ザニオーロ弾を鉄壁守備で守り抜いたローマがフェイエ退け初代王者に! モウリーニョがUEFA3つ目のタイトル《ECL》
2022.05.26 06:05 Thu
ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)決勝、ローマvsフェイエノールトが25日にアルバニアのティラナにあるアレーナ・コムバターレで行われ、1-0で勝利したローマが初代王者に輝いた。
直近のトリノとのセリエA最終節を3-0の快勝で飾り、リーグ6試合ぶりの白星を挙げると共に、来季EL出場圏内の6位フィニッシュを決めたジャッロロッシは、中4日での大一番に向けて先発4人を変更。クンブラ、スピナッツォーラ、ショムロドフに代えてスモーリング、カルスドルプ、ザニオーロの主力3人が復帰した他、約1カ月の離脱を強いられていたムヒタリアンがセルジオ・オリベイラに代わってぶっつけ本番でのスタメン起用となった。
一方、スロット新監督の下で今季をスタートしたフェイエノールトは、2回戦からの参戦となった予備予選を危なげなく突破し、グループステージも4勝2分けの無敗で首位通過。決勝トーナメントではパルチザン、スラビア・プラハを連破し、準決勝では優勝候補マルセイユと激突。下馬評では劣勢と思われたが、2戦合計3-2で競り勝って小野伸二らを擁し、優勝を果たした2001-02シーズンのUEFAカップ以来のファイナル進出を果たした。
イタリアとオランダの名門による初代王者の座を懸けた運命のファイナルは、互いにキックオフ直後から球際でバチバチとやり合う展開に。とりわけ、序盤は強度の高い前からの守備に圧力を感じビルドアップでのミスが目立ち、ボールが落ち着かない状況がしばらく続く。
ここからの主導権争いに注目が集まった中、ローマにアクシデントが発生。やはりケガが完治していなかったか、負傷再発のムヒタリアンが自らピッチに座り込んでプレー続行不可能となり、17分にセルジオ・オリベイラがスクランブル投入となった。
前半半ばを過ぎると、ボールを握り地上戦で攻め手を窺うフェイエノールト、カウンターで応戦するローマという構図がより明確に。互いに決定機はおろかシュートの数が増えない膠着状態に陥るが、相手の一瞬の隙を突いたローマがこの試合のファーストシュートをゴールに結びつける。
32分、左サイドでの攻撃で相手を押し込み、相手陣内中央右でボールを受けたマンチーニが浮き球のパスをボックス内に送り込むと、DFトラウナーが完全に被る。このボールを後方で胸トラップしたザニオーロが、DFとGKが寄せてきた寸前で左足のチップキックで流し込んだ。
睨み合いの状況から一転してスコアが動いたことで、試合は徐々にオープンな展開に。前半の内に追いつきたいフェイエノールトは前半終盤にかけて攻勢を強めていくが、得点ランキングトップのデサースがDFスモーリングに、崩しの起点を担うシニステラがDFマンチーニに封じ込まれて攻撃が停滞。コクチュやアウルスネスがミドルレンジからのシュートでゴールを狙うが、いずれもGKルイ・パトリシオに難なくセーブされた。
ローマの1点リードで折り返した試合は、ビハインドを背負うフェイエノールトが勢いを持って入る。後半のキックオフ直後に右CKを得ると、ショートコーナーからゴールライン際のコクチュが入れた高速クロスがニアでクリアを試みたDFマンチーニの足に当たって右ポストを叩く。さらに、ボックス中央でこぼれ球に反応したティルがすかさず右足のシュートを放つが、これはGKパトリシオが見事な反応ではじき出す。
電光石火の同点ゴールは逃したものの、勢いづいて攻め立てるオランダの名門は、50分にもペナルティアーク付近でアウルスネスの丁寧な落としに反応したマラシアが左足を振り抜くが、枠の右を捉えた強烈なシュートはGKパトリシオが再び鋭い反応でセーブすると、右ポストを叩いた。
