試合終了間際の痛恨ミスでオランダがチェコに敗れる《ユーロ2016予選》

2014.09.10 06:00 Wed
▽ユーロ2016予選グループリーグ第1節が9日にヨーロッパ各地で行われた。グループAでは、ブラジル・ワールドカップで3位に入ったオランダ代表が、プラハのゼネラリ・アリーナでチェコ代表と対戦し、1-2で敗れた。

▽4日に行われたイタリア代表とのフレンドリーマッチで敗れたオランダは、その一戦から先発2人を変更。FWカイトとFWレンスに代えてDFフェルトマン、FWデパイを先発で起用した。また、システムもイタリア代表戦で使った[4-3-3]からワールドカップで採用した[3-4-1-2]に変更した。

▽互いにやや慎重な入りを見せた試合は、徐々にボールを保持するオランダが主導権を握っていく。しかし、足元で短いパスをつなぐばかりのオランダの攻撃は、選手同士が適切な距離感を保つチェコの守備をなかなか崩せない。

▽一方、立ち上がりから良いリズムで試合を進めるホームのチェコは、中盤で奪ったボールをシンプルにつなぎながら精度の高いカウンターを仕掛ける。すると、22分に先制点が生まれる。左サイドでMFクレイチが上げたクロスをボックス中央のFWラファタが見事なポストプレーで落とすと、これをMFドカルが左足ダイレクトで蹴り込む。左ポストの内側を叩いたボールがゴールネットに吸い込まれた。

▽攻めあぐねる時間が続いたなかで先制点を奪われたオランダは、すぐさま反撃に転じていく。MFヤンマートとMFブリントの両ウイングバックを起点にサイドから早いタイミングでクロスを供給するオランダは、26分にMFワイナルドゥム、30分にFWファン・ペルシに良い形でボールが入るが、いずれの場面もフィニッシュに持ち込めない。

▽一向に流れを掴めないオランダのヒディンク監督は、39分にフェルトマンをベンチに下げてFWナルシンを投入。この交代でシステムを[4-3-3]に変更し、前がかりな布陣で同点ゴールを目指す。

▽44分にはボックス手前でボールを受けたデパイが強烈なミドルシュートを放つが、ここは相手GKチェフが冷静にセーブ。続く前半アディショナルタイムにはファン・ペルシの浮き球のパスに反応したナルシンがゴール前に抜け出すが、シュートをミートさせられなかった。

▽1点ビハインドで後半を迎えたオランダは、立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛けていくと55分に追いつく。左CKの流れから左サイドのブリントが柔らかいクロスを送ると、ファーサイドで競り勝ったDFデ・フライが見事なヘディングシュートをゴール左に流し込んだ。

▽後半半ばから終盤にはかけては一進一退の攻防が続く。後半から存在感を発揮し始めたスナイデルが攻撃に変化を付けるオランダは、79分に右サイドからのクロスをデパイがゴール至近距離からヘディングで合わせるが、ここはGKチェフのビッグセーブに阻まれる。対してチェコは前半同様に精度の高いカウンターからロシツキがチャンスを演出して行くが、粘り強い相手の守備を崩しきれない。

▽このまま引き分けで試合終了かと思われた終了間際にオランダが犯した痛恨のミスからチェコに決勝点が生まれる。91分、右サイドのドカルがゴール前に入れたクロスをヤンマートが頭でクリアを試みると、このクリアがミスとなり右ポストを叩く。このこぼれ球にいち早く詰めたピラシュが無人のゴールへ流し込んだ。この直後に試合はタイムアップ。

▽終了間際の不用意なミスで初戦を落としたオランダは、ヒディンク新体制でまさかの連敗スタート。一方、強豪相手に劇的勝利を掴んだチェコは、最高の形でユーロ2016予選をスタートした。

▽同日行われたグループA第1節のそのほかの試合では、トルコ代表をホームに迎えたアイスランド代表が、エースのMFシグルドソンのゴールなどで、後半に退場者を出したトルコ代表に3-0の快勝。また、カザフスタン代表vsラトビア代表は0-0の引き分けに終わった。

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