だんだんサッカーらしくなってくる…/原ゆみこのマドリッド
2020.05.18 21:40 Mon
「不公平にならなくて良かったわ」そんな風に私がホッとしていたのは日曜日、週明けにはスペイン人口の70%が新型コロナウィルス流行によるEstado de Alarma(エスタードー・デ・アラルマ/警戒事態)の緩和フェーズ1に移行する中、マドリッドとバルセロナはまだ感染者数や病床占有率などの条件が満たせておらず、フェーズ0のまま据え置きと金曜に政府が発表。そのおかげで出てきた疑問が、すでに1週間個人練習をしてきた両地域にある1部と2部のサッカーチームだけ、グループ練習へ移行ができないのかというものだったんですが、幸いなことに42クラブ全てが特例でフェーズ3相当の扱いになることに。
要はマドリッドではレアル・マドリー、アトレティコ、ヘタフェ、レガネス、ラージョ、アルコルコン、フエンラブラダの7チームが月曜から、10人以下のグループで各人、2メートルの距離は取らないといけないものの、パス交換なども含めた、かなり通常に近いセッションができることになり、同時にこれまで禁じられていたロッカールームも使用可能に。でもねえ、マドリッドの一般市民はフェーズ0状態とあって、14才から69才までの大人が散歩などで外をうろつけるのは午前6時から10時までと午後8時から11時までというのは変わらず、自宅から1km以内という制限も同じなんですよ。従って、いくら外から覗ける場所があることを知っていても市外にある練習場を訪ねることは当分、私にはできないため、ちょっと悔しかったりもするんですが…。
まあ嘆いていても仕方ないので、先週の各チームの様子を順番にお伝えしていくことにすると。やはりこういうプレシーズンキャンプ、地元を離れず、自前の施設で練習を完結させないといけないという条件がつくと、有利なのはバルデベバス(バラハス空港の近く)に120万平方メートルの巨大な敷地を誇る練習場を構えるマドリーなんですよね。ええ、月曜から土曜まで彼らはみっちり個人練習を行ったんですが、最終日、人工芝を敷いたロードコースを選手たちがガンガン走っている光景には目を瞠った向きも多かったかと。
折よく高低もあるため、2カ月間、郊外の高級住宅エリアに庭付きの豪邸を構えている選手が多いとはいえ、これだけの距離を走る機会はなかっただろう彼らにとってもいい運動になったかと思いますが、そのランニング中の1コマを自身のインスタにアップ。後ろから来るクロースとベイルを冷やかしていたルーカス・バスケスが、「sólo ganas por la distancia de seguridad/ソロ・ガナス・ポル・ラ・ディスタンシア・デ・セグリダッド(ソーシャルディスタンスの距離で勝ってるだけじゃん)」とクロースに反論されていたのは笑えたかと。
ちなみにそのクロース、母国のことだけにこの土曜からブンデスリーガがヨーロッパ主要リーグの先陣を切って再開されるのに期待していて、「ドイツはコロナの感染者数も死者数もいい方で、彼らがリーグを終了できなかったら、どこができる?誰もが行く末を見守っているよ」と言っていましたが、そうですよね。一時期の週末はAS(スポーツ紙)など、あまりにウェブページに載せるものがなかったのか、タジキスタンのリーグ戦マッチライブをやっていたくらいでしたが、これがブンデスリーガとなれば、私まで来季マドリーが獲得の噂が出ている19才のFW、ホランドが気になって、ドルトムントvsシャルケ戦のライブログを見てしまいましたからね。
え、超一流のテクニシャン揃いのマドリーでも練習再開後、「El primer día costaba controlar el balón/エル・プリメール・ディア・コスタバ・コントロラール・エル・バロン(初日はボールをコントロールするのに苦労した)」(カルバハル)という状態だったとなれば、お隣さんなどそれどころじゃなかったんじゃないかって?いやあ、フィジカルコーチのプロフェ・オルテガによると、「選手たちはしばらくサッカーシューズを履いていなかったから、芝生に適応できるように最初はテニスシューズでトレーニングを始めて、だんだんサッカーシューズでのエクササイズを増やしていった」そう。
「Con balón es un trabajo individualizado con mucha creatividad/コン・バロン・エス・ウン・トラバッホ・インディビドゥリアリサードー・コン・ムーチャス・クレアティビダッド(ボールを使ってやるのは大いにクリエィテブな個別メニューだ)。様々な異なったテクニックやコントロール、ドリブル、精度を発揮できるようにね」という練習は、いやまあ、自分で地面にたたきつけたボールを頭で受けてドリブルしたり、リフティングしながらポールをよけて進むといった何か、友だちのいない子供が1人でサッカーの技を磨くのにピッタリのエクササイズをやっているのをビデオで見たんですが、大丈夫。来週からは彼らには一番、上達してもらいたい同僚とのパス交換もできるようになりますって。
