【六川亨の日本サッカーの歩み】かつて“怪物“と呼ばれたストライカーが現役を引退
2018.01.29 17:30 Mon
▽先週末のことだ。“怪物“と呼ばれたストライカーが現役生活に別れを告げた。仙台のFW平山相太である。彼のプレーを初めて見たときは衝撃的だった。第82回高校選手権で、平山や1年生ながら国見高校のエースとして活躍し、得点王となってチームを優勝に導いた。
▽190センチの長身を利したヘディングの強さはもちろんのこと、リーチの長さを生かした突破からのシュートも正確だった。爆発的なスピードがあるわけではないが、ワンフェイク入れて外やタテに持ち出してのシュートは、リーチが長いためDFが足を出しても届かない。その長身を活用したプレーで、高校選手権で優勝2回と史上初となる2年連続(2002、2003年)の得点王、さらにインターハイや高円宮杯優勝と、高校時代はタイトルを総なめした。
▽高校卒業後の2004年は筑波大学に進学。国見高校の小嶺監督は「相太は成績優秀だから、学力でも国公立大に進学できる」と話していたが、真偽のほどは分からない。筑波大学では、デビュー戦となった駒沢陸上競技場には数多くのメディアが詰めかけた。そうしたプレッシャーにも負けず、平山は決定力の高さを発揮して筑波大のリーグ優勝に貢献。その間には病気で離脱した高原直泰に代わりU-23日本代表の一員としてアテネ五輪も経験した。
▽その後は筑波大学を中退してオランダに渡り、ヘラクレスで2シーズンほどプレーした後、FC東京への復帰を果たした。ヘディングが武器の平山だったが、当時の監督である原博実氏は、全体練習終了後に自ら手でボールを投げて、平山にヘディングの特訓を施していた。それは彼に対する期待の表れだったと言える。
▽2010年は岡田ジャパンに招集され、デビュー戦となったイエメン戦ではハットトリックを達成。これは80年ぶりのタイ記録である。こうして順風満帆なサッカー人生を送ってきた平山だったが、2011年の4月10日の練習試合中に頸骨と腓骨を骨折する。ここから彼のケガとの戦いが始まった。
▽すでに体調をベストに戻すことは難しかったが、2016年は可能な限り練習に参加してコンディションを維持し、交代出場が多かったものの15試合に出場して5ゴールを決めた。6月25日の第19節、横浜FM戦では試合終了間際の小川のFKから得意のヘッドで決勝弾を決め、5試合ぶりの勝利(1-0)をもたらした。
▽試合後の平山は、「セットプレーはチームとしてDFもFWも練習しているので、それが結果につながった。(シュートは)一瞬、止められるかなと思ったけど、クロスのスピードがあったので相手GKの手を叩くことができた。勝利に近づけてうれしかった」と、気負うことなく話していた。
▽2017年は心機一転、仙台への完全移籍を決断したものの、開幕直後に左足首を負傷して、再び長期離脱を余儀なくされる。そしてプロ入り後は初めてとなる公式戦に出場がないまま2017年を終了。クラブは契約を更新する予定でいたが、平山自身が引退を決意した。
▽高校時代の強烈なイメージが強すぎるせいか、平山は、記録はもちろん記憶にも残りにくいプロサッカー選手としての人生だった。彼の引退の報を新聞で知ったとき、かつてのチームメイトだった石川直宏を思い出した。まだまだ現役を続けたいものの、自分の体が思うように動いてくれないもどかしさは、本人が一番感じていることだろう。
▽できれば、もう1シーズン、J1に初昇格となる長崎で平山のプレーを見たかったというファンも多いのではないだろうか。ともあれ、平山は引退を決意した。彼のセカンドキャリアを暖かく見守りたいと思う。
▽190センチの長身を利したヘディングの強さはもちろんのこと、リーチの長さを生かした突破からのシュートも正確だった。爆発的なスピードがあるわけではないが、ワンフェイク入れて外やタテに持ち出してのシュートは、リーチが長いためDFが足を出しても届かない。その長身を活用したプレーで、高校選手権で優勝2回と史上初となる2年連続(2002、2003年)の得点王、さらにインターハイや高円宮杯優勝と、高校時代はタイトルを総なめした。
▽高校卒業後の2004年は筑波大学に進学。国見高校の小嶺監督は「相太は成績優秀だから、学力でも国公立大に進学できる」と話していたが、真偽のほどは分からない。筑波大学では、デビュー戦となった駒沢陸上競技場には数多くのメディアが詰めかけた。そうしたプレッシャーにも負けず、平山は決定力の高さを発揮して筑波大のリーグ優勝に貢献。その間には病気で離脱した高原直泰に代わりU-23日本代表の一員としてアテネ五輪も経験した。
▽2010年は岡田ジャパンに招集され、デビュー戦となったイエメン戦ではハットトリックを達成。これは80年ぶりのタイ記録である。こうして順風満帆なサッカー人生を送ってきた平山だったが、2011年の4月10日の練習試合中に頸骨と腓骨を骨折する。ここから彼のケガとの戦いが始まった。
▽2012年に復帰したものの、5月に腓骨と短腓骨筋を挫傷し再び離脱。この2シーズン初めて無得点に終わった。その後も指揮官が代わるなか、2人の外国人監督は平山の長身を高く評価するも、2014年に右足首を骨折すると、2015年は固定していた髄内釘を除去する手術に踏み切ったため、ケリハビリに明け暮れる毎日が続いた。
▽すでに体調をベストに戻すことは難しかったが、2016年は可能な限り練習に参加してコンディションを維持し、交代出場が多かったものの15試合に出場して5ゴールを決めた。6月25日の第19節、横浜FM戦では試合終了間際の小川のFKから得意のヘッドで決勝弾を決め、5試合ぶりの勝利(1-0)をもたらした。
