アギーレ監督「新しい血が注入された」

2014.09.09 23:42 Tue
▽日本代表は9日、横浜国際総合競技場で行われたキリンチャレンジカップ2014でベネズエラ代表と対戦。FW武藤とMF柴崎に日本代表初ゴールが生まれたものの、2度のリードを守りきれずに2-2で引き分けた。試合後のハビエル・アギーレ監督のコメントは以下のとおり。

◆ハビエル・アギーレ(日本代表)
――試合の感想について
「結果は妥当だと思う。前半は相手が上回り、後半はポストに当たったシュートが決まっていれば試合を決定付けられたと思う。しかし、妥当と言えるドローとなった。これから仕事を続ける必要がある。新しく活躍した若い選手に関して、この2試合を通して満足している。今後の試合ではもう少し運が味方してくれればと思う。例えば、ミスをした時に相手が得点しないといったような点でだ。しかし、ミスも試合の一部だと思っている。選手たち全員のパフォーマンスに満足している。ピッチの中でも外でも良かったと思う。結論としては、まだまだこれから仕事をする必要があるということだ」

――この1週間の成果は。トレーニングで提案したことが試合で出ていたと思うが、その点をポジティブに考えているか。それとも言われたことしかやらなかったとネガティブに捉えているか
「選手たちには指導したこと以外にも自由にプレーして欲しいと伝えた。ピッチ上では選手たちが判断しなければならない。私は選手たちにアイデアを与える。それを発展、展開させるのは選手たちの判断だ。選手個々を見て、満足できる部分があった。良い素材が揃っているので、あとはチームとしてまとめる時間が必要だ」

――今回の親善試合では選手だけでなく、システムも試したと思うが、その手応えは
「こういった試合で日本にとって、どのシステムが最適かと見ていきたいと思っている。それと同時に選手たちも見ている。1戦目と2戦目を比較すれば2戦目の方が良くなっていると思う。今後も成長し続けたいと思っている」

――今後、どういった仕事をしていくか
「まず、より堅い守備ができなければならない。守備であまり運が味方してくれなかった。2試合で4失点は多すぎると思う。そして、ボールを持った際にもっと早く回す必要がある。ボールを持っている選手にもっとオプションを与えなければならない。ただ、始まったばかりなので、こういうことが起こるのは自然なことだ」

――攻撃にスピード感があったように思うが
「まず、どういうスタイルを求めるのかと言えば、上位に行けるスタイルだ。例えば素晴らしいサッカーをしてランキング44位であるよりも、あまり良いと言われないスタイルでも20位以上にいきたい。だから、スタイルは重要視していない。重要なのはより良いプレーをし、勝つことだ。スタイルとは違うが、日本人選手の特長を挙げるとすれば、スピードとなる。そのスピードをどのように生かすかを考える必要がある。2試合でスタイルをつくることはできない。世界中どの監督がやっても5試合でスタイルを確立することは非常に難しいことだと思う」

――日本人は与えられたアイデアを発展することが苦手だと思うが、それを克服することができると思うか。また、勝ちきる力を上げるにはどういったことが必要か
「私は選手たちに枠から飛び出して自分のプレーをして欲しいと頼んだ。自由にプレーしたいと思っていない選手はいないと思いたい。ある形を選手たちに与えるが、それを発展させるのは選手の自由だ。チェスやコンピュータゲームのように、このようにやらなければならないというものではない。ピッチの中で選手が考えながらプレーをやっていくものだ。ピッチの中で考えて判断を下すことを選手たちに強要する」

――監督は今回の2試合をアジアカップまでのテストだと言っていたが、合格した選手、失格した選手はいたか
「マツケン(松原)、タカ(扇原)、GKのシュウ(西川)、アキ(林)を起用できなかった。彼らを出場させたかったが、難しかった。しかし、練習で彼らのことはしっかりと見ている。次のリストを見れば、誰が良くて誰があまり良くなかったかわかると思う」

――2試合を通して一番の収穫は。初めて日本代表に招集した選手が結果を出したが、どう考えているか
「2つ目の質問が一番重要で、新しく代表に来た選手たちが良いプレーをし、結果を残した。他の選手たちの情報はワールドカップやヨーロッパでのプレーで知っていた。その選手たちは期待通りだった。この期間を通して何が良かったかと言えば、新しい血が注入されたことだ。将来があるということ」

――昨日もゴールをプレゼントしてはいけないと話していたが、ウルグアイ戦に続き、そういった形から失点した。これは選手個人のミスなのか、チームの立ち上げ間もないため、戦術など考えることが多いことによって起こったミスなのか
「ミスの一番の責任者は私だ。ミスがあったとしても、選手たちが判断を下してプレーしたのであれば、私は満足する。こういった親善試合でミスが起きたことを喜んでいる。アジアカップでは起こらないことを期待している。ミスを相手に利用されないことを願っている。今回はそのミスを全て決められてしまった」

――アギーレ監督自身、今回の2試合の仕事に採点を付けるとすれば
「それぞれ、それぞれの仕事をしましょう(笑)」

――後半に流れが良くなったが、それは選手交代が要因か。それともハーフタイムに修正点を指示したのか
「ハーフタイムに指示を出した。交代で入った選手たちも良いプレーをしてくれた。前半、ベネズエラの方が激しくプレーしていた。我々より良いプレッシャーをかけ、良いリズムでプレーしていた。だから、後半はテンポを上げるように指示を出し、もっとプレッシャーをかけるようにした。その結果、2得点が決まり、ポストに当たったシュートもあった。後半、それができたのは悪くないと思う。ただ、前半は良くなかった。柿谷の決定機が一つあっただけだった」

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