・オリンピコ・カミーロ・カロでプレー。前節はエスパニョールに勝って、勝ち点38と目標の1部残留にもかなり近づいてきたため、ゆったり構えてくれているとありがたいかと。ちなみに月曜には現地入りしたアトレティコではリハビリ中のベルサイコとフェリペ以外、負傷欠場も出場停止者もいません。 え、先週末、ランクアップを果たしたのはお隣さんも同じだろうって?その通りで、日曜にレアル・ソシエダに勝ったマドリーもアトレティコ同様、勝ち点でバルサに並び、直接対決の結果で首位に立ったんですが、実はその結果を招くことになった原因となる前節のセビージャvsバルサ戦のスコアレスドローの後から、彼らにはVAR判定でひいきされているんじゃないかという疑惑が投げかけられることに。 そのキッカケとなったのは、お馴染みのピケのお騒がせ発言で、いやまあ、当人もマスコミが深読みすることを知っていて、「Viendo las dos últimas jornadas será complicado que el Real Madrid pierda puntos/ビエンドー・ラス・ドス・ウルティマス・ホルナーダス・セラ・コンプリカードー・ケ・エル・レアル・マドリッド・ピエルダ・プントス(直近の2節を見ると、レアル・マドリーが勝ち点を取りこぼすのは難しいだろう)」とコメントしたんだと思うんですけどね。もちろん、ベルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノで行われたエイバル戦、バレンシア戦どちらにも、ホームチームに有利なオフサイドのVAR判定もあったりはしたんですが、いやあ。 その件に関しては、「ピッチ外で別の方法で戦うこともできるが、nosotros no lo hacemos porque somos el Madrid y sabemos de nuestra fuerza/ノソトロス・ノー・ロ・アセモス・ポルケ・ソモス・エル・マドリッド・イ・サベモス・デ・ヌエストラ・フエルサ(私たちはやらない。何故なら、ウチはマドリーで、自分たちの実力を知っているから)」とジダン監督が前日記者会見で一蹴していたのが、ファン的にはスカッとしましたが、やっぱり起きたんですよ。レアル・アレナでの一戦でもVARの有利判定が。 それはアザールをベンチ置き、久々にスタメンに入ったものの、やはりハメス・ロドリゲスは光らず、唯一、レアル・ソシエダの選手たちにパニックを巻き起こしていたビニシウスも決定力不足で、どちらのチームも無得点のまま始まった後半のことでした。5分にはゴール右前からまた、シュートが外れたんですが、審判は後ろからディエゴ・ジョレンテがビニシウスを倒したとして、PKを宣告してくれたから、ビックリしたの何のって。私的にもちょっと軽めな感じはしましたが、ここはセルヒオ・ラモスが決めて、マドリーが先制点をゲットします。 おまけに22分にはオジャルサバルと交代で出て来たヤヌザイがエリア外から放ったシュートが決まったんですが、GKクルトワの視界を遮る位置にいたミケル・メリーノがオフサイドだったとして、得点にならず。うーん、バレンシア戦でもマキシ・ゴメスがバランの前にいたため、ロドリゴのゴールが認められなかったんですけどね。こちらは「Entre el portero y yo había mucha distancia, tiene tiempo para ver la trayectoria del balón/エントレ・エル・ポルテーロ・イ・ジョ・アビア・ムーチャ・ディスタンシア、ティエネ・ティエンポ・パラ・ベル・ラ・トラジェクトリア・デル・バロン(GKとボクの間にはかなり距離があったから、ボールの軌道を見る時間はあったはず)」(メリーノ)状態でしたからね。 クルトワ自身もその後、ベルギー代表の同僚ヤヌザイに「邪魔された」と言っていたようですが、まあそれは彼の立場なら、そう主張するしかないので、ほっておくことにして。その3分後、バルベルデのクロスをゴール前でベンゼマがトラップしたのが肩だったか、腕だったかも議論の的になりました。何せ、ボールをコントロールした彼はいい位置まで移動して、チームの2点目を決めてしまいましたからね。VAR判定でハンドではないとされたんですが、それがなければ、38分にはミリーノが名誉挽回の1点を返していただけに、レアル・ソシエダもヘタフェと同じく、再開後の獲得勝ち点2となっていたはずですが…。 