それより先週、アトレティコ関連で話題になっていたのは、晴れてPCR検査で2回陰性となったロディが金曜からグラウンドに姿を見せてくれたこともありますが、2016年のCL決勝で主審を務めたクラッテンバーグ氏が「セルヒオ・ラモスの先制点はオフサイド。ハーフタイムに線審のミスがわかった」と告白した件だったかと。折しもそれと前後して、アルゼンチン・サッカー協会のインタビューを受けたシメオネ監督が、「La derrota de la primera final de Champions no fue un fracaso, la segunda sí/ラ・デロータ・デ・ラ・プリメーラ・フィナル・デ・チャンピオンズ・ノー・フエ・ウン・フラカソ、ラ・セグンダ・シー(最初のCL決勝は失敗ではない。2度目はそうだ)。2014年はウチがリーガ優勝した1週間後で、内容も相手が上だったが、ミラノでの決勝は違う」と言っていたせいですが、でもねえ。
たとえ、ラモスの前半15分のゴールが認められなかったとて、後半序盤、ペペにフェルナンド・トーレスが倒されてゲットしたPKをグリーズマンが失敗。それでもカラスコのゴールで1-1として、延長戦後のPK戦最後のキッカー、ファンフランがゴールポストに当ててしまい、2回連続でお隣さんにトロフィーをさらわれた悲劇は変わりませんからね。今はただ、今季最後の試合となったアンフィールドでのCL16強対決リバプール戦2ndレグで、「モラタは負傷していて、出せば悪化することはわかっていたが、それでも得点して上手くいった。2-0で負けていたチームが3点取って勝ったのであれば、Eso no es suerte/エソ・ノー・エス・スエルテ(それは幸運だったからじゃない)」(シメオネ監督)というアトレティコの実力がリーガ再開後、来季のCL出場権を獲得するために花開いてくれるのを祈るばかりでしょうか。
そして弟分たちも順調に練習を進めていたんですが、いきなり金曜にはヘタフェのホルヘ・モリーナが八百長疑惑に巻き込まれることに。いえ、これは元々、昨季ラストゲームだったバジャドリーvsバレンシア戦にかかっていた嫌疑がビジャレアルvsヘタフェ戦にも飛び火。仕掛け人とされているマドリー下部組織出身のアランダと、モリーナとエルチェで一緒だったパコ・エステバンの会話に名前が出てきたことが発端なんですが、真相はよくわからないんですよね。この2試合にはCL出場権が懸かっていて、ヘタフェはビジャレアルに勝って、尚且つバジャドリーがバレンシアに勝たないといけなかったんですが、そのヘタフェの勝利に対して、ホルヘ・モリーナに報償金を提示したとは、さて。
結局、彼らはビジャレアルと2-2で引き分け、アランダとエステバンの会話の中でヘタフェがバジャドリーに勝利報酬として300万ユーロ(約5000万円)を用意していたという言及もあったものの、そちらもバレンシアに敗北。それがバレンシアはCLに、ヘタフェはEL出場という今季に繋がっているんですが、もちろんモリーナは関与を否定。ヘタフェとビジャレアルも身に覚えはないという声明を出しているんですけどね。わざと負けるといった話でなかっただけ、まだマシなんですが、せっかく今季こそは初のCL出場を果たそうとエンジンを再び温めているヘタフェだけにあまり、大ごとにならないといいんですけど。
一方、レガネスでは初日のセッションでフィジカルコーチが使っていたマイクとスピーカーが各チームに派遣されるリーガのお目付け役に注意され、翌日から用いられなくなったなんて話が出ていましたが、どうやらこれは先週のマドリッドはにわか雨が降るなど、天候が安定せず、機器が濡れて故障したら困るせいだったとか。まあ、シュダッド・デポルティバ・ブタルケは歩道橋から覗けますし、練習ビデオに罵声とか混ざっていたら、外聞が悪いですからね。グループ練習になれば、選手ももっとまとまってエクササイズに励むはずなので、その辺はあまり気にしないでいいんじゃないでしょうか。
それより心配なのは、クラブハウスにあるダブルの選手用休憩室でリーガ再開1週間前からの合宿をレガネスがリーガに認めてもらえなかったことで、実は1部の小規模チーム、2部など大半が合宿期間の長さにホテル代の心配をしているのだとか。ええ、それこそマドリーなど練習施設内の個人部屋で賄えてしまいますが、選手、スタッフ全員の宿泊がシーズン終了まで続くとなると、1カ月半以上になりますしね。ラ・リーガはどのチームもアウェイ戦の移動を試合当日にできるよう、お金のないクラブにはチャーター機の費用を出すと言っているんですが、ホテル代に関してはまだ情報はなし。実際、その合宿期間にしろ、ブンデスリーガの成り行きを見ながら、調整することになるはずですが、とにかくまずはマドリッドやバルセロナが試合開催可能となる警戒事態緩和フェーズ2まで、早く進まないといけませんよね。
