【セリエA前半戦総括&ベスト11】~2強のハイレベルなスクデット争いは継続~

2014.12.24 06:30 Wed
ユベントスが4連覇へ順調な歩みを進める一方で、その王者に追随したのはローマのみ。第16節を終えて首位のユベントスと2位のローマの勝ち点差は「3」。この差は両者による直接対決の結果だ。その試合内容を鑑みても両軍の実力に大差はなく、昨シーズンと同様に2強のハイレベルなスクデット争いが繰り広げられている。

▽コンテ前監督の退任に伴い、リーグの覇権維持が不安視されたユベントスだったが、その心配は杞憂に終わった。コンテ時代の遺産を生かしながら序盤戦を順調に進めたアッレグリ監督は、10月に入って低調な試合が続くと、従来の3バックから4バックに変更。自身の色を出しながら現有戦力を生かし、チームの停滞感を払拭した。ホームの連勝記録が25試合で止まったものの、開幕から一貫して首位の座を守っており、4連覇の偉業に向けて視界良好だ。

▽2位につけるローマは、昨シーズンほどの凄みを感じられなくなったものの、確実に勝ち点を積み上げる勝負強さを身に着けている。守備陣を中心に負傷者が続出したが、戦力を見極めて適切なマネジメントを遂行したガルシア監督の手腕はさすが。4季ぶりの参戦となったCLではグループステージ敗退となったが、今シーズンの最優先事項であるスクデット奪還へ王者に競り勝ちたいところだ。
▽インザーギ監督の下で再起を期すミランと、モラッティ家がクラブから去ったインテルは、今シーズンも苦戦が続いている。MF本田の開幕ゴールから好スタートを切ったミランは、その勢いを持続できず、勝利を掴むことに苦悩した。ただ、2014年の最後にナポリ&ローマとのビッグマッチ2連戦を1勝1分の成績で終えたことは、未完成のチームにとって大きかった。一方、開幕から不安定な戦いが続いたインテルは、11月下旬のミラノ・ダービーを前にマッツァーリ前監督を電撃解任。過去にチームを3連覇に導いたマンチーニ監督を招へいしたが、劇的にチームが改善されることはなく11位に沈んでいる。

▽優勝候補の一角と見られていた3位のナポリは、開幕直後の不振が響いて2強との勝ち点差が9ポイント以上と、大きく引き離された。度重なる左ヒザの重傷でFWロッシを欠くフィオレンティーナは得点力不足に苦しんで何とか8位。一方、完成度の高いチームをベースに躍進を遂げたサンプドリアとジェノアのジェノヴァ勢、攻撃が充実するラツィオが上位進出を果たした。
▽下位グループでは、昨季6位と躍進したパルマが守備の崩壊で最下位に低迷。今シーズンのEL出場権を剥奪される要因となった財政難により、勝ち点1の没収とクラブの売却も決まった。また、好不調の波が激しいカリアリ、得点力不足に泣くアタランタ、この前半戦で監督を交代したキエーボとチェゼーナが下位に沈んでいる。

【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWカルロス・テベス(ユベントス)
Getty Images
▽テベスに2年目のジンクスは存在しなかった。チャンスメークからフィニッシュに至るまで攻撃を完遂させ、決定的なプレーを連発。数字の上では10ゴール5アシストを記録し、得点ランクのトップに立つ。ユベントスでの活躍を受けて、11月には約3年ぶりにアルゼンチン代表に復帰。イタリアで充実した時を過ごしている。4連覇に向けて首位をキープし続ける王者の中で、違いを生み続けたテベスが最優秀選手に相応しいだろう。

★最優秀監督
◆シニシャ・ミハイロビッチ(サンプドリア)
▽昨年の11月にセルビア代表の指揮官を辞め、降格圏に沈むサンプドリアを残留に導いたミハイロビッチ監督は、今季に入ってチームをより高みに導きつつある。攻守にハードワークを徹底させ、ビッグクラブとも十分に渡り合えるソリッドなチームを形成した。また、自身と同じレフティーであるガッビアディーニに直接指導を施して左足のキックを磨かせ、伸び悩んでいたオカカをチームに不可欠な存在へと再生させた。選手の能力を最大限に発揮させ、プロヴィンチャを3位に導いている。