いや、だからってリーガ中断中に足首の長期負傷が治りながら、プレシーズン練習で左太ももを痛め、やっぱり今季絶望となってしまった元マドリーのイジャラメンディが試合後、ロッカールームへのトンネルで審判に「Sois un desastre/ソイス・ウン・デサストレ(あんたたちは災厄だ)」と悪態をつき、どうせ出られないため、結果は同じですが、出場停止処分2試合を喰らっていいってことにはなりませんけどね。ジダン監督も「皆が審判のことばかり話して、ウチがピッチで何もしなかったように思わるのは迷惑だ」と言っていたように、マドリーが3連勝したのは選手たちの頑張りに負うところも多かったかと。 実際、バルサだって、セビージャ戦で削られまくって怒ったメッシがディエゴ・カルロスをド突いてもイエローカードすら出なかったり、カンプ・ノウで弟分レガネスが彼を倒して献上したペナルティだって、怪しいと言えなくもないですしね。要は審判の解釈次第なんですが、いよいよマドリーが首位を守る立場となって挑む次戦は水曜午後10時(日本時間翌午前5時)からのマジョルカ戦。ええ、月曜にブタルケにグラナダを迎えたレガネスが後半、アサレが受けたペナルティで先制するチャンスを得たにも関わらず、前半カリージョのケガで急遽、途中出場したチーム唯一のゴールの持ち主、オスカルが筋肉痛でハーフタイムに交代。PKを蹴ったゲレーロがGKルイ・シウバに止められてしまい、結局0-0で勝ち点1しか稼げませんでしたしね。 ここはマジョルカ1部残留に尽力している久保建英選手には悪いんですが、自身のため、そしてセビージャからノリート緊急補強でアラベスに6-0と大勝、勢いに乗って16位に上がったセルタに代わり、17位の残留境界線となったエイバルと勝ち点差4ありながら、まだ決して諦めていない弟分のためにもマドリーには勝ってもらいたいところ。懸念はカセミロが累積警告で出場停止になること、レアル・ソシエダ戦で太ももに打撲を受けたラモスが回復するかどうかわからないこと、再開後2試合に先発したアザールが日曜に出番がなかっただけでなく、翌日も練習に参加しなかったことと、幾つかあるんですが、火曜にアスレティックと対戦するバルサ共々、目が離せないのは間違いありません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.06.23 20:00 Tue
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連続リーガがこうもせわしないとは…/原ゆみこのマドリッド

「これってズルだよね、やっぱり」そんな風に私が怒っていたのは金曜日、セビージャのノリトがセルタに特例移籍、この日曜のアラベス戦から出場できると知った時のことでした。いやあ、元凶は移籍市場クローズ中でも登録選手が長期負傷となった場合、リーガのチームからなら戦力補強していいというスペインのサッカー協会規則にあるんですけどね。でもセルタで今季絶望となったのはGKセルヒオだというのに、リーガ再開からの2試合で無得点、1分け1敗で終わり、1部残留を果たすために必要なゴールを補うため、アタッカーを獲るとはこれ如何に。 まあ、このケースは冬にエン・ネシリも加わって、攻撃陣にゆとりがあるため、セビージャが文句を言うことはなし。おまけにノリトも4年前、マンチェスター・シティに引き抜かれるまでプレーしていた古巣に戻れるとあって、すんなり話がまとまったようですが、同じ特例移籍でもマドリッドの弟分、レガネスなどは2月に契約解除金をポンと積まれ、デンベレの離脱を補いたいバルサになけなしのFW、ブライトワイテもさらわれてしまいましたからね。それだけで悲劇もいいところだったにも関わらず、残留を争う直接ライバルまでがそんな姑息な手を使うって、もしやアギーレ監督のチームも誰かが大ケガしていれば良かったとでも? うーん、私がどうも愚痴っぽくなってしまうのが、リーガ再開2試合目、火曜に彼らがカンプ・ノウで戦ったバルサ戦でも決定力不足が致命的で、だってえ、前半10分、13分とエン・ネシリの代わりとして、1月にレガネスに戻って来たゲレーロが絶好機で失敗。最初のシュートはレングレに防がれてしまい、2本目もゴールポストに当たって、千載一隅の先制チャンスをモノにできなかったんですよ。となれば、後は推して知るべしで、41分にはフィルポ・ジュニオールから受けたアンス・ファティをDF陣が止められず、1点を奪われるわ、後半もグリーズマンのゴールこそ、セメドのオフサイドで難を逃れたものの、23分にはドリブルで密集陣形を抜けようとしたメッシを最後はジョナタン・シウバが倒してペナルティ。 