要はマドリッドではレアル・マドリー、アトレティコ、ヘタフェ、レガネス、ラージョ、アルコルコン、フエンラブラダの7チームが月曜から、10人以下のグループで各人、2メートルの距離は取らないといけないものの、パス交換なども含めた、かなり通常に近いセッションができることになり、同時にこれまで禁じられていたロッカールームも使用可能に。でもねえ、マドリッドの一般市民はフェーズ0状態とあって、14才から69才までの大人が散歩などで外をうろつけるのは午前6時から10時までと午後8時から11時までというのは変わらず、自宅から1km以内という制限も同じなんですよ。従って、いくら外から覗ける場所があることを知っていても市外にある練習場を訪ねることは当分、私にはできないため、ちょっと悔しかったりもするんですが…。
まあ嘆いていても仕方ないので、先週の各チームの様子を順番にお伝えしていくことにすると。やはりこういうプレシーズンキャンプ、地元を離れず、自前の施設で練習を完結させないといけないという条件がつくと、有利なのはバルデベバス(バラハス空港の近く)に120万平方メートルの巨大な敷地を誇る練習場を構えるマドリーなんですよね。ええ、月曜から土曜まで彼らはみっちり個人練習を行ったんですが、最終日、人工芝を敷いたロードコースを選手たちがガンガン走っている光景には目を瞠った向きも多かったかと。
ちなみにそのクロース、母国のことだけにこの土曜からブンデスリーガがヨーロッパ主要リーグの先陣を切って再開されるのに期待していて、「ドイツはコロナの感染者数も死者数もいい方で、彼らがリーグを終了できなかったら、どこができる?誰もが行く末を見守っているよ」と言っていましたが、そうですよね。一時期の週末はAS(スポーツ紙)など、あまりにウェブページに載せるものがなかったのか、タジキスタンのリーグ戦マッチライブをやっていたくらいでしたが、これがブンデスリーガとなれば、私まで来季マドリーが獲得の噂が出ている19才のFW、ホランドが気になって、ドルトムントvsシャルケ戦のライブログを見てしまいましたからね。
ただ、気になるのは早速、ホランドが再開記念ゴールを挙げていたことより、その土曜に開催された6試合で早くも計8人、負傷者が出たという点で、いやあ、再開後は72時間おきに試合というハードスケジュールもあって、ケガが多発するだろうというのはリーガでも大いに懸念されているんですけどね。一応、ブンデスリーガ同様、FIFA案により、1試合の選手交代枠は5人、リーガではベンチ入り人数も18人から23人へと増員されているんですが、感染検査を受けて、練習を始めているのはマドリーこそ、トップチーム所属の26人ですが、他はどこもカンテラーノ(Bチームの選手)を5,6人入れてそのぐらいの人数。ラ・リーガのテバス会長は感染者が出てもチーム全員を隔離することはないと言っていましたが、下手をすると、ケガ人続出で選手の頭数が足りなくなるんじゃないかと思うのはおそらく、私だけではないかと。
え、超一流のテクニシャン揃いのマドリーでも練習再開後、「El primer día costaba controlar el balón/エル・プリメール・ディア・コスタバ・コントロラール・エル・バロン(初日はボールをコントロールするのに苦労した)」(カルバハル)という状態だったとなれば、お隣さんなどそれどころじゃなかったんじゃないかって?いやあ、フィジカルコーチのプロフェ・オルテガによると、「選手たちはしばらくサッカーシューズを履いていなかったから、芝生に適応できるように最初はテニスシューズでトレーニングを始めて、だんだんサッカーシューズでのエクササイズを増やしていった」そう。
「Con balón es un trabajo individualizado con mucha creatividad/コン・バロン・エス・ウン・トラバッホ・インディビドゥリアリサードー・コン・ムーチャス・クレアティビダッド(ボールを使ってやるのは大いにクリエィテブな個別メニューだ)。様々な異なったテクニックやコントロール、ドリブル、精度を発揮できるようにね」という練習は、いやまあ、自分で地面にたたきつけたボールを頭で受けてドリブルしたり、リフティングしながらポールをよけて進むといった何か、友だちのいない子供が1人でサッカーの技を磨くのにピッタリのエクササイズをやっているのをビデオで見たんですが、大丈夫。来週からは彼らには一番、上達してもらいたい同僚とのパス交換もできるようになりますって。
それより先週、アトレティコ関連で話題になっていたのは、晴れてPCR検査で2回陰性となったロディが金曜からグラウンドに姿を見せてくれたこともありますが、2016年のCL決勝で主審を務めたクラッテンバーグ氏が「セルヒオ・ラモスの先制点はオフサイド。ハーフタイムに線審のミスがわかった」と告白した件だったかと。折しもそれと前後して、アルゼンチン・サッカー協会のインタビューを受けたシメオネ監督が、「La derrota de la primera final de Champions no fue un fracaso, la segunda sí/ラ・デロータ・デ・ラ・プリメーラ・フィナル・デ・チャンピオンズ・ノー・フエ・ウン・フラカソ、ラ・セグンダ・シー(最初のCL決勝は失敗ではない。2度目はそうだ)。2014年はウチがリーガ優勝した1週間後で、内容も相手が上だったが、ミラノでの決勝は違う」と言っていたせいですが、でもねえ。
