【J1開幕直前クラブガイド】カレーラス改革元年! “一岩”となり未来描けるか《サガン鳥栖》
2019.02.16 21:00 Sat
2019シーズンも“蹴”春がいよいよ到来! 新シーズンの幕開けを告げるFUJI XEROX SUPER CUP 2019に先駆け、超ワールドサッカー編集部はJ1全18クラブを徹底分析。チームのノルマや補強達成度、イチオシ選手、そして、東京オリンピックを翌年に控える注目の五輪候補をお届けする。第17弾はサガン鳥栖を紹介。
※残留/ひと桁順位/上位争い/ACL出場権争い/優勝争いから選択
今オフでの補強動向も概ねそれに沿ったものとなっている。9名の新戦力の中では、やはりMFクエンカが一番の目玉だろう。昨シーズン不本意な成績に終わったFWフェルナンド・トーレスにチャンスを供給するためにも、カレーラス監督のフットボールを体現するためにも、このドリブラーがキープレーヤーになってくるのは間違いない。
また、鳥栖はクレバーなプレーや豊富な運動量を特長とし、守備の複数ポジションをこなせるMF原輝綺も獲得。さらに、未知数ではあるもののDFニノ・ガロヴィッチ、DFカルロ・ブルシッチという2人のクロアチア人を補強しており、チームの刷新を図る上で現状打てる限りの手を打っている。
これらは新シーズンに“改革”を目指すという明確なメッセージであり、何かを成すためには恐れずに突き進めていく必要がある。攻撃陣にはトーレスとクエンカの他にもビクトル・イバルボや豊田洋平、金崎夢生ら豪華な面々が顔を揃えており、戦力は充実。逆に、この状態でブレてしまえば後戻りをするにせよ相応の時間を要するだろう。選手や監督、フロントだけでなく、応援するサポーターも含めて今こそ砂の一粒一粒が“一岩”となるべき時だ。タイトル争いの常連になるためにも、今シーズン踏み出した一歩は大きい。
◆補強動向《B》※最低E~最高S
GK大久保択生(29)←FC東京/完全
GKキム・ミノ(19)←輔仁高校(韓国)/新加入
GK高丘陽平(22)←横浜FC/期限付き→完全
DFニノ・ガロヴィッチ(26)←ディナモ・ミンスク(ブラジル)/完全
DFカルロ・ブルシッチ(26)←FCアシュドッド(イスラエル)/完全
MF原輝綺(20)←アルビレックス新潟/完全
MF樋口雄太(22)←鹿屋体育大学/新加入
MFイサック・クエンカ(27)←無所属/完全
FW石井快征(18)←サガン鳥栖ユース/昇格
【OUT】
GK赤星拓(34)→引退
GK権田修一(29)→ポルティモネンセ(ポルトガル)/完全
GK辻周吾(21)→横浜FC/期限付き→完全
GKファンティーニ燦(20)→退団
DFジョアン・オマリ(30)→アル・ナスル(UAE)/期限付き満了
DF乾大知(29)→V・ファーレン長崎/期限付き満了
DF吉田豊(28)→名古屋グランパス/完全
DFキム・ミンヒョク(26)→全北現代モータース(韓国)/期限付き
MF加藤恒平(29)→退団
MF河野広貴(28)→東京ヴェルディ/期限付き
MF水野晃樹(33)→退団
FW池田圭(32)→FELDAユナイテッド(マレーシア)/期限付き
FW田川亨介(20)→FC東京/完全
◆超WS編集部イチオシ選手
MFイサック・クエンカ(27)
そして、鳥栖においてこの選手の重要性は群を抜いている。カレーラス監督との親和性は高く、前年まで堅守速攻を掲げていたチームであればこそ、コンビネーションサッカーを目指す上でピッチ上にそういった人物が必要だ。FWフェルナンド・トーレスも同じスペイン人かつ世界的ストライカーではあるものの、ポゼッションサッカーを実践していたのはスペン代表時のみ。また、同選手はゴール前での駆け引きでこそ本領を発揮する選手だ。そういった役割での活躍を際立たせるためにも、クエンカがチャンスメイクを担う必要がある。
逆に、万が一クエンカがプレシーズンマッチで見せている様なパフォーマンスをJリーグで発揮できなければ、カレーラス監督の理想が瓦解する恐れすらある。つまり、鳥栖がこれから躍進を遂げるためには、どうあってもこの選手がカギとなる。
◆注目の東京五輪世代!
