【移籍考察】レアンドロ・ダミアン獲得の影響は? 川崎フロンターレが一皮剝ける可能性

2018.12.16 22:15 Sun
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▽初タイトルを獲得してから1年、J1を連覇した川崎フロンターレが大型補強を敢行した。2019シーズンからチームに加わるのは、元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアン(29)だ。
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▽ブラジル国内クラブでキャリアの大半をプレーし、国外に出たのは2015-16シーズン後半にスペインへ渡ったのみ。今回の移籍が2度目の国外移籍となる。そんなレアンドロ・ダミアンが川崎Fに入った場合はどのようになるのか、考察していきたい。◆国外移籍はスペインに次いで2度目
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▽ロンドン・オリンピックの得点王として知られるレアンドロ・ダミアンだが、キャリアの転換期は2010年のインテルナシオナル入団からだ。同年のブラジル・セリエAでは、25試合に出場し7ゴール1アシストを記録。翌シーズンはセリエAで28試合に出場し14ゴール6アシスト、コパ・リベルタドーレスでは8試合に出場し4ゴール4アシストを記録した。
▽2011年にはブラジル代表に初招集されると、2012年に行われたロンドン・オリンピックに出場。マルセロやオスカル、ネイマールを擁し銀メダルを獲得したチームにおいて、5試合に出場し決勝を除く4試合で6ゴールを記録して大会得点王に輝いた。

▽2012シーズンはセリエAで19試合に出場し7ゴール2アシスト、コパ・リベルタドーレスで10試合に出場し6ゴール1アシストを記録。2013シーズンはセリエAで26試合に出場し5ゴール5アシストを記録した。
▽2014年にサントスへ完全移籍を果たすと、セリエAで26試合に出場し6ゴールを記録。しかし、2015年はクルゼイロ、2016年はリーガエスパニョーラのベティス、2016年後半からはフラメンゴへとレンタル移籍でプレー。2018年はインテルナシオナルにレンタル移籍されセリエAで26試合に出場し10ゴール3アシストを記録した。

▽ベティスでは、わずかに3試合の出場にとどまり、ブラジルでの輝きは見せられず。ベンチ入りも3試合に終わり、大半はメンバー外となっていた。

◆基本は1トップor3トップの中央
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▽レアンドロ・ダミアンのプレーポジションは、センターフォワードだ。キャリア当初のインテルナシオナル、ロンドン・オリンピックでは2トップの一角としてプレーしたものの、ブラジル代表やサントス、クルゼイロ、フランメンゴでは3トップの中央に、今シーズンもインテルナシオナルでは3トップの中央でプレーしていた。

▽今シーズンの川崎Fは、[4-2-3-1]のシステムで戦い、1トップの位置にはFW小林悠(19試合)、FW知念慶(12試合)が入ってプレー。小林は15ゴール、知念は4ゴールを記録し、チームのJ1連覇に貢献した。
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▽鬼木達監督が続投する川崎Fは、来シーズンも[4-2-3-1]のシステムで臨むと考えられる。レアンドロ・ダミアンは1トップのポジションに入る事になり、連覇を達成したチームはシステムに変更を生じさせる必要があるだろう。

◆小林はかつての右サイド起用か?
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▽レアンドロ・ダミアン加入によってポジションを争う事になるのは小林だ。今シーズンのJ1リーグで15ゴールを決め、得点ランキングでもFW興梠慎三(浦和レッズ)とともに日本人最多タイの3位につけたストライカーだが、レアンドロ・ダミアンにポジションを譲る事になるだろう。もちろんチームへのフィットという問題もあるが、元ブラジル代表ストライカーを獲得したということは、1トップを任せる算段であることは間違いない。

▽1トップから外れることが予想される小林に関しては、2016シーズンまでプレーした右サイドに入る事になるだろう。かつてはFW大久保嘉人(ジュビロ磐田)が1トップに入り、小林は2列目の右でプレーしていた。風間八宏監督(名古屋グランパス)の下では、[4-4-2]を試したこともあったが、シーズンの大半は[4-2-3-1]を採用。しかし、右サイドの起用でも小林はリーグ戦で15ゴールを記録しており、日本代表にも招集されていた。レアンドロ・ダミアンと小林を共存させるのであれば、2トップを組ませるよりも、小林を右サイドに置いた方が得策と考えられる。

◆変化が生まれる2列目の陣容
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▽小林を右サイドで起用するとなると、今シーズンの2列目を務めたMF家長昭博、MF中村憲剛、MF阿部浩之にも変化が生まれる。今シーズンMVP級の活躍を見せた家長は右サイドで27試合に出場。また、中村はトップ下として29試合に、阿部は左サイドで21試合に出場した。小林を右サイドで起用するとなれば、家長のポジションと重なる。