たとえ、ラモスの前半15分のゴールが認められなかったとて、後半序盤、ペペにフェルナンド・トーレスが倒されてゲットしたPKをグリーズマンが失敗。それでもカラスコのゴールで1-1として、延長戦後のPK戦最後のキッカー、ファンフランがゴールポストに当ててしまい、2回連続でお隣さんにトロフィーをさらわれた悲劇は変わりませんからね。今はただ、今季最後の試合となったアンフィールドでのCL16強対決リバプール戦2ndレグで、「モラタは負傷していて、出せば悪化することはわかっていたが、それでも得点して上手くいった。2-0で負けていたチームが3点取って勝ったのであれば、Eso no es suerte/エソ・ノー・エス・スエルテ(それは幸運だったからじゃない)」(シメオネ監督)というアトレティコの実力がリーガ再開後、来季のCL出場権を獲得するために花開いてくれるのを祈るばかりでしょうか。
そして弟分たちも順調に練習を進めていたんですが、いきなり金曜にはヘタフェのホルヘ・モリーナが八百長疑惑に巻き込まれることに。いえ、これは元々、昨季ラストゲームだったバジャドリーvsバレンシア戦にかかっていた嫌疑がビジャレアルvsヘタフェ戦にも飛び火。仕掛け人とされているマドリー下部組織出身のアランダと、モリーナとエルチェで一緒だったパコ・エステバンの会話に名前が出てきたことが発端なんですが、真相はよくわからないんですよね。この2試合にはCL出場権が懸かっていて、ヘタフェはビジャレアルに勝って、尚且つバジャドリーがバレンシアに勝たないといけなかったんですが、そのヘタフェの勝利に対して、ホルヘ・モリーナに報償金を提示したとは、さて。
結局、彼らはビジャレアルと2-2で引き分け、アランダとエステバンの会話の中でヘタフェがバジャドリーに勝利報酬として300万ユーロ(約5000万円)を用意していたという言及もあったものの、そちらもバレンシアに敗北。それがバレンシアはCLに、ヘタフェはEL出場という今季に繋がっているんですが、もちろんモリーナは関与を否定。ヘタフェとビジャレアルも身に覚えはないという声明を出しているんですけどね。わざと負けるといった話でなかっただけ、まだマシなんですが、せっかく今季こそは初のCL出場を果たそうとエンジンを再び温めているヘタフェだけにあまり、大ごとにならないといいんですけど。
一方、レガネスでは初日のセッションでフィジカルコーチが使っていたマイクとスピーカーが各チームに派遣されるリーガのお目付け役に注意され、翌日から用いられなくなったなんて話が出ていましたが、どうやらこれは先週のマドリッドはにわか雨が降るなど、天候が安定せず、機器が濡れて故障したら困るせいだったとか。まあ、シュダッド・デポルティバ・ブタルケは歩道橋から覗けますし、練習ビデオに罵声とか混ざっていたら、外聞が悪いですからね。グループ練習になれば、選手ももっとまとまってエクササイズに励むはずなので、その辺はあまり気にしないでいいんじゃないでしょうか。
それより心配なのは、クラブハウスにあるダブルの選手用休憩室でリーガ再開1週間前からの合宿をレガネスがリーガに認めてもらえなかったことで、実は1部の小規模チーム、2部など大半が合宿期間の長さにホテル代の心配をしているのだとか。ええ、それこそマドリーなど練習施設内の個人部屋で賄えてしまいますが、選手、スタッフ全員の宿泊がシーズン終了まで続くとなると、1カ月半以上になりますしね。ラ・リーガはどのチームもアウェイ戦の移動を試合当日にできるよう、お金のないクラブにはチャーター機の費用を出すと言っているんですが、ホテル代に関してはまだ情報はなし。実際、その合宿期間にしろ、ブンデスリーガの成り行きを見ながら、調整することになるはずですが、とにかくまずはマドリッドやバルセロナが試合開催可能となる警戒事態緩和フェーズ2まで、早く進まないといけませんよね。
アトレティコ・マドリーの関連記事
|
|
アトレティコ・マドリーの人気記事ランキング
1
37歳ガビが現役引退…古巣アトレティコも「我々の歴史的なキャプテンであり、伝説」と功績称える
スペイン人MFガビ(37)が現役引退を表明した。 スペイン代表歴こそないものの、下部組織時代から慣れ親しむアトレティコで公式戦通算413試合の出場数を誇り、長らくキャプテンとしてもチームを牽引したガビ。2011年12月からチームを率いるディエゴ・シメオネ監督の下でも戦術の体現者として絶対的な地位を築いたが、2018年夏に契約満了で退団となり、アル・サッドに移籍した。 そうしてカタールに活躍の場を移したが、今夏にアル・サッドとの契約も切れ、退団。この先も現役を続けるのか、退くのか不透明な状況が続き、古巣アトレティコにコーチとしての復帰も取り沙汰されるなか、29日に自身のインスタグラム(gabi14)を更新したガビがスパイクを脱ぐ意向を明らかにした。 ガビは「フットボールを始めたとき、まさか夢が叶うなんて思いもしなかった。今日、フットボーラーとしてのキャリアに終止符を打つときが来た」と現役を退く意向を示すと、「これまでの旅に関わった全ての人に感謝したい。また、ピッチ内外で求め、励ましてくれたファンにも感謝する」と感謝の言葉を送った。 なお、古巣アトレティコもガビの引退を発表。「我々の歴史的なキャプテンであり、伝説でもあるガビが引退する」と綴り、功績を称えている。 2020.11.30 11:15 Mon2
