初の決勝で善戦も敗れた仙台、悔しさ爆発の渡邉晋監督「勝ち上がって来たことが消えるくらいの悔しさ」《天皇杯》
2018.12.10 00:28 Mon
▽9日、天皇杯JFA第98回全日本サッカー選手権大会決勝の浦和レッズvsベガルタ仙台の一戦が行われ、1-0で浦和が勝利した。
「どアウェイの埼玉スタジアムを覚悟して東京のホテルからの乗り込んだんですが、“ど”が取れるぐらいのアウェイの空気にしてくれたベガルタ仙台のサポーターに感謝したいと思います。ありがとうございました。素晴らしいサポーターのおかげで、今日の90分間、選手たちが連戦でしたがタフに最後まで走りきってくれたと思います」
「スコアを動かされるとしたら、リスタートか我々のボールの失い方が悪くてカウンターを受けるだろうと予測は立てていました。実際、宇賀神選手のスーパーゴールが決まってしまって、先にスコアを動かされてしまい、難しい展開になったんですが、そのあとはしっかりと我々がボールを動かし、相手を動かして、意図的に相手のゴールに迫るということを表現できたと思います。最後のひと押しが、今日はなかなかゴールという形につなげられませんでした」
「結果が全てなので、史上初めてクラブとしては決勝に進出した大会でしたが、最後こういった形で終わると悔しさが残りますし、準決勝を突破した喜びよりも数百倍、数万倍悔しいなと初めて感じさせられました」
──4バックのような形でビルドアップしていたように見えましたが、その狙いと効果は
「前回の山形戦も立ち上がりは3-4-3の立ち位置でしたが、そこからずらして後ろを4枚にする形をとりました。リーグ戦でも、長崎戦でその様な形をしています。我々にとっては何かイレギュラーな形という訳ではありません」
「浦和の守備の狙いを考えた時に、立ち位置をずらすというよりは、敢えて食いつかせて背中を取りたいという考えで今日の様な攻撃態勢を取りました」
「実際に、青木選手が我々の1枚のアンカーに食いついてくれれば、その背中が空くと。ジャメ(ジャーメイン良)に収まれば、我々は潜っていって数的優位を作れると。そういった絵を描いていました」
「最初はその収まりが悪かったので、ちょっとボールを失う回数が多かったですが、ジャメが背後をとるという動きから足元のスペースを探せてからは意図的に仕掛けられたかと思います。そこからどうやってプラスワンを作るかということをサイドなどを使ってやりました。全体的にはよくやったと思います」
──天皇杯では初戦で敗れたことが続きましたが、今年は決勝まで来ました。チームとしてこの先に繋がる部分は
「去年はホームで非常に辛い負けをしたので、それを今よく思い出させてくれたなと思います(笑)。日本にはレギュレーションとして大きな大会は3つあって、その3つの大会をそれぞれの目標を設定して常に前進することを考えて来ました」
「もちろん、今の我々のクラブの全体の規模を考えれば、3つの大会全てで目標を達成できるのか、タイトルを獲れるのかというと、それは難しいと思います。ただ、それぞれの大会の目標をしっかりと定めて達成していくということを選手たちと共有して進んで来たつもりです」
「天皇杯はリーグ戦の合間にあって、メンバーを変えながらやりくりする面もありますが、逆にその時にはチームの総力が問われると。数多くの選手が出場しましたから、チーム全体の底上げには絶対に繋がりましたし、そこをやりながらクラブ初の決勝進出を達成できたのは、大きく一歩を踏み出せたのかなと。ただ、先ほども申し上げた様に“みちのくダービー”の準決勝を勝ったという喜びよりも、相当悔しいので。その悔しさしかないですし、天皇杯をここまで勝ち上がって来たことが消えるくらいの悔しさを味わったので、なんとかそれを次は乗り越えたいと思います」
──就任して5シーズンで着実にチームが成長していますが、今シーズン成長した部分は
「正直、今年は全然手応えがなかったです。苦労した部分が多く、去年はリーグ戦で段々力がついて来たなという思いがありました。理想通りの勝ち点には届かなかったですが、リーグ最終戦の甲府戦が終わった後に、来年どうなるんだろうと楽しみが湧いていて、去年はそういった手応えを感じていました」
「今年はメインのリーグ戦を考えるとその手応えを感じられなくて、正直今は危機感しかないです。ここからどうやってもう少しレベルを上げていくか。そういったことを考えた時には、課題が山積していて、もっとやらなければいけないなと」
「でも、そういった色々なものを選手も感じながら今日の一戦に臨んだと思いますが、今日の試合に関しては今まで積み上げて来たものをたくさん表現できたと思うので、恐れずに強気にポジションを取って、相手を食いつかせて、ボールを動かして相手を動かせば、これぐらいはできるというのを最高の舞台で表現できたと思います」
「それを勝利につなげられれば、もっともっと自信もついて、クラブとしてもっと大きな一歩を踏み出せたと思いますけど、今年一年の苦労が今日の90分で少しでも出たのであれば、こんなに嬉しいことはないです。ただ、満足せずにもっとやらなければという思いが今は強いです」
──この大会で結果を残して来たジャーメイン良選手の評価は