MF原輝綺(20)
原の特徴は何を差し置いても、そのクレバーさだ。ボランチや左右のSB、時には4バック3バック問わずCBもこなすそのポリバレント性は、理解力の高さが無くては備わらない。加えて、180cmという身長ながら豊富な運動量と高い跳躍力。U-21日本代表ではパスの出し手としての役割も求められた。
プレシーズンマッチを確認する限り、鳥栖での原のポジションは右SB。左サイドに入るクエンカが攻撃のキーマンに据えられる以上、流れを読み細かくバランスを調整しなければならないポジションだ。とはいえ、コンビネーションサッカーにおいてSBの果敢な攻撃も不可欠であり、90分間攻守に妥協が許されない難しいポジションとなる。しかし、高い要求を満たした時こそ成長が待っているはずだ。そして、その成長が五輪代表、ひいてはフル代表までの道を照らす。この不定形の“逸材”がどの様な形に変身していくか、鳥栖での初年度を戦い抜いた後の姿が今から楽しみで仕方がない。
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◆今こそ“一岩”となれ! 岐路に立たされ選んだ改革《ひと桁順位》※残留/ひと桁順位/上位争い/ACL出場権争い/優勝争いから選択
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堅守速攻を軸とするマッシモ・フィッカデンティ体制3年目に突入した昨シーズンは、34失点というリーグ2位タイの“堅守”こそ発揮したものの、“速攻”は機能せず。29得点というリーグ断トツワーストの攻撃力で残留争いに巻き込まれ、14位でシーズンが終了。終盤にフィッカデンティ元監督を解任した後、金明輝(キム・ミョンヒ)暫定監督が5戦3勝2分けの好成績を収めて辛くも残留は果たしたが、新シーズンに向けて“継続or改革”の選択を迫られる結果となった。そして、サガン鳥栖が舵を切ったのは大きな“改革”だ。2018シーズンが終了すると、サガン鳥栖は直ぐにルイス・カレーラス・フェレール監督の招へいを発表。同監督は、就任記者会見で「相手がボールを持つ時は、相手のゴールの中にボールがある時だけで十分」と自身のフットボール観を表現している。また、「どのように勝つがか大事」とも語っており、効率や結果を重視してきたリアクションサッカーからの脱却を図る意思を色濃く感じさせた。また、鳥栖はクレバーなプレーや豊富な運動量を特長とし、守備の複数ポジションをこなせるMF原輝綺も獲得。さらに、未知数ではあるもののDFニノ・ガロヴィッチ、DFカルロ・ブルシッチという2人のクロアチア人を補強しており、チームの刷新を図る上で現状打てる限りの手を打っている。
一方で、昨シーズン残留の立役者である日本代表GK権平修一が海を渡り、重要な場面で身体を張り続けてきた主将DF吉田豊も退団。新進気鋭の若手FW田川亨介もFC東京に引き抜かれるなど、失ったものも少なくない。守護神に関してはGK大久保択生を獲得しているものの、ディフェンスラインに求められるものは昨シーズンよりも多くなるだろう。
これらは新シーズンに“改革”を目指すという明確なメッセージであり、何かを成すためには恐れずに突き進めていく必要がある。攻撃陣にはトーレスとクエンカの他にもビクトル・イバルボや豊田洋平、金崎夢生ら豪華な面々が顔を揃えており、戦力は充実。逆に、この状態でブレてしまえば後戻りをするにせよ相応の時間を要するだろう。選手や監督、フロントだけでなく、応援するサポーターも含めて今こそ砂の一粒一粒が“一岩”となるべき時だ。タイトル争いの常連になるためにも、今シーズン踏み出した一歩は大きい。
◆補強動向《B》※最低E~最高S
(C)CWS Brains,LTD.