現役時代のシメオネ監督はどんな人物だった? かつての同僚が明かす
アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督について、現役時代のチームメイトたちが振り返った。スペイン『マルカ』が伝えている。 現役時代セビージャやアトレティコ、そしてインテルなどで活躍したシメオネ氏。特に現在監督を務めるアトレティコには1994年から1997年までの3年間と2003年から2005年1月までの1年半の2度在籍し、公式戦155試合出場29ゴールを記録した。 <div id="cws_ad"><div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJKcDZqR25nZCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script></div> 監督としてピッチサイドで感情を全面に出したスタイルでチームを鼓舞するシメオネ氏だが、現役時代からこの情熱的なスタイルは一貫したもので、共にプレーした多くの選手たちに大きな印象を与えていたようだ。 アトレティコでのチームメイトだった元スペイン代表DFトニ・ムニョス氏は、選手時代のシメオネ氏の情熱を振り返っている。 「彼は全てにおいて情熱的で、ピッチ上でも自分が感じたことを表現していた。苦しむことを楽しんでいたし、全員に対して高い要求を持っていて、強いパーソナリティのある選手だった」 またムニョス氏は、シメオネ氏の優れた戦術眼が得点に繋がっていたと話す。 「戦術的にもとても優れていた。常に1シーズンで8から14ゴールくらいを決めていたが、それは彼がフリーキックや攻撃参加が上手かっただけでなく、試合を読む力に非常に長けていたからだ」 「彼のフットボールに対する思いはとても大きかった。私にシエスタすらさせてくれなかったよ。常にフットボールについて話していて、寝ていても起こされたものだ」 「彼のウォーミングアップは試合前のホテルから始まっていた。チームメイトに指示をして人を集めて、ランチやディナーの時、気付いたら相手がどういう風にプレーするのかという話をしていた」 またセビージャ時代のチームメイトである元スペイン代表DFマノーロ・ヒメネス氏も、シメオネ氏がピッチ上で見せる姿に感嘆していたと明かし、選手時代から名監督としての片鱗を見せていたと語った。 「彼は熱量に溢れていた。失敗した時には怒り、野心と高い要求を求める選手だった。彼はチームのみんなのリスペクトを勝ち取った。なぜなら、失敗しても自分の足でもう一度立ち上がることのできる、勇気ある選手だったからだ」 「彼はハードワーカーで、自分の持つ全てをピッチで出し尽くし、全てのボールを200%の力で追う、今で言うBox to Box タイプのMFだった」 「アグレッシブさとクオリティを兼ね備え、前線への攻撃参加もできた、完全な選手だった。彼が監督になる姿は容易に想像できた」 「選手の時も監督の時も、エル・チョロ(シメオネ愛称)は誇張して大袈裟に行動したりしない。あれが彼のそのままの生き方なんだ」 「彼はベンチで静かに座っているようなタイプではない。自分のメンタルの強さやウイニング・スピリットを常に示してきた人物で、それは彼のDNAの中にあるものなんだ」 また、同じくセビージャ時代の同僚でチームのCBであったホセ・ミゲル・プリエト氏も、シメオネ氏は選手時代からリーダシップを発揮していたと明かした。 「彼はよく試合の前、失敗はピッチに持ち込まずロッカールームに置いていけと私たちに言ったよ」 「常にフットボールのことを考えていて、その執着にも似た思いは今でも増していると思う」 「試合中は全てのプレーに関わっていたし、サッカーというものを理解していた。優れたMFがいれば、CBの力を引き出すことができる。私たちが活躍できたのは彼のおかげだ」 しかし、そんな情熱的なシメオネ氏だが、抜けている部分もあったとプリエト氏は語る。 「私たちはトレーニングに彼の車に乗って行ったことがあったが、車のタイヤがパンクしていたのにずっと変えていなかったんだ。だから私がタイヤの買い方を教えてやったんだ」 2020.06.10 12:45 Wed3
【2022-23 ラ・リーガベストイレブン】4季ぶり優勝のバルセロナから最多5名を選出
