【会見要旨】原博実専務理事と三好理事の質疑応答

2014.12.19 07:10 Fri
日本サッカー協会(JFA)は18日、2014年度第12回理事会を開催し、理事会終了後に記者報告会を行った。報告会の冒頭には、原博実専務理事と、弁護士であり法務委員長でもある三好豊理事が、ハビエル・アギーレ日本代表監督の八百長疑惑に関する現状についてコメントし、記者からの質問に応じた。原博実専務理事のコメントと、質疑応答は以下の通り。

◆原博実専務理事
「理事会の冒頭に、大仁会長の方から理事の方々に“多くのサッカー関係者、サポーター、スポンサーの方、選手たちも含めてご心配をおかけして申し訳ない。10月の段階で報道があり、監督にヒアリングをしたが、関係していないという話だった。その後、12月15日に警察からバレンシアの裁判所に告発がなされたという状況。現段階では、それが受理されて捜査が始まったわけではない”という説明があった。アギーレ監督の代理人やスペインにいる顧問弁護士と連絡をとり、色々な情報を集めているところ。現段階でアギーレ監督がどうのこうのということは考えていない。今後の成り行きを見守る必要はあるが、現状ではアギーレ監督がアジアカップの指揮を執るという話が(大仁会長から)あった。こういう状況なので、色々なことが起こり得る。現状は告発されたということ。ご存知のように、両チームの18名と会長を含めた5名、そこにアギーレ監督が含まれている」

――理事の中には不安の声もあったというが
原専務理事:
「皆さんはテレビや新聞の報道でしか情報を知らないので、事実はこうですよと。日本とスペインでは司法制度の部分で異なる点もある。まだ容疑者になったわけではない。41人という中の1人に含まれ、捜査の対象になるかどうかという段階であることを理解して欲しいと説明した。理事の方たちにも理解いただけたと思う」
――最悪の事態を考えて後任などを考えているのか
原専務理事:
「我々がやらなければいけないのは、現状の正しい認識。あるいは、今後どうのような展開になっていくかの把握。例えば、バレンシアの裁判所が告発を受理した場合、捜査が始まるとどの程度の頻度で(事情聴取などが)あり、それが監督業務にどのような影響を及ぼす可能性があるのかなど。あるいは、アギーレ監督の代理人が持っている情報であったり、スペインの司法機関に詳しい関係者が今回の件に関してどのような見解を持っているのかなど、そういった情報を収集することが一番大切だと思っている。最悪のどうのこうのではなく、我々がやるべきは、そういった情報を速やかに収集することだと認識している」

――告発が受理された場合の対応とアジアカップ後について
原専務理事:
「受理される可能性は十分あると思う。ただ、受理されて捜査が始まったときに、どの頻度で取調べがあるのかなども含め、スペインの関係者からも情報を収集しているところ。まず最初の捜査がはじまった場合、通常は一通りの関係者に話を聞き、それを吟味して第2の段階に入り、本当に怪しいとなれば第3の段階に入り、公判に入る流れになると聞いている。最初に受理をされて捜査が始まったと言っても、受理されるかどうかもわからない段階なので、あらゆることを考えて情報を収集したい」
「色々な状況がどうなるかは今はまだわからない。アジアカップの連覇をかけて戦うというのは、我々サッカー協会、監督や選手、そしてサポーターを含めた全員の願いだと思うので、しっかりとやる。まずはアジアカップで、その先のことは、状況に応じてしっかりと対応していくということ以外に言えない」

――告発されたあとに監督と話をしたか
原専務理事:
「もちろん、話はした。私みたいに関係のある人間だけでなく、三好先生のような第三者の人にも入ってもらってヒアリングを行い、確認した」

――アジアカップ中に告発が受理された場合の対応について
原専務理事:
「ご存知の通り36名の選手も含まれていて、実際にリーグ戦も行われている。例えば、マンチェスター・ユナイテッドのエレーラもいるし、アトレティコ・マドリーのガビもいる。そういった選手たちがいるなかで、融通がきくのか、あるいは呼ばれたらすぐに行かなければいけないのか。そういったことも含めて、スペインの司法機関に詳しい人から情報を収集している段階。アジアカップ中にと言われても、そういったことを調べている最中としか言えない」

――進捗状況について
三好理事:
「12月15日に告発がなされたが、予審判事が受理したわけではない。受理をされてはじめて、正式な捜査がはじまっていくという流れになる。ただ、実際に告発がなされたわけなので、再度アギーレ監督のヒアリングを行った。それからスペインの顧問弁護士、刑事事件に強い刑事弁護士とコンタクトをとって、さらに正確な情報を集めていくという段取りをしているところ」