守護神の圧巻の連続セーブでリードを維持するローマだが、後半はなかなかカウンターで相手を引っくり返すことができず、自陣に押し込まれて耐える状況が続く。それでも、前半以上に守備陣が高い集中力を発揮し、水際でピンチを凌いでいく。
60分を過ぎてフェイエノールトはティルに代えてキャプテンのトールンストラを投入。対するローマは67分に殊勲のザニオーロとザレフスキを下げてヴェレトゥ、スピナッツォーラという経験豊富な選手を同時投入し、中盤の守備にテコ入れを図った。
フェイエノールトの攻め疲れと前述の交代によってイーブンな状況に戻すことに成功したローマは、73分に後半最初の決定機を創出。左CKの流れからボックス手前右でルーズボールに反応したヴェレトゥが強烈な右足のミドルシュートを枠の左に飛ばすが、これはGKバイロウのファインセーブに阻まれ、試合を決める追加点とはならず。
すると、その後は切り札のブライアン・リンセンをピッチに送り込み、2バックに近い前がかりな布陣でゴールを目指すフェイエノールトが攻勢を強めて相手陣内でハーフコートゲームを展開。だが、中央をきっちり締めるローマの守備を崩し切れない。
両ベンチが5枚の交代カードを使い切って最後の勝負に出た中、試合は5分が加えられたアディショナルタイムの攻防に。セットプレーを軸にゴールをこじ開けにかかるフェイエノールトはデサースのお膳立てからリンセンに決定機が訪れるが、これを決め切ることができず。
そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ザニオーロが挙げた虎の子のゴールを鉄壁の守備で守り抜いたローマがECL初代王者に輝くと共に、約60年ぶりとなる2度目の欧州の頂きに立った。なお、モウリーニョ監督は史上初となるCL、EL、ECLのUEFA3コンペティションの優勝監督となった。
PR
チャンピオンズリーグ(CL)、ヨーロッパリーグ(EL)に次ぐ、UEFA3つ目のコンペティションとして今シーズンから創設されたECL。モウリーニョ監督の下、1960–61シーズンのフェアーズカップ(ELの前身)以来、クラブ史上2度目のヨーロッパのタイトル獲得を目指すローマは、グループステージ、準々決勝でノルウェー王者のボデ/グリムトに苦戦を強いられながらも、優勝候補として順当にベスト4進出。準決勝では苦手とするイングランド勢のレスター・シティを2戦合計2-1で退け、1990–91シーズンにインテルに敗れて準優勝に終わったUEFAカップ(ELの前身)以来のファイナルに到達した。一方、スロット新監督の下で今季をスタートしたフェイエノールトは、2回戦からの参戦となった予備予選を危なげなく突破し、グループステージも4勝2分けの無敗で首位通過。決勝トーナメントではパルチザン、スラビア・プラハを連破し、準決勝では優勝候補マルセイユと激突。下馬評では劣勢と思われたが、2戦合計3-2で競り勝って小野伸二らを擁し、優勝を果たした2001-02シーズンのUEFAカップ以来のファイナル進出を果たした。
史上初となるCL、EL、ECLの3つのUEFAコンペティション制覇を目指す今季エールディビジ3位のチームは、ホームでの最終節ではトゥベンテ相手に1-2の敗戦を喫したが、中9日と準備期間において大きなアドバンテージを得て、良い状態でティラナの地へ乗り込んだ。なお、注目のスタメンではGKをマルシアノから負傷明けの正GKバイロウに入れ替えた以外、マルセイユとの準決勝2試合と全く同じスタメンを採用した。
イタリアとオランダの名門による初代王者の座を懸けた運命のファイナルは、互いにキックオフ直後から球際でバチバチとやり合う展開に。とりわけ、序盤は強度の高い前からの守備に圧力を感じビルドアップでのミスが目立ち、ボールが落ち着かない状況がしばらく続く。