2022-23シーズンのラ・リーガが全日程を消化しました。そこで本稿では今シーズンのベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。 ◆ラ・リーガベストイレブン GK:テア・シュテーゲン DF:アルナウ・マルティネス、アラウホ、クリステンセン、フラン・ガルシア MF:スビメンディ、F・デ・ヨング MF:久保建英、グリーズマン、ヴィニシウス FW:レヴァンドフスキ GK マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(31歳/バルセロナ) 出場試合数:38(先発:38)/失点数:18 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今シーズンのMVP。シーズンを通して抜群の安定感と、驚異的なセービングで幾度もピンチを救い、自身初のサモラ賞を受賞。消化試合となった残り4試合でのチームの緩んだパフォーマンスがなければ、シーズン最多クリーンシート記録、最少失点記録樹立も可能だった。 DF アルナウ・マルティネス(20歳/ジローナ) 出場試合数:33(先発:32)/得点数:3 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 総合力高いバルセロナ育ちの俊英。マシア育ちでジローナでトップチームデビューを飾った20歳は、センターバックと右サイドバックを主戦場にレギュラーに定着。昨季のプリメーラ昇格に貢献。今季は右サイドバックで高い身体能力を生かした対人守備、縦への推進力を発揮。さらに、ヤン・コウトが右サイドハーフに定着後は攻撃時にドブレピボーテの右に入るファルソ・ラテラルの役割を担い、バルセロナ育ちらしい戦術理解度の高さやパスセンスを発揮した。 DF ロナルド・アラウホ(24歳/バルセロナ) 出場試合数:22(先発:21)/得点数:0 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ワールドクラスの域に到達。シーズンを通してフル稼働が求められるセンターバックで22試合という出場数は物足りないが、出場試合で披露した圧倒的なパフォーマンス、優勝への貢献度を考えると、やはり外すことはできない。以前から卓越した身体能力と守備センスはすでに世界屈指と言えたが、チャビ監督の薫陶によってパスやポジショニング、判断に磨きをかけた攻撃面でも著しい成長をみせ、より弱点が少ない総合力の高いDFに成長。クラシコではすでにお馴染みとなったヴィニシウス対策の右サイドバック起用では世界最高峰のマッチアップも見せてくれた。 DF アンドレアス・クリステンセン(27歳/バルセロナ) 出場試合数:23(先発:22)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> バルセロナの今季ベスト補強に。アラウホ同様に出場数は物足りず、ミリトンやダビド・ガルシア、ル・ノルマンを選出する選択肢もあったが、フリー加入のデンマーク代表DFの期待以上のパフォーマンスをより評価した。チェルシーでの立ち位置を考えると、センターバックのバックアッパー的な起用が予想されていたが、負傷者や右サイドバック不在の歪なチーム事情もあってセンターバックの主軸に定着。アラウホとはかつてのプジョールとピケのような補完性をみせ、安定した守備に持ち味の配球能力を遺憾なく発揮。最少失点の堅守構築に大きな貢献を見せた。 DF フラン・ガルシア(23歳/ラージョ) 出場試合数:38(先発:38)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 充実のシーズンを過ごして古巣帰還。レアル・マドリーのカンテラ出身でレンタル移籍の翌シーズンにラージョに完全移籍した左サイドバックは、インテンシティの高さに定評があるラージョで今季の全38試合に出場。爆発的なスピードを生かした攻撃参加で、阿吽の呼吸を見せるアルバロ・ガルシアと左サイドの攻撃を活性化。さらに、169cmとサイズには恵まれていないものの、球際の競り合いを苦にしておらず、安定したテクニックと共に総合力の高いサイドバックという評価を確立。来季は買い戻しオプションを行使した古巣への復帰が決定したほか、追加招集ながらスペイン代表初招集と更なる躍進が期待される。 MF 久保建英(22歳/レアル・ソシエダ) 出場試合数:35(先発:29)/得点数:9 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 躍進ラ・レアルのベストプレーヤー。マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェとレアル・マドリーからの武者修行先ではチームスタイルや指揮官との相性に加え、フィジカル面の未熟さもあって完全な主力にはなり切れず。それでも、昨夏完全移籍したソシエダでは個人としてのパフォーマンス向上はさることながら、ようやく自身の特長を生かせる指揮官、チームメイトと巡り合えた。