宴の週末だった…/原ゆみこのマドリッド
2021.05.26 02:22 Wed
「これはショックでしょうね」そんな風に私が同情していたのは月曜日、お昼に始まったユーロ大会用スペイン代表招集リスト発表の中継で、ルイス・エンリケ監督がセルヒオ・ラモスを呼ばないと知った時のことでした。いやあ、確かに1月にスペイン・スーパーカップ準決勝でヒザのケガをしてからの彼は散々で、手術などのせいもあって、今年になってからの出場はたったの5試合。3月のW杯予選でもあまりプレーしておらず、ようやくレアル・マドリーのベンチに戻った最終節もスタンドで応援しているだけだったんですけどね。
それを考えると、6月14日のユーロ・グループリーグ1節のスウェーデン戦までに完調になれるか、ルイス・エンリケ監督が不安になるのもわからなくないんですが、ここまでW杯、ユーロに7大会連続出場。スペイン代表最多出場記録の180試合を更新して、エジプト代表のアハマド・ハサンが持つ世界記録の184試合に到達するのを楽しみにしていた当人にはまったく、想定外のことだったかと。
え、それより今回のリストにマドリーの選手が1人もいない方がビックリじゃないかって?そうですね、常連の右SBカルバハルも今季は負傷続きで、現在もリハビリ中。アセンシオ、イスコも落選し、ジダン監督の下で立派にラモス不在を補ったナチョもルイス・エンリケ監督のお眼鏡には叶わなかったんですが、そのラモスと同い年のヘスス・ナバス(セビージャ)も呼ばれず、お隣さんのマルコス・ジョレンテを右SB要員として、招集するのはちょっとムリがない?一方、ライバルのバルサからはブスケツ、ジョルディ・アルバ、そして18才のペドリが招集されたんですが、このユーロでの最大派閥はロドリ、フェラン・トーレス、エリック・ガルシア、最近、2重国籍を取得したフランス人ラポールの4人が招集されたマンチェスター・シティ。
その彼らにはまだ今週土曜にCL決勝があって、久々に代表に戻ってきた左右のSBをこなすアスピリクエタのいるチェルシーと激突とか、その前の水曜にはEL決勝でジェラール・モレノとパウ・トーレスが代表入りしたビジャレアルとGKデ・ヘアのいるマンチェスター・ユナイテッドが対戦とか、いやもう、リーガが先週末に終わって、私もゆっくりできるかと思ったんですけどね。コロナ禍によるシーズンの中断があった昨季のせいで、9月に遅れて始まるなど、今季は特に押せ押せの過密日程が続いたんですが、どうやらまだまだ、ファンも休めないというか…いえ、ホント、実際に体を動かさないといけない選手たちにしてみたら、たまったもんじゃないと思うんですが…。
まあ、代表についてはまた後日、お話しするとして、今はシーズンの決着がついた土曜のリーガ最終節がどうだったか、お伝えしていくことにすると。順位の懸かったカードが行われる統一時間帯の午後6時、私はエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にいたんですが、もちろん、この日も頼りはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継。お昼のニュースでは、すでに大勢のアトレティコファンがバジャドリッド(マドリッドから北へ電車で1時間、車で3時間弱の町)のマジョール広場を闊歩している映像など届いていて、彼らはキックオフ前にはホセ・ソリージャに隣接した駐車場に移動して、外から応援をしていたんですけどね。何かこれ、去年、CL16強対決2ndレグでアトレティコファンが大挙した結果、コロナ感染が広がったとリバプール当局から告発された二の舞にならない?
もう、両方負ければ、やっぱり勝ち点差2のままだから、それでもいいかと思い始めていた後半10分、恐れていた通り、オドリオソワのクロスをベンゼマがヘッド。これがゴールに入ったため、目の前が真っ暗になったものでしたが、え?なかなか審判がセンターを指さないって、VAR(ビデオ審判)判定待ちですか?スタンドの控え選手たちも総立ちで見守る中、2分ぐらい経過した頃でしょうか。いきなり、イヤホンから「Gooool!!!」の絶叫が響いてきたのは。そう、それはハーフタイムに反省会を開いたアトレティコで、敵に囲まれながら、エリア前から、コレアがつま先で蹴ったシュートがゴールになったって、そんな奇跡がまた起きるとは凄い。
ええ、当人も「監督はいつもボクに言うんだ。Cuando esté dentro del área no me piense, que le pegue de puntera/クアンドー・エステ・デントロ・デル・アレア・ノー・メ・ピエンセ、ケ・レ・ペゲ・デ・プンテーラ(エリア内にいる時は考えるな。つま先で蹴ってやれ)って」と話していたように、シメオネ監督のアドバイスの賜物だったようですけどね。これで同点としたアトレティコは追撃の手を緩めなかったらしく、22分には再びゴールをゲット。今度はセルジ・グアルディオラのバックパスを奪ったルイス・スアレスが敵エリア内に駆け込み、勝ち越しの2点目を入れてくれたとなれば、もうアトレティコファンはエースを贈ってくれたバルサに足を向けて眠れない?