ここからの主導権争いに注目が集まった中、ローマにアクシデントが発生。やはりケガが完治していなかったか、負傷再発のムヒタリアンが自らピッチに座り込んでプレー続行不可能となり、17分にセルジオ・オリベイラがスクランブル投入となった。
前半半ばを過ぎると、ボールを握り地上戦で攻め手を窺うフェイエノールト、カウンターで応戦するローマという構図がより明確に。互いに決定機はおろかシュートの数が増えない膠着状態に陥るが、相手の一瞬の隙を突いたローマがこの試合のファーストシュートをゴールに結びつける。
32分、左サイドでの攻撃で相手を押し込み、相手陣内中央右でボールを受けたマンチーニが浮き球のパスをボックス内に送り込むと、DFトラウナーが完全に被る。このボールを後方で胸トラップしたザニオーロが、DFとGKが寄せてきた寸前で左足のチップキックで流し込んだ。
睨み合いの状況から一転してスコアが動いたことで、試合は徐々にオープンな展開に。前半の内に追いつきたいフェイエノールトは前半終盤にかけて攻勢を強めていくが、得点ランキングトップのデサースがDFスモーリングに、崩しの起点を担うシニステラがDFマンチーニに封じ込まれて攻撃が停滞。コクチュやアウルスネスがミドルレンジからのシュートでゴールを狙うが、いずれもGKルイ・パトリシオに難なくセーブされた。
ローマの1点リードで折り返した試合は、ビハインドを背負うフェイエノールトが勢いを持って入る。後半のキックオフ直後に右CKを得ると、ショートコーナーからゴールライン際のコクチュが入れた高速クロスがニアでクリアを試みたDFマンチーニの足に当たって右ポストを叩く。さらに、ボックス中央でこぼれ球に反応したティルがすかさず右足のシュートを放つが、これはGKパトリシオが見事な反応ではじき出す。
電光石火の同点ゴールは逃したものの、勢いづいて攻め立てるオランダの名門は、50分にもペナルティアーク付近でアウルスネスの丁寧な落としに反応したマラシアが左足を振り抜くが、枠の右を捉えた強烈なシュートはGKパトリシオが再び鋭い反応でセーブすると、右ポストを叩いた。
守護神の圧巻の連続セーブでリードを維持するローマだが、後半はなかなかカウンターで相手を引っくり返すことができず、自陣に押し込まれて耐える状況が続く。それでも、前半以上に守備陣が高い集中力を発揮し、水際でピンチを凌いでいく。
60分を過ぎてフェイエノールトはティルに代えてキャプテンのトールンストラを投入。対するローマは67分に殊勲のザニオーロとザレフスキを下げてヴェレトゥ、スピナッツォーラという経験豊富な選手を同時投入し、中盤の守備にテコ入れを図った。
フェイエノールトの攻め疲れと前述の交代によってイーブンな状況に戻すことに成功したローマは、73分に後半最初の決定機を創出。左CKの流れからボックス手前右でルーズボールに反応したヴェレトゥが強烈な右足のミドルシュートを枠の左に飛ばすが、これはGKバイロウのファインセーブに阻まれ、試合を決める追加点とはならず。
すると、その後は切り札のブライアン・リンセンをピッチに送り込み、2バックに近い前がかりな布陣でゴールを目指すフェイエノールトが攻勢を強めて相手陣内でハーフコートゲームを展開。だが、中央をきっちり締めるローマの守備を崩し切れない。
両ベンチが5枚の交代カードを使い切って最後の勝負に出た中、試合は5分が加えられたアディショナルタイムの攻防に。セットプレーを軸にゴールをこじ開けにかかるフェイエノールトはデサースのお膳立てからリンセンに決定機が訪れるが、これを決め切ることができず。
そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ザニオーロが挙げた虎の子のゴールを鉄壁の守備で守り抜いたローマがECL初代王者に輝くと共に、約60年ぶりとなる2度目の欧州の頂きに立った。なお、モウリーニョ監督は史上初となるCL、EL、ECLのUEFA3コンペティションの優勝監督となった。
PR
ローマの関連記事
UEFAカンファレンスリーグの関連記事
|
ローマの人気記事ランキング
1
首位陥落のインテル、公式戦3連敗と苦境のS・インザーギ監督はCLバルセロナ戦に向け「勢いを取り戻さなければ」と奮起を促す
インテルのシモーネ・インザーギ監督が27日にホームで行われ、0-1で敗れたセリエA第34節ローマ戦を振り返った。 4日前のミランとのコッパ・イタリア準決勝2ndレグを落として3冠の可能性が断たれたインテル。セリエAでは前節ボローニャに敗れてナポリに勝ち点で並ばれ、3日後にはチャンピオンズリーグ準決勝1stレグでバルセロナ戦を控えるタフな日程の中、疲労の色が濃いチームはローマにウノゼロで敗戦。 公式戦3連敗でナポリに首位の座を奪還された中、S・インザーギ監督はCLバルセロナ戦に向けて勢いを取り戻さなければと奮起を促した。 「これがサッカーだ。3連敗は痛手だが、チームは全力を尽くした。前半は鋭さがなかったが、選手たちは熱意でそれを補おうとしていた。ローマはよくやった。我々はもっと良い結果を残すべきだった。多くのチャンスを作ったが、生かせなかった。それは我々の鋭さが欠けていたからだ」 「セリエAとCLでまだ大事な試合が残っている。今は勢いを取り戻さなければならない。良い結果が出ていればもっとエネルギーが湧いていたかもしれないが、それは自分たちで掴まなければならない。ファンは選手たちが今季何をしてきたか理解してくれている。今は精神的にも肉体的にもエネルギーを充電し、どこを改善できるか分析する」 「3連敗には慣れていない。厳しい1週間となった。昨夜、バルセロナの試合を見たが、彼らがどれほど強いか改めて知ることになった。我々は敬意を持って恐れることなく臨む」 前半に負傷交代したDFバンジャマン・パヴァールについては「左足首を捻挫した。着地が不自然だった。数日様子を見ることになる。不運な出来事だった」と負傷を嘆いた。 2025.04.28 10:00 Mon2
インテル撃破でCL出場権視野のローマ、ラニエリ監督は「首位チームに勝つことができた」と更なる自信
ローマのクラウディオ・ラニエリ監督が27日にアウェイで行われ、1-0で勝利したセリエA第34節インテル戦を振り返った。 セリエA17戦負けなしで迎えた首位インテルとの一戦。22分にFWマティアス・スーレのゴールで先制したローマは、この虎の子をの1点を守り抜いてウノゼロ勝利。首位チームを叩き、チャンピオンズリーグ出場権獲得も視野に入れる中、今季ビッグクラブ相手に初の勝利を挙げることができたとラニエリ監督は更なる自信を掴んだ。 「最初の30分は素晴らしかった。インテルはとても強いチームだ。先制後は相手が作ろうとするチャンスを阻止することに全力を尽くした。ファンと選手たちが払った犠牲に心から感謝する。今季、我々は一度もビッグクラブ相手(ラツィオを除く)に勝利していなかった。しかしサン・シーロで首位チームに勝つことができた」 そして21日に亡くなり、前日に葬儀が行われたローマ教皇へ哀悼の意を表した。 「教皇にお会いした時、そして今日の1分間の黙祷時には当然、感情が揺さぶられた。教会を助けた人、最も助けを必要としている人々を助けた人物。胸が締め付けられる瞬間だ。彼のしたことを今後も倣って欲しい。そうでなければ無駄になってしまう」 2025.04.28 11:00 Mon3
【セリエA第34節プレビュー】残り5試合、3冠潰えたインテルはCL出場権狙うローマと対戦