2トップの一角や右ウイングを主戦場に35試合出場でキャリアハイの9ゴールを記録し、巧い選手から怖い選手に変貌。アシスト数は「4」にとどまったものの、味方が着実に決定機を決めていれば、その数字は少なくとも倍にはなっていたはずだ。卓越したテクニックに加え、スピードとパワーの向上で個での局面打開の場面が増え、シルバを中心に周囲とのコンビプレーも強力で対峙する守備者にとっては抑え込むのが難しい一線級のアタッカーに成長。また、右ウイングが主戦場となったシーズン終盤戦では守備面の貢献度の高さも際立っていた。 MF マルティン・スビメンディ(24歳/レアル・ソシエダ) 出場試合数:36(先発:35)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 躍進ラ・レアルの要。一昨季の主力定着以降、安定したパフォーマンスを継続し、国内屈指のピボーテに成長した。バルセロナがブスケッツの後継者、クラブOBでもあるアルテタ率いるアーセナルも関心を示す逸材は、シーズンを通して躍動。守備では強度の高い対人守備、カバー範囲の広さを生かしてフィルター役を完遂。攻撃では巧みなポジショニングと視野の広さを武器にボールの循環の基準点として機能した。メリーノやブライス・メンデスが一時パフォーマンスを落としていた中、久保と共に安定したパフォーマンスで4位チームを支え続けた。来季も愛するクラブに残り、イジャラメンディの背番号4を継承する見込みだ。 MF アントワーヌ・グリーズマン(32歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:38(先発:31)/得点数:15 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今季の最優秀フィールドプレーヤー。得点ランキング4位タイの15ゴールに、最多アシストとなる16アシストを記録し、今季のラ・リーガで最も多くのゴールに関与した。シーズン序盤戦では保有元のバルセロナの契約条項の影響で30分以内限定の起用を強いられたが、クラブ間の交渉がまとまってフル稼働が可能となって以降は不振のチームを攻守に牽引。とりわけ、後半戦ではフランス代表での役割に近いトップ下でフリーロールを与えられると、卓越した戦術眼とテクニック、献身性を遺憾なく発揮し、驚異的なパフォーマンスを披露し続けた。 MF フレンキー・デ・ヨング(26歳/バルセロナ) 出場試合数:33(先発:29)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 開幕前の不当な扱いを乗り越えて優勝の立役者に。自身に何ら非はなかったものの、深刻な財政問題を抱えるクラブ事情でマンチェスター・ユナイテッドへの移籍を迫られる難しい状況でシーズンをスタート。しかし、開幕からガビやペドリと共にチャビ監督が求めるアグレッシブなスタイルをピッチ上で体現する担い手となり、攻守に八面六臂の活躍を披露。出場試合での存在感ではペドリをより評価する声もあるが、前述のクラブでの扱いや守備時のブスケッツのサポートなど多くのタスクをこなした点を評価した。 FW ヴィニシウス・ジュニオール(22歳/レアル・マドリー) 出場試合数:33(先発:32)/得点数:10 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 更なる進化を遂げたエル・ブランコの若きエース。今季記録した10ゴール9アシストは、昨季の17ゴール13アシストをいずれも下回るものになったが、ドリブル成功率や被ファウル、チャンスクリエイトといったスタッツはやはり驚異的だった。今季はベンゼマの不調に加え、常にダブルチームに近い形での徹底マークに遭っており、その中で残した前述の数字は価値があるものだ。背番号7への変更が発表された来季は頼れる相棒ベンゼマの退団によって、正真正銘のマドリーのエースとしての更なる活躍が求められる。 FW ロベルト・レヴァンドフスキ(34歳/バルセロナ) 出場試合数:34(先発:33)/得点数:23 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20230613_101_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 初挑戦のラ・リーガでいきなりのピチーチ獲得。昨夏、新生バルセロナの目玉補強としてバイエルンから鳴り物入りでの加入となったポーランド代表FW。これまで多くの超一流ストライカーが適応に苦しんだバルセロナだけに一抹の不安もあったが、第2節のソシエダ戦でドブレーテを達成すると、そこからは6試合連続を含めゴールを量産。さすがの存在感でブラウグラナの攻撃をけん引した。中断前後はW杯の疲労や3試合のサスペンションの影響でパフォーマンスを落としたが、終盤戦で再びギアを上げ直した。守備の貢献度や運動量に関してはチームメイトから冗談交じりで注文も付けられたが、さすがの決定力に加えて7アシストと確度の高いポストワークでも存在感を示した。 2023.06.14 18:01 Wed4