この金曜の降格争い天王山、マジョルカ戦でも終盤に今季4本目となる技ありのFKで同点ゴールを挙げ、今や正真正銘、チーム唯一の得点源と化したオスカルもその日は出場停止でいなかったとなれば、とても2点など返せる訳もなかったかと。これでバジャドリー戦に続いての連敗となったため、とうとうレガネスは最下位になってしまったんですが…いえ、それにはお隣さんの責任もあるんですよ。というのも同日、早い時間帯でエスパニョールをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えたもう1つの弟分、ヘタフェも再開後の初勝利を掴むことができず。それも前半16分にはダミアンの顔を叩いたベルナルドが一発退場となり、残り時間全てを数的優勢で戦いながら、1点すら取れずにスコアレスドローで終わるんですから、困ったもんじゃないですか。 うーん、後半には途中出場したアンヘルに2度、得点のチャンスがあったんですけどね。どちらもGKディエゴ・ロペスに弾かれてしまうとはツイていない。一方でこの冬、2部の弟分ラージョから、エスパニョールに移籍したエンバルバの1対1のシュートを防ぎ、少なくとも勝ち点1をチームがゲットするのに貢献したGKダビド・ソリアも「Si queremos estar arriba hay que puntuar de tres en tres/シー・ケレモス・エスタル・アリーバ・アイ・ケ・プントゥアル・デ・トレス・エントレス(上位にいたいなら、勝ち点3ずつ貯めていかないといけない)」と言っていましたが、苦境のお隣さんを助けるというのはともかく、クラブ史上初のCL出場権を狙うヘタフェとしては痛い足踏みだったかと。 そんな彼らの次戦は土曜日、再びコリセウムに今度は先日、兄貴分のレアル・マドリーのエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ初陣で3-1と敗れた後、2試合目のアスレティックとのダービーで2-2と引分け。まだ降格圏とは勝ち点3しか離れていないため、残留争いの渦中にあると言っていいエイバルを迎え、またしてもレガネスの援護射撃に挑むんですが、水曜にクラブはベテラン左SBのアントゥネスが契約終了に伴い、6月いっぱいでチームを離れることを発表。イプルアの試合で審判への抗議を聞き咎められ、退場させられたため、今回はベンチに座ることができないメンディリバル監督のチームにもオレジャナ、エスカランテといった、まだシーズン延長分の契約更改をしていない選手がいますし、6月末日が近づくにつれ、落ち着かなくなるクラブも出てきそうですよ。 そして水曜、28節のアスレティック戦に続き、また今季は14試合中3勝しかしていないエル・サダルでのアウェイ戦だったため、あまり期待しないで私が見ていたアトレティコはどうだったかというと。いやあ、それがCL出場権を争っている弟分の躓きを見事に利用するとは結構、えげつない。ええ、この日はジエゴ・コスタにジョアン・フェリックスとコレアをヘルプにつけたのが成功、前半29分にはロディのラストパスにサウールは方向を違え、オサスナのDFに弾かれてしまったものの、こぼれ球に詰めたジョアンが先制点を挙げてくれたから、有難かったの何のって。 おまけにサン・マメスでの試合には累積警告で出られなかった21才は後半にも、いえ、その前にゴール前で彼からもらった必殺パスに自身の反応が追いつかず、追加点のチャンスをフイにしていたコレアも反省したんですかね。11分にはコスタへ絶妙なスルーパスを送ったところ、ブラジル人FWが同じポルトガル語を話す後輩に太っ腹なところを披露。ゴール前でジョアンにパスして、アトレティコで初となるdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)をプレゼントしていましたが、もうその時点で勝利を確信したアトレティコファンは多かったんじゃないかと。 でもそれだけじゃなかったんですよ。どうやら彼らもアウェイでの鬱憤がかなり溜まっていたようで、その後に入ったマルコス・ジョレンテが34分にはFKから、敵選手3人をエリア内でかわして3点目のゴールをゲット。どうやらその当人、アンフィールドでのCL16強対決リバプール戦2ndレグで攻撃本能に目覚めたか、このモラタと並んでの2トップの位置が妙に馴染んでしまったようで、その3分後にはアシストもしているんですから、驚かせてくれるじゃないですか。 