前節は首位インテルがボローニャとの上位対決をウノゼロ惜敗した一方、2位ナポリがモンツァにウノゼロ勝利とし、勝ち点71で並んだ。残り5試合となって迎える第34節、首位インテル(勝ち点71)はチャンピオンズリーグ(CL)出場権を狙う7位ローマ(勝ち点57)と対戦する。 インテルは前節ボローニャ戦、後半追加タイム被弾でウノゼロ敗戦。8試合ぶりの黒星を喫し、ナポリに勝ち点で並ばれた。そして水曜に行われたコッパ・イタリアではミランの前に敗戦し、決勝進出ならず。3冠の可能性が潰えた中、翌水曜にはCL準決勝1stレグのバルセロナ戦を控えるが、過密日程下でのビッグマッチを制すことはできるか。 一方、好調FWショムロドフ弾で前節ヴェローナ戦をウノゼロ勝利とし、3試合ぶりに白星を取り戻したローマ。第16節以降、リーグ戦で負けのないチームはCL圏内の4位ボローニャとは3ポイント差。十分にCL出場権を狙える位置にいる中、疲労困憊のインテルを叩くことはできるか。 インテルを捉えた2位ナポリ(勝ち点71)は10位トリノ(勝ち点43)と対戦。スクデットがちらつき始めて足踏みが続いていたナポリだったが、久々の2連勝とした。MFマクトミネイの得点力が光る中、トリノ戦で3戦連発となるか。 ボローニャ戦の勝利で連敗を3で止め、前節ミラン戦をウノゼロ勝利として連勝の3位アタランタ(勝ち点64)は17位レッチェ(勝ち点26)と対戦。ここ2試合で力のあるところを示した中、残留争いを強いられているレッチェを退け、3位堅守となるか。なお、同試合はレッチェの理学療法士の急逝の影響を受け、25日から27日の開催に延期されている。 パルマにウノゼロ敗戦を喫し、CL圏外の5位に後退したユベントス(勝ち点59)は最下位モンツァ(勝ち点15)と対戦。トゥドール監督就任後4試合目にして初黒星を喫した中、降格が迫るモンツァ相手に勝利を取り戻し、4位再浮上なるか。 そしてユベントスと勝ち点で並ぶ6位ラツィオ(勝ち点59)は、ユベントスを撃破したGK鈴木彩艶の15位パルマ(勝ち点31)と対戦。コッパ・イタリア準決勝でインテルを下してライバルの3冠の夢を絶った9位ミラン(勝ち点51)は18位ヴェネツィア(勝ち点25)と対戦する。 ◆セリエA第34節 ▽4/27(日) 《19:30》 コモvsジェノア ヴェネツィアvsミラン 《22:00》 インテルvsローマ フィオレンティーナvsエンポリ 《25:00》 ユベントスvsモンツァ 《27:45》 ナポリvsトリノ アタランタvsレッチェ ▽4/28(月) 《25:30》 ウディネーゼvsボローニャ 《27:45》 ヴェローナvsカリアリ ラツィオvsパルマ 2025.04.27 12:30 Sun4
ローマが会心ウノゼロでCL出場権獲得に臨み繋ぐ! 公式戦3連敗のインテルは首位陥落危機とともにCLバルサ戦へ…【セリエA】
セリエA第34節、インテルvsローマが27日にジュゼッペ・メアッツァで行われ、アウェイのローマが0-1で勝利した。 前節、ボローニャにウノゼロ負けを喫し、2位ナポリに勝ち点で並ばれた首位のインテル。さらに、ミッドウィークのコッパ・イタリア準決勝では宿敵ミランとのデルビーに0-3で完敗。2戦合計1-4でベスト4敗退となり、シーズン3冠の夢が潰えた。 週明けにチャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグのバルセロナ戦を控えるなか、今節は難敵相手に公式戦4試合ぶりの白星を狙った。インザーギ監督はデルビーから先発7人を変更。守護神ゾマー、チャルハノール、アチェルビら主力が復帰。2トップはラウタロ・マルティネスとアルナウトビッチのコンビに。 一方、7位のローマは前節、エラス・ヴェローナ相手にウノゼロ勝利。