G大阪から唯一の招集…GK東口順昭「自分の力を出す」《キリンチャレンジカップ》

2018.03.15 16:05 Thu
Getty Images
▽日本サッカー協会(JFA)は15日、キリンチャレンジカップ 2018 in EUROPEに臨む同国代表メンバー26名を発表した。

▽ガンバ大阪から唯一招集を受けたGK東口順昭はクラブ公式サイトで次のようにコメント。GK陣の中でも熾烈さを増す生き残りへアピールを誓った。
◆GK東口順昭(ガンバ大阪)
「選出されて光栄です。ワールドカップまで残り時間もあまりなく、大切な試合になると思いますので、自分の力を出し切って、チームの勝利に貢献したいと思います」
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11戦無敗も更なる高み目指す東京Vの城福浩監督…「引き分けを悔しいと思えている今の状況を大事に」

東京ヴェルディの城福浩監督が、ゴールレスドローに終わったガンバ大阪戦を振り返った。 東京Vは15日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第14節のG大阪戦を0-0のドローで終えた。 前節、鹿島アントラーズとのアウェイゲームでは3点ビハインドを追いつく劇的ドローゲームを演じたチームは、ホーム連勝を狙って2連勝中の5位チームをホームで迎え撃った。 直近2試合で複数失点を喫していた中、前半から堅く入ったホームチームは、強度の高さに加えて狙いを持った守備でアウェイチームに自由を与えず。決定機はおろか前半に1本の枠内シュートも許さず。 ただ、よりオープンとなった後半は中盤の攻撃的なカードを使いながらも、リーグ最少タイのG大阪の堅守を前に効果的な攻めを繰り出せず。また、中3日の相手に対して、中2日という日程面のディスアドバンテージによって、3試合連続ゴールを挙げていた後半アディショナルタイムにも見せ場を作れずにやや消化不良のゴールレスドローとなった。 同試合後、公式会見に出席した城福監督は「勝ちたかったな」と第一声。中2日の厳しいコンディションの中で全力を尽くした選手たちを労うと共に、鹿島戦の課題を克服した前半のパフォーマンスを評価。その手応えを感じていただけに、やはり勝ち点1に終わった悔しさを滲ませた。 「鹿島戦で不甲斐ない前半を過ごしてしまって、チームとしてこの課題を克服しないと、次に進めないという思いでいましたし、それをみんなで共有していました」 「今日は本当に素晴らしい前半を選手が表現してくれたので、実際にシュートも前半は自分たちがシュート7本で、相手は1本だという記録を見て、前半で点を取りたかったなという思いがあります」 「とにかく失った瞬間からの切り替えであるとか、ミドルサードでもチェイシングしながらラインを下げずに、ハイラインを保ってボールにプレッシャーに行くということを恐れずにやってくれたと思うので、あの前半があったからこそ後半にボールが持てたと思いますし、押し込めたと思います。我々がひとつ目的とするような前半が過ごせたからこそ、勝てなかったというのは、もうひとつ我々の質のところを上げていかなければいけない」 「いずれにしても我々は中2日で、ご存知のように中2日、中3日というのは、全くコンディションは違いますが、選手はそれを感じさせない素晴らしい前半を表現してくれたので、勝ちたかったし、勝たせたかったなという思いが強いです。平日にもかかわらず、多くのサポーターが来てくれて、心強かったですけども、彼らにも残念な思いをさせてしまいました」 守備面の課題を克服した一方、新たに攻撃面での課題が出たことで、チームが望む勝ち点3奪取とはならなかったが、鹿島戦に続く上位相手のドローによって無敗記録は「11」に更新された。 クラブ規模や昇格組であることを考えれば、“健闘”という表現を使っても差し支えないが、その内訳が3勝8分けという部分で指揮官は「全くもって胸を入れるような11試合負けなしではない」と、自身の采配を含め勝ち点3を取り切れるチームへの成長だけにフォーカスしている。 