いやまあ、モラタのゴールはオフサイドで最初は認められず、VAR(ビデオ審判)介入があったため、しばらくスコアボードに挙がるのに時間がかかったんですけどね。もう4点リードともなれば、手を緩めてもいいアトレティコだったんですが、最後まで敵陣でプレスをかけ続けた彼らは、43分にもカラスコがジョレンテのラストパスから5点目って…いやはや、お隣さんならともかく、彼らのmanita(マニータ/5得点のこと)なんて、記憶にないと思ったら、2018年3月のELロコモティフ・モスクワ戦以来ですって(最終結果0-5)。 ただ、そんな赤飯でも焚いて喜びたい時にも「3点目以降は他の試合のためにとっておけば良かったのに」とケチをつけてしまうのがアトレティコファンで、翌朝、私がいつも新聞を買うキオスクのオジサンもそうだったんですけどね。もしや、この一戦で出場182試合中100回目という無失点記録をリーガ史上最短で達成して、「Ojalá marquemos goles... prefiero marcar uno más que no encajar/オハラ・モルケモス・ゴーレス…プレフィエロ・マルカル・ウノ・マス・ケ・ノー・エンカハール(ゴールが決まりますように。失点しないより、相手より1点多く取る方がいい)」と言っていたGKオブラクも同じ気持ちだった? だってえ、再開初戦は4位のレアル・ソシエダと1-1で引き分け、アトレティコとの距離が開くのを防いでくれたオサスナのロベルト・トーレスこそ、お世辞も混じえてか、「Con la pegada que tienen ni perdonan/コン・ラ・ペガダ・ケ・ティエネン・ニ・ペルドナン(あれだけの決定力を持っているから、チャンスを見逃してくれない)」と話していましたが、基本的、今季のアトレティコはゴールが入りませんからね。それだけにアスレティック戦でのコスタを始め、「Cuando un jugador tiene talento/クアンドー・ウン・フガドール・ティエネ・タレントー(選手にタレントがあって)、敵エリア近くでいい位置をキープしていたら、敵はコントロールするのが難しいもの」とシメオネ監督にお褒めの言葉をもらっていたジョアンにしろ、新参アタッカーのジョレンテにしろ、モラタもカラスコも得点したのは当人たちに自信もつきますし、何よりリーガのラストスパートに向けて、心強いんじゃないかと。 そんな彼らは翌日、レアル・ソシエダがアラベスに負けたため、引き分けのヘタフェも抜いて、待望の4位の座に上がったんですが、次は土曜午後10時(日本時間翌午前5時)から、いよいよ3カ月ぶりとなるワンダ・メトロポリターノでバジャドリー戦。さすがに5月の練習再開から、ずっとマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に閉じこもっていたチームも金曜には久々にスタジアムでセッションを行い、ガラガラのスタンドの音響効果を確認していましたが、金曜に3位セビージャがバルサと0-0で引き分け、勝ち点差が3に開いたとはいえ、定位置まであと一息になったのは選手たちにとって、励みになってくれるものと思います。 そして木曜に再び、29節も最終カードでバレンシアと対決したレアル・マドリーはどうだったかというと。いやあ、こちらは今回も首位バルサとの差が5ポイントに開いて、断崖絶壁での戦いだったんですが、前日にイスコがハムストリングを痛め、全治3週間となってしまい、ルーカス・バスケスも再開直前に負傷して欠場。そこへ前日、かつて自身の教え子だったボランチのジョレンテが大活躍したのを見たせいか、ジダン監督もバルベルデを前線の3人目に配置という意表を突くことをしてきましたが、前半はバレンシア優勢でゲームが進みます。ええ、ロドリゴのシュートをGKクルトワがかろうじて触れ、ゴールポスト直撃で逃げて間もなく、20分にはソレルのスルーパスを決められてしまったから、さあ大変! でも大丈夫、この時、ロドリゴは後ろから飛び出してきたものの、オフサイドの位置にいたマキシ・ゴメスがバランの邪魔をしたことから、VARで確認した主審がノーゴールを宣告。いえ、バレンシアサイドは、「理解できない決定だ。Es una situación en la que Maxi no interviene/エス・ウナ・シトゥアシオン・エン・ラ・ケ・マキシ・ノー・インテルビエネ(マキシは干渉していない状況だったのに)」(セラデス監督)とまったく納得していなかったんですが、これで命拾いしたおかげもあって、後半にはマドリー自慢の攻撃力が火を噴くことに。 