「この大会で彼が数多くのゴールを積み上げて来た、アシストも含めれば数多くのゴールに絡んで来たことは非常に素晴らしいです。天皇杯のゲームで結果が出たということであって、成長という点でいうと三歩進んで二歩下がるというか、走ればウサギの様に早いんですがカメの様なスピードで成長して来てくれたなと思います」
「毎日居残りでコーチがつきっきりでトレーニングしていて、足回りの技術が飛躍的に高まって来た。それが今年の彼の一番の成長だと思います。それがあるから、顔が上がる、相手と駆け引きできる、チームの中での動きにマッチしてくるという好循環ができていると思います」
「今日は対峙した相手が代表クラスの選手ですから、実際に肌で感じたものはたくさんあると思います。彼に期待できるのは、これをどう克服するかという伸び代しか感じません。おそらくこの悔しさを持って、しっかり真摯に取り組めばもっと素晴らしい選手に成長してくれると思います。明日にでもトレーニングさせたいと思います」
──色々あると思いますが、チームは成長していると思います。本音を聞かせてください
「伸びてます。間違いなく選手もチームも成長していますし、やれることも増えています。特に今日のゲームなんかは選手たちも楽しかったと思います」
「僕はやっている選手が楽しくなければ、観ている人も楽しくないと思っているので、色々な考え方の監督がいると思いますが、それを追求した先に勝利があると思っています」
「そう思えば、本当に成長はしていると思います。でも、このクラブの歴史を振り返ると、僕自身クラブの在籍も長いので、リーグで4位になって、2位になって、ACLにいったというのがありますから、サポーターも満足していないと思います。もちろん色々なことを冷静に考えれば、まだまだだよというのも現実だと思いますが、1度ACLに行ったという歴史を振り返れば、もう一度という思いが出るのも当たり前です」
「今日も悔しさを味わえば、来年もう一度とみんなが思うと思います。周りの人のエネルギーもどんどん高まっていくと、チームだけじゃなくクラブとして、仙台、宮城、東北という地域として色々レベルアップするなと。ここで僕がリーグ戦で残留すればいいよとか、天皇杯は2回戦突破でいいよとかしてしまうと、ついて来てくれる人もついてこないと思います」
「多少背伸びしているところもありますが、それを言って実現してこそ男だと思うので、その目線は下げずに、今の選手と一緒にここを突き破って、今度こそメダルなりカップなりを持ってこの会見場に戻ってきたいと思います」
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▽試合後、初の決勝の舞台に立ち惜しくも敗れた仙台の渡邉晋監督が記者会見に臨み、試合を振り返るとともに、チームへの想いや成長、この先の進む道について語った。 ◆渡邉晋監督(ベガルタ仙台)「どアウェイの埼玉スタジアムを覚悟して東京のホテルからの乗り込んだんですが、“ど”が取れるぐらいのアウェイの空気にしてくれたベガルタ仙台のサポーターに感謝したいと思います。ありがとうございました。素晴らしいサポーターのおかげで、今日の90分間、選手たちが連戦でしたがタフに最後まで走りきってくれたと思います」
「結果が全てなので、史上初めてクラブとしては決勝に進出した大会でしたが、最後こういった形で終わると悔しさが残りますし、準決勝を突破した喜びよりも数百倍、数万倍悔しいなと初めて感じさせられました」
「この悔しさを持って、選手1人1人、そして我々チーム全体として進まなければいけないですし、一方で、下を向かずにしっかりと顔を上げて、仙台に戻って明日は最後の行事がありますので、そこで仙台の皆さんにお会いできればと思います」
──4バックのような形でビルドアップしていたように見えましたが、その狙いと効果は
「前回の山形戦も立ち上がりは3-4-3の立ち位置でしたが、そこからずらして後ろを4枚にする形をとりました。リーグ戦でも、長崎戦でその様な形をしています。我々にとっては何かイレギュラーな形という訳ではありません」
「浦和の守備の狙いを考えた時に、立ち位置をずらすというよりは、敢えて食いつかせて背中を取りたいという考えで今日の様な攻撃態勢を取りました」
「実際に、青木選手が我々の1枚のアンカーに食いついてくれれば、その背中が空くと。ジャメ(ジャーメイン良)に収まれば、我々は潜っていって数的優位を作れると。そういった絵を描いていました」
「最初はその収まりが悪かったので、ちょっとボールを失う回数が多かったですが、ジャメが背後をとるという動きから足元のスペースを探せてからは意図的に仕掛けられたかと思います。そこからどうやってプラスワンを作るかということをサイドなどを使ってやりました。全体的にはよくやったと思います」
──天皇杯では初戦で敗れたことが続きましたが、今年は決勝まで来ました。チームとしてこの先に繋がる部分は
「去年はホームで非常に辛い負けをしたので、それを今よく思い出させてくれたなと思います(笑)。日本にはレギュレーションとして大きな大会は3つあって、その3つの大会をそれぞれの目標を設定して常に前進することを考えて来ました」
