だんだんサッカーらしくなってくる…/原ゆみこのマドリッド

2020.05.18 21:40 Mon
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©Atlético de Madrid
「不公平にならなくて良かったわ」そんな風に私がホッとしていたのは日曜日、週明けにはスペイン人口の70%が新型コロナウィルス流行によるEstado de Alarma(エスタードー・デ・アラルマ/警戒事態)の緩和フェーズ1に移行する中、マドリッドとバルセロナはまだ感染者数や病床占有率などの条件が満たせておらず、フェーズ0のまま据え置きと金曜に政府が発表。そのおかげで出てきた疑問が、すでに1週間個人練習をしてきた両地域にある1部と2部のサッカーチームだけ、グループ練習へ移行ができないのかというものだったんですが、幸いなことに42クラブ全てが特例でフェーズ3相当の扱いになることに。

要はマドリッドではレアル・マドリー、アトレティコ、ヘタフェ、レガネス、ラージョ、アルコルコン、フエンラブラダの7チームが月曜から、10人以下のグループで各人、2メートルの距離は取らないといけないものの、パス交換なども含めた、かなり通常に近いセッションができることになり、同時にこれまで禁じられていたロッカールームも使用可能に。でもねえ、マドリッドの一般市民はフェーズ0状態とあって、14才から69才までの大人が散歩などで外をうろつけるのは午前6時から10時までと午後8時から11時までというのは変わらず、自宅から1km以内という制限も同じなんですよ。従って、いくら外から覗ける場所があることを知っていても市外にある練習場を訪ねることは当分、私にはできないため、ちょっと悔しかったりもするんですが…。

まあ嘆いていても仕方ないので、先週の各チームの様子を順番にお伝えしていくことにすると。やはりこういうプレシーズンキャンプ、地元を離れず、自前の施設で練習を完結させないといけないという条件がつくと、有利なのはバルデベバス(バラハス空港の近く)に120万平方メートルの巨大な敷地を誇る練習場を構えるマドリーなんですよね。ええ、月曜から土曜まで彼らはみっちり個人練習を行ったんですが、最終日、人工芝を敷いたロードコースを選手たちがガンガン走っている光景には目を瞠った向きも多かったかと。

折よく高低もあるため、2カ月間、郊外の高級住宅エリアに庭付きの豪邸を構えている選手が多いとはいえ、これだけの距離を走る機会はなかっただろう彼らにとってもいい運動になったかと思いますが、そのランニング中の1コマを自身のインスタにアップ。後ろから来るクロースとベイルを冷やかしていたルーカス・バスケスが、「sólo ganas por la distancia de seguridad/ソロ・ガナス・ポル・ラ・ディスタンシア・デ・セグリダッド(ソーシャルディスタンスの距離で勝ってるだけじゃん)」とクロースに反論されていたのは笑えたかと。

ちなみにそのクロース、母国のことだけにこの土曜からブンデスリーガがヨーロッパ主要リーグの先陣を切って再開されるのに期待していて、「ドイツはコロナの感染者数も死者数もいい方で、彼らがリーグを終了できなかったら、どこができる?誰もが行く末を見守っているよ」と言っていましたが、そうですよね。一時期の週末はAS(スポーツ紙)など、あまりにウェブページに載せるものがなかったのか、タジキスタンのリーグ戦マッチライブをやっていたくらいでしたが、これがブンデスリーガとなれば、私まで来季マドリーが獲得の噂が出ている19才のFW、ホランドが気になって、ドルトムントvsシャルケ戦のライブログを見てしまいましたからね。

ただ、気になるのは早速、ホランドが再開記念ゴールを挙げていたことより、その土曜に開催された6試合で早くも計8人、負傷者が出たという点で、いやあ、再開後は72時間おきに試合というハードスケジュールもあって、ケガが多発するだろうというのはリーガでも大いに懸念されているんですけどね。一応、ブンデスリーガ同様、FIFA案により、1試合の選手交代枠は5人、リーガではベンチ入り人数も18人から23人へと増員されているんですが、感染検査を受けて、練習を始めているのはマドリーこそ、トップチーム所属の26人ですが、他はどこもカンテラーノ(Bチームの選手)を5,6人入れてそのぐらいの人数。ラ・リーガのテバス会長は感染者が出てもチーム全員を隔離することはないと言っていましたが、下手をすると、ケガ人続出で選手の頭数が足りなくなるんじゃないかと思うのはおそらく、私だけではないかと。

え、超一流のテクニシャン揃いのマドリーでも練習再開後、「El primer día costaba controlar el balón/エル・プリメール・ディア・コスタバ・コントロラール・エル・バロン(初日はボールをコントロールするのに苦労した)」(カルバハル)という状態だったとなれば、お隣さんなどそれどころじゃなかったんじゃないかって?いやあ、フィジカルコーチのプロフェ・オルテガによると、「選手たちはしばらくサッカーシューズを履いていなかったから、芝生に適応できるように最初はテニスシューズでトレーニングを始めて、だんだんサッカーシューズでのエクササイズを増やしていった」そう。

「Con balón es un trabajo individualizado con mucha creatividad/コン・バロン・エス・ウン・トラバッホ・インディビドゥリアリサードー・コン・ムーチャス・クレアティビダッド(ボールを使ってやるのは大いにクリエィテブな個別メニューだ)。様々な異なったテクニックやコントロール、ドリブル、精度を発揮できるようにね」という練習は、いやまあ、自分で地面にたたきつけたボールを頭で受けてドリブルしたり、リフティングしながらポールをよけて進むといった何か、友だちのいない子供が1人でサッカーの技を磨くのにピッタリのエクササイズをやっているのをビデオで見たんですが、大丈夫。来週からは彼らには一番、上達してもらいたい同僚とのパス交換もできるようになりますって。

それより先週、アトレティコ関連で話題になっていたのは、晴れてPCR検査で2回陰性となったロディが金曜からグラウンドに姿を見せてくれたこともありますが、2016年のCL決勝で主審を務めたクラッテンバーグ氏が「セルヒオ・ラモスの先制点はオフサイド。ハーフタイムに線審のミスがわかった」と告白した件だったかと。折しもそれと前後して、アルゼンチン・サッカー協会のインタビューを受けたシメオネ監督が、「La derrota de la primera final de Champions no fue un fracaso, la segunda sí/ラ・デロータ・デ・ラ・プリメーラ・フィナル・デ・チャンピオンズ・ノー・フエ・ウン・フラカソ、ラ・セグンダ・シー(最初のCL決勝は失敗ではない。2度目はそうだ)。2014年はウチがリーガ優勝した1週間後で、内容も相手が上だったが、ミラノでの決勝は違う」と言っていたせいですが、でもねえ。

たとえ、ラモスの前半15分のゴールが認められなかったとて、後半序盤、ペペにフェルナンド・トーレスが倒されてゲットしたPKをグリーズマンが失敗。それでもカラスコのゴールで1-1として、延長戦後のPK戦最後のキッカー、ファンフランがゴールポストに当ててしまい、2回連続でお隣さんにトロフィーをさらわれた悲劇は変わりませんからね。今はただ、今季最後の試合となったアンフィールドでのCL16強対決リバプール戦2ndレグで、「モラタは負傷していて、出せば悪化することはわかっていたが、それでも得点して上手くいった。2-0で負けていたチームが3点取って勝ったのであれば、Eso no es suerte/エソ・ノー・エス・スエルテ(それは幸運だったからじゃない)」(シメオネ監督)というアトレティコの実力がリーガ再開後、来季のCL出場権を獲得するために花開いてくれるのを祈るばかりでしょうか。

そして弟分たちも順調に練習を進めていたんですが、いきなり金曜にはヘタフェのホルヘ・モリーナが八百長疑惑に巻き込まれることに。いえ、これは元々、昨季ラストゲームだったバジャドリーvsバレンシア戦にかかっていた嫌疑がビジャレアルvsヘタフェ戦にも飛び火。仕掛け人とされているマドリー下部組織出身のアランダと、モリーナとエルチェで一緒だったパコ・エステバンの会話に名前が出てきたことが発端なんですが、真相はよくわからないんですよね。この2試合にはCL出場権が懸かっていて、ヘタフェはビジャレアルに勝って、尚且つバジャドリーがバレンシアに勝たないといけなかったんですが、そのヘタフェの勝利に対して、ホルヘ・モリーナに報償金を提示したとは、さて。

結局、彼らはビジャレアルと2-2で引き分け、アランダとエステバンの会話の中でヘタフェがバジャドリーに勝利報酬として300万ユーロ(約5000万円)を用意していたという言及もあったものの、そちらもバレンシアに敗北。それがバレンシアはCLに、ヘタフェはEL出場という今季に繋がっているんですが、もちろんモリーナは関与を否定。ヘタフェとビジャレアルも身に覚えはないという声明を出しているんですけどね。わざと負けるといった話でなかっただけ、まだマシなんですが、せっかく今季こそは初のCL出場を果たそうとエンジンを再び温めているヘタフェだけにあまり、大ごとにならないといいんですけど。