【IN】GK大久保択生(29)←FC東京/完全
GKキム・ミノ(19)←輔仁高校(韓国)/新加入
GK高丘陽平(22)←横浜FC/期限付き→完全
DFニノ・ガロヴィッチ(26)←ディナモ・ミンスク(ブラジル)/完全
DFカルロ・ブルシッチ(26)←FCアシュドッド(イスラエル)/完全
MF原輝綺(20)←アルビレックス新潟/完全
MF樋口雄太(22)←鹿屋体育大学/新加入
MFイサック・クエンカ(27)←無所属/完全
FW石井快征(18)←サガン鳥栖ユース/昇格
【OUT】
GK赤星拓(34)→引退
GK権田修一(29)→ポルティモネンセ(ポルトガル)/完全
GK辻周吾(21)→横浜FC/期限付き→完全
GKファンティーニ燦(20)→退団
DFジョアン・オマリ(30)→アル・ナスル(UAE)/期限付き満了
DF乾大知(29)→V・ファーレン長崎/期限付き満了
DF吉田豊(28)→名古屋グランパス/完全
DFキム・ミンヒョク(26)→全北現代モータース(韓国)/期限付き
MF加藤恒平(29)→退団
MF河野広貴(28)→東京ヴェルディ/期限付き
MF水野晃樹(33)→退団
FW池田圭(32)→FELDAユナイテッド(マレーシア)/期限付き
FW田川亨介(20)→FC東京/完全
◆超WS編集部イチオシ選手
MFイサック・クエンカ(27)
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今シーズンイチオシの選手は、新加入のスペイン人MFイサック・クエンカだ。2011年当時、バルセロナのBチームで出番を待っていたこの男は、2011年に世界的名将ジョゼップ・グアルディオラ監督に見い出される形でトップチームデビュー。すると、すぐに高い戦術理解度や鮮烈なドリブルを武器に印象的なパフォーマンスを披露した。右ヒザ半月板の負傷による長期離脱を繰り返し、残念ながらそのままスターダムをのし上がることは出来なかったものの、そのポテンシャルは折り紙付きだ。そして、鳥栖においてこの選手の重要性は群を抜いている。カレーラス監督との親和性は高く、前年まで堅守速攻を掲げていたチームであればこそ、コンビネーションサッカーを目指す上でピッチ上にそういった人物が必要だ。FWフェルナンド・トーレスも同じスペイン人かつ世界的ストライカーではあるものの、ポゼッションサッカーを実践していたのはスペン代表時のみ。また、同選手はゴール前での駆け引きでこそ本領を発揮する選手だ。そういった役割での活躍を際立たせるためにも、クエンカがチャンスメイクを担う必要がある。
逆に、万が一クエンカがプレシーズンマッチで見せている様なパフォーマンスをJリーグで発揮できなければ、カレーラス監督の理想が瓦解する恐れすらある。つまり、鳥栖がこれから躍進を遂げるためには、どうあってもこの選手がカギとなる。
◆注目の東京五輪世代!