リーグ3戦ぶりの白星とともに無敗を17試合に更新した。逆転でのCL出場権獲得へ首位相手の勝ち点3を狙った一戦では先発2人を変更。バルダンツィ、サーレマーケルスに代えてペッレグリーニ、ドフビクを起用した。 立ち上がりからホームのインテルが押し込むと、ボックス手前で得たFKの場面でキッカーのディマルコが枠を捉えたファーストシュートを放つ。 だが、この直後にはインテルにアクシデント。足首を痛めたパヴァールが一度はプレーに復帰したが、自らピッチに座り込んでしまい、15分にビセックがスクランブル投入された。 接触プレーを中心にインテルの選手が痛めてプレーが止まる場面が多く、互いにリズムを掴み切れない。それでも、徐々にコンディションで勝るアウェイチームが主導権を握る。 20分にペナルティアークでマヌ・コネが放ったミドルシュートは枠を捉え切れずも、直後のチャンスを活かし切る。22分、ボックス右角で仕掛けたスーレが中央のペッレグリーニへ丁寧なマイナスパス。ペッレグリーニのダイレクトシュートはゴール前でDFのブロックに遭うが、その撥ね返りをショムロドフが足を出してゴール右のスペースへ流すと、これに反応したスーレが右足シュートをゴールネットに流し込んだ。 敵地で先制に成功して勢いづくローマ。直後にはアルナウトビッチを高い位置で潰したカウンターからペッレグリーニの折り返しをゴール前のクリスタンテがボレーで合わすも、枠を捉え切れず。さらに、27分にはスムーズなパス交換からアンヘリーニョが左サイド深くに抜け出して完璧なグラウンダーのクロス。だが、ファーに走り込んだショムロドフのシュートはDFの身体を張ったブロックに阻まれ、畳みかける2点目には至らず。 以降はコネやクリスタンテの中盤で前向きなボールハントを見せるローマのカウンターが引き続き脅威を与える一方、徐々にギアを上げたインテルも前線のラウタロにボールを集めながら2トップやチャルハノールが積極的に足を振っていく。さらに、左のディマルコから際どいクロスも供給されるが、要所を締めるローマの守備に苦戦。決定機まであと一歩という場面が目立った。 アウェイチームの1点リードで折り返した後半。ビハインドのインテルが押し込む状況が続くも、前半同様にローマがボックス付近で繊細かつ大胆な守備で撥ね返していく。 60分を過ぎてともに疲れが出始めると、インテルはディマルコとダルミアンの両ウイングバックを下げて負傷明けのダンフリース、保有元との対戦となるザレフスキを同時投入。これに対してローマはショムロドフ、ペッレグリーニ、コネを下げてバルダンツィ、グルナ=ドゥアト、ピジッリとバイタリティに溢れる若手をピッチに送り込む。 後半半ばから終盤にかけてはボールを握って人数をかけた攻勢を仕掛けるインテル、後ろ重心でロングカウンターから一発を狙うローマという構図が明確に。その流れでインテルは右のポケットを取ったバレッラの右足シュート。ローマは数的同数のカウンターからドフビクやピジッリらに仕留めるチャンスが訪れるが、両チームともに最後の精度を欠く。 その後、インテルはジエリンスキ、ホアキン・コレアの投入で前がかると、試合終盤にはビセックを前線に上げたパワープレー気味の仕掛けでゴールをこじ開けにかかる。しかし、最後まで身体を張った対応を見せたジャッロロッシの壁は厚くゴールをこじ開けることはできなかった。 この結果、苦手インテル相手に会心のウノゼロ勝利を収めたローマがリーグ連勝で4位ボローニャと勝ち点で並んだ。一方、心身ともにダメージが残る公式戦3連敗となったインテルは首位陥落の危機を迎えながら、CLバルセロナ戦に臨むことになった。 インテル 0-1 ローマ 【ローマ】 マティアス・スーレ(前22) 2025.04.28 00:08 Mon5