ローマ、首位ユーベの背中が遠のく3戦連続ドロー《セリエA》

▽セリエA第20節、6位のフィオレンティーナ(勝ち点30)と2位のローマ(勝ち点41)による名門対決が、25日にアルテミオ・フランキで開催され、1-1の引き分けに終わった。

▽度重なる攻撃陣の負傷離脱の影響もあって前半戦を6位で終えたフィオレンティーナ。だが、公式戦3連勝中と好調を維持した状況で巻き返しを狙う後半戦初戦で強豪ローマとの一戦に臨んだ。なお、チェルシーへの移籍が噂されるクアドラードは先発で起用された。

▽一方、2試合連続ドローで首位ユベントスとの勝ち点差が「5」に開いたローマは、後半戦初戦となる今節で是が非でも勝ち点3を獲得したいところ。注目の先発メンバーでは、サスペンション明けのナインゴランとデ・ロッシ、負傷明けのマノラスが先発に復帰。3トップはトッティとリャイッチ、イトゥルベが起用された。
▽互いに集中した入りを見せた中、開始3分に高い位置でボールを奪ったフィオレンティーナはクアドラードが思い切って右足を振りぬき、両チームを通じてこの試合最初のシュートを放つ。対して序盤はなかなかフィニッシュに持ち込めなかったローマは、9分にトッティの絶妙なスルーパスを起点に左サイドでホレバスが仕掛け、最後はトッティがシュートするが、これはわずかに枠の右に外れた。

▽前半15分を過ぎても一進一退の攻防が続くが、ワンチャンスを生かしたフィオレンティーナが先手を奪う。19分、セットプレーの流れからホレバスのクリアボールに反応したピサーロがボックス手前から抑えの利いたミドルシュートを放つと、これをゴール前のゴメスが右足ワンタッチでコースを変えてゴール右隅に流し込んだ。▽良い時間帯に先制点を奪ったフィオレンティーナは、24分にも先制点と同じようなシチュエーションからゴール前のバサンタが決定的なシュートを放つなど、その後も試合のペースを掴んだ。

▽ホームチームにボールを保持されてなかなか攻撃に出られないローマは、さらにアクシデントに見舞われる。30分過ぎに相手選手との接触で左ヒザを痛めたストロートマンがプレー続行不可能となり、ピャニッチとの交代でピッチを後にした。

▽何とか流れを変えたいチームはセットプレーからナインゴランが続けてチャンスに絡むも、相手GKタタルサヌの好守に阻まれる。その後も流れを掴み切れないローマは、前半アディショナルタイムのM・フェルナンデスの決定機を凌ぎ最少失点で前半を終えたものの、厳しい形で試合を折り返した。

▽互いに選手交代なしで迎えた後半はガルシア監督の下、ハーフタイムで改善点を見いだしたローマが開始早々に追いつく。49分、トッティのフィードに反応した右サイドのイトゥルベがDFバサンタの前にうまく身体を入れ、ボックス右から丁寧なグラウンダーの折り返しを送る。これを中央で受けたリャイッチが体勢を崩しながらもきっちりゴール左隅に流し込んだ。

▽後半に入って全体の距離感がコンパクトになったローマはセカンドボールをことごとく拾い、トッティやピャニッチを起点にボールポゼッションを高めていく。56分にはトッティの絶妙なスルーパスに反応したイトゥルベがボックス右でGKと一対一となるが、ここはGKタタルサヌにコースを消され、逆転ゴールを奪うことはできなかった。

▽後半も半ばに入ると、フィオレンティーナが盛り返したことで拮抗した展開が続く。67分にはカウンターからフィオレンティーナに決定機。ボックス右でホアキンから丁寧な横パスを受けたクルティッチがシュートを放つが、ここはヤンガ=エムビワの決死のシュートブロックに遭う。一方のローマは素早い攻守の切り替えからイトゥルベやリャイッチがボックス付近から果敢にシュートを放っていった。

▽互いに負けたくない気持ちが強くなった試合終盤は運動量の低下もあって、さしたる見せ場のないまま時間だけが過ぎ、試合は1-1のままタイムアップ。今節も勝ち切れず3戦連続ドローのローマは、同日キエーボに勝利したユベントスとの勝ち点差が「7」に開き、悲願のスクデット獲得に早くも黄色信号が灯った。一方、モンテッラ体制での対ローマ戦初勝利を逃したフィオレンティーナは、公式戦の連勝が「3」でストップした。