まずは15分、モドリッチのスルーパスをアザールが繋ぐとベンゼマが決めて先制。27分には、あまりポジションチェンジが功を奏したとは言えないバルベルデからアセンシオに代わったと思いきや、その30秒には初タッチでチーム2点目のゴールを挙げているって、いやあ、彼がプレーするのは昨年7月、アメリカでの親善試合アーセナル戦でヒザの靭帯を断裂して以来のことなんですけどね。まるで絵に描いたような復活劇を見せてくれたとなれば、これが無観客のRMカスティージャのホームではなく、新型コロナウィルス禍前のサンティアゴ・ベルナベウであったなら、どれだけスタンドも盛り上がったことかと私など、遠い目をしてしまいましたが、まあそれはそれ。 まさにジダン監督も「marcar en el primer balón que toca demuestra su calidad/マルカル・エン・エル・プリメール・バロン・ケ・トカ・デムエストラ・ス・カリダッド(最初のボールタッチでゴールを入れるのは当人の質の高さを表している)」と言っていた通りなんですが、まったく才能のある選手が豊富にいるチームは羨ましい。何せ、アセンシオは35分にもベンゼマにクロスを送った上、そのフィニッシュも右脚でボールを浮かせて地面に落とさず、左足で正確にシュートという技ありものでしたからね。これではエイバル戦の翌日には背筋痛を起こしてジム調整、控えスタートの2試合目には改装工事中のベルナベウのベンチから、アルフレド・ディ・ステファノのスタンドに運んできたシートで体を伸ばして、ラストまで優雅に観戦していたベイルがこの先も当てにならなくても全然、影響ない? 3-0で試合を終え、ライバルと同じ2連勝としたマドリーは日曜午後10時、レアル・アレナでの再開後、初アウェイ戦に挑みますが、いやもうこの毎日、試合があると、だんだん訳がわからなくなってきますよね。相手は1分け1敗とヘタフェ同様、CL出場権獲得の争いで躓いているんですが、金曜から30節では一足早く、グラナダに勝って、3連勝を達成したビジャレアルが急上昇。3チーム同勝ち点でのEL出場権争いになっているって、3位以下はまだまだ大乱戦が続きそうですが、ここ2試合、勝ち点差5を2に戻してきたマドリーも今度は首位バルサと並べるチャンスとあって、より一層の意気込みを示してくれるはずですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.06.20 22:00 Sat
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もう止まらないといいけど…/原ゆみこのマドリッド

「気休めにはなるかも」そんな風に私が肩をすくめていたのは月曜日、先週木曜から怒涛のスタートを切った再開リーガ最初の28節が終わったばかりというのに、一番先行きが心配なマドリッドの弟分がもう火曜にはカンプ・ノウを訪問。その試合前記者会見でセティエン監督が「Habrá rotaciones, no correremos riesgos/アブラ・ロタシオネス、ノー・コレモス・リエスゴス(ローテーションがあるだろう。危険は冒さないよ)」と言っているのを聞いた時のことでした。いやあ、とはいえ、レガネスは1月にもコパ・デル・レイ16強対決でバルサと顔を合わせ、グリーズマン、レングレ、メッシx2、アルトゥールによるgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らって、5-0で大敗しているんですけどね。 となると、久保建英選手が健闘したにも関わらず、0-4でマジョルカを一蹴するのに貢献したアルトゥーロ・ビダル、ブライトワイテ、ジョルディ・アルバ、メッシがお休みしてくれたとて、あまり変わりはないような気がしますが、とにかくコパの時点ではエン・ネシリのセビージャ移籍の傷も癒えていなかったレガネスの前線で孤軍奮闘、その後、2月にデンベレが重傷を負ったのに伴う特例移籍で河岸を変えたブライトワイテは出ない方がファンの気持ちも幾分、軽くなる?大体、当人からして、サン・モシュ改め、ビジット・マジョルカ・エスタディでバルサ初ゴールを挙げて強気になったか、「レガネス相手にプレーする意欲は高いよ。ウチは優勝をしたいんだから、勝ち続けないとね」と古巣が2部降格の瀬戸際にあることなど、すっかり他人事になっていましたからね。 