一方、レガネスでは初日のセッションでフィジカルコーチが使っていたマイクとスピーカーが各チームに派遣されるリーガのお目付け役に注意され、翌日から用いられなくなったなんて話が出ていましたが、どうやらこれは先週のマドリッドはにわか雨が降るなど、天候が安定せず、機器が濡れて故障したら困るせいだったとか。まあ、シュダッド・デポルティバ・ブタルケは歩道橋から覗けますし、練習ビデオに罵声とか混ざっていたら、外聞が悪いですからね。グループ練習になれば、選手ももっとまとまってエクササイズに励むはずなので、その辺はあまり気にしないでいいんじゃないでしょうか。

それより心配なのは、クラブハウスにあるダブルの選手用休憩室でリーガ再開1週間前からの合宿をレガネスがリーガに認めてもらえなかったことで、実は1部の小規模チーム、2部など大半が合宿期間の長さにホテル代の心配をしているのだとか。ええ、それこそマドリーなど練習施設内の個人部屋で賄えてしまいますが、選手、スタッフ全員の宿泊がシーズン終了まで続くとなると、1カ月半以上になりますしね。ラ・リーガはどのチームもアウェイ戦の移動を試合当日にできるよう、お金のないクラブにはチャーター機の費用を出すと言っているんですが、ホテル代に関してはまだ情報はなし。実際、その合宿期間にしろ、ブンデスリーガの成り行きを見ながら、調整することになるはずですが、とにかくまずはマドリッドやバルセロナが試合開催可能となる警戒事態緩和フェーズ2まで、早く進まないといけませんよね。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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笑えない展開になってきた…/原ゆみこのマドリッド

「天国から地獄に落とされるとはまさにこのこと!」そんな風に私が呆気に取られていたのは火曜日、マドリッド2部の弟分、フエンラブラダのプラエナ会長、サンドバル監督、チームドクター、選手のウーゴ・フライレとその代理人をサッカー協会の競技委員会が水曜に開かれる会合にオンライン参加するように要請。事と次第によっては、義務違反により、2部B降格処分もありうるかもしれないと知った時のことでした。いやあ、新型コロナウィルス流行によるparon(パロン/リーガの停止期間)が開けてから5週間強、連日連夜ぶっ続けでプレーして、1部は19日の日曜日に、2部も翌20日にはシーズン終了に辿り着いたスペインだったんですけどね。 残念ながら、最後の最後でケチがつき、2部最終節当日にフエンラにコロナ陽性者が複数いることが発覚。リアソルで開催予定だったデポルティーボ戦が延期されただけでなく、以来ずっと、チーム全員がラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート都市)のホテルで隔離されているんですが、いやもう、それからが大変だったんですよ。というのもフエンラは6位で終わったエルチェと勝ち点差1と丁度、1部昇格プレーオフ参加が懸かる位置にいただけでなく、デポルティーボの方は他のチームの最終節の結果により、戦わずして2部B降格が決定。 そこで早々に42節の全てのカードのやり直しから始まって、今季をシーズン無効として、昇格も降格もなしにすべきとか、はたまた感染者がいるにも関わらず、マドリッドから危険を顧みず、移動してきたフエンラを公衆衛生規律違反と見なし、たまたまチームドクターも同伴していなかったことから、降格処分にすべきって、ちょっとお、いくら名門クラブが2部B行きになるは悔しいからって、そこまで言う? まあ、これには便乗しないのは損とばかり、全試合消化して7位に留まった、もう1つの弟分、ラージョなども「最終節は公平性が保たれていないため、エルチェとラージョでプレプレーオフの一戦をやるか、6チームでプレーオフをするべき」といった、こじつけのような提案や、19位で最終節に降格が決まったヌマンシアも来季の2部リーガを24チームで開催することを主張、挙句の果てには、もっと前に落ちていたエクストレマデラもシーズン無効を支持と、もう無茶苦茶な様相を呈しているですが、日曜にラ・リーガがフエンラの「選手たちの回復を待って試合をするか、デポルティーボ戦を完全に中止とするか、当局の決定に従う」という声明を深読みしたのも事態を悪化させたかと。 ええ、フエンラの好意に感謝しつつ、「延期試合は実施せず、昇格プレーオフにはエルチェが出場すると競技委員会に伝える」という声明を出したところ、プラエナ会長、そしてプレーオフ出場ボーナス2万2000ユーロ(約270万円)が懸かっている選手たちから猛反発を受けることに。うーん、正直、ラ・コルーニャで隔離生活を始めてからもフエンラ関係者の陽性反応は増え続け、先週土曜にはマドリッド居残り組の4人を含め、新たに12人が感染していたことが判明。計28人となり、金曜など、具合の悪くなった陽性の選手が市内の病院に救急車で搬送されるなど、もうホント、試合のできる状態になるのはいつになるやら、まったくわからないんですけどね。 感染していない選手たちだって、滞在しているホテル・フィニステレが一般営業も止めていない都合上、ジムもプールも使えず、自身の個室に軟禁状態。シーツもろくろく代えてもらえないとなれば、その体調は推して知るべしかと。何せ、彼らは去年の夏、初めて2部に昇格したばかりですからね。本来なら、先週木曜には始まっていた準決勝1stレグを延期させられたアルメリア、ジローナ、そして相手が決まるのを待っているサラゴサらと共に、月曜にはラ・リーガの指示でPCR検査を受け、準備万端なエルチェに忖度して、ここは譲ってあげても全然、悪くはないと思いますが…でも、降格なんて問題外ですよ! まあ、その辺はデポルティーボ戦の実施、プレーオフ参加チームの件を含め、競技委員会の結論を待たないといけないんですが、実はあまり騒ぎにはなっていないものの、コロナ陽性者と濃厚接触した選手がいたため、先週土曜に予定されていた2部B昇格プレーオフでもポルトゥガレテvsサスタオ戦が延期に。と思いきや、リーガ終了から1週間のバケーションを取った後、8月7日のCL16強対決マンチェスター・シティ戦2ndレグに向けての練習再開に先立ち、月曜に選手やスタッフの自宅でPCR検査を行ったレアル・マドリーでも陽性の選手が見つかったという報が入ってきたから、ビックリしたの何のって。 うーん、最近はスペイン全土でも感染者が再び増え始めていますし、中にはセビージャのバネガのように先週末、スタッフ12人のクラスターが発生したバレンシア(スペイン南部のビーチリゾート)のディスコを訪れ、まだ警戒事態だった時期に禁止されていた10人以上が集まるバーベキューの写真を公開して、お目玉を喰らっていた奥さんが再び映像をアップ。マスクもせず、如何にも感染最適環境にいたように見えながら、8月5日のEL16強対決ローマ戦に備えた練習再開前の検査では大丈夫だったなんてこともありましたしね。 たとえ、8月8日のCL16強対決2ndレグのため、カンプ・ノウを訪れるナポリが遠征を渋るほど、感染者が増えてきているバルセロナでマリアーノが休暇を過ごしたとて、ウィルスをもらったのは運が悪かったとしか言いようがないんですが、バケーション先はイビサ島が多かったチームメートたちとの接触はなかったため、無症状の彼は1人で2週間の自宅隔離となることに。当然、マンチェスター・シティ戦には間に合わないとはいえ、他はリーガ最終戦を欠場したマルセロ、アザールを含め、火曜には猛暑のバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で元気にトレーニングしていましたからね。 何より、サンティアゴ・ベルナベウで1-2と負けた1stレグを戦った2月26日はもう遠い昔、今は栄えあるリーガチャンピオンとして、自信もつけたマドリーとなれば、たとえ、この日曜、四男のマキシモ・アドリアーノ君が誕生したキャプテンのセルヒオ・ラモスが出場停止でおらずとも、最後の2節、ワトフォード、ノーウィッチシティをgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で下し、リバプールと勝ち点差18の2位で先週末、プレミアリーグを終えたグアルディオラ監督のチームだって、恐れるには足らず?向こうはアグエロもケガでいないようですしね。今週から、イギリスではコロナ輸入を警戒して、スペインからの渡航者には2週間の隔離措置を強いているんですが、それもCL遠征は例外ということで、マドリー関係者は影響を受けないというのも朗報ではあります。 え、それで3月に昨季のCL王者を16強対決2ndレグでも破り、今季のプレミアリーグ絶対王者に早めのバケーションを贈ってあげたアトレティコも8月13日の準々決勝ライプツイヒ戦に向けて、練習を再開したんだろうって?その通りでお隣さんより1日早い日曜にPCR検査を行った彼らは月曜から始動。ちなみに最初、AS(スポーツ紙)などが、例年のプレシーズンキャンプ地、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で合宿に入ると言っていたのは勇み足だったようで、この暑い中、マハダオンダ(マドリッド近郊)からチームは動かないようですが、ここはコロナだけでなく、熱中症にも十分、気をつけてほしいところ。 ちなみにこちらの欠席者はリーガ最終節でケガをしたトマス、中断期間中に靭帯断裂したヒザから補助パーツを取り出す手術をしたベルサイコだけどなっていますが、丁度、そのレアル・ソシエダ戦の日、マラガでの2部昇格プレーオフ初戦の応援に行っていたマヌ・サンチェスとリケルメも再び、トップチームに合流。結局、最後は決勝でもアンス・ファティとリキ・プッチの参加をセティエン監督に阻まれたバルサBを制し、見事、昇格を決めたサバデル相手にPK戦で兄貴分同様、ダメダメなところを露呈して、アトレティコBは早期敗退してしまったんですが、まあそれはそれ。 アトレティコがリスボンのエスタディオ・ジョゼ・アルバラーデ(スポルティングCPのホーム)で、エースだったベルナーがもう移籍先のチェルシーの練習に合流しているライプツィヒを破り、準決勝に進めば、アタランタvsPSG戦の勝者との試合はエスタディオ・ダ・ルス(ベンフィカのホーム)で18日。同じ会場で行われる決勝も23日と、またハードスケジュールになるため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)たちにも沢山、働いてもらわないと。彼らとはあまり年齢が変わらない20才のジョアン・フェリックスにもとりわけ、現地での練習場がベンフィカの施設に決まったこともありますし、古巣での煌めきを思い出してくれることを期待しています。 そしてまだシーズンが終わっていないマドリッド勢は1部の弟分にもいて、それは8月5日にEL16強対決インテル戦をドイツのアレナ・アウフシャルケでプレーするヘタフェ。いやあ、彼らは最終節で来季のEL出場権を逃し、リーガ再開後はまったく以前の面影がないんですが、早急に選手たちの気分を切り替えたかったんですかね。1週間の休暇を取った後、月曜から、こちらはそれこそ、ボルダラス監督のプレシーズンご用達、アリカンテ(スペイン南東部)のオリバで木曜まで4日間の合宿に入っています。 何せ、相手はセリエA9連覇を先週、達成したユベントスにこそ及ばず、アタランタやラツィオと2位を最終節まで争うことになるとはいえ、来季のCL出場権を獲得しているチームですからね。メンバーを見てもルカクやら、リーガ中断中にバルサ移籍が決まったと思わされながらも実はまだ、契約延長の交渉をしているラウタロやら、アレクシス・サンチェスやらと、名の知れた選手が多いため、突破は難しいかもしれませんが、そこは一発勝負。リーグ終了が8月2日と休む時間のない相手の疲れを上手く利用できれば、勝機もあるかもしれません。 え、それで来季はラージョやアルコルコンと2部でご一緒することになったレガネスはどうしているのかって?いやあ、最終節のマドリー戦で勝ち越しの1点が取れず、4年間過ごした1部を後にすることが決まった翌日、アギーレ監督の退任が発表されたんですが、まだ新監督は決まっておらず。最初は2016年にクラブ史上初の1部昇格を果たしたアシエル・ガリターノ監督(今季終盤、アラベスの監督を解任)の復帰が取り沙汰されていたんですが、いつの間にか立ち消えになり、その後は今季、コパ・デル・レイで2部のミランデスを準決勝まで導いたイラオラ監督、今週になってからはルビ監督(今季、リーガ再開3試合目にベティス監督を解任)の名前などが挙がっていますが、さあて。 いずれにしろ、フエンラブラダの件が片づかない限り、1部も2部もいつ来季が始まるのか、わかりませんからね。一応、9月中旬と言われてはいるものの、コロナウィルス流行が収まらない限り、スタジアム無観客状態は続くでしょうし、こればっかりはどうしようもなし。一応、最近はお店やレストランもほぼ平常モード、普通に外出できるようになったとはいえ、40度近く気温が上がるマドリッドでもマスク着用が義務化されたため、私もつい、出不精になっちゃうんですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.30 16:00 Thu
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すんなりとは終わらなかった…/原ゆみこのマドリッド