「1勝と3分けが勝ち点で同じなので、勝ちたかったなという思いの方が強いですし、勝てたなという試合は、振り返っても何試合かあるので、そこの詰めの甘さと言ったら選手にはかわいそうですけど、ここを勝ち切れるチームにしていかなければいけない」 「ただ、守備において我々は誰かがさぼったら、このチームはJ1で戦えないと思うので、ピッチに立っている全員が守備を免除されず、前線からのハードワークをして、できるだけ相手陣でサッカーをするというところを目指している。その結果として、自分たちのゴール前に張り付くような時間というのは長くないので、それが結果として負けていないというふうにも言えるのかなと思います」 「今日であれば、あの前半でどうやって点を取るか、あの後半のあの揺さぶりからのミドルのシーンを、もう4つ、5つ作れれば、おそらく点を取れたと思う。選手は今持てる力を出してくれていると思いますけど、これを勝ち点3にしていくための精度の上げ方というのは、やはり練習の中でどういうふうに刷り込んでいくかなという思いでいっぱいです」 「もちろんこのクラブは、J1残留というのが絶対の目標、最大の目標、等身大の目標です。ただ、それに満足しないサプライズを起こすんだという思いがあるので、引き分けを悔しいと思えている今の状況を大事にしたい」 志の高い情熱的な指揮官の下、半歩ずつ着実に成長を続ける新生ヴェルディは、19日に町田GIONスタジアムで行われる2位のFC町田ゼルビア戦でこのG大阪戦で出た課題を克服し、3試合ぶりの白星を狙う。 2024.05.16 07:42 Thu

東京VとG大阪の“オリジナル10対決”は痛み分け…ホームチーム優勢も堅守攻略ならず【明治安田J1第14節】

明治安田J1リーグ第14節の東京ヴェルディvsガンバ大阪が15日に味の素スタジアムで行われ、0-0のドローに終わった。 前節、鹿島アントラーズとの壮絶な打ち合いを劇的な3-3のドローで終えた11位の東京V。3連勝を逃したものの、リーグ戦無敗を「10」に更新した。その激戦から中2日のホームゲームでは先発4人を変更。契約の問題で鹿島戦欠場の林尚輝、染野唯月が復帰したほか、翁長聖、松橋優安が左サイドで縦関係を組んだ。 一方、名古屋グランパス相手に2試合連続ウノゼロ勝利を飾って5位に浮上したG大阪。今シーズン初の3連勝が懸かった中3日でのアウェイゲームでは先発2人を変更。倉田秋、ダワンに代えてネタ・ラヴィ、食野亮太郎が起用された。 “Jリーグの日”に開催された東京VとG大阪による、J1では16年ぶりとなる“オリジナル10対決”。開始直後にはホームチームがショートカウンターから染野のミドルシュートで挨拶代わりのファーストシュートを記録した。 互いに前から圧力をかけ合い、球際での攻防が徐々に激しくなっていく中、G大阪は宇佐美貴史、東京Vは森田晃樹を起点に幾度か良い形でプレス回避に成功し、局面を変えていく。だが、最後の局面で高い集中力を見せる守備を崩し切るには至らず。 中盤での攻防が目立つ中、前半半ばの25分には東京Vに決定機。左CKの場面で山田楓喜の浮き球のボールをファーで競り勝った綱島悠斗が枠に飛ばすが、これはGK一森純の好守に遭う。さらに、ゴール前の混戦で翁長、染野が押し込みにかかるが、リーグ最少タイの堅守を誇るG大阪の守備陣が身体を張って防いだ。 前半半ばから終盤にかけても堅い展開が続く。後方からボールを効果的に前進できないアウェイチームに対して、ホームチームは良い守備から相手の守備陣形が整う前に攻撃を仕掛ける。だが、再三のミドルシュートやセットプレーは決定機に繋がらず。 一方、G大阪は前半終了間際に宇佐美の直接FKでようやくファーストシュートを記録したが、枠内シュート0本と完全に攻撃が停滞した状況で前半を終えた。 