カズ「本当に良い経験をさせてもらった」

▽フットサル日本代表は11日、W杯決勝トーナメント1回戦のフットサルウクライナ代表戦に臨み、3-6で敗戦した。前半に6失点を喫し、また稲葉洸太郎選手が一発退場になるアクシデントに見舞われた日本は、後半に3点を返したものの反撃は及ばず。決勝トーナメント1回戦で大会から去ることになった。試合後の三浦知良選手(横浜FC)のコメントは以下の通り。

◆三浦知良選手(横浜FC)
――大会を振り返って
「約1カ月間、改めて日本代表の日の丸の重みを感じながらプレーできた。素晴らしい経験をさせてもらったと思う。日本代表の重みを改めて感じた。当然、フットサルの競技の厳しさや楽しさ、面白さを知ったし経験できた。また、素晴らしい仲間と戦えた。本当に良い経験をさせてもらった。グループリーグを突破して、今日はベスト8を目指したが、残念。本当にみんなに感謝したい」

――ピッチ上で試合終了の笛を聞いたが
「選手として悔しかった。ただ、僕以上に他の選手たちには色々な思いがあると思う。何とかフットサルの関係者の人たちとみんなでベスト8に行きたかった。でも後悔はしていない。2012年W杯における日本の戦いは終わったが、日本のフットサル界にとっては新たなスタートになると思う。こういう経験をしたからこそ、わかることがある。グループリーグの対戦相手には厳しいチームだった。3連敗していてもおかしくなかった相手に対して、勝ち点4を取れたことは大きいと思う。その経験や自信は、次につなげていってほしい。今日から2016年のW杯に向けて始めなければならない」
――この1カ月、葛藤や心境の変化があったのではないか
「色々あった。ただ、久し振りに日の丸の重さを感じながら、『代表ってこういうもんだよな』と思いながら過ごせた。とても自分を成長させてくれたんじゃないかなと思う」

――カズ選手が招集されたことで多くの効果が生まれたと思うが
「自分が何をしたのか。それは今、自分が言えることじゃない。皆さんが評価してほしい。何ができて何ができなかったのか、チームやフットサルというスポーツにどのような影響をもたらしたのか。それは皆さんに判断してほしい。ただ、僕自身は少しでも力になりたいと思って、(フットサル日本代表に)やってきた。こうやってメディアの皆さんがたくさん集まってくれて、フットサルを盛り上げてくれた。感謝している」――自分が考えていた役割は果たすことができたのか
「グループリーグを突破することを自分のノルマに掲げていた。その点に関しては、自分の仕事を果たすことができたかなと感じている。ただ、先ほども言ったように、この世界のトップのチームが集まるW杯という舞台でフットサルの厳しさを感じた。自分の経験は少なすぎる。ピッチ内で自分が選手としてメンタルの部分で引っ張ることはできても、戦術的な部分に関する指示ができなかった。『なんでもっと上がってくれないんだ』『なんでそこで行かないんだ』と言えなかった。そこに関しては情けない気持ちがある。チームのみんなは『仕方ない』『(短期間で)そこまでできる人はいない』って言ってくれた。でも、自分はフットサルではそのレベルまで辿り着けなかった。チームを引っ張ることができなかったことは悔しい」

――今後のフットサル界に必要なことは?
「代表のみんなとは色々なことを話した。やはりJリーグのクラブがフットサルのチームもつくるようにした方がいいんじゃないかとか。同じユニフォームを着て同じサポーターが応援してくれて。南米では、コリンチャンスもサンパウロもフットサルのチームがある。現在では、同じ地域に(JリーグのクラブとFリーグのクラブが)あってもあまり共通点はないらしい。共通のチケットをつくるとか、そういった案を毎日話していた。帰りのバスでは木暮とそういった話ばかりしていた」

――今後Fリーグに参戦することはあるのか
「(競技として)だいぶ違うことが自分でもよくわかった。今回、僕は(サッカーとフットサルを)両立する難しさを理解した。自分はフットサルの代表合宿に参加して、(横浜FCの)練習に戻ってということを2回くらい繰り返した。本当に大変。45歳だから大変だったのか、25歳だったら大変じゃなかったのかということも考えた。でも、休みはなくなるし、長い期間両立させることは難しいと思う。(周囲の)理解がないと厳しい。Jリーグの選手が1試合だけ出ることは可能かもしれないが、それが良い方向につながるかどうかはわからない。継続的にできないことは、フットサルの選手たちに失礼になるのではないか。エスポラーダ北海道と横浜FCは関係性が強いので、僕は出場しやすかったが、ケガや補償の面も含めて難しいと思う。やはりベスト8やその先に行くことが、Fリーグの人気向上には早かったんじゃないか。だから、この試合は本当にチャンスだった」

――今後、選手以外の立場でフットサル界のために活動することはあるのか
「COO補佐の補佐とか。北澤さんの下で(笑)。こうやって仲間もできたし、何か協力できればとは思っている。フットボールファミリーとして協力したい」