【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.46 3強時代への入り口、“チョリスモ”の浸透/アトレティコ・マドリー[2013-14]
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.46</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2013-2014シーズン/アトレティコ・マドリー ~チョリスモ~</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2013-14atletico.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ディエゴ・シメオネ 獲得タイトル:リーガエスパニョーラ 攻撃力7:★★★★★★★☆☆☆ 守備力10:★★★★★★★★★★ タレント7:★★★★★★☆☆☆ 連係10:★★★★★★★★★★ 選手層8:★★★★★★★★☆☆ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">2強時代に終止符</div> アトレティコ・マドリー、バルセロナ、レアル・マドリーの三つ巴となったリーガの優勝争いは、バルセロナとの天王山を引き分けで終えたアトレティコに軍配が上がった。終盤は取りこぼしの目立つ優勝争いとなったが、最後はシーズンを通して最も安定していたアトレティコが18シーズンぶり10度目の戴冠を果たしている。 バルセロナとレアル・マドリーの2強に比べて戦力面で劣ることから、終盤に息切れするのではないかとみられていたが、大方の予想に反してチャンピオンズリーグとの二束の草鞋を履きこなし、シメオネ監督の下で戦う集団と化したロヒ・ブランコスがネプトゥーノ広場まで駆け抜けた。 2011-12シーズン途中に就任したシメオネ監督は、豊富とは言えない戦力のなか、運動量が求められる中盤を上手く入れ替えながら長丁場を乗り切った。また、モチベーターとしての手腕をいかんなく発揮し、並行して行われたCLで結果を残しつつ、最後までチーム全体のモチベーションとインテンシティを落さなかったあたりも流石だ。その存在の大きさは、選手たちから聞こえてくる称賛の声からもうかがえた。 アトレティコ・マドリーは、このシーズンにレアル・マドリーとバルセロナの2強時代に終止符を打ち、その後はスペインに留まらず欧州屈指の強豪にまで上り詰めた。シメオネイズム=チョリスモを体現したチームは現在もそのスタイルで戦いを続けている。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">“チョリスモ”を体現</div> GKティボー・クルトワが抜群の安定感と存在感を示し、守護神として君臨。ゴールマウスに鍵をかけ、個人としても2年連続でサモラ(最少失点GK)賞を獲得した。 ディエゴ・ゴディンとミランダの長身センターバックコンビが、最後尾からチームの守備をオーガナイズした。また、両者とも空中戦でも強さを発揮し攻撃面でもチームに貢献した。サイドバックでは攻撃力抜群のフィリペ・ルイスがコケやアルダ・トゥランと好連携を見せ、シメオネ監督から大きな信頼を寄せていたフアンフランは右サイドで攻守に効いていた。 中盤では、キャプテンを務めたガビが中盤の底でハードワークをこなし、相方をチアゴやマリオ・スアレスらが務めていた。サイドは、左をアルダ、右をラウール・ガルシアが担当することが多く、前者は攻撃の仕上げ役としてアシストを量産。後者は空中戦の強さを武器に2トップの一角にポジションを移すなど、シーズン17ゴールを挙げた。 2トップには強力な2人が配置され、前線守備とポストプレーを行う“野獣”ジエゴ・コスタが覚醒しリーグ戦で27ゴールを記録。バルセロナから格安で移籍してきたベテランのダビド・ビジャも堅実にチャンスを決め、シーズン15ゴールを記録した。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">FW:ジエゴ・コスタ(24)</span> アトレティコの快進撃は、この男の存在を抜きにして語ることはできない。最前線でボールを収め、対峙するDFを振り切りながらゴールを量産。得点数ではロナウドとメッシに及ばなかったものの、34試合に出場しての27得点は立派な数字だ。 また、ジエゴ・コスタの素晴らしさは、攻撃力だけにとどまらない。チームの一員として、最前線からプレスをかけることも厭わない。彼の献身性があったからこそ、アトレティコがリーグ最少失点を記録できたと言っても過言ではないだろう。 2019.04.26 12:00 Fri5