ゴールレスで折り返した後半、先に動きを見せたのは東京V。ハーフタイムで松橋を下げて、鹿島戦ドローの立役者となった切り札の齋藤功佑を同じ左サイドに投入した。 後半もホームチームペースで進むが、G大阪も55分にセットプレーから決定機。左CKの場面でキッカーの宇佐美が右足インスウィングで滞空時間の長いクロスを上げると、中央で競り勝った岸本武流のヘディングシュートが枠の左へ向かうが、これはわずかに外れた。 膠着状態しばらく続くと、60分過ぎに両ベンチが動く。主導権を握る状況で攻撃にアクセントを加えたいホームチームは山田楓、綱島に代えてチアゴ・アウベス、見木友哉を同時投入。だが、そのチアゴ・アウベスが10分ほどで負傷し、袴田裕太郎のスクランブル投入を余儀なくされる。 これに対して流れを引き寄せたいアウェイチームはネタ・ラヴィ、食野を下げてダワン、倉田を同じく同時投入。だが、こちらも岸本が負傷交代を余儀なくされ、75分には古巣対戦の山下諒也、同じタイミングで宇佐美に代えてイッサム・ジェバリが投入された。 互いに大きくメンバーが入れ替わったことで、よりゴール前での攻防が増えることが期待されたものの、大きく流れは変わらず。それでも、東京Vはサイドを起点に木村勇大、染野と2人のストライカーがボックス内でシュートシーンに絡む。さらに、83分にはボックス手前で見木から足元にパスを受けた森田が鋭い低弾道のミドルシュートを枠の右へ飛ばすが、これはGK一森の好守に遭う。 何とかピンチを凌いだG大阪も直後に決定機。86分、右サイドの深い位置で粘ってマイボールにした山下の折り返しがボックス中央のスペースに流れると、これを倉田が右足ダイレクトシュート。だが、枠を捉えた強烈なシュートはDF林の気迫のシュートブロックに阻まれた。 後半最終盤に入ってようやくゴールの匂いが漂い始め、試合は4分が加えられたアディショナルタイムに突入。今季この時間帯に多くのドラマを起こしてきた東京Vだけに、この試合でも劇的結末が期待されたものの、試合はこのままタイムアップ。 この結果、拮抗したオリジナル10対決はゴールレスドローに終わり、東京Vはホーム連勝、G大阪は3連勝を逃す痛み分けとなった。 東京ヴェルディ 0-0 ガンバ大阪 2024.05.15 21:00 Wed

【J1注目プレビュー|第14節:東京VvsG大阪】“Jリーグの日”のオリジナル10対決! 粘りの東京Vと上位接近のG大阪

【明治安田J1リーグ第14節】 2024年5月15日(水) 19:00キックオフ 東京ヴェルディ(11位/17pt) vs ガンバ大阪(5位/21pt) [味の素スタジアム] <span class="paragraph-subtitle">◆ホーム連勝へ! 【東京ヴェルディ】</span> 31年前の5月15日、オープニングゲームを戦ったヴェルディ川崎。31年後はJ1の舞台でその日を迎え、同じオリジナル10のG大阪をホームに迎える。 前節はアウェイでの鹿島アントラーズ戦。オリジナル10同士の対決となった中、3点ビハインドと苦しい戦いを強いられるも、脅威的な粘りを見せて後半に3ゴール。3-3のドローで勝ち点1を持ち帰った。 16年ぶりのJ1の舞台は順風満帆とは言えないが、諦めない姿勢を全面に出し、勝ち点をしっかりと積み上げていっている。気がつけば10戦負けなし。引き分けは多いが、それでも大事な勝ち点を積み上げている。 前会のホームゲームはジュビロ磐田相手に劇的勝利。ドラマは勝ち点3につなげたいところだ。 ★予想スタメン[4-4-2] GK:マテウス DF:宮原和也、千田海人、谷口栄斗、袴田裕太郎 MF:山田楓喜、見木友哉、森田晃樹、チアゴ・アウベス FW:染野唯月、木村勇大 監督:城福浩 <span class="paragraph-subtitle">◆3連勝で波に乗れるか【ガンバ大阪】</span> 今シーズンも難しい戦いになるかと思われたが、気が付けば5位。上位を争っている。 