▽家長は、右サイドだけでなく、トップ下や2トップの一角、左サイドと攻撃的なポジションでのプレー経験は豊富。試合中に流動的にポジションを移すことを考えても、右サイドにこだわって起用する必要はない。また、38歳とベテランながらもフル稼働を続ける中村は、トップ下としてチームの中心に君臨する。ここぞの得点力も含め、チームに欠かせない存在であることは変わらない。来シーズンもトップ下で起用される可能性は高そうだ。

▽阿部が見せる攻撃性能の高さは目を見張るものがあるが、今シーズンは、前年に比べて結果が伴わないパフォーマンスとなった。今シーズンのパフォーマンスをベースとするならば、家長を左に、中村をトップ下に置き、小林を右に置くことが1stプランとなるだろう。

▽しかし、一方で課題も多い。川崎Fにとっては、2019シーズンのリーグ優勝はもちろんだが、今シーズン惨敗したAFCチャンピオンズリーグで勝ち上がることも重要だ。レアンドロ・ダミアンの補強はその点も多いに考慮されてのことだろう。前線を4人+知念で回していたことを考えれば、攻撃陣の層を厚くすることも求められる。レアンドロ・ダミアンの加入によって競争が生まれることは、チームの成長にとってもプラスとなるはずだ。

◆レアンドロ・ダミアンを生かすには戦い方の変更も
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▽1トップにレアンドロ・ダミアン、2列目に家長、中村、小林を配置すると仮定した場合、どうやってレアンドロ・ダミアンを生かすかが焦点となる。

▽若きレアンドロ・ダミアンは、足元の技術を生かしたプレーが多く、ドリブルで相手DFを切り裂くプレーはもちろんのこと、テクニカルな技を見せて局面を打開し、そこからゴールを決めるプレーも見られた。しかし、近年の得点パターンは限られている。

▽今シーズンのインテルナシオナルで決めた得点は「10」。その大半は、ヘディングでの得点だった。セットプレーやサイドからのクロスを合わせてのゴールが大半を占めていおり、その他のゴールも味方の崩しからラストパスに合わせるという形が多く、独力でゴールを奪うというよりは周囲のお膳立てによりゴールを量産できるタイプだ。

▽Jリーグ屈指のパスサッカーを披露する川崎Fにとって、1トップの選手にゴールを決めさせる手段は数多くある。レアンドロ・ダミアンにとっても、周りのお膳立てが期待でき、キックやパスの精度が高い選手も多いため、最大限生かされる可能性は高い。さながら、今シーズンのJ1得点王に輝き、近いタイプのストライカーであるFWジョー(名古屋グランパス)の活躍を期待したくなるだろう。

▽しかし、気になるポイントもある。それは、川崎Fのサッカーと攻撃パターンだ。川崎Fは、中央を崩しての攻撃を特徴としており、細かいパスワークで局面を打開するシーンをよく目にする。中盤の選手を含め、攻撃時のパスワーク、選手の立ち位置、ボールに関わらない選手の動き出しなどが整備されている。そこにレアンドロ・ダミアンがどこまでフィットするのか、どの段階でフィットできるかは、活躍を大きく左右するだろう。
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▽また、サイドからのチャンスメイクが少ない川崎Fだが、リーグ屈指の攻撃性能を備えたDFエウシーニョが退団。右サイドバックらしからぬ攻撃参加も1つのパターンであったが、来シーズンはその部分が未知数だ。左サイドバックのDF車屋紳太郎を含め、攻撃的なサイドバックが売りの川崎Fだったが、サイドからゴールに繋がっているプレーは多くない。さらに、右サイドバックを務めるDF武岡優斗も退団し、現時点で右サイドバックは不在。3バックに変更し、[3-4-3]のシステムとする可能性もある。何れにしても、レアンドロ・ダミアンを生かすには、いかにサイドからも攻撃の形を作れるか。鬼木監督にとっては、大型ストライカーを生かす策を見つける必要がありそうだ。

◆華麗なサッカーに力強さを
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▽川崎Fは華麗なパスワーク、綺麗な崩しが特徴的なチーム。風間体制から積み上げてきたものを、継続して起用される選手が作り上げた完成度の高いサッカーが魅力であり特徴だ。そして、その戦い方を突き詰め、継続してきたことがJ1連覇に繋がったと言える。しかし、アジアの戦いを見ればベスト8止まり。今シーズンはグループステージで未勝利と惨敗を喫した。