MF原輝綺(20)
Getty Images
注目の東京五輪世代は、アルビレックス新潟から新加入したMF原輝綺だ。プロ初年度にはJ1リーグ18試合で初ゴールも記録し、昨シーズンのJ2リーグでは25試合と20歳にして多くの経験を積んでいる。原の特徴は何を差し置いても、そのクレバーさだ。ボランチや左右のSB、時には4バック3バック問わずCBもこなすそのポリバレント性は、理解力の高さが無くては備わらない。加えて、180cmという身長ながら豊富な運動量と高い跳躍力。U-21日本代表ではパスの出し手としての役割も求められた。
プレシーズンマッチを確認する限り、鳥栖での原のポジションは右SB。左サイドに入るクエンカが攻撃のキーマンに据えられる以上、流れを読み細かくバランスを調整しなければならないポジションだ。とはいえ、コンビネーションサッカーにおいてSBの果敢な攻撃も不可欠であり、90分間攻守に妥協が許されない難しいポジションとなる。しかし、高い要求を満たした時こそ成長が待っているはずだ。そして、その成長が五輪代表、ひいてはフル代表までの道を照らす。この不定形の“逸材”がどの様な形に変身していくか、鳥栖での初年度を戦い抜いた後の姿が今から楽しみで仕方がない。
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金沢の元日本代表FW豊田陽平が引退、今後は古巣鳥栖のクラブスタッフに「故郷のクラブで選手生活を終えられること、とても有り難く感じております」
ツエーゲン金沢は9日、元日本代表FW豊田陽平(39)の現役引退を発表した。また、サガン鳥栖でのクラブスタッフ就任も発表され、役職等については後日改めて発表される。 豊田は石川県出身で、星稜高校から2004年に名古屋グランパスに入団。モンテディオ山形、京都サンガF.C.を経て2010年に当時J2リーグの鳥栖に加わった。 鳥栖では2011年にJ2で23得点の活躍を見せ、クラブ初の得点王に輝くとともにJ1昇格に貢献。以降も鳥栖の得点源として活躍を続けた。 2018年にKリーグ1の蔚山現代FCへ半年間の期限付き移籍。その後は鳥栖に復帰するも、2021年6月に栃木SCへ完全移籍した。 2022年に地元クラブの金沢へ完全移籍。3シーズンを過ごし、J2で57試合8得点を記録。J3で迎えた2024シーズンはリーグ戦2試合、YBCルヴァンカップで1試合の出場にとどまった。 21年間のプロキャリアでは、J1で通算301試合98得点、J2で197試合64得点を記録。J3でも2試合出場し、Jリーグカップで31試合4得点、天皇杯で31試合21得点、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で7試合の成績を残した。 また、日本代表でも活躍し、2008年の北京オリンピック(五輪)では3試合1ゴールを記録。2013年7月にはA代表デビューも果たし、8試合1得点の成績を残している。 金沢で現役を引退し、鳥栖で新たな道に進む豊田。金沢を通じてコメントしている。 「新年あけましておめでとうございます。新たな年を迎え、無事に年を越せたことを心より喜び申し上げるとともに、被災された皆さまが一日でも早く復旧・復興され、未来が開ける一年になりますことを、心からお祈り申し上げます。また、冬となり被災地での救援、支援活動に全力であたり続けておられる方々に、敬意を表しますとともに、皆さまの安全をお祈り申し上げます」 「この度、豊田陽平は2024シーズンをもちまして引退いたします。3年前、念願であった地元クラブに加入させていただき36歳のいい大人が心弾み大好きな石川県に恩返しを。と意気込んだこと、昨日のことのように覚えています。現在でもその気持ちに変わりはありません。それはどんなに雨が降ろうと雪で寒かろうと、試合に出れなくとも、この地で生まれ、育った石川県人として ふるさと石川 を愛しているからにほかなりません」 「そんな故郷のクラブで選手生活を終えられること、とても有り難く感じております。それもツエーゲン金沢が誕生からこれまで、沢山の方々が紡ぎ繋いでこられた歴史があるからであり、この地にプロサッカークラブを!とご尽力された先人の方々のおかげであります。この場をお借りして感謝を伝えさせてください。ありがとうございました」 「また、この3年間大した成果もあげていないにも関わらず、期待し応援していただいたファン、サポーターの皆さま、ご支援ご協力いただいた企業、自治体、関係者の皆さま、大変お世話になりました。心からの感謝をお伝えします。本当にありがとうございました」 「今後につきましては、サガン鳥栖で新たなチャレンジをすることを決断いたしました。詳細につきましては、後日ご報告させていただきます。改めて人生の一部となっていただけたツエーゲン金沢さまに感謝申し上げます。ありがとうございました」 2025.01.09 17:35 Thu4
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