前節はアウェイで堅守の名古屋グランパスをタイテに0-1で勝利。チーイムに粘り強さが出てきて、2試合連続ウノゼロ勝利となった。 シーズンすでに連敗を2度経験しているが、連勝は3度。ただいずれも2連勝でストップしており、どうも波に乗り切れていない印象だ。 失点は少ないが得点も少ない状況。攻撃陣の奮起が3連勝に向けては必要になるだろう。 ★予想スタメン[4-2-3-1] GK:一森純 DF:半田陸、福岡将太、中谷進之介、黒川圭介 MF:ダワン、鈴木徳真 MF:岸本武流、宇佐美貴史、倉田秋 FW:坂本一彩 監督:ダニエル・ポヤトス 2024.05.15 15:45 Wed

「チームへの貢献第一にゴールも取れれば…」徐々に存在感示す東京Vのチアゴ・アウベスがG大阪戦での初ゴール狙う

東京ヴェルディのMFチアゴ・アウベスが、J1初ゴールを狙うガンバ大阪戦への意気込みを語った。 昨年まで2シーズンに渡ってモンテディオ山形でプレーし、ボタフォゴFC(ブラジル2部)を経て、今年3月下旬に東京Vに加入したチアゴ・アウベス。 翌月に行われたJリーグYBCルヴァンカップの鹿児島ユナイテッドFC戦で新天地デビューを飾ると、その3日後の川崎フロンターレ戦でJ1デビュー。以降はサガン鳥栖戦、ジュビロ磐田戦でスタメン出場するなど、ここまでリーグ戦5試合に出場している。 3試合ぶりに途中出場となった前節の鹿島アントラーズ戦ではゴールやアシストといった目に見える結果は残せなかったが、30分ほどのプレータイムの中で1点目と2点目の起点を担うなど左サイドの攻撃を活性化。MF齋藤功佑、MF 翁長聖と共に“ゲームチェンジャー”として、3点ビハインドから後半アディショナルタイムのゴールで3-3のドローに持ち込んだ劇的一戦での勝ち点1獲得に大きく貢献した。 ポルトガル人MFは、「アウェイで勝ち点1を取る上でチームへ貢献できたことを嬉しく思いますし、鹿島という偉大なクラブ相手に難しいゲームになるというのはわかっていた中、自分たちが先に3点を奪われた状況で、1点取ったときにいけるのではないかという可能性を信じた結果、勝ち点1を勝ち取れた」と、その鹿島との激闘を振り返った。 また、敗色濃厚の状況での途中出場となった中、細かな戦術的な部分よりもまずは「諦めない気持ちをしっかり出せればいい」とメンタル面を強調して臨んだという。その上で「(齋藤)功佑も含めて途中から入った選手がしっかりいい活躍を見せた結果、こういう勝ち点1がアウェイで取れた」と、“ゲームチェンジャー”の貢献でつかみ取った勝ち点1への満足感を示した。 目に見える結果が待たれる一方、それ以外の部分ではピッチに立つ選手全員にハードワーク、高い守備意識を求める城福浩監督の下、献身的なプレスバックやプレーの連続性という、出場するためにまず求められるタスクをクリアした印象だ。 その点についてチアゴ・アウベスは「監督から求められている部分は、加入時から特に変わってきてはいないですが、チームとしてやるべきことは決まっているので、そこをまず自分の中で体に染み込ませることが大事。ディフェンスの部分でしっかりとチームに貢献することが大事だと思います。自分自身の成長というだけでなく、チームとしてもっと成長していけると思うので、それを信じてやり続けるだけです」と、ポジティブな姿勢で取り組んでいる。 一方、攻撃の部分では周囲との連携の向上、持ち味である仕掛けや相手守備者との駆け引きの部分での手応えを実感している。 「(攻撃面の改善は)フィジカル的なコンディションも上がっているところで、チームに合流してから時間も経っていますし、その中でチームメイトとのコンビネーションもすごく良くなっているのがある。そういう意味で、プレーが良くなってきているのは必然的かなと感じています。