【プレミアプレビュー】今季プレミアは5強or3強? タイトルレース序盤戦の重要なビッグマッチ《トッテナムvsマンチェスター・シティ》

▽プレミアリーグ第10節、トッテナムvsマンチェスター・シティが日本時間29日29:00にウェンブリー・スタジアムでキックオフされる。リーグ戦4連勝で上位を追走する5位のトッテナム(勝ち点21)と、開幕から無敗を継続する首位のシティ(勝ち点23)による、タイトルレース序盤戦を占う重要なビッグマッチだ。

▽開幕3連勝後にワトフォード、リバプール相手に連敗を喫したトッテナムだが、以降は格下相手の渋いゲームを勝ち切って4連勝。気付けば、プレミアリーグ参入以降、最高のペースで勝ち点を積み重ねている。その一方で、今夏の補強ゼロに加え、度重なる主力の負傷に悩まされるチームは、バルセロナとインテルと同居したチャンピオンズリーグ(CL)グループステージをわずか勝ち点1で折り返すことになった。直近のPSV戦では試合を支配しながら守護神ロリスの退場と試合終盤の失点で痛恨のドローを喫し、厳しい精神状態でシティ戦を迎える。仮に、今回のホームゲームで敗れれば、敵将が“5強”と評する今季のプレミアタイトルレースでも厳しい立場に晒されるため、最低でも勝ち点1獲得が求められるところだ。

▽一方、記録尽くめの優勝となった昨季ほどの爆発力はないものの、唯一の新戦力マフレズが徐々にフィットするなど、着実にチーム力を上げているシティ。ここまで7勝2分けの無敗で、対抗リバプールと共にリーグタイトルレースをリードしている。さらに直近のCLシャフタール戦では長期離脱明けのMFデ・ブライネの先発復帰に伴い、完璧主義の天才指揮官をして「今季最高の前半」と言わしめる好パフォーマンスをみせ、チーム状態はさらに上向きだ。今回のトッテナム戦では昨季、結果内容共に圧倒しシーズンダブルを決めたライバル相手にきっちり勝利して更なる上昇気流に乗っていきたい。

▽トッテナム予想スタメンGK:ロリス
DF:トリッピアー、アルデルヴァイレルト、ダビンソン・サンチェス、ベン・デイビス
MF:ダイアー、デンベレ
MF:ラメラ、エリクセン、ルーカス・モウラ
FW:ケイン
負傷者:DFヴェルトンゲン、ローズ
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。負傷者に関してはヴェルトンゲン、ローズが引き続き欠場する。その一方で、全体練習に復帰したデレ・アリがベンチに入る見込みだ。▽システムに関してはヴェルトンゲンの離脱によって4バック採用は間違いないが、メインシステムの[4-2-3-1]ではなく中盤にセントラルMF3枚を起用した守備的な[4-1-4-1]のオプション採用の可能性もある。その場合、ダイアーあるいはデンベレをアンカーに配し、ウィンクスがインサイドMFに入るはずだ。2列目はエリクセン、ルーカスの先発が濃厚だが、残り1人に関してはラメラ、ムサ・シソコ、ソン・フンミンのいずれかが選ばれる。


▽マンチェスター・シティ予想スタメン
GK:エデルソン
DF:ウォーカー、コンパニ、ラポルテ、メンディ
MF:デ・ブライネ、フェルナンジーニョ、シルバ
FW:マフレズ、アグエロ、スターリング
負傷者:GKブラーボ、DFダニーロ、マンガラ、ギュンドアン
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱中のブラーボとダニーロ、ギュンドアンが引き続き欠場となる。

▽スタメンに関しては左右のウイングと復帰直後のデ・ブライネのポジションでメンバー変更の可能性がある。デ・ブライネに関してグアルディオラ監督は他イベント開催で荒れたウェンブリーのピッチ状態次第と語っている。また、人材豊富なウイングに関しては前述のマフレズ、スターリング以外にもベルナルド・シウバ、ザネが控えており、予想は困難だ。

★注目選手
◆トッテナム:MFクリスティアン・エリクセン▽トッテナムの注目プレーヤーは絶対的司令塔のエリクセンだ。直近のPSV戦で公式戦5試合ぶりの先発復帰を果たしたエリクセンはチームが2-2のドローという期待外れの結果に終わった一方、攻守両面で抜群の存在感を発揮した。豊富な運動量とポジショニングセンス、質の高いファーストタッチを生かしたボールを引き出す動き、ワンタッチ、ツータッチで局面を打開する展開力は現チームで唯一無二の存在であり、エースFWケインにとっても頼れる相棒だ。

▽昨季の対シティ戦ではいずれも早い時間帯に先制ゴールを与えて劣勢を強いられた中、共に一矢報いるゴールを記録している。ボールを追う展開ではやや持ち味を発揮できないだけにチームとして守備面で我慢しながらカウンターの局面でエリクセンの能力を生かしたいところだ。

◆マンチェスター・シティ:MFフェルナンジーニョ▽マンチェスター・シティの注目プレーヤーは中盤の底でチーム全体をオーガナイズするフェルナンジーニョ。ペップシティを体現するベテランMFは今夏の守備的MF獲得失敗に加え、ギュンドアンの負傷離脱に伴い現チームで最も替えが利かない選手の1人だ。今季も開幕からのリーグ戦全試合に出場し、無敗を継続するチームを攻守両面で支えている。

▽激しいプレッシングや中盤の球際でのバトルを得意とする対戦相手にやや苦戦する傾向があるシティにおいて、チーム全体に安定感をもたらすフェルナンジーニョのパフォーマンスの出来、不出来は大きな影響を及ぼす。今季公式戦初黒星を喫したリヨン戦では相手の屈強な中盤と前線からの徹底マークに遭い、思うような仕事ができなかった。一方、勝利こそ逃したものの苦手リバプール相手に善戦した一戦では2セントラルMFの一角に入った同選手の出色のパフォーマンスが光っていた。したがって、今回のトッテナム戦でもシティが優位に試合を進めるためには33歳のベテランMFの活躍が必須だ。