【期待以上】
★チーム
◆サンプドリア&ジェノア
Getty Images
▽今年の10月上旬に洪水被害に見舞われた港町のジェノヴァだが、サンプドリアとジェノアが共に躍進を遂げて街を活気付けた。ミハイロビッチ監督が率いるサンプドリアは、守備の堅さとセットプレーの強さを武器に開幕から8戦無敗を記録。その後も安定した戦いを見せ、ここまでの敗戦が1試合のみという好成績を残した。一方のジェノアは、ガスペリーニ監督が標榜する[3-4-3]の布陣を駆使し、状況に応じてシステムを自在に変える柔軟な戦い方を披露。組織力の高さを見せ付け、ユベントスに前半戦で唯一、土を付けた。両者ともに限られた戦力の中で完成度の高いチームを形成し、リーグを大きく盛り上げる存在となっている。

★選手
◆FWパウロ・ディバラ(パレルモ)
▽“アグエロ2世”と称されるアルゼンチン出身の左利きストライカーが大きく名を上げた。21歳のディバラは、馬力のある突破力と決定力の高さを遺憾なく発揮し、ここまで7ゴール6アシストを記録。同じくアルゼンチン人のレフティーアタッカーであるMFフランコ・バスケスと共に、9位と上々の成績を残すパレルモの攻撃を引っ張っている。イタリア代表指揮官のコンテ監督がアッズーリ入りを望むほどの逸材であり、この前半戦で大きなインパクトを残したのは間違いない。

【期待外れ】
★チーム
◆インテル
▽昨シーズンと同じく不安定な戦いぶりが目立ったインテル。ナポリを強豪チームに押し上げたマッツァーリ監督をもってしても、チームを立て直すことはできなかった。11月にマンチーニ監督を後任に据えたが、3連覇を達成した当時の強力なスカッドと雲泥の差がある今のチームを、現時点では改善できていない。結局、16試合を終えて11位に低迷し、リッピ時代に混迷を極めた2000-01シーズン以来となる最悪の成績で新年を迎えることになった。マンチーニ監督は、来年1月の移籍市場で自身が望むタレントを獲得し、巻き返しを目指すことになるだろう。

★選手
◆DFネマニャ・ヴィディッチ(インテル)
Getty Images
▽元プレミアNo.1センターバックは、新天地のイタリアで周囲の期待を大きく裏切った。3バックの中央でディフェンスリーダーを任されたが、味方と連係を図ることができず、自らのミスで失点を招くなど低調なパフォーマンスに終始。マッツァーリ前指揮官の下では起用され続けたが、マンチーニ体制後は一度も出場機会を得ることができていない。来年1月には早くもチームを去る噂が浮上している。

【前半戦ベストイレブン】
GK:ペリン
DF:マノラス、ボヌッチ、サビッチ
MF:ナインゴラン、マルキジオ、ピャニッチ、ポグバ
FW: ガッビアディーニ、テベス、ジェルビーニョ

【後半戦展望】
★雌雄を決す天王山と混戦の3位争い
▽ユベントスとローマのスクデット争いは、1試合勝ち点を取りこぼすと致命傷になるような状況だ。互いに欧州カップ戦を残しているが、国内で着実に勝ち点3を積み重ねる必要がある。2月と3月をまたいで組まれるスタディオ・オリンピコでの天王山は激戦必至だ。

▽スクデット争いと同じく熾烈を極めているのが、来季のCL出場資格を得られる3位争い。勝ち点27で並ぶナポリ、サンプドリア、ラツィオの3位勢から、8位のフィオレンティーナまで、勝ち点3差の中に6チームがひしめき合っている。11位のインテルも3位とは6ポイント差であり、巻き返しは十分に可能。セリエAは最終的に勝ち点が並んだ場合、当該チームの対戦成績が反映されるため、この混戦の中にいるチーム同士の直接対決は重要となる。

▽残留争いでは、いまだに1ケタ勝ち点の19位チェゼーナ(勝ち点9)と、20位パルマ(勝ち点6)が厳しい状況。降格圏まで5ポイント差の13位トリノは、決勝トーナメントに進んだELを戦いながら、早めに残留争いから抜けることができるか。