▽国内での複数タイトル、そしてアジアで結果を残すには、華麗なパスサッカーだけでは足りないと痛感したはず。そういった意味で、レアンドロ・ダミアンの補強は理にかなっている。あとは、チームとして華麗なパスワークを捨ててでも勝ちに行くサッカーを見せることができるかだ。

▽大型ブラジル人ストライカーを生かすことができるようになれば、川崎Fがまた1つ階段を上ったと言えるだろう。華麗なスタイルに加え、勝利を掴みに行く泥臭さを身につけることができるか。1年後にレアンドロ・ダミアンの補強が成功だったと評価できるかは、川崎Fの進化に懸かっているだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》

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いろんなランキングから見た「やっぱりサッカーは○○○○」!の巻/倉井史也のJリーグ

いろんなチームが始動して今年のシーズンに備えているわけですが!! 去年の特徴を踏まえつつ、今年はどんなチームに仕上がってくるでしょう? で、じゃあ去年の特徴ってどうだったのよ? まず、先行逃げ切り型だったチームランクは チーム/勝率 1:町田/89.5% 2:神戸/85.7% 3:FC東京/80.0% 4:京都/76.9% 5:広島/76.0% 6:名古屋/75.0% 6:C大阪/75.0% 8:G大阪/72.2% 9:福岡/70.6% 10:鹿島/66.7% 10:新潟/66.7% 12:東京V/64.7% 13:浦和/61.1% 14:川崎/52.4% 15:湘南/50.0% 16:横浜FM/47.4% 17:柏/42.9% 続いて前半に得点すると逃げ切っていたランクは チーム/勝率 1:町田/91.7% 2:G大阪/90.9% 3:FC東京/90.0% 4:C大阪/87.5% 5:名古屋/83.3% 6:神戸/82.4% 6:広島/82.4% 8:鹿島/71.4% 9:福岡/70.0% 10:浦和/69.2% 11:川崎/66.7% 11:京都/66.7% 13:東京V/60.0% 14:柏/57.1% 14:新潟/57.1% 16:湘南/55.6% 17:横浜FM/50.0% んでもって、前半の得点が多かったランクは チーム/得点 1:鹿島/31点 1:広島/31点 3:川崎/30点 4:神戸/29点 5:横浜FM/24点 6:FC東京/23点 7:町田/22点 8:湘南/21点 8:G大阪/21点 10:東京V/19点 11:京都/18点 12:名古屋/17点 13:新潟/16点 14:浦和/15点 14:柏/15点 14:福岡/15点 17:C大阪/14点 前半の失点が少なかったランクは チーム/失点 1:神戸/9失点 2:G大阪/13失点 2:福岡/13失点 4:鹿島/15失点 5:広島/16失点 6:浦和/18失点 7:町田/19失点 8:東京V/21失点 8:名古屋/21失点 8:C大阪/21失点 11:川崎/22失点 12:湘南/23失点 12:京都/23失点 14:FC東京/24失点 15:横浜FM/26失点 15:新潟/26失点 17:柏/29失点 後半の得点が多かったランクは チーム/得点 1:広島/41点 2:横浜FM/37点 3:川崎/36点 4:浦和/34点 5:神戸/32点 5:町田/32点 5:湘南/32点 5:東京V/32点 9:FC東京/30点 10:鹿島/29点 10:C大阪/29点 12:G大阪/28点 12:新潟/28点 14:名古屋/27点 15:京都/25点 16:柏/24点 17:福岡/18点 後半の失点が少なかったランクは チーム/失点 1:町田/15失点 2:G大阪/22失点 3:柏/22失点 4:福岡/25失点 5:鹿島/26失点 5:名古屋/26失点 7:神戸/27失点 7:広島/27失点 7:浦和/27失点 7:C大阪/27失点 7:FC東京/27失点 12:東京V/30失点 13:京都/32失点 14:新潟/33失点 15:川崎/35失点 15:湘南/35失点 17:横浜FM/36失点 そして前後半アディショナルタイムの得点が多かったチームは チーム/得点 1:横浜FM/12点 2:神戸/11点 3:川崎/8点 3:町田/8点 3:東京V/8点 3:G大阪/8点 7:広島/6点 7:湘南/6点 9:C大阪/5点 9:新潟/5点 9:柏/5点 12:名古屋/4点 12:福岡/4点 14:浦和/3点 14:FC東京/3点 14:鹿島/3点 14:京都/3点 最後に前後半アディショナルタイムの失点が少なかったチームは チーム/失点 1:町田/1失点 1:名古屋/1失点 3:FC東京/2失点 4:C大阪/3失点 5:神戸/4失点 5:川崎/4失点 7:福岡/5失点 7:広島/5失点 7:京都/5失点 10:浦和/6失点 10:湘南/6失点 12:G大阪/7失点 12:新潟/7失点 12:横浜FM/7失点 15:柏/9失点 15:鹿島/9失点 15:東京V/9失点 で、こうしてみるとやっぱり特長のあるチームが上位に来てるのが分かります。意外だったのは後半の失点の少なさが順位にあまり結びついていないということ。逆に前半の得点や失点の成績がいいチームというのが上位に来るんですよ。やっぱりサッカーは前半大事ってことですね。 2025.01.12 19:00 Sun
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川崎Fが元日本代表FW伊藤達哉をマクデブルクから獲得! Jリーグ初挑戦に「伝統でもある攻撃的なサッカーに貢献できるよう全力を尽くします」