その直後、情勢の変化にジダン監督も選手交代でチームを刷新。実はその前から、ビニシウス、アセンシオをロドリゴとイスコに代えていたんですが、第2陣ではカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のミゲール、オドリオソラ、カセミロをマルセロ、ナチョ、マリアーノにして、5人の枠を一気に消化、3CB制で得点を目指すことにしたところ、いえ、時間はかかったものの、実ったことは実ったんですよ。いよいよ終盤、42分にはロドリゴのクロスをベンゼマがヘッドで決めて同点にすると、ロスタイム3分にはモドリッチがvolea(ボレア/ボレーシュート)で2点目をゲット。2-1の逆転勝利に成功しているんですから、これぞまさしくマドリーの矜恃を示したと言っていいかと。
まあ、それにはEL出場圏順位を争っていたレアル・ソシエダがオサスナに、ベティスも逆転して、セルタに勝っていたため、結果に関わらず、コンフェレンスリーグ(来季から始まるUEFA第3の大会)出場の7位のままというビジャレアルが、目標を水曜のEL決勝で勝利して、CL出場権獲得する方に移してくれたおかげもあったみたいですけどね。ただ、同様なことはバジャドリーにも起こっていて、あと1席の1部残留を争っていたエルチェが後半28分にはアスレティックから、2点目を奪取゛。ウエスカもバレンシアとずっと0-0だったため、一番不利だった彼らはたとえ、アトレティコに勝っても降格というのが濃厚に。おかげでお隣さんより1分程早く、1-2の勝利を決めたシメオネ監督のチームはマドリー戦の終了を待つことなく、優勝祝いに突入です!
いやあ、これは7年ぶりだからでしょうかね。「Dentro de poco vamos a ver qué va a pasar/デントロ・デ・ポコ・バモス・ア・ベル・ケ・バ・ア・パサール(すぐに何が起きるかはわかる)。私についてだけでなく、クラブが来季に向けてどうするかはね」と、今季最後の記者会見でジダン監督が8個の質問、全てに含まれていた自身の進退問題への問いをはぐらかした後も、ホセ・ソリージャでのお祝いは止まらず。それどころか、ピッチで騒ぐのに飽きた選手たちが駐車場に飛び出し、応援に来ていたアトレティコファンたちに揉みくちゃにされていたのには正直、開いた口が塞がりませんでしたが、もういいですよ。チームの半数はもうコロナ感染済みですし、クルトワからサモラ(リーガで一番失点率の低いGKに与えられる賞)を取り戻し、通算5度目としたオブラク(スロベニア)はユーロがないんですから。
当局の警告を無視して、同時進行でどんどん人々がネプトゥーノ(アトレティコが優勝を祝う広場)近辺に集まっている中、丁度、私が家に着いた時にはGOL(ゴル/スポーツ専門オープン放送)がバジャドリッドから、マドリッドに戻るアトレティコバスを追走していましたが、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でも大勢のファンがお出迎え。当然、ここでもお祝いして選手たちは帰宅したんですが、いやあ、きっと何が何でも第1キャプテンになったら、やりたかったんでしょうね。ネプトゥーノにいつまでも残っていたファンたちもほとんど警官隊に追い帰された午前3時過ぎ、コケが海神像にゲリラ登頂。工事用の機械式足場で上がって、像の首にアトレティコのbufanda(ブファンダ/マフラー)とbandera(バンデラ/旗)を巻き付けて行ったって、いや、これ、冗談じゃなくて、本当ですって。
そして翌日曜の夕方には、市内のアトーチャ駅とカスティージャ広場の間の道をファンがキャラバンとなって、アトレティコグッズを示しながら、車で走るというイベントがあった後、いよいよワンダ・メトロポリターノで上はユニフォーム、下は私服のパンツという選手たちへのトロフィー贈呈式が開催。うーん、この日もスタジアム周辺には沢山、ファンが来ていたんですけどね。これも残念ながら、一般開放はされず、セレソ会長やマドリッドの州知事、市長らのスピーチがあっただけで、前夜はトロフィーのレプリカを持ち上げて、自宅で祝っていたコケに本物が授与。一応、紙吹雪などもあって、綺麗ではあったんですが、後はスタンドにいた選手、スタッフの家族、親族らがピッチに下りて、懇親会兼セルフィー大会状態になっているんですから、一体、どうしたらいい?
ホント、世が世なら、2014年のリーガ優勝時のようにアトレティコもオープンデッキバスで市内をパレード、プエルタ・デ・ソル(マドリッドの中心にある広場)の市庁舎バルコニーからファンに挨拶したり、ネプトゥーノの仮設ステージでシメオネ監督が再び、「Si se cree y se trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・セ・トラバハ、セ・プエデ(信じて努力すれば、達成できる)」といった名言を残せたはずでしたが、パンデミック中では望むべくもなし。ただ、もう私がメトロに乗った後、チーム全員がスタジアム外縁のテラスに姿を現し、集まっていたファンにトロフィーを披露していたなんてこともあったんですが、ああまで人が密集している映像を見ると、やっぱり早く帰って正解だったと思うのはコロナ脳のせい?