「最後の最後で躓いたわね」そんな風に私が残念がっていたのは火曜日、日曜のリーガ1部に続き、2部も月曜には全節終了するはずだったにも関わらず、この後に及んで、新型コロナウィルス感染により、初めて試合が延期された翌日のことでした。いやあ、まだスペイン全土が警戒事態の中、5月に各チームが練習を再開したばかりの頃は選手や関係者らの検査がよく話題になったものでしたけどね。さすがに2カ月以上も経過すると、世間もあまり関心示さないようになったんですが、どこも試合48時間前のPCR検査はずっと続けていたようで、実は土曜のテストでマドリッド2部の弟分、フエンラブラダから陽性者が1人発生。 それはまあ仕方ないんですが、日曜にも関係者に3人、見つかったチームは月曜朝にも検査を繰り返し、その結果が出るのを待たずにラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート都市)に移動。午後5時半には更に7人の選手に陽性反応が現れたと連絡を受け、ラ・リーガやスペイン・サッカー協会が協議した結果、夜9時に統一されていた11試合中、デポルティーボvsフエンラブラダ戦のみ延期という決断がなされたんですが、その後、幾つもクラブが巻き込まれる騒動に発展したのは、このカードが降格と昇格プレーオフ出場順位の両方に関わっていたから。 え、でも元々、19位の降格圏にいたデポルティーボはたとえ、フエンラに勝っても残留できるか、わからなかったんだろうって?その通りで、この日は勝ち点差1上にいたアルバセテがカディスに勝ち、2部優勝のトロフィーを岡崎慎司選手のいるウエスカに贈ったのはともかく、ルーゴもミランデスに勝利。サラゴサに負けたポンフェラディーナが18位に落ちたんですが、デポルティーボの勝ち点が3増えて並んでも、直接対決のゴールアベレージで負けているため、最後の試合を戦わずして2部B降格が決定することに。 これではフェルナンド・バスケス監督から、「ウチがプレーしていてれば、アルバセテもルーゴも試合中のプレッシャーが違ったはず」と抗議が出るのも当然ですが、デポルティーボは最終節全部のやり直し、もしくは24チームでの来季開催を求め、そうでなければ、現在、ラ・コルーニャの滞在先ホテルで隔離中のフエンラが規定の期間を経た後、とりあえず30日にリスケジュールされた試合を放棄するとラ・リーガに宣言。ええ、そりゃそうでしょう。すでに降格決定済みとなれば、柴崎岳選手だって、さっさと日本に戻りたいのでは? 実際、大ごとなのはフエンラの関わる昇格プレーオフ順位決定の方も同じで、いえ、同じ2部弟分仲間のラージョはすでに降格しているラシングを下したものの、エルチェがオビエドに勝ったため、7位で届かず。アルコルコンもプレーオフ出場が確定していたジローナをサント・ドミンゴで2-0と破り、有終の美を飾ったんですが、10位とかなり離れているのでまあ、関係ないんですが、フエンラとエルチェは勝ち点差1しかないんですよ。つまりフエンラがデポルティーボ戦で引き分け以上となれば、6位に上がって、3位のサラゴサとプレーオフ準決勝を戦う権利を得られるんですが、本来なら今週木曜からのはずだったプレーオフの予定もおかげで8月までずれ込む始末。 要はエルチェにしたって、万が一に備えてバケーションに入ることはできませんし、サラゴサの香川真司選手だって、相手が決まるまで待たないといけないとなれば、もうただでさえ、paron(パロン/リーガの中断期間)のせいで終了が大幅に遅れている今季。プレーオフ準決勝のもう1戦、アルメリアとジローナだって、1部昇格が決まる決勝が8月開催となったら、チームは休めませんしね。今のところ、ラス・パルマスに勝ちながら、18位で降格が決まったヌマンシア、大会の整合性がなくなるからプレーしたくないと言ったものの、ラ・リーガに勝ち点3はく奪を示唆されたというラージョなどを含め、影響を受けた複数のクラブが訴えを起こすと言っているため、先行きが何とも不透明なんですが、リーガ再開が100点満点で終わらなかったのは本当に残念だったかと。 え、それより1部の最終節がどうだったのかの方が気になるって?いやあ、実はこちらも弟分には悲しい結果になってしまったんですが、ブタルケでは前節、リーガ優勝が決まったレアル・マドリーをレガネスがpasillo de campeones/パシージョ・デ・カンペオネス(チャンピオンの花道)を作ってお出迎え。またしても私がパソコンの画面を分割して見ていたワンダ・メトロポリターノでは、今季限りでシメオネ監督と袂を分かち、自身でチームを率いることを発表していた”モノ”・ブルゴス第2監督へのお別れセレモニーが行われていましたが、前半、先手を取ったのはどちらもすでに目標を達成していたチームの方でした。 そう、速攻だったのはマドリーで9分、イスコのFKをセルヒオ・ラモスが頭でゴールに。マークしていたレガネスのキャプテン、ブスティンサへのファールも疑われたんですが、元々、今季はセットプレーからの失点で大打撃を受けている彼らですからね。大体、これでクラブ公式戦100得点目となる、頭自慢のラモスに小柄なブスティンサが付いていたところから、間違っていたような気がしますが、粘って最終節まで2部降格を回避してきたとなれば、レガネスの選手たちもこんなところでギブアップはできません。ええ、その日はカルバハルに代わり、ルーカス・バスケスが右SBとして入ったサイドを執拗に狙い、ハーフタイムに入る直前、ジョナタン・シウバのスルーパスから、ブライアン・ヒルがGKアレオラを破り、同点に追いつけたため、後半に望みを繋げることに。 ただねえ、やっぱりレガネスの守備には難があって、後半7分にはイスコが送ったパスをアセンシオが決めて、再びリードを許してしまったんですよ。アギーレ監督はようやくケガが治ったらしいオスカル、そしてゲレロを後半頭から投入したのに続き、ロケ・メサとアサレも入れて反撃。33分にはそのアサレが再び、ジョナタン・シルバのアシストで同点弾を放ったんですが、いやあ。その2分後の絶好機にも彼がシュートを決めてくれていれば、もしくは38分のCKでヨビッチの手にボールが当たったのがVAR(ビデオ審判)でペナルティに取ってもらえていれば、もしくは普段は3部のレガネスBでプレーしているアビレスのゴール前からのvolea(ボレア/ボレーシュート)が変なところに飛ばなければ、レガネスが勝ち越し点を奪うのも可能だったはずなんですが…。 17位のセルタも一時はエンバルバにゴールを決められて、エスパニョールに負けかねなかったんですけどね。それもVARで認められず、最後は0-0で分けたんですが、どちらにしろ、レガネスは自身が勝ち点3を獲得する他に残留の道がなかったのが災い。普通でしたら、エン・ネシリ(セビージャに移籍)もブライトワイテ(同バルサ)もいない中、兄貴分のマドリー相手に2-2の引き分けたのは立派の一言とはいえ、「問題はこの90分じゃない。その前の26試合にある」(アギーレ監督)というのが全てでした。ええ、1節前にベティスに勝って、残留を確定したアラベスがその日はバルサに0-5とコテンパンにのされながら、ムニス監督が笑顔だったのがその証拠です。 