もちろん、こんな苦しい状態でリーガ首位との対決を迎えるのは先週末土曜、必勝を胸にバジャドリー戦に挑みながら、開始2分、アワジエンがすぐ側までGKクェジェルが出て来ていたことを確認せず、頭で適当にバックパス。ゴール方面に転がったボールをウナルに奪われ、いきなり失点していたのを始め、後半9分、元レガネスでお隣さんのヘタフェを経由してバジャドリーに移ったラウール・カルネロはまだ温情が残っていたか、シュートを空振りしてくれたんですけどね。後ろにいたアルカラスに2点目を決められてしまっては、もうお手上げです。残り6分にはサリスがアサレをエリア内で倒してゲットしたPKを決め、1-2と追い上げてくれたオスカルさえ、火曜午後10時(日本時間翌午前5時)からの試合では累積警告で出場停止となれば、アギーレ監督が望みうる最高の結果はスコアレスドローしかないかも。 まあ、それでも先週末は最下位のエスパニョールがGKパチェコの早期退場も幸いし、アラベスに2-0で勝利。レガネスと同じ勝ち点になったものの、マジョルカに加え、17位のセルタもビジャレアルに負けたため、残留ラインとの差は勝ち点3で変わっていませんからね。金曜にはマジョルカとの直接対決も控えていますし、まだまだ諦めるには早いんですが、同じ火曜の午後7時30分にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでお隣さんがエスパニョールと対戦。こちらでも援護射撃が期待できるとありがたいんですが…。 それが、新型コロナウィルスウィルス流行によるparon(パロン/リーガの中断期間)にCL出場圏4位のレアル・ソシエダと同じ勝ち点の5位という、兄貴分のアトレティコすら、1つ上回る順位で入った優秀な弟分もこの再開節では躓いてしまったんですよ。ええ、ヘタフェは一足先の金曜にアウェイのグラナダ戦を迎え、前半19分にホルヘ・モリーナから受けたボールをデイベルソンがシュート。これはGKルイ・シウバに弾かれてしまったんですが、ククレジャが滑り込んでティモルに繋いだところ、見事な一撃で先制点を奪ってくれたのには驚いたの何のって。 でも、すんなり行かないのがこの再開リーガの落とし穴で、後半24分、何の変哲もないFKから、カルロス・フェルナンデスがヘッドしたボールがGKダビド・ソリアの手を弾いてゴールになってしまったと思いきや、ティモルがケガの手当て中でピッチ外に出ていた隙を突かれ、34分にもカルロス・フェルナンデスに2度撃ちで逆転弾を許してしまうとは! うーん、「Era un partido controlado, hemos entrado con 8 o 9 minutos de apatía/エラ・ウン・パルティードー・コントロラードー、エモス・エントラードー・コン・オチョ・オ・ヌエベ・ミヌートス・デ・アパティア(コントロールできていた試合だったのに8、9分間、ウチは無気力になってしまった)」(ボルダラス監督)のは何となく、再開後は毎試合義務になった前後半30分にあるお水休憩や親善試合並みにせわしない拡大交代枠5人制のせいもある気がしないでもないんですけどね。しょっちゅうピッチで選手が倒れていた前半同様、後半もロスタイム6分とたっぷり反撃する時間はあったんですが、ヘタフェは1-2のまま、負けてしまいましたっけ。 そして満を持しての日曜日、ちょっと情けないながら、弟分の足踏みを利用しないといけないアトレティコはどうだったのかというと。いやあ、午後2時キックオフということで、再開リーガの慣例となった当日移動でなく、前日にいよいよ、一般販売が開始された定価13.95ユーロ(約1700円)のクラブロゴ入りウィルス不透過マスクを着用し、意気揚々と彼らはビルバオ(スペイン北部)入り。 シメオネ監督の「この異例のプレシーズン、チームはまだ2人のFWを同時に支える準備ができていない。その間はprefiero explotar la potencia de Diego y Álvaro en distintos momentos del partido/プレフィエロ・エクスプロタル・ラ・ポテンシア・デ・ディエゴ・イ・アルバロ・エン・ディスティントス・モメントス・デル・パルティードー(ジエゴとアルバロの力を試合の異なる時間帯で活用したい)」という前日会見の言葉通り、モラタはベンチ、中断直前のCL16強対決リバプール戦2ndレグで2ゴールを挙げたMFのジョレンテが2トップの片割れに抜擢されています。 