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日本人が目指すべきCB像、“希少なバロンドーラー“ファビオ・カンナバーロ

サッカー界においてなかなか評価がされないのが守備的な選手。勝利に貢献する派手なゴールを決める攻撃的な選手はわかりやすい活躍の指標が存在するが、なかなかディフェンダーは評価が得にくい。 もちろん、これまでのサッカー界で高く評価されたディフェンダーは多々いるが、世界年間最優秀選手に贈られる「バロンドール」では3人のみが受賞。元西ドイツ代表DFのフランツ・ベッケンバウアー氏と、元東ドイツ代表DFマティアス・ザマー氏、そして元イタリア代表DFファビオ・カンナバーロ氏の3人しかいない。 DFとして最後に受賞したのが2006年のカンナバーロ氏だが、ベッケンバウアー氏やザマー氏はリベロのポジションを務めており、中盤でのプレー機会も多かった選手たち。一方で、カンナバーロ氏は、純粋にセンターバックを務めており、DFとして最初の受賞者と言っても良い存在だ。 イタリア代表のキャプテンとしてドイツ・ワールドカップ(W杯)を優勝した功績が認められたカンナバーロ氏。現役時代のキャリアで多くのタイトルを獲得しているが、縁がなかったのがチャンピオンズリーグ(CL)だ。 <span class="paragraph-title">◆記録よりも記憶に残るプレーヤー</span> 現役時代はナポリでキャリアをスタートさせたカンナバーロだが、クラブの財政難により放出。パルマへと移籍する。 このパルマでは、GKジャンルイジ・ブッフォンやDFリリアン・テュラムらと強固な守備陣を形成。“ミラクル・パルマ“とも呼ばれ、カンナバーロも2度のコッパ・イタリア優勝や、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)での優勝を経験した。 中田英寿ともチームメイトとしてプレーした中、セリエAのスクデット獲得には至らずに2002年8月にインテルへと移籍。しかし、インテルでは監督との確執もあり出番が減り、2004年8月にユベントスへと完全移籍する。 すると、パルマ時代の同僚であったブッフォンとテュラムと再びチームメイトに。2004-05シーズンに見事スクデットを獲得する。しかし、このスクデットは2006年に発覚したカルチョ・スキャンダルといわれた一連の八百長事件の影響で剥奪に。結果、カンナバーロはスクデットも獲得していないこととなった。 チームはセリエBに降格処分となり、カンナバーロはレアル・マドリーへと完全移籍。そこでも本領を発揮すると、難しい中で行われたドイツW杯で優勝。前述のバロンドールも受賞することとなると、FIFA年間最優秀選手賞も受賞した。 マドリーではラ・リーガ連覇を果たすなどしたが、再びユベントスに復帰。その後は、アジアでプレーし引退した。 ビッグクラブに在籍を続けていたカンナバーロだったが、実はタイトル獲得数は多くない。クラブキャリアではわずか7個。そこにW杯が加わり8つと、イメージよりは少ないのではないだろうか。 <span class="paragraph-title">◆縁がないチャンピオンズリーグ優勝</span> そのカンナバーロだが、ことCLとなるとより縁遠くなる。インテル移籍後は毎シーズン出場はしていたが、チームとしての成績は良くなく、最高がベスト4止まりだった。 今でこそ、マドリーやユベントスはタイトルを多く獲得し、マドリーは近年CLを何度も制しているが、ちょうど“銀河系“を形成していたカンナバーロが在籍していた時代は過渡期。2000年から2010年まではラ・リーガも4度の優勝に留まっており、CLも2001-02シーズンを最後に11年間獲れなかった。 最もビッグイヤーに近づいたのは、インテル在籍時の2002-03シーズン。準決勝に駒を進めると、決勝進出を懸けた相手はライバルのミラン。2試合とも引き分けに終わったが、アウェイゴール差で僅かに敗れて敗退した。 その後は、ユベントス時代に2度ベスト8、マドリー時代に2度ベスト16まで勝ち上がっているが、それ以上は進めず。ビッグイヤーを掲げていないどころか、決勝の舞台にすら立ったことがなく、最も意外な選手の1人と言っても良い。 <span class="paragraph-title">◆タイトルは少なくとも才能は抜群</span> 目に見えたタイトルというものにはあまり恵まれていないキャリアのカンナバーロ。そのため、ワールドカップの優勝とバロンドール受賞が輝いて見える。 ただ、ピッチ上で見せるパフォーマンスの評価、そして持ち合わせた才能は世界屈指と言われている。 なんといっても、センターバックとしては身長175cmと小柄。体格に勝るヨーロッパではもちろんのこと、日本で考えても175cmのセンターバックはあまりいないタイプだ。 しかし、持って生まれた強靭な肉体が身長のハンデを埋めることに。