そして選手たちが涙で4シーズンの1部生活に別れを告げ、翌月曜にはアギーレ監督の退団も発表されたレガネスなんですが、大丈夫。ラージョなんて何度も落ちては上がってきていますし、ヘタフェだって3年前には最速Uターンしてきているんですから、また彼らに1部で会える日も来ますって。一方、再開後11連勝は逃したものの、無敗を保ったマドリーはジダン監督も「Ahora toca descansar, no vacaciones, pero sí desconectar/アオラ・トカ・デスカンサール、ノー・バカシオネス、ペロ・シー・デスコネクタル(今は休む時。バケーションではないが、離れないと)」と言っていた通り、翌日から1週間、練習はお休みに。何せ、8月7日にはマンチェスター・シティとのCL16強対決2ndレグが待っていますからね。1-2で敗戦という1stレグの結果を覆すため、また猛暑のマドリッドでのトレーニングになりますが、ホント、熱中症が心配ですよね。 一方、前半30分、トリッピアーのクロスから始まったプレーでエレラが頭でボールを落とし、ジエゴ・コスタのシュートが逸れてモラタに渡ったところ、その後ろ蹴りでラストパスを受けたコケがゴールを挙げ、この日ものらりくらりとリードを守ってしまいそうだったお隣さんはというと。いやあ、相性のいいヘタフェにはそれで良かったんですが、この日のライバルはレアル・ソシエダ。リーガ中断前までCL出場圏の4位にいながら、再開後は調子を落とし、EL出場権を最終節で争わないとならなくなったため、必死でしたからね。 「En el descanso, les he dicho a los jugadores que lo íbamos a conseguir/エン・エル・デスカンソ、レス・エ・ディッチョー・ア・ロス・フガドーレス・ケ・ロ・イバモス・ア・コンセギール(ハーフタイム、選手たちにウチは目標を達成すると言った)。80分にもそう言って、最後は86分だった」とイマノル監督も後で語っていた通り、後半41分、ヤヌザイが右サイドからFKを放ったところ、敵と味方の動きに幻惑されたんでしょうかね。GKオブラクが止め損ね、同点ゴールを奪われてしまったから、さあ大変! いや、大変なのは実はアトレティコではなく、同じ時間、アリカンテ(スペイン南部)のラ・ヌシアでレバンテと戦っていたヘタフェで、グラナダがアスレティックに4-0とgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝っていたこともあり、0-0だった彼らはこの瞬間、EL出場圏外の8位に落ちてしまうことに。それまでも思いっきり不運の塊のような展開で、前半にはマタがオフサイド、アンヘルがGKへのファールと、どちらもゴールをVARで取り消されてしまうとは如何に。まあ、レバンテもロジェールのゴールが認められませんでしたが、後半、ようやくゲットしたPKまで、25回連続で成功させていたマタがゴールポストに当ててしまうとは一体、どこまで呪われている? 結局、不甲斐ない兄貴分はそのまま1-1で引き分け、バレンシアに勝ったセビージャに勝ち点で並ばれたものの、ゴールアベレージで定位置の3位を確保。勝ち点1ゲットのレアル・ソシエダがまるで優勝したみたいにピッチで喜び、更にはロッカールームでも大騒ぎしているのを尻目に、「Mala suerte por el empate/マラ・スエルテ・ポル・エル・エンパテ(ドローだったのは運が悪かったね)」とコケが飄々と話していたのも何ですけどね。数々のVAR判定で試合が長引いていたヘタフェの方はワンタからの報に落胆したか、ロスタイム8分にはジェネが弾いたボールがレバンテのコケに当たり、土壇場で1-0の負け、2年連続のEL出場を逃すという最悪の結果になってしまいましたっけ。 うーん、ボルダラス監督に言わせると、「Un octavo puesto para un conjunto como el nuestro es una buena clasificación/ウン・オクタボ・プエストー・パラ・ウン・コンフントー・コモ・エル・ヌエストロ・エs・ウナ・ブエナ・クラシフィカシオン(ウチのようなチームにとって、8位というのはいい順位だ)」そうですが、何せリーガ中断前が前でしたからね。「Después del parón no hemos reaccionado/デスプエス・デル・パロン・ノー・エモス・レアクシオナードー(ボクらは中断期間が終わった後、リアクションできなかった)。11試合で1つしか勝てなくてはヨーロッパの大会に行けないのも当然」(アンヘル)とはいえ、ファンの期待も高かっただけに悔しいところかと。 そんなヘタフェには8月5日のEL16強対決インテル戦一発勝負が残っているんですが、今の状態を見ると、とてもELに優勝すれば、来季はCLに出られるなんて夢物語は口にできないですよね。とりあえず、ここ数日休んだら、練習再開だそうですが、気分的には中断直前、リバプールを破り、すでにCL準々決勝進出を決定。8月13日のライプツイヒ戦に向け、来週からは毎年、真夏の地獄キャンプが行われるロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で合宿に入るアトレティコの方が何倍も良さそう。 いえ、レアル・ソシエダ戦で交代を頼んだトマスがミニ肉離れで全治3週間という懸念もあるんですけどね。7月にロス・アンヘレスへ行くのは選手たちも慣れていますし、試合が近づく頃にはリスボンにあるベンフィカのトレーニング施設で練習とこれもまた、ジョアン・フェリックスが古巣に戻り、アトレティコが昨夏、大枚1憶2700万ユーロ(約160億円)の移籍金を払った理由を思い出してくれるキッカケになるかもしれないのは吉でしょうか。 ちなみにレアル・ソシエダ戦の後、「ウチはリーガ終盤、最高の仕事をして7勝4分け、マドリーは10勝1分けだった。我々は全ての大会に勝利を義務付けられている2チームと争っている。Estamos buscando siempre nuestro espacio y lugar y vamos a insistir hasta que tengamos nuestra oportunidad/エスタモス・ブスカンドー・シエンプレ・ヌエストロ・エスパシオ・イ・ルガール・イ・バモス・ア・インシスティル・アスタ・ケ・テンガモス・ヌエストラ・オポルトゥニダッド(自分たちの居場所を探して、ウチはチャンスを掴むまで戦い続けるよ)」とはシメオネ監督の言葉。いや本当に、お隣さんもバルサもまだ準々決勝進出が決まっていない、この異例のシーズンが念願のCL優勝に繋がってくれるといいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.22 18:30 Wed
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街は静かだ…/原ゆみこのマドリッド

