震災後初となる九州開催の一戦は、北九州が原の2戦連発弾で先制も後半ATの大前弾で清水が逆転勝利《J2》

▽23日に北九州市立本城陸上競技場で明治安田生命J2リーグ第9節のギラヴァンツ北九州vs清水エスパルスが行われ、1-2で清水が勝利した。

▽前節のC大阪戦で引き分けて連敗を3で止めた北九州が、2戦勝ちなしで10位に後退した清水をホームに迎えた。14日に起こった平成28年熊本地震以来、初となる九州地方での開催となった一戦は、アウェイの清水が主導権を握る展開となった。

▽清水はディフェンスラインでパスを回しながら、前線の動き出しに合わせて縦パスを入れて深さを取ろうとする。しかし、北九州も人数をかけてスペースを埋め、簡単にはシュートチャンスを作らせない。
▽29分にはチョン・テセのドリブル突破から、清水がゴール正面の位置でFKを獲得。大前が直接狙うも、ボールは枠の上に外れてしまい、チャンスを逸する。一方の北九州も前線にボールが入るようになると、34分には高い位置でボールを受けた風間が右足を振り抜くなど、決定機を迎えたがゴールにつながらない。

▽それでも40分、左サイドに流れた風間からのクロスを、ボックス内の原が上手く体を倒したボレーで合わせると、これがゴールネットを揺らす。原の2戦連発弾で北九州が先制して試合を折り返した。▽迎えた後半は立ち上がりに動きを見せる。47分、ボールを拾った河井が相手陣内に運ぶと、最後は右サイドの村田が入れたクロスが前田に当たってそのままネットを揺らし、清水がオウンゴールで同点とした。

▽勢いを増す清水は49分にボックス外の大前が強烈なミドルシュートを放つ。これはクロスバーを叩くも、北九州を圧倒して攻め込んでいく。北九州は小松や本山ら攻撃的な選手を送り出して勝ち越しを目指した。

▽試合終盤はお互いにチャンスを作り出すが、最後まで勝ち越しゴールは生まれずに時間が経過。しかしアディショナルタイム1分、右サイドから入った鋭いクロスに大前がダイビングヘッドで合わせると、ボールはゴールネットに吸い込まれ、清水が土壇場で逆転に成功。そのまま終了のホイッスルが吹かれ、清水が3試合ぶりの勝利を手にした。一方、原の2試合連続ゴールで先制した北九州だったが、震災後最初の九州で行われた一戦を白星で飾ることはできなかった。