まず一対一の守備力が抜きん出ており、相手との競り合いに負けないほか、身長を補う高いジャンプ力を武器としていた。 どんなストライカー相手でも、空中でも地上でも抜かせないという守備力は一級品だが、カンナバーロの真骨頂は守備をする前のパフォーマンスだ。 最も優れているとされたのがポジショニング。相手との競り合いに負けないフィジカルも素晴らしいが、相手よりも優位なポジションを先読みして取ることで、そもそも勝負の前に勝っているのだ。 一対一の勝負もさることながら、簡単にボールを奪い切る能力は抜きん出ている。 そしてもう1つが抜きん出た統率力。センターバックとして周りの選手にコーチングして相手を追い込んだり、優位なポジションを取ったりすることができる。これは、「カテナチオ」と言われるイタリアの堅い守備には欠かせず、ドイツW杯を制した際にもこの点は非常に評価された。チームのパフォーマンスを引っ張り上げる彼の力は、タイトルの数に関係なく、最後まで高く評価され続けた。 日本人と変わらない体格で世界と渡り合ったカンナバーロ。お手本とすべき選手の1人とも言えるだろう。 <div id="cws_ad"><hr>イタリア代表で活躍し、“カテナチオ“戦術の中心としても活躍したファビオ・カンナバーロが大人気スポーツ育成シミュレーションゲーム『プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド』(サカつくRTW)に登場!<br/><br/>現役時代に魅せたプレーが『サカつくRTW』でも再現。是非一度チェックしてみよう。<a href=“https://ryan.onelink.me/C7cD/awagt0va” target=“_blank”><div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2022/sega20220713.jpg" style="max-width:100%;"></div></a></div> <span class="paragraph-title">【動画】相手を封殺!カンナバーロの闘志溢れるユベントス時代のディフェンス集</span> <span data-other-div="movie"></span> <div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJsdGt2Y1FHSiIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script> <div id=“cws_ad”><hr>イタリア代表で活躍し、“カテナチオ“戦術の中心としても活躍したファビオ・カンナバーロが大人気スポーツ育成シミュレーションゲーム『プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド』(サカつくRTW)に登場!<br/><br/>現役時代に魅せたプレーが『サカつくRTW』でも再現。是非一度チェックしてみよう。<a href=“https://ryan.onelink.me/C7cD/awagt0va” target=“_blank”><div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2022/sega20220713.jpg" style="max-width:100%;"></div></a></div> 2022.07.13 21:30 Wed
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ディバラのスパーズ行きが急浮上! 約83億円でクラブ間合意に

ユベントスに所属するアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラ(25)がトッテナムに移籍する可能性がここに来て急上昇しているようだ。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えている。 昨シーズン、ユベントスでの序列を下げたディバラ。最近までマンチェスター・ユナイテッドに所属するベルギー代表FWロメル・ルカクとのトレード案が、ディバラの合意を残すのみというところまで迫るも、同選手側の高額な給与と代理人への手数料が要求されたことで破談に終わった。 その後も引き続き去就について注目が集まるディバラだが、急展開。今夏、同選手の獲得に興味を示していたトッテナムが移籍金6440万ポンド(約83億2000万円)でクラブ間合意に達したようだ。残すは、トッテナムとディバラによる個人条件の交渉のみだという。 プレミアリーグの移籍市場が閉幕まで残り2日。果たしてトッテナムは、ディバラ獲得を取り付けることができるだろうか。 2019.08.07 08:40 Wed

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