「まさかホントに言いつけを守るとは!」そんな風に私が感心していたのは土曜日、前夜、ホームのアルコラスで岡崎慎司選手の技ありtaconazo(タコナソ/ヒールキック)なども含め、ヌマンシアに3-0と完勝。ウエスカが直接昇格の2位以上を確定し、最短1部Uターンを決めながら、街中で大勢のファンが集まってお祝いする風景はなかったとお昼のニュースで知った時のことでした。いやあ、確かにウエスカ(スペイン西部)は最近、新型コロナウィルス感染者が再び増えてきている地域ですし、スペイン全土の感染数も5月以来の1日600人台を記録しているとなれば、誰もが用心するのは当然なんですけどね。 実際、何より驚かされたのは木曜の夜、3年ぶりにレアル・マドリーのリーガ優勝が決まりながら、シベレス広場にはお祝いに訪れるファンより、マスコミ各社から送られたレポーターの方が多かったというオチで、いえ、通行止めをしていない車道をクラクションを鳴らしたり、マフラーを振ったりして走り抜ける自家用車やバイクは多々あったというんですけどね。普通の年なら、私の自宅近辺でもクラクションなどは聞こえるんですが、それもなく、念のため、バル(スペインの喫茶店兼バー)の多い通りを一回りしてみても優勝祝いをしているグループなど1組も見当たらず。 <div id="cws_ad">◆マドリー、無観客でのトロフィーリフト<br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiJvYkNoTHhieCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> 選手たちがトロフィーを受け取り、ピッチで記念撮影をしまくっていたエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノのあるバルデベバス(バラハス空港の近く)の施設出入り口に集まったファンもせいぜい2、30人といったところで、至って静かだったとテレマドリッド(ローカルTV局)のレポートで知ったんですが、いや凄い。だってえ、日本よりコロナ被害が遥かに大きかったヨーロッパでは6月中、ナポリのコッパ・イタリア優勝、リバプールのプレミアリーグ優勝、この水曜にはポルトのポルトガルリーガ優勝、スペインでも月曜夜に1部昇格1番乗りを果たしたカディスなど、マスクなし、ソーシャルディスタンス無視でサポーターが街に繰り出し、大騒ぎをしている映像には事欠かなかったんですよ。マドリッド市民って、そんなに素直に当局の警告を聞く性質だった? まあ、私にしてみれば、チームがシベレス広場にも行かず、サンティアゴ・ベルナベウでのメガフィエスタもなかったため、試合が終わった後、TVにひっついている必要もなし。翌日も恒例の州、市庁舎への表敬訪問ですら、逆に州知事、市長がバルデベバスに出向いてミニセレモニーと、立ち会えるイベントもなかったため、あまり優勝の実感が湧いてこないんですが、とりあえず、順位争いに関係ないエイバルvsバジャドリー戦以外、木曜午後9時に一斉開催となった37節を振り返ってみることにすると。 いやあ、コロナ禍の余波でバルに入り浸るのも気が引け、リーガの配信契約をしたところ、以前はハオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の多元中継をイヤホンで聴きながら、時間割が統一されるシーズン終盤など特に、複数の試合を同時に見られたらいいのにと願っていたものですが、とうとうその長年の夢が実現。この日は無料地上波のGolTVでアスレティックvsレガネス戦を流しながら、パソコンの画面でマドリーvsビジャレアル戦、ヘタフェvsアトレティコ戦をつけていたんですが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで序盤から、シメオネ監督のチームが攻めまくられていたとなれば、そちらに目が釘付けになってしまったのも仕方ない? 何せ、前節にはマストであるCL出場圏順位を確定させたアトレティコですからね。「Tuvimos pocas presión e intensidad en los primeros 20 minutos/トゥビモス・ポカス・プレシオン・エ・インテンシダッド・エン・ロス・プリメーロス・ベインテ・ミヌートス(最初の20分間、ウチはあまりプレスをかけず、プレーの激しさもなかった)」(シメオネ監督)という状態だった彼らが、EL出場権が懸かっているボルダラス監督のチームに気迫で押されてしまうのも当然だったんですが、まったく。相性が悪いとはよく言ったもので、マタが3度程、絶好のシュートを撃ちながら、フェリペのゴールライン上クリアがあったり、GKオブラクが中に入ってから掻き出しても直前のオフサイドで得点を認められないなど、アトレティコが無失点でハーフタイムを迎えているんですから、ビックリしたの何のって。 その一方で前半16分にはカンプ・ノウから、アルナイスのゴールでオサスナがバルサに0-1とリードしたという朗報を受け、勢いづいていたマドリーは25分、モドリッチのラストパスをベンゼマが決めて先制。相手のビジャレアルがこの試合より、EL出場確定に必要な勝ち点1を獲るのは最終節のエイバル戦の方が容易いと考えたか、カソルラを温存してきたのも有難かったようですが、そのままマドリー勝利、バルサ敗戦となれば、余裕で優勝決定ですからねえ。その日はアザールが3試合ぶりに復帰という嬉しいニュースもあったものの、特に他には見せ場がないまま、そちらの前半は終わってしまいましたっけ。 そして後半に入って8分、カラスコがエリア前でヘタフェDF陣に囲まれながら出したボールをマルコス・ジョレンテがクルリと体を回してシュート。それまでの劣勢が嘘のような先制点をアトレティコが挙げているのには呆気に取られるしかなかったんですが、いよいよ30分過ぎには3試合同時にイベントが発生したから、さあ大変!ええ、バルデベバスでセルヒオ・ラモスがチャクラにエリア内で倒されたプレーがペナルティとされ、当人がPKマークに立ったんですが、ボールを横に短く出して、後ろから来たベンゼマが撃つという、いやあ、多分、キャプテンはピチチ(リーガの得点王)レーストップのメッシがオサスナ戦後半にFKで同点ゴールを入れたことを知り、また差が3本に戻っていた後輩の力になりたかったんだと思いますけどね。 でもねえ、ベンゼマのシュートはゴールとなったものの、ラモスが蹴る前に当人がエリア内に入っていたことが発覚してやり直しに。今度はキッカーとしてベンゼマが蹴って、ちゃんと2点目を挙げたとなれば、初めからそうしていれば良かったのでは?そんな意味不明なことが起こっている横で交代出場したビトロがエリア内左奥に切り込んだ後、ゴール前に送ったボールをトマスが決めて、アトレティコも2点目をゲット。いえ、そのちょっと前にはparon(パロン/リーガの中断期間)直前のCL16強対決リバプール戦2ndレグから、チームの切り込み隊長と化していたジョレンテが交代を頼んでいて、ケガが心配されるなんてこともあったんですけどね。 どうやら当人曰く、「En las últimas jugadas se me han subido los gemelos/エン・ラス・ウルティマス・フガダス・セ・メ・アン・スビードー・ロス・ヘメロス(最後のプレーでふくらはぎがつったんだ)。FWがダッシュできないんじゃ、ピッチにいる意味がないからね」という理由だったため、全然、大丈夫だったんですが、え、そのアトレティコがリードを広げている間中、サン・マメスではレガネスがVAR(ビデオ審判)判定を待っていなかったかって? その通りで、アスレティックは前半23分にエリアを飛び出してブライアン・ヒルの突撃を止めたGKウナイ・シモンが退場に。そこからずっと人数的優位で戦いながら、例の如く、ゴールが遠かった弟分なんですが、とうとう冬の市場でセビージャに移籍したエン・ネシリを補うべく、加入していたアサレとゲレロがやってくれたんですよ!前者のスルーパスを後者がvaselina(バセリーナ/ループシュート)でGKエレリンの頭を越えてネットに入れたんですが、オフサイドチェックが延々と続いているとなれば、待たされる方はたまったもんじゃありませんって。それがレガネスのVAR運の悪さ故か、認められないだろうという大方の予想を裏切って、スコアボードに上がってくれたのにはもう、サッカーの神様に感謝するばかりかと。 これで一番の課題をクリアしたレガネスはロスタイムにもアビラスのパスから、アサレが2点目を挙げ、0-2で勝利。その日は10人も負傷や出場停止者がいて、ピッチにいるトップチーム選手の人数が減りすぎないように気をつけないと、alineracion indebida/アリネラシオン・インデビダ(不適切なラインアップ)で訴えられる危険もあった彼らだったんですけどね。おまけに「ルベン・ペレスとブスティンサはケガ人なのにプレーしてくれた」(アギーレ監督)という極限状況だったんですが、ここ4試合、エスパニョール、エイバル、バレンシア、アスレティックとの対戦で勝ち点10を稼いだのはまさに僥倖。 おかげで同日、グラナダに負けたマジョルカが最短2部Uターンとなったのを横目に、17位のセルタがレバンテに負けたおかげもあって、勝ち点差1で最終節まで首の皮が繋がりましたからね。