「もちろん、今の我々のクラブの全体の規模を考えれば、3つの大会全てで目標を達成できるのか、タイトルを獲れるのかというと、それは難しいと思います。ただ、それぞれの大会の目標をしっかりと定めて達成していくということを選手たちと共有して進んで来たつもりです」
「天皇杯はリーグ戦の合間にあって、メンバーを変えながらやりくりする面もありますが、逆にその時にはチームの総力が問われると。数多くの選手が出場しましたから、チーム全体の底上げには絶対に繋がりましたし、そこをやりながらクラブ初の決勝進出を達成できたのは、大きく一歩を踏み出せたのかなと。ただ、先ほども申し上げた様に“みちのくダービー”の準決勝を勝ったという喜びよりも、相当悔しいので。その悔しさしかないですし、天皇杯をここまで勝ち上がって来たことが消えるくらいの悔しさを味わったので、なんとかそれを次は乗り越えたいと思います」
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──就任して5シーズンで着実にチームが成長していますが、今シーズン成長した部分は
「正直、今年は全然手応えがなかったです。苦労した部分が多く、去年はリーグ戦で段々力がついて来たなという思いがありました。理想通りの勝ち点には届かなかったですが、リーグ最終戦の甲府戦が終わった後に、来年どうなるんだろうと楽しみが湧いていて、去年はそういった手応えを感じていました」
「今年はメインのリーグ戦を考えるとその手応えを感じられなくて、正直今は危機感しかないです。ここからどうやってもう少しレベルを上げていくか。そういったことを考えた時には、課題が山積していて、もっとやらなければいけないなと」
「でも、そういった色々なものを選手も感じながら今日の一戦に臨んだと思いますが、今日の試合に関しては今まで積み上げて来たものをたくさん表現できたと思うので、恐れずに強気にポジションを取って、相手を食いつかせて、ボールを動かして相手を動かせば、これぐらいはできるというのを最高の舞台で表現できたと思います」
「それを勝利につなげられれば、もっともっと自信もついて、クラブとしてもっと大きな一歩を踏み出せたと思いますけど、今年一年の苦労が今日の90分で少しでも出たのであれば、こんなに嬉しいことはないです。ただ、満足せずにもっとやらなければという思いが今は強いです」
(C)CWS Brains,LTD.
──この大会で結果を残して来たジャーメイン良選手の評価は
「この大会で彼が数多くのゴールを積み上げて来た、アシストも含めれば数多くのゴールに絡んで来たことは非常に素晴らしいです。天皇杯のゲームで結果が出たということであって、成長という点でいうと三歩進んで二歩下がるというか、走ればウサギの様に早いんですがカメの様なスピードで成長して来てくれたなと思います」
「毎日居残りでコーチがつきっきりでトレーニングしていて、足回りの技術が飛躍的に高まって来た。それが今年の彼の一番の成長だと思います。それがあるから、顔が上がる、相手と駆け引きできる、チームの中での動きにマッチしてくるという好循環ができていると思います」
「今日は対峙した相手が代表クラスの選手ですから、実際に肌で感じたものはたくさんあると思います。彼に期待できるのは、これをどう克服するかという伸び代しか感じません。おそらくこの悔しさを持って、しっかり真摯に取り組めばもっと素晴らしい選手に成長してくれると思います。明日にでもトレーニングさせたいと思います」
──色々あると思いますが、チームは成長していると思います。本音を聞かせてください
「伸びてます。間違いなく選手もチームも成長していますし、やれることも増えています。特に今日のゲームなんかは選手たちも楽しかったと思います」
「僕はやっている選手が楽しくなければ、観ている人も楽しくないと思っているので、色々な考え方の監督がいると思いますが、それを追求した先に勝利があると思っています」
「そう思えば、本当に成長はしていると思います。でも、このクラブの歴史を振り返ると、僕自身クラブの在籍も長いので、リーグで4位になって、2位になって、ACLにいったというのがありますから、サポーターも満足していないと思います。もちろん色々なことを冷静に考えれば、まだまだだよというのも現実だと思いますが、1度ACLに行ったという歴史を振り返れば、もう一度という思いが出るのも当たり前です」
「今日も悔しさを味わえば、来年もう一度とみんなが思うと思います。周りの人のエネルギーもどんどん高まっていくと、チームだけじゃなくクラブとして、仙台、宮城、東北という地域として色々レベルアップするなと。ここで僕がリーグ戦で残留すればいいよとか、天皇杯は2回戦突破でいいよとかしてしまうと、ついて来てくれる人もついてこないと思います」
「多少背伸びしているところもありますが、それを言って実現してこそ男だと思うので、その目線は下げずに、今の選手と一緒にここを突き破って、今度こそメダルなりカップなりを持ってこの会見場に戻ってきたいと思います」
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