――チームに及ぼす影響について
原専務理事:
「監督は、選手はもちろん、日本のサッカーに関わる人たち、協会もそうだが、こういった問題が起きてしまったことについて非常に申し訳ないと。自分がサッカーの世界に入って39年、やってきた中で、こういったことに巻き込まれたことは一度もないし、残念でしょうがないとは言っていた。僕らがやるべきことは、選手たちに説明をして落ち着かせることが大事だと思う」

三好理事:
「現状では、アジアカップの指揮を執っていただくという方針を変えるだけの状況にはなっていない。告発はされたが、我々が八百長を示す証拠を発見できているわけではないし、監督を変えるような事態には陥っていない。色々と状況が変わっていったときに、その状況に応じて対応していくということ。(状況が変わればアジアカップ前に異なる決定があるかもしれないということか?)それに対して『はい』と言うと、色々な誤解を生じさせることになるので答え難いが、様々な可能性を考えてしっかりと対応できるように準備していかなければいけない。色々な可能性を考えて対応するということ」

――ヒアリングをした時期とアギーレ監督は無罪を主張しているのか
三好理事:
「ヒアリングをしたのは昨日(17日)で、アギーレ監督は一切関与していないと言っていた」

――アギーレ監督から選手たちに説明する場を設け予定はあるのか
原専務理事:
「海外でプレーしてる選手や、Jリーグが終わってオフの選手もいる。通常であれば、今度の合宿で集まったとき(29日)になる。監督ではなく、霜田技術委員長を中心に、Jリーグのクラブなどにも説明することが重要だと思う」

――アギーレ監督が自身のコメントで説明する場を設けるのか
原専務理事:
「もちろん考えてはいる。ただ、言うタイミングや内容がデリケートな部分もある。それは必ず、しかるべきタイミングでとは思っている。監督にも説明したいという気持ちはあるが、どのタイミングで皆さんに説明するのかは、色々な状況を踏まえ、監督の弁護士などとも相談してやらないといけない。そこは慎重にいきたい。ただ、監督も我々も、それが一番いいことだと思っている。(年内は厳しいのか?)そんなことはない。通常でいけば29日から合宿が始まる。そのときか、その前になると思う」

――契約前に身辺調査をしっかりやったのか
原専務理事:
「これは2011年の疑惑で、その後も試合をやっていた。この話題が出たのは今年の10月で、それまではまったく出ていない。スペインやイタリアでは、シーズンの終わりになると様々なことが話題に上るが、実際に告発までいったのは、新しく法律ができてからスペインでも初めてケース。それまでに調べていてわかっていたかと言われれば、今、ガビと契約しているアトレティコ・マドリーもどうなのかという話。なので、そこまでは出ていないし、過去に疑惑もなかった。そこに関しては、10月に出て、これからもどうなるかわからないというのが現状」

――アギーレ監督の契約年数は?
原専務理事:
「契約に関しては答えられない」

――関与していないというのはどういうことか
三好理事:
「八百長試合に一切関与していないということ」

原専務理事:
「お金が振り込まれていたかに関しても、我々の立場からは言えない。例えば振り込まれたとして、クラブは監督の口座を知っている。それが振り込まれたという疑惑だが、振り込まれたら関与したことになるのか。ここで何かを言って変な形でとらえられても困るが、振り込まれたから関与したとは言いきれない」

――選手たちは納得すると思うか
原専務理事:
「監督は監督で説明すると思うし、我々は我々で現状を正しく伝えることしかないと思う。それ以外の方法がありますか?」

――ここまでの対応は迅速だったと思うか
原専務理事:
「10月に疑惑が出て、色々と情報を集め、告発される状況も踏まえてやってきたつもり。非常にナーバスな問題なので、色々な情報を集めないと決断できない部分もある。なぜすぐに情報が出てこなかったかと言えば、色々な人が色々な立場で話すと混乱する部分もあると思ったので、協会内で情報を集約してやっていこうという形になった。ただ、今まで経験したことのない事態であり、監督のプライバシーもあるので、スペインと日本の違いを考慮した中で、より慎重に進めていったため、遅くなってしまった部分はあったかもしれない。協会のスタッフ、(三好)先生を含め、誠実に対応しているつもりはではある。ただ、一般のサポーターやスポンサーに迷惑をおかけしている現状に関しては、本当に申し訳ないなという思いはある」

――ワールドカップ前に監督が変わる事態を想定したリスクヘッジは考えているのか
原専務理事:
「アジアカップを勝つのも簡単ではない。予選だってどうなるかわからないので、ワールドカップのことを聞かれても答えられない。もし考えていたとしても、今ここでは言えない」

――現在、得ている情報について
三好理事:
「日本との制度の違い。告発されたからといって有罪というわけではないとか、41人とクラブが対象になっているので、それぞれについてヒアリングがなされていくということ、相当時間がかかるのではないかということ、そういった情報を入手している」

――協会内部で情報収集から先のことについては手をつけているか
原専務理事:
「当然、色々なことは考えている。色々な情報を収集しながら、あらゆる対応ができるように考えている」

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