ただ、だからといって手放しで喜べないのは、セルタがすでに降格しているエスパニョールと対戦することもそうですが、レガネスがブタルケに日曜午後9時(日本時間翌午前4時)に迎えるのは今を時めく、今季のリーガチャンピオン。もちろん「Solo nos vale ganar y vamos a intentarlo/ソロ・ノス・バレ・ガナール・イ・バモス・ア・インテンタールロ(有効なのは勝利だけだから、やってみるつもりだ)」(アギーレ監督)という姿勢で行くしかないとはいえ…。 いや、先走ってはいけません。木曜の試合に話を戻すと、ベンゼマのPKゴールで2-0としたマドリーは後半38分、イボラのヘッドで1点を返されたものの、ロスタイムにはGKクルトワの連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)などもあって、2-1の勝利で優勝が決まることに。その頃にはロベルト・トーレスの決勝点でオサスナがバルサに勝ったという報も届いていたんですけどね。ジダン監督も「Hemos sido los mejores porque somos los que más puntos hemos sumado. y ya está/エモス・シードー・ロス・メホーレス・ポルケ・ソモス・ロス・ケ・マス・プントス・エモス・スマードー、イ・ジャー・エスタ(どこより勝ち点を積んだのだから、ウチが最高のチームだった。それだけだ)」と話していた通り、「Cuando uno gana 10 partidos no hay nada que decir/クアンドー・ウノ・ガナ・ディエス・パルティードス・ノー・アイ・ナーダ・ケ・デシール(誰かが10試合全てに勝ったのなら、言うことは何もない)」(シメオネ監督)というのが、まさに今季の総括といったところでしょうか。 そんなアトレティコも直近17試合でヘタフェに31-0で圧勝しているという流れのまま、その日も0-2で勝ったんですが、実は彼らには最終節にやってもらいたいことが。いえ、罪滅ぼしという訳ではありませんが、2季連続EL出場を目指す弟分のため、日曜にワンダ・メトロポリターノに迎えるレアル・ソシエダには勝ってあげてほしいんですよ。ええ、その日はセビージャがバレンシアと0-0で分けたため、彼らの3位は揺らがなかったものの、まだ確定という訳ではないですしね。サウールは累積警告で一足先にリーガ終了となりますが、8月13日にはライプツィッヒとのCL準々決勝も控えているとなれば、とりわけケガの治ったジョアン・フェリックスなど、まだまだ気を抜いてはいけないかと。 まあ、実際、ヘタフェが「Somos de los peores tras el confinamiento/ソモス・デ・ロス・ペオーレス・トラス・エル・コンフィナミエントー(ウチは外出禁止令後、最悪だったチームの1つ)」(ボルダラス監督)というのは本当ですし、アトレティコ戦の後半ロスタイムにはニヨムがアリアスに後ろから強烈タックスをお見舞いして一発退場。せっかくビジャレアル戦でのtangana(タンガナ/小競り合い)で受けた出場停止処分が1試合で済みながら、再び出られなくなってしまうなど、自業自得の面もあるとはいえ、3月まではクラブ史上初のCL出場も夢ではないと言われていた彼らですからね。 最終節のレバンテ戦には処分3試合とされたエチェイタも引き続き出場停止と逆境ばかりのヘタフェですが、幸いまだEL出場圏内の7位をキープ。ただ、この位置は予選3ラウンドの突破が必要と、ELグループリーグに辿り着くまでの道のりが大変なため、マドリーに負けながらも他試合の結果で7位以上が決定したビジャレアルはともかく、勝ち点差1に迫ってきた8位バレンシア、9位グラナダの追撃を避けつつ、レアル・ソシエダを乗り越えて、6位に這い上がれるといいのですが、さて。 そして奇跡を期待したいのがレガネスで、いえ、ジダン監督など、「モチベーションを持たないといけない。クラブのDNAには全ての試合に勝つことが刷り込まれているし、además es de Liga. No es un amistoso/アデマス・エス・デ・リーガ。ノー・エス・ウン・アミストーソ(リーガ戦だからね。親善試合じゃない)」と言っていたんですけどね。どうやらビジャレアル戦でキンティージャに顔面膝打ちされながら、頑張って最後までプレーしたGKクルトワはサモラ(リーガで一番失点率が低いGKに与えられる賞)がほぼ確定したのもあり、アレオラに先発を譲るようですし、土曜に発表された招集リストからはハメス・ロドリゲスに加え、まだ本調子でないアザール、そしてとうとうベイルも落ちましたからね。 レガネスがマドリー勝った記憶など、2017-18シーズンのコパ・デル・レイ準々決勝2ndレグで逆転突破した時ぐらいしか、私にもないんですが、こればっかりはやってみないことには何とも。ちなみに金曜に一斉開催された2部の41節、マドリッド勢でプレーオフ圏内に入ったのはエルチェとの直接対決を制して6位に上がったフエンラブラダだけ。アルコルコンはマラガに負けて望みがなくなり、ラージョもラス・パルマスと引分け、勝ち点差3で8位とかなり厳しい状況になったため、月曜の最終節ではデポルティーボに勝って、フエンラブラダに2年連続昇格の夢を繋いでほしいところですが…いやあ、その試合、柴崎岳選手のいるデポルには2部残留が懸かっているのは辛いところです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.19 18:30 Sun
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シベレスに行ってはいけない…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱり祝賀行事はないのか」そんな風に私が溜息をついていたのは火曜日、6月中旬から再開して以降、連日ノンストップで続いていたリーガ戦が最後の2節は開催時刻統一となるため、ようやく途切れた午後のことでした。いやあ、先週末は土曜にマドリッドの2部の弟分、フエンラブラダに予想外の敗戦を喫したため、翌日、3位のサラゴサがオビエドに負けるまで待たなければならなかったとはいえ、カディスが昇格一番乗りを達成。さすがに15年ぶりの1部復帰とあって、未だに新型コロナウィルス流行の影響で自粛モードが続く中、カディス(スペイン南西部のビーチリゾート都市)市内に大勢のファンが集まって、大騒ぎしていたのがマズかったんですかね。 おかげでこの木曜の37節、バルサがすでに残留が確定しているリラックスムードのオサスナに勝っても、日曜の最終節まで持ち越されるのはマドリーがビジャレアルと引き分けか負けた時のみという、かなりリーガ優勝決定の可能性が高まった今、いえ、最初にシベレス(レアル・マドリーが優勝した時にお祝いに行く広場)でのイベントを企画したいと言っていたのは当のマドリッド市長だったんですけどね。火曜には一変、「バルコニーから、レアル・マドリーの旗と拍手で祝ってほしい。De verdad, que no se acerquen a Cibeles/デ・ベルダッド、ケ・ノー・セ・アセルケン・ア・シベレス(本当にシベレスには近づかないように)」とファンに嘆願する破目に。 実際、近年はシベレスにステージを設置、最後は女神像にbandera(バンデラ/旗)やbufanda(ブファンダ/マフラー)をキャプテンたちが巻いた後、サンティアゴ・ベルナベウでのメガフィエスタというのが定番だったクラブも何せ、後者は来季が9月に始まるまで、簡単には元に戻せない大規模改装工事中でもありますからね。昨季はCL連覇も途切れ、リーガに至っては3年ぶりの優勝となるため、祝う気満々のファンが何万人と詰めかけるのを心配したか、「nuestros jugadores no acudirían a los tradicionales lugares de celebración, especialmente a la plaza de Cibeles/ヌエストロス・フガドーレス・ノー・アクディリアン・ア・ロス・トラディソナレス・ルガーレス・デ・セレブラシオン、エスペシアルメンテ・ア・ラ・プラサ・デ・シベレス(我々の選手たちは伝統的な祝勝行事開催ポイント、とりわけシベレス広場には行かない)」とオフィシャル・ウェブに公式声明を出して警告。 とはいえ、クラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)に勝ったぐらいでもシベレスへ行くファンは常にいますし、いくら周辺の警備を厳重にしたとて、人が集まらないことはないんじゃないかと思いますが、さて。加えて木曜の試合はバルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノでのホームゲームとなれば、敷地内に入れないのはわかっていても、野っ原の中にある周辺の路上で選手たちの出待ちを兼ねて、盛り上がろうというサポーターが大量に現れても不思議じゃあありませんって。 ま、そんなことはともかく、先週末のマドリッド勢の試合の話もしていかないと。実は前節、一足早く目的を達したチームもあって、それはお隣さんのアトレティコ。でもねえ、土曜の36節ではワンダ・メトロポリターノにベティスを迎えた彼らだったんですが、相手はようやく残留が確定し、ペジェグリーニ監督招聘の発表で、すでに意識が来季の巻き返しに向いていたにも関わらず、すんなり片付かないんですから、これは彼らの宿命と言っていい? というのも前半20分、コレアがゴールを決めたものの、VAR(ビデオ審判)により、事前にマルコス・ジョレンテにハンドがあったとして認められず。