元々自分がいたチームのスタイルと全く違うところに来たので、その中で慣れていくための時間が必要でしたが、そこがうまく当てはまってきているのかなと思います」 そして、15日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第14節では、今シーズン2度目の連勝で5位に浮上したG大阪相手に初ゴールも期待されるところだ。 試合後の自身SNSでも初ゴールへの強い意欲を示す背番号14は次節に向けて「常にまずは1点目を取りたいと言っていますし、その中で1点取れれば自信もついてくる」、「しっかりとチームに貢献するというのを第一に、得点という形ではなくても、チームに貢献できる方法というのはあるので、そこを追い求めながらもゴールも取れればしっかりと自信に繋がって、そこから良い結果に繋がっていくと考えています」と、変わらずの貢献と共に自身のゴールでチームを助けたいと意気込んだ。 なお、母国屈指の名門、スポルティングCPの下部組織育ちで東京V加入時には「緑は好きで、恋しかった」と緑の名門へのシンパシーも口にしていたチアゴ・アウベス。 今月4日にその古巣がプリメイラ・リーガ優勝を果たしたことについて聞くと、その優勝に貢献した日本代表MF守田英正についても触れつつ、ファンとしての喜びと共に良い刺激を受けたと話した。 「自分が応援しているひとつのチームで率直にすごく嬉しい。その中で守田選手が日本人としてポルトガルリーグで活躍している姿を、ポルトガル人として見られるのもすごく嬉しい。SNSで彼がポルトガル語で歌っている動画などを見て、日本とポルトガルの繋がりも感じられました。リーグ優勝というのは本当におめでたいことかなと思います」 2024.05.14 20:30 Tue

東京Vの城福監督、入り改善へ「自ら火をつける」選手求む…「去年に比べソリッド」と評価するG大阪撃破へ

東京ヴェルディの城福浩監督が、13日にクラブハウスで行われた会見でガンバ大阪戦への意気込みを語った。 前節、3連勝を狙った鹿島アントラーズ戦を3-3のドローで終えた東京Vは、11位に順位を落としたが、リーグ無敗を「10」に更新。15日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第14節では、今シーズン2度目の連勝で5位に浮上したG大阪と対戦する。 鹿島戦は後半立ち上がりまでに3失点を喫する厳しい展開を強いられたが、選手交代と布陣変更で流れを変えて69分、81分に続けてゴールネットを揺らして1点差に迫る。そして、6分が加えられた後半アディショナルタイムの93分にMF見木友哉が決めた同点ゴールによって劇的な形で難所から勝ち点1を持ち帰ることになった。 開幕3試合連続の後半終盤の失点によって勝ち点を失った一方、直近は3試合連続の後半アディショナルタイムの得点によって2勝1分けと勝ち点奪取に成功。良くも悪くも劇的な試合が多い、今季の戦いぶりを評して“ヴェルディ劇場”と揶揄する向きもある中、指揮官は「反省ばかり」と前節を含めたチームの課題について言及。 鹿島戦だけでなく劣勢を強いられた京都サンガF.C.戦、湘南ベルマーレ戦にも見受けられた前半の戦い方については、「インテンシティの高い前半の入りをしてくるチームに対しては、大体苦戦している」と、チームとして明確な課題だと捉える。 「前半で出来がいい試合も中にはありますが、圧力がかかったというか、インテンシティの高い前半の入りをしてくるチームに対しては、大体苦戦している。そこが学べていないという言い方がいいか、このチームの大きなひとつの問題だと思っていますけど、どちらかというとスロースターターの選手が多い」 「(前半は)ルーズボールで負けていた。バウンドしたボールに対する身体の入れ合いで既に負けていて、そういうシーンが至るところにあった。それぐらい鹿島の入りというか、25分、30分ぐらいまではインテンシティが高い中で、なかなか五分で戦えなかった」 「勝つシーンも負けるシーンもありますが、五分五分に転がったボールがほぼほぼ鹿島に行っていたというのが現実。選手にもそれは見せましたし、共有しました。