でもねえ、序盤こそ、アスレティックを押し込んで攻めていたため、それでも良かったんですが、今季の彼らの普遍の課題はゴールなんですよ。案の定、ジョレンテのアシストで絶好のシュートチャンスを迎えたカラスコは枠を外してしまうし、そうこうするうちに形勢が逆転。いつの間にか自陣に引きこもっていた挙句、いえ、ユーリのシュートは再開後もリバプール戦同様、頼りになるGKオブラクがジャンピングセーブしてくれたんですけどね。その彼も前半36分、ユーリのクロスをムニアインがトマスに先んじて放った一撃は止められず、先制されてしまったから、さあ大変! いやまあ、実際はまだ私が誰がミスの元凶なのか、プレーを反芻してるうちに、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)が警戒事態による営業自粛期間中に試合中継局との契約を解除。おかげで慌てて申し込むことになったネット中継とラジオ実況に1分程の時差があったため、久々に聴くオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)のアトレティコ番記者の「Gooool!」という絶叫の後、あっと思う間もなしにボールがサウールからコケに繋がり、そのスルーパスでコスタが今季自身3点目を挙げ、スコアはイーブンになったんですけどね。 おかげで先日、脳腫瘍の摘出手術をした女子チームのビルヒニア・トレシージャ応援のため、コスタが彼女のユニフォームを掲げて祝うなんてこともできたんですが、後半17分には早くもアトレティコは3人、アスレティックも2人と交代ラッシュがスタート。34分にはアリアスが至近距離からシュートしながら、GKウナイ・シモンを破れないという悔しいシーンもあったものの、後から入ったモラタもコレアもゴールを挙げることはできず、アトレティコはクラブ史最多に並ぶ1シーズン14回目、アウェイ戦では今季8回目となる引き分けで試合を終了です。 いやあ、サウールなど、「en esta nueva normalidad jugamos cada tres días y no hay tiempo para pensar/エン・エスタ・ヌエバ・ノルマリダッド・フガモス・カーダ・トレス・ディアス・イ・ノー・アイ・ティエンポ・パラ・ペンサール(この新しい平常状態では3日おきに試合があるから、考えるための時間はない)。次の対戦に頭を切り替えないと」と言っていたんですけどね。今季の彼らはアウェイ戦たったの3勝と、苦手にしているのは今に始まったことじゃないんですから、中断期間の3カ月余り、少しはその理由を考えなかった?だってえ、途切れたのがCL準々決勝進出決定直後とあって、選手たちもそのままずっと舞い上がっていたのかもしれませんが、リーガの現実はシビアなんですよ。 ええ、「hay que sumar de tres para poder clasificarnos a la Champions/アイ・ケ・スマール・デ・トレス・パラ・ポデール・クラシフィカールノス・ア・ラ・チャンピオンズ(CL出場権を得るためには勝ち点3を積んでいかないと)」とコケも言っていた通り、ラッキーにも日曜最後の試合ではオサスナがかつて、シメオネ監督の下でプレーしたアドリアン・ロペスのPKゴールでレアル・ソシエダと1-1で引き分けてくれたものの、アンダルシアダービーでベティスに勝った3位セビージャとは勝ち点差4(月曜の29節でレバンテと引分け5になった)、ヘタフェと同じポイント数になっただけで、6位のままですからね。早々に4位の座を回復しておかないと、来季はクラブが収入1憶ユーロ(約122億円)減となり、選手たちも売却や、更なる給料カットに見舞われかねませんよ。 そんなアトレティコはこの水曜、午後10時から、再び鬼門のアウェイでオサスナと対戦するんですが、嬉しいのはこのアスレティック戦は出場停止だったジョアン・フェリックスが戻って来ることで、プレシーズン期間中に痛めたヒザも全快しているため、少しは攻撃の幅が広がるかも。相手も降格圏から勝ち点10離れたことですし、気が緩んでくれる可能性もありますしね。とにかく木曜にお隣さんが7位バレンシアと当たるため、少なくとも勝ち点差3あるEL出場圏内は安泰だなんて、後ろ向きな姿勢にはならないでくださいね。 え、それよりバルサが大勝した後、首位と勝ち点差5で日曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノでリーガデビューしたレアル・マドリーの方が気になるって?