36分にもコケが絶妙のスルーパスを送り、モラタが技ありvaselina(バセリーナ/ループシュート)でフィニッシュしながら、VARでほんの数ミリのオフサイドが発覚して、こちらもスコアに挙がらないんですよ。おまけに前半のうちにトリッピアーが腹痛でアリアスと交代したのはともかく、シメオネ監督が後半8分、勝負を懸けて、サウール、ジョレンテ、モラタをジエゴ・コスタ、カラスコ、ビトロへトリプルチェンジした直後、CBのエルモーソがローレンへのタックルでレッドカードって、何てまあ、間が悪いんでしょう! 実際、それについては当のシメオネ監督も「後半、退場者が出た時間が早くて、残り40分近くあったし、選手たちの疲労も溜まっていた。Se me pone la piel de gallina explicándolo/セ・メ・ポネ・ラ・ピエル・デ・ガジーナ・エクスプリカンドロ(説明しているだけで鳥肌が立つね)」と言っていた程で、コレアを下げ、フェリペ投入で守備体制を整えた彼らは、唯一の武器を使えるチャンスを辛抱強く待つことに。もちろんそれは人数的不利があまり関係ないセットプレーで28分、カラスコが蹴ったFKをコスタがヘッドしたところ…。 ていうか、「Si remato bien creo que va fuera, pero el cabezazo es mordido.../シー・レマト・ビエン・クレオ・ケ・バ・フエラ、ペロ・エル・カベサソ・エス・モルディードー(しっかり撃っていたら外れていたと思うけど、完璧なヘッドじゃなかった)」と本人も告白していた通り、頭なんだか、肩なんだか、胸なんだか、腕なんだか、映像でもはっきりしない部分で叩きつけたボールがGKダニ・マルティンを破っただけでなく、VAR裁定もクリアして、とうとう先制点となってくれるとは!その後はロスタイムのベティスのシュートもGKオブラクが難なく捌き、アトレティコは1-0で勝利。勝ち点3ゲットでとうとう、マストのCL出場圏順位確定が叶いましたっけ。 いやあ、度重なる逆境にもめげず、選手たちが目標を達成してくれたことに対して、シメオネ監督は「en el campo no hay gente, pero sí está el alma de ellos y apareció todo eso que tiene el Wanda Metropolitano/エン・エル・カンポ・ノー・アイ・ヘンテ、ペロ・シー・エスタ・エル・アルマ・デ・エジョス・イ・アパレシオ・トードー・エソ・ケ・ティエネ・エル・ワンダ・メトロポリターノ(スタジアムに人はいなくても、彼らの魂はあって、そういうワンダ・メトロポリターノが持っているものが現れた)」とやっぱり、コロナ警戒事態によるparon(パロン/リーガの中断期間)中、下手したら、シーズン打ち切りになって、6位で終わっていたかもしれないという心労もあったんでしょうか。どこか、スピリチュアルな話になっていましたが、TVで試合中継を最後まで見ていたファンはロッカールームに引き上げる際のロディの行動にも感動。 ええ、彼はベティスのエメルソンと話しながら歩いていたんですが、ピッチ入り口前の地面に描かれているクラブの紋章を迂回するよう、さり気に同胞を誘導。入団1年目のロディまでが、クラブのレジェンドであり、2008年のユーロ優勝でスペイン代表の黄金期の礎を築いた、今は亡きルイス・アラゴネス監督の名言、「El escudo del Atlético de Madrid nunca se pisa/エル・エスクード・デル・アトレティコ・デ・マドリッド・ヌンカ・セ・ピサ(アトレティコの紋章を決して踏んではいけない)」を忠実に実践している辺りがツボに入ったのかと。 まあ、そんな彼らは日月と2連休を取った後、木曜一斉午後9時(日本時間翌午前4時)キックオフの試合ではコリセウム・アルフォンソ・ペレスで兄弟分ダービーとなるんですが、日曜にはセビージャもマジョルカに勝ったため、勝ち点で並んだまま、3位の座を確定させることはできず。いやまあ、3位でも4位でもCLグループリーグに直接参加できるんですが、ここ8年連続でチームをCL出場に導いているシメオネ監督は常に3位以上で終わっていますからね。2試合の出場停止処分を受けたエルモーソはもう今季は出られないものの、何せヘタフェの方は中断期間中、ずっと5位と兄貴分の上に立ちながら、再開後はと1勝5分け3敗と絶不調に突入。 月曜のアラベス戦でも前節、ビジャレアル戦でtangana(タンガナ/小競り合い)に参加したエチェイタ(3試合)、ダミアン(2試合)、ニヨム(1試合)、更に累積警告のアンヘルの出場停止が響き、カンテラーノ(ベタフェBの選手)、ウーゴ・ドゥーロの2試合連続かと思われたゴールもVARでマタがハンドを取られ、得点にならずとはツイていない。せっかく日曜にはブタルケでGKクエジェルがパレホのPKを止め、ルーベン・ペレスの先制PKゴールを守って、バレンシアに1-0で勝ち、アラベスと勝ち点差3まで詰めていたお隣さん、レガネスの援護射撃もできずにスコアレスドローで終わったため、まだEL出場も確定できていないですからね。そんなボルダラス監督のチームの希望を砕かず、尚且つ、レアル・ソシエダと対戦するセビージャに抜かされない結果になってくれればと。 何にせよ、こちらは高みでの贅沢な悩みと言ってもいいんですが、やはり絶望的なのは19位のレガネスで、だってえ、16、17位のセルタ、アラベスは勝ち点差4と、あと2試合で追い抜ける可能性はあるものの、間の18位にはマジョルカもいるんですよ。バレンシア戦では、エスパニョール戦で貴重な決勝ゴールを挙げたジョナタン・シルバが退場と、木曜のアスレティック戦なんて、更に得点源が減っている状況ですが、こう悪循環ばかりではねえ。アギーレ監督は「No esperamos nada de nadie. Nuestro objetivo es ganar los dos partidos y esperar/ノー・エスペラモス・ナーダ・デ・ナディエ。ヌエストロ・オブヘティボ・エス・ガナール・ロス・ドス・パルティードス・イ・エスペラル(誰にも何も期待しない。ウチの目標は2連勝して待つことだ)」と言っていましたが、せめて日曜の最終節ではすでに優勝を決定したマドリーをブタルケに迎えられるといいのですが。 え、私がそんなことを言うのは月曜にグラナダ戦に挑んだマドリーが前半8分にはメンディが、10分にはベンゼマが今季リーガ19本目、現在最多のメッシまであと3本と迫るゴールでチームの2点目を挙げた後、「En lugar de ir a matar el partido buscando el 0-3 nos relajamos/エン・ルガール・デ・イル・ア・マタール・エル・パルティードー・ブスカンドー・エル・セロ・トレス・ノス・レラハモス(0-3にして試合に決着をつけにいく代わりにボクらはリラックスしてしまった)」(セルヒオ・ラモス)という状態になったからなのかって? そうですね、もちろんこの連戦日程をこなした後ですから、どのチームも疲れが溜まっているんだと思いますが、後半4分にカセミロがカルロス・フェルナンデスにボールを奪われ、エレラからラストパスを受けたマチスが1点を返したグラナダは終盤、まさに追いつかんばかりの勢いでしたからね。おかげでロスタイムなど、GKクルトワがゴールキックで時間稼ぎして、イエローカードをもらったりしていたんですが、それでも1-2で逃げ切れるのですから、しっかりしているじゃないですか。苦しい試合もあったとはいえ、リーガ再開後、9戦9勝しているとなれば、アトレティコと同じ6勝3分けのバルサが2連覇中だったリーガの王座を譲る破目になってもまったく、文句は言えないかと。 何せ、丁度、木曜の相手、ビジャレアルはセビージャ勝利と自身のレアル・ソシエダ戦での負けが重なり、CL出場権獲得の望みが消滅、その一方でEL出場権は確定とある意味、詰みの状態ですからね。となると、マドリーが勝つのも決して難しくはないかと思いますが、果たして結果は如何に。ちなみにカディスの昇格決定の後、やはり結末が近づいている2部の41節は金曜午後9時から一斉にスタート。直接昇格2番手には岡崎慎司選手のいるウエスカ(現在、3位アルメリアと勝ち点差1の2位)が来るのか、香川真司選手のいるサラゴサ(同、2位と勝ち点差2の4位)になるのかといった興味もあるかと思いますが、マドリッド勢の弟分たちもここが正念場です。 ええ、カディスに勝ったフエンラブラダがプレーオフ出場圏の6位と勝ち点1差の7位、最短1部復帰を狙うラージョはその1つ下の8位で勝ち点差2、そしてアルコルコンも11位ながら、勝ち点差は4と到達可能範囲にあるため、私もそれぞれエルチェ戦、マラガ戦、ラス・パルマス戦が気になるところですが…いやあ、たとえ、レガネスが2部に落ちてもマドリッド1部4チーム体制が維持できるよう、応援している訳では決してないですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.15 19:00 Wed
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優勝も降格も秒読みに入った…/原ゆみこのマドリッド