4連続ぐらいでルーズボールに競り負けているシーンも見せましたけど、やり方というよりもそこだと思います。後半に関してルーズボールで競り合うところで得意としたメンバーが揃ったかというと、全くそういうわけではない。ただみんなの尻に火がついた。それでは遅い。なので、劇場みたいなので良かったねと僕は全く思っていないです。むしろ何回繰り返すんだという思いの方が強いので、その部分も含めて、今日のフィードバックはかなり強めでした」 さらに、指揮官は若手中心のスカッドにおいて、「自ら火をつけて」チームを引っ張っていく選手の登場を強く求める。 「どうしてもそこで自ら火をつけて自分が先頭に立って、自分が最初に変わっていくんだというぐらいの気概を持ってやるキャラクターというか、ここはこのチームがブレークスルーできるかどうか、ひとつ上に行けるかどうかのカギになるかなと思っています」 「まだそこの部分で自分は解を見つけ切れていない。それ故に、このような試合展開になっていると。チームの戦い方として、自らが火をつけられる集団になっていかないと、上位相手にはやはり苦しむのではないかと思います」 「当たり前ですけど、ルーズボールでエネルギーを半分以上使いながら自分たちのペースに、あるいは自分のペースに持っていく選手が1人でも増えないといけない。これはこのチームが対等に戦えているようで、まだまだ分担制という言い方がいいか、まだチームに火をつけて自分で戦って、しかも落ち着いた状況のゲームの中で、今度はヴェルディらしくボールを回していくという全ての局面で、先頭に立てる選手がいるかというと、ここは戦いながら成長しながら、誰がそこの先頭を切っていってくれるのかは、今も楽しみというか、みんなの背中を押しながら一歩先に出てくる選手を、待ちたいなと思います」 そういった意味で、指揮官の求める役割に最も近い仕事を見せているのが、“ゲームチェンジャー”として鹿島戦ドローの立役者となったMF齋藤功佑だ。 先発出場でも途中出場でもチームに安定感をもたらす多才なMFに関しては城福監督も「ひとつ我々として核になっている」とその貢献度の高さを認める。 「彼はプレーもそうですけど、やっぱりちょっとエネルギーを持って入ってくれる。チームにエネルギーをもたらすような入り方をしてくれると、彼が守備の人とは言わないですけど、守備においても全く手を抜かない。攻撃においては縦横無尽にボールに絡みますし、自分が託された時間で全てを出して、自分が勝ち点をもたらしているという覚悟というか、熱量というのを持って入ってもらえる選手なので、これはすごく貴重。彼のような熱量というのか、エネルギーというか、それが先発組も含めて、1人でも2人でも伝播していくと、チームとしてもうひとつ成長できるのではないかなと思います」 現状では唯一無二とも取れる特長を持つだけに、齋藤の起用法に関しては指揮官としても大きな悩みどころ。「もちろん先発という選択肢もある」としつつ、互いに消耗が激しい前半入りの部分で力を発揮させるか、「アイデアを出せるようなゲームのシチュエーションになった上で、特徴を出してもらうことが有益なのか」を見定めたいとしている。 一方、齋藤と同様に“チームの心臓”として最も替えが利かない選手の一人であるMF森田晃樹に関しては、ビルドアップの起点を担い、直近2試合連続でアシストを記録するなど、ゲームメーカーとして抜群の存在感が光る一方、対戦相手の徹底監視に晒されてピンチに繋がるパスミスやボールロストも散見される。 その若きキャプテンについて城福監督は、「今は工夫時」とチーム、森田自身がさらなる高みに到達するための奮起を促す。 「森田晃樹について、おそらく相手チームからすれば、『彼を潰せ』ということになっていると思います。それを理解した上で、彼はプレーしなければいけない。