いやあ、当日正午に集合した彼らは優雅に個室で午後を過ごした後、私など、以前見学した時、乗せてもらったミニバスかカートで来るんだろうと想像していたんですけどね。チームは寮から300メートルしか離れていないスタジアムまでを徒歩で移動。確かにこのエイバル戦には観客をまったく入れず、敷地内には関係者しかいないとなれば、選手たちもいい足慣らしになったかと思いますが、ジダン監督の選んだ再開初戦スタメンはサプライズが1つあって、19才のロドリゴがベンゼマと足首の手術から完全回復したアザールと並び、3トップの一角を占めることに。 まあ、ディ・ステファノをホームとするRMカスティージャでのプレー経験を生かしたかったのかもしれませんが、彼がどうのこうの言う前にマドリーは開始早々の4分、先制点をゲット。ええ、ベンゼマがエリア内で粘って出したボールをクロースが狙い、正確な弾道でシュートを決めてしまったとなれば、メンディリバル監督の「Los equipos con jugadores de talento notan menos esa falta de capacidad física/ロス・エキポス・コン・フガドーレス・デ・タレントー・ノタン・メノス・エサ・ファルタ・デ・カパシダッド・フィシカ(タレントのある選手のいるチームはフィジカルが不足していてもあまり目立たない)」という意見に大きく頷けるかと。 もちろんそれだけではなく、33分にはセルヒオ・ラモスが自陣で取り戻したボールを持って上がり、ベンゼマとアザールが連携しているうちに敵エリア内まで到達。シュート位置でボールを持っていた後者も復帰記念ゴールを挙げたかったはずですが、70メートル激走していたキャプテンを無視することはできず、ラモスに2点目の栄誉を贈ります。更に37分にも今度は第2キャプテンのマルセロが発奮、アザールのシュートがGKドミトロビッチに弾かれた後、敵DFが中途半端にクリアしたボールを捉え、3点目を入れてしまったとなれば、もう勝負はあった? ただ、前半の効率の良さが災いしたか、カルバハルが足首の打撲でハーフタイムに交代。中断直前に負けたベティス戦でのミリトン大失敗を受け、このプレシーズン中に右SBの特訓をしたらしいメンディが入った後半の彼らはパッとせず、あまつさえ、15分にはペドロ・レオンのCKから、オスカル・プラノのシュートがビガスに当たり、態勢の崩れたGKクルトワも止められずに1点を返されてしまう破目に。その直後、ジダン監督は太もも筋肉痛のラモス、復帰初試合で無理しない方がいいアザール、そしてロドリゴを下げ、CBミリトン、ベイル、ビニシウスを一気に投入したんですが、ほとんど改善はしませんでしたっけ。 それこそ、終盤投入された乾貴士選手のシュートをGKクルトワが弾いたりと、もしサンティアゴ・ベルナベウ満員の観客の下、同じプレーを続けていたら、スコアとは無関係にpito(ピト/ブーイング)の対象になっていたはずですが、ラ・リーガが導入したプレステゲーム風のスタンドの観衆背景アニメーションとイメージ音声はそんな微妙なリアクションを表現するまでには至らず。エイバルも追加点を挙げることはなく、そのまま3-1でマドリーが勝利したんですが…まあ、ジダン監督も後半のお水休憩の際にはかなり怒っていたように、今季はチームが途中からリラックスして、勝ち点を落とすことも多かったですしね。 この試合前日にふくらはぎを負傷、全治1、2週間となったルーカス・バスケス、ナチョ、マリアーノ、ヨビッチは間に合いませんが、おそらくこちらも大規模ローテーションが予想される木曜午後10時からのバレンシア戦にはもっと緊張感の持続が必要かと。ちなみに相手は初戦、レバンテとのバレンシアダービーに終盤ロドリゴのゴールで勝利目前となりながら、またしてもディカビがペナルティ。土壇場でレバンテと1-1の痛恨の引き分けをしたにも関わらず、CBの頭数不足で代わりがいないという気の毒な状況のよう。その分は温存されたアセンシオやイスコら、まだまだ攻撃陣にタレントが豊富なマドリー有利に運びそうではありますが、この再開から5節、全てバルサの後にプレーしないといけないのは心理的にちょっとイヤかもしれません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.06.16 20:00 Tue
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