川崎フロンターレは10日、2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)のマクデブルクから元日本代表FW伊藤達哉(27)の完全移籍加入を発表した。来日後、メディカルチェック等の手続きが完了次第、チームに合流する。 伊藤は東京都出身で、2015年7月に柏レイソルのユースからにハンブルガーSVのU-19チームに加入。2017-18シーズン途中からトップチームに引き上げられ、ブンデスリーガで20試合3アシストを記録した。 2019年8月にはベルギーのシント=トロイデンへ完全移籍。出場機会が限られると2022年1月にハンブルガー時代の恩師、クリスティアン・ティッツ監督が率いるマクデブルクにレンタル移籍した。 加入から半年間でチームの3部優勝と2部昇格に貢献すると、2022-23シーズンはレンタル期間を延長。2023年6月には完全移籍が決まった。 マクデブルクでは約3年間ジョーカーとして活躍を続け、公式戦97試合で12ゴール14アシスト。今シーズンは2.ブンデスリーガで10試合1アシスト、DFBポカールで1試合1アシストを記録していた。 日本代表経験もあり、2018年9月にフル代表初招集。2019年のコパ・アメリカにも参加したが、ピッチには立っていない。 川崎FでのJリーグ初挑戦が決まった伊藤は、クラブを通じてコメントしている。 「川崎フロンターレのサポーターの皆さん、初めまして、伊藤達哉です。近年、最も成功を収めているクラブである川崎フロンターレの一員になれることをうれしく思います。川崎フロンターレの伝統でもある攻撃的なサッカーに貢献できるよう全力を尽くします。サポーターの皆さんとお会いできるのを楽しみにしています」 2025.01.10 17:30 Fri
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川崎Fがユーベ関心報道の高井幸大ら25選手と契約合意…山本悠樹ら変更の背番号も発表、アイダルは完全移籍で残留

川崎フロンターレは6日、2025シーズンの契約合意選手および、新体制と背番号を発表した。 来る新シーズンから鬼木達前監督から長谷部茂利新監督にバトンタッチの川崎F。ユベントス行きの報道も浮かぶDF高井幸大をはじめ、25選手が契約合意に至り、ブラジルのレッドブル・ブラガンチーノから期限付き移籍加入のDFセサル・アイダルも完全移籍に移行で残留が決まった。 背番号は3選手が変更となり、徐々に司令塔としてフィットしていったMF山本悠樹が「77」から「6」に(ACLEでは「77」)。そのほか、瀬川祐輔が「18」(ACLEでは「30」)、神田奏真が「38」(ACLEでは「32」)を新たにつける。 ◆トップチーム選手&背番号 GK 1.チョン・ソンリョン 21.安藤駿介 33.イ・クンヒョン←輔仁高校(韓国)/新加入 98.山口瑠伊←FC町田ゼルビア/完全移行 DF 2.高井幸大 4.ジェジエウ 5.佐々木旭 7.車屋紳太郎 13.三浦颯太 15.田邉秀斗 27.神橋良汰←早稲田大学/新加入 30.野田裕人←静岡学園高校/新加入 31.ファンウェルメスケルケン際 35.丸山祐市 39.土屋櫂大←川崎フロンターレU-18/昇格 44.セサル・アイダル←レッドブル・ブラガンチーノ(ブラジル)/完全移行 MF 6.山本悠樹 ※背番号変更「77」 ※ACLEは「77」 8.橘田健人 10.大島僚太 14.脇坂泰斗 16.大関友翔←福島ユナイテッドFC/復帰 18.瀬川祐輔 ※背番号変更「30」 ※ACLEは「30」 19.河原創 26.山内日向汰 28.パトリッキ・ヴェロン 41.家長昭博 FW 9.エリソン 11.小林悠 20.山田新 23.マルシーニョ 24.宮城天 38.神田奏真 ※背番号変更「32」 ※ACLEは「32」 2025.01.06 11:56 Mon

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