90分を通した中で、インテンシティというか、プレッシャーがアベレージの数字に近い状況で、自分にプレッシャーが来ると思ってプレーをしたら、それはたぶん本人にとっても、チームにとっても非常に苦しい展開になる」 「自分には特別なプレッシャーが来ると思ってプレーをする、そういう準備をしてピッチに立つ。準備というのはウォームアップの準備という意味ではなく、2歩3歩のポジションの準備だったり、ボールをふたつ触る前に周りを見ておくということだったり、自分が動くことによって、人にスペースを与えることだったり、そういうことをしながら、少し全体のプレッシャーが落ち着いてきたときに、本来の自分のペースを掴んでいくというような、今は工夫時だと思います」 「彼はそこで強いプレッシャーを受けてかっさらわれて、そこから目が覚めてという、このサイクルはチームもそうですけど、彼も脱しなければいけない」 また、指揮官が常々、J1残留に向けて“成長”、“伸びしろ”を大きなテーマに掲げる中、鹿島戦で初スタメンを飾ったDF山田裕翔は2失点目に関与するなど、いわゆる“授業料を払わされる”ほろ苦い一戦に。試合後のファン・サポーターへの挨拶の際には悔し涙も見せていた。 チームの財政事情もあり、そういったリスク覚悟で若手抜擢をいとわない指揮官は、選手を育てながらJ1で結果を残していくという、極めて困難な両立についての考えを明かした。 「もちろん引き分けに満足はしてないですけど、それでも勝ち点1で終わったからこそ言えるセリフかもしれないですが、おそらくレンタルの選手が多くなければ、ほとんどが自前の選手だったら、彼はあの舞台に立てるチャンスというのは、ほぼなかったと思います」 「このクラブにいて、今のヴェルディが出場のチャンスを求めて、レンタルでこのチームにたくさん来てくれて、彼らが成長していく中で、出られない試合があるからこそ、山田裕翔はチャンスをもらえたわけです。こういうことが、このクラブですごく大事だと思います」 「もう盤石の完全移籍でここにいる選手たちだったら、なかなか難しい。あの鹿島のあのスタジアムの先発で、いろんなことを体験できたことは、やはりそう多くはない。彼はこの経験を大事にしてほしいし、その悔しさというのを感じながら今日も練習をしっかりしていました。これこそが今我々が置かれている中でひとつのプラスかなと思います」 「次も出られない選手(山見大登)がいますけど、だからこそチャンスが来る選手がいるわけで、一度そういう場を経験すると、もう一度立ちたいと思う。それでさらに日頃のトレーニングの熱量が上がっていくというサイクルにしたい」 そういったチーム、個々の成長を意識しながら中2日で臨む上位連戦2試合目に向けては、昨季J1でリーグワーストタイの61失点から、今季はリーグ最少タイの10失点と見違えるような守備の改善がみられるG大阪を警戒。とりわけ、「今のガンバを象徴している選手の1人」と、MFダワンへを高く評価した。 「去年に比べて本当にソリッドなチームになったなと思います。中盤の強度が上がりましたし、前線にはクオリティの高い選手がいますが、宇佐美選手も守備を免除されているかと言われれば、全くそういうわけではないですし、若手もベテランも全員がハードワークをするチームに変貌したなと思います」 「また、外国籍の選手も本当にクオリティが高く、インテンシティが高い。ボランチのダワンとかは本当に球際も強いし、3列目からゴールまで入ってきますし、なかなか警戒するにしても対策のしようがないぐらい彼自身がインテンシティの高さを発揮してくる選手なので、今のガンバを象徴している選手の1人かなと思います」 16年ぶりにJ1の舞台に戻ってきた東京Vにとって、1993年の開幕日である5月15日の“Jリーグの日”に行われるG大阪とのオリジナル10対決は、感慨深いものがあるが、当時とは大きく立ち位置が入れ替わった中で臨む一戦で2試合ぶりの白星を掴み取れるか。 2024.05.14 20:00 Tue
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