▽試合後の平山は、「セットプレーはチームとしてDFもFWも練習しているので、それが結果につながった。(シュートは)一瞬、止められるかなと思ったけど、クロスのスピードがあったので相手GKの手を叩くことができた。勝利に近づけてうれしかった」と、気負うことなく話していた。
▽2017年は心機一転、仙台への完全移籍を決断したものの、開幕直後に左足首を負傷して、再び長期離脱を余儀なくされる。そしてプロ入り後は初めてとなる公式戦に出場がないまま2017年を終了。クラブは契約を更新する予定でいたが、平山自身が引退を決意した。
▽高校時代の強烈なイメージが強すぎるせいか、平山は、記録はもちろん記憶にも残りにくいプロサッカー選手としての人生だった。彼の引退の報を新聞で知ったとき、かつてのチームメイトだった石川直宏を思い出した。まだまだ現役を続けたいものの、自分の体が思うように動いてくれないもどかしさは、本人が一番感じていることだろう。
▽できれば、もう1シーズン、J1に初昇格となる長崎で平山のプレーを見たかったというファンも多いのではないだろうか。ともあれ、平山は引退を決意した。彼のセカンドキャリアを暖かく見守りたいと思う。
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元日本代表FWの大久保嘉人が、母校を応援した。 28日、第101回全国高校サッカー選手権大会が開幕。29日には1回戦が行われた。 今大会は新たな100年に向けての再スタートの年。記念すべき100回大会を終え、新たな一歩を踏み出そうとしている。 その今大会には、長崎県予選を突破した国見高校が出場。かつては国見旋風を巻き起こし、連覇を達成するなど通算6度の優勝を経験。過去50大会では最も多い優勝を誇っている。 また、数多くのJリーガーを輩出。大久保もそのうちの1人であり、日本代表経験者だけでも、高木琢也氏、三浦淳寛氏、平山相太氏、なども出身者として知られる。 その国見を強豪校にしたのが、小嶺忠敏氏。2007年に参院選に出馬するために辞任すると、その後は長崎総合科学大学附属高校のサッカー部監督に就任。すると、国見に取って代わるように長崎県代表として出場を続け、国見は実に12年ぶりの出場となった。 小嶺氏は昨年の大会中に急逝。非常に惜しまれた中、かつて自身が率いた国見が復活。大久保氏もスタンドで1回戦を観戦したことを報告した。 「高校サッカー選手権に12年ぶりに国見が帰って来ました。今日の初戦を勝利!!次も盛り上げてみんなで応援しましょう」 「全国の皆さんも応援お願いします」 国見の法被を着て応援している大久保氏。母校の久々の勝利を見守ったが、祝福のメッセージ以上にみんなが気になることがあった。 それは、大久保氏の髪型。イタリアのナポリを訪れ、レジェンドであるディエゴ・マラドーナを真似てパーマをかけていた大久保氏。しかし、国見の応援時には、元の髪型に戻っており、「わんぱくヘアーじゃない!!」、「髪型戻ってる」と話題となった。 国見は12年ぶりの出場で、北海道代表の北海高校と対戦。リードしながらも追いつかれPK戦となったが、GKも活躍し2回戦に駒を進めた。 <span class="paragraph-title">【写真】母校・国見高校の法被をきて応援する大久保嘉人、しかし注目は髪型に</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/CmvoZVwyaBy/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; 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国見で6度の全国制覇、多くのJリーガーを育てた小嶺忠敏監督が他界…2007年から長崎総科大学附属高校を指揮
長崎総科大学附属高校は7日、サッカー部の小嶺忠敏監督が他界したことを発表した。76歳だった。 発表によると、小嶺監督は7日の午前4時24分に長崎市内の病院で逝去されたとのことだ。 長崎総科大附属高校は、現在行われている第100回全国高校サッカー選手権大会に出場。1回戦では北海高校(北海道代表)相手に1-2で勝利すると、2回戦では堀越(東京都A代表)を相手に1-0で勝利。しかし、3回戦では東山高校(京都府代表)相手に3-0で敗戦していた。 なお、小嶺監督はベンチ入りしていなかった。 小嶺監督は長崎県出身で、1968年に長崎県立島原商業高校で指導。1984年に就任した長崎県立国見高校では、チームを全国高校サッカー選手権大会で6度の優勝に導く手腕を見せた。 初出場の1986年に準優勝を果たすと、2度目の出場となった1987年で優勝。その後、1990年、1992年、2000年、2001年、2003年に優勝を果たしている。 なお、その間に多くのJリーガーや日本代表選手を輩出し、昨シーズン限りで現役を引退した大久保嘉人やヴィッセル神戸の三浦淳寛監督、平山相太らがいる。 その後、参議委員選挙に立候補するなどした後、2007年に長崎総科大学附属高校のサッカー部監督に就任。吉岡雅和(レノファ山口FC)、安藤瑞季(水戸ホーリーホック)、鈴木冬一(ローザンヌ/スイス)、安藤翼(SC相模原)、知念哲矢(浦和レッズ)らを輩出していた。 2022.01.07 17:22 Fri4