「もしやこれってクジ運良かった?」そんな風に私が明るくなっていたのは金曜日、新型コロナウィルス流行のせいで3月から中断されていたCLの決勝トーナメント準々決勝組み合わせが決まった時のことでした。いやあ、もうこういうイベントではゲストのビデオ参加が恒例になった昨今ですが、どういう訳か、ニヨンのUEFA本部とマドリッドの通信が不調。その夜にはアラベス戦が控えていたせいか、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場の一室でインタビューを待っていたのがブトラゲーニョ渉外ディレクター1人だったレアル・マドリーはともかく、せっかくワンダ・メトロポリターノのセットで正午から、セレソ会長、シメオネ監督、キャプテンのコケが雁首揃えてスタンバイしていたアトレティコ勢のコメントも抽選会中には聞けなかったのは残念でしたが、もちろんそれより大事なのは決勝までの道のりが決まったことの方だったかと。 ええ、16強対決2ndレグが終わっていなかったため、8月7日、1-2で敗戦した1stレグから、マンチェスター・シティに逆転するため、エティハド・スタジアムに乗り込まないといけないお隣さんやその翌日、カンプ・ノウにアウェイで1-1と引分けていたナポリを迎え撃つバルサと違い、昨季のCL王者且つ、今季プレミアリーグ王者でもあるリバプールを堂々たる2連勝で下していたアトレティコはリスボンで開催されるファイナルエイトに直接参加。一発勝負となる13日の準々決勝では、昨季のファイナリストであるトッテナムを総合スコア4-0で下したライプツィヒとスポルティングCPのホーム、ジョゼ・アルバラーデで対戦することに。 何せ、相手は先月27日に一足早く終わったブンデスリーガで今季も3位とまあ、国内戦ではアトレティコと似たような順位なんですが、CL出場はまだ2回だけで、決勝トーナメントも初体験ですからね。しかも今季、バイエルンのレバンドフスキに次ぐ28得点を挙げたエースのティモ・ベルナーのチェルシー移籍がすでに決まっており、もうライプツィヒではプレーしないというのですから、ここは結構、強気に出てもいい? 更に言うと、もしCL準々決勝に進んだ場合、バルサは8月14日におそらく、16強対決1stレグでチェルシーを0-3で下しているバイエルンと対戦。マドリーは15日、オリンピック・リヨンとの1stレグでは1-0で予想外の敗戦を喰らったものの、トリノでの2ndレグで挽回してくるだろう、クリスチーノ・ロナウドのいるユベントスと当たることになり、両者がその試練を乗り越えた先にあるのはCLクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)。 逆にアトレティコは準決勝でアタランタvsPSG戦の勝者と当たるとあって、決勝までお隣さんにも、先日はリーガ戦17試合連続白星なしとしながら、CLではシメオネ監督が2度の対戦で勝ち抜け。1月のスペイン・スーパーカップ準決勝でも2-3と逆転勝利しているバルサとも顔を合わさず済むんですが…うーん、8月23日、奇しくも2014年と同じ会場、ベンフィカのホーム、エスアディオ・ダ・ルスでのCL決勝では3度目の正直、今度こそマドリーを下して念願の初優勝っていうのが、一番魅力的なシナリオだと思っているアトレティコファンもいたりする? まあ、どちらにしろ、リスボンでのファイナルエイトは全て無観客試合となるため、マドリーダービー決勝となっても6年前のようなファンの大移動はないんですが、今のご時世では優勝セレモニーを開催するのも難しいですからね。それでもマドリッド市は丁度、来週木曜に37節、19日の日曜に最終節を全試合、キックオフタイム午後9時にunificasion(ウニフィカシオン/時間割の統一)して行うことが発表されたリーガでマドリーの優勝が決まった場合、大量のファンが集まらないように工夫しつつ、絶賛大改装中のサンティアゴ・ベルナベウでメガフィエスタができないマドリーのため、シベレスでの祝賀行事を計画しているようですからね。 万が一、アトレティコが8月にネプトゥーノで祝うことになれば、それもいい参考になるかと思いますが、はあ。最近、スペインのワールドカップ優勝10周年となる7月11日が近づいてきたせいで、当時、マドリッド市内の大通りが群衆で覆い尽くされたパレート風景の映像などをTVで見る機会が増えているんですが、そういう大規模なイベントって、当分の間はできないんでしょうね。 そんなことはともかく、今週のマドリッド勢の試合を振り返っていくことにすると、火曜にまず、35節をプレーしたのはアトレティコだったんですが、やっぱり開始55秒で先制するなんて、せっかちな真似をしたせいですかね。そのプレーはセルタから中盤でボールを奪い、マルコス・ジョレンテ、アリアス、コレアと繋いだ後、コレアのラストパスがベルトランの「me dio en la rodilla/メ・ディオ・エン・ラ・ロディージャ(ヒザに当たった)」おかげで軌道がずれ、ゴール前左側にいたモラタが押し込んでゴールという見事なものだったんですが、その後が全然、続かないんですから、困ったもんじゃないですか。 しかも不運なことに後半開始早々3分にはそのベルトランが汚名返上、ブライス・メンデスのクロスをエリア内でvolea(ボレア/ボレーシュート)したところ、大きく孤を描いたボールがGKオブラクを越えてネットへ。その日はジエゴ・コスタが出場停止、ジョアン・フェリックスは足首を負傷、カラスコもビーゴ(スペイン北西部のビーチリゾート)遠征出発直前に胃腸の不調で不在と、アタッカーのオプションが少なかったのも響いたか、「Teníamos el partido controlado, pero ante un gol así poco se puede hacer/テニアモス・エル・パルティードー・コントロラードー、ペロ・アンテ・ウン・ゴル・アシー・ポコ・セ・プエデ・アセール(ゲームはコントロールできていたんだけど、ああいうゴールを入れられては、できることはあまりない)」(モラタ)というアトレティコはそのまま1-1で引き分けてしまいましたっけ。 これでクラブのシーズン最多記録を更に更新する今季15回目のドローともなると、もう私なども何と言っていいのかわからないんですが、シメオネ監督にまで、「Los empates existen como existen los triunfos, la derrota y el rival que también compite/ロス・エンパテス・エクシステン・コモ・エクシステン・ロス・トリンフォス、ラ・デロータ・イ・エル・リバル・ケ・タンビエン・コンピテ(勝利や敗北があるように引き分けだってある。相手も競っているんだし)」と開き直られてもね。おかげで木曜にアスレティックに1-2で逆転勝ちした4位セビージャに勝ち点で並ばれてしまったんですが、それでもCL圏外5位との差は勝ち点6あるって、ちょっとは慰めになる? そのビジャレアルにはゴールアベレージで上回っているため、ファン的には土曜午後10時(日本時間翌午前5時)からのベティス戦で勝利して、早めに来季のCL出場権を確定してもらいたいところですが、さて。ルビ監督を解任した後、現在、クラブスタッフのアレクシス暫定監督が指揮する相手は先日、残留が確定したのを機に来季はペジェグリーニ監督が来ることを発表したばかりで、今はもう消化試合体制ですからね。ジョアンはまだ回復せず、ヒメネスもセルタ戦で足を痛めたとはいえ、得意のワンダでの試合なら、十分勝機はあると思うんですが、どうなんでしょうね。 え、それでマドリッド3番目のチームとして、兄貴分に続こうとCL初出場を目指していたヘタフェはどうなったのかって?いやあ、それがビジャレアルを後押しすることになってしまったのが、まさに彼ら自身で水曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスで迎えた直接対決で大ヤケドをしてしまったから、さあ大変!というのも0-0だった後半21分、カソルラのスルーパスを受けたモイ・ゴメスからボールを奪ったGKダビド・ソリアのプレーがペナルティ判定されてしまったから。それにはボルダラス監督も「VAR(ビデオ審判)もあって、ソリアの手がボールを触っているのははっきりしているのに理解できない」とカンカンでしたが、ここはカソルサがPKをきっちり決めてビジャレアルが先制することに。 それでも35分にはCKから、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のウーゴ・ドゥーロがヘッドで嬉しいトップチーム初ゴールを挙げ、同点に持ち込んだんですが、まさか41分、ポルティージョの足がモイ・ゴメスの足とぶつかったプレーまで、ペナルティにされてしまうとは!このPKもカソルサが成功させ、再びリードを奪われたヘタフェが最後の攻勢に出たところ、ロスタイムにはペーニャに3点目を入れられて万事休すとなりました。ただ、1-3で負けたことより、もっとマズいのはロッカールームに戻る途中、カッカしていた選手たちがtangana(タンガナ/小競り合い)を始めてしまい、両チーム計5人が試合後にレッドカードを出されてしまったことだったんです。 だってえ、翌日、競技委員会から課された処分がこれまた深刻で、CBのエチェイタが今季絶望となる3試合、左SBのダミアンが2試合、そしてニヨムが1試合の出場停止にされてしまったんですよ。ビジャレアル戦にエースのホルヘ・モリーナが累積警告でいなかっただけでもあんなに大変だったというのに、いや、これじゃウーゴ・ドゥーロでなくたって、「No quieren que entremos en Europa/ノー・キエレン・ケ・エントレモス・エン・エウロッパ(ボクらがヨーロッパの大会に行くのを望んでないんだ)」と嘆きたくなるのも当然だったかと。 いえ、まだ境界線の8位バレンシアや金曜にレアル・ソシエダに勝ち、同勝ち点の9位に上がってきたグラナダとは3差ありますし、来週月曜のアラベス戦に勝てば、2年連続でELに出場できる可能性は十分にあるんですけどね。ただ、CL抽選会の後に決まったEL決勝トーナメント準々決勝の組み合わせでは、ヘタフェは8月5日の16強対決、一発勝負となったインテル戦にドイツのアレナ・アウフシャルケで勝っても、次はレンジャースvsレバークーゼン戦の勝者と顔を合わすことに。こうも強敵が続くとEL優勝も難しそうですし、4位セビージャとの差が勝ち点10あることからも考えて、CL挑戦はまた次の機会を待つというのが現実的ではありましょうか。 そして木曜にはレガネスがアウェイでエイバルとスコアレスドローとなり、実際、メンディリバル監督も「Ha sido un partido muy malo/ア・シードー・ウン・パルティードー・ムイ・マロ(ひどい試合だった)。誰も入場料を払わず済む無観客だったのが嬉しいね」と言っていたぐらい、内容が乏しい展開だったんですけどね。後半ロスタイムなど、勝ち点1では全然、足りないレガネスの方が、GKクエジェルがゴールキックを遅らせているって一体、どうなっているんでしょう! いえ、エン・ネシリ(セビージャ)とブライトワイテ(バルサ)の移籍、オスカルの謎の負傷欠場でゴールが生まれなくなったのはわかりますし、普段3部でプレーするカンテラーノ(レガネスBの選手)のFW、アビレルとマヌにアギーレ監督が重荷を背負わせたくないのももっともなんですけどね。とはいえ、同時刻にプレーしていたマジョルカが久保建英選手の2点目もあって、レバンテに2-0と勝利。17位のアラベスに勝ち点差3に接近と、必死に残留を目指してあがいているのを知った日には私だって、悲しい気分になってしまいますよ。 ええ、金曜にはそれこそマドリーがもちろん、バルサが水曜にエスパニョールに1-0で勝利し、差を勝ち点2に縮められたせいもありますけどね。セルヒオ・ラモスとカルバハルが出場停止、マルセロは太もものケガで残り3試合には出られないことが判明、あまつさえ、ヨビッチなど、月曜にセルビアから訪ねて来た友人がコロナ検査陽性となり、自宅隔離中という逆境にも関わらず、前半にはベンゼマのPKで先制。後半にもアセンシオがVARによるオフサイド疑惑を乗り越えて2点目を決め、アラベスにしっかり2-0で勝って、弟分が勝ち点差6のまま、少しでも希望を持てるように援護射撃もしてあげたなんてこともあったんですが…。 このままだと、カタルーニャダービー敗戦で降格確定一番乗りとなったエスパニョールの後を近日中に追うのはかなり確実のように見えますが、そんなレガネスの次節は日曜のバレンシア戦。3試合ぶりにアザールが途中出場で復帰したマドリーの方は月曜午後10時にグラナダとのアウェイ戦が控えていますが、すでに残留確定したバジャドリーと土曜に当たるバルサも躓きそうにありませんからね。やはり最短でも優勝が決まるのは37節のビジャレアル戦となりそうですが、うっかり最終戦、ブタルケでのレガネスとのミニダービーまで結末がもつれ込むようになると、どちらも辛いかもしれませんね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.07.11 16:20 Sat
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