それから、チーム全員とその家族、クラブ関係者らはワンダにあるレストラン、El Gran Escenario(エル・グラン・エセナリオ)で夕食会を開いて、ようやく2日がかりのお祝いを終了。嬉しいことに、アトレティコはシメオネ監督を始め、TVのインタビューで「Sí, sí, sí, seguro/シー、セグロ(はい、はい、はい、もちろんだよ)」と言っていたスアレス、ようやく念願のビッグタイトルを獲得できたオブラクなど、お隣さんと違って、来季の残留がはっきりしているメンバーが多いですからね。バジャドリー戦の後、今季は無限のフィジカル力でプレーに、ゴールにと大貢献したジョレンテでさえ、「Estamos fundidos/エスタモス・フンディードス(ボクらはクタクタだ)。今季はとっても詰まったシーズンで、ハードな試合も多かったからね。何とか、最後の試合まで最高の状態で辿りつこうとしていたけど、体力的にはもうガタがきていた」と言っていたぐらいですから、どの選手も今はゆっくり休んでほしいです。
そして前節、1部残留を達成し、同様の身分のグラナダと日曜に対戦したヘタフェは、久保建英選手はフル出場したものの、スコアレスドローで終幕。それでも順位が16位から、15位に上がっていたのは儲かりもんですが、近いうちにボルダラス監督の将来について、ニュースがあるのではないかと。更に月曜には2部の統合時間帯開催41節があったため、いやあ、私の訪れたブタルケでは、全治3週間程の肉離れを負った柴崎岳選手がスタンドで観戦していたんですけどね。マラガ相手に得点できず、そのまま0-0で分けるかと思ったところ、何と後半43分にロベル・イバニェスのシュートが決まり、1-0で勝利したレガネスは昇格プレーオフ出場を確定できることに。
同じ時間にカステジョンと戦っていたラージョも0-2で勝ち、マドリッド勢2部仲間で、すでに残留が確定しているレガネスのお隣さん、フエンラブラダがスポルティング・ヒホンから、スコアレスドローを勝ち取る援護射撃も受けられたため、プレーオフ圏内の6位に上昇。こちらはまだ最終節で変わる可能性があるんですが、だんだん、マドリッド勢同士のガチンコプレーオフ対決が濃厚になってきたようです。一番心配なのは2部では古株のアルコルコンが降格圏まで勝ち点1と、まだ残留が決まっていないことですが、マドリッド2部4チーム体制が昇格で3チームになるのはともかく、降格で減ってしまうのはいやですよね。
それを考えると、6月14日のユーロ・グループリーグ1節のスウェーデン戦までに完調になれるか、ルイス・エンリケ監督が不安になるのもわからなくないんですが、ここまでW杯、ユーロに7大会連続出場。スペイン代表最多出場記録の180試合を更新して、エジプト代表のアハマド・ハサンが持つ世界記録の184試合に到達するのを楽しみにしていた当人にはまったく、想定外のことだったかと。
え、それより今回のリストにマドリーの選手が1人もいない方がビックリじゃないかって?そうですね、常連の右SBカルバハルも今季は負傷続きで、現在もリハビリ中。アセンシオ、イスコも落選し、ジダン監督の下で立派にラモス不在を補ったナチョもルイス・エンリケ監督のお眼鏡には叶わなかったんですが、そのラモスと同い年のヘスス・ナバス(セビージャ)も呼ばれず、お隣さんのマルコス・ジョレンテを右SB要員として、招集するのはちょっとムリがない?一方、ライバルのバルサからはブスケツ、ジョルディ・アルバ、そして18才のペドリが招集されたんですが、このユーロでの最大派閥はロドリ、フェラン・トーレス、エリック・ガルシア、最近、2重国籍を取得したフランス人ラポールの4人が招集されたマンチェスター・シティ。
まあ、代表についてはまた後日、お話しするとして、今はシーズンの決着がついた土曜のリーガ最終節がどうだったか、お伝えしていくことにすると。順位の懸かったカードが行われる統一時間帯の午後6時、私はエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にいたんですが、もちろん、この日も頼りはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継。お昼のニュースでは、すでに大勢のアトレティコファンがバジャドリッド(マドリッドから北へ電車で1時間、車で3時間弱の町)のマジョール広場を闊歩している映像など届いていて、彼らはキックオフ前にはホセ・ソリージャに隣接した駐車場に移動して、外から応援をしていたんですけどね。何かこれ、去年、CL16強対決2ndレグでアトレティコファンが大挙した結果、コロナ感染が広がったとリバプール当局から告発された二の舞にならない?
ちなみにスコアの方も先に動いたのはホセ・ソリージャだったんですが、それは前半18分、CK攻撃をクリアされた流れからカウンターを喰らい、オスカル・プラノがバジャドリーの先制点を挙げたという、心臓が氷つくような知らせが届いたんですよ。でも大丈夫、その2分後には目の前でジェラール・モレノのアシストから、ジェレミー・ピノがゴールを決め、同様にマドリーもビジャレアルに1点リードされているって、どちらも勝たなきゃいけない気持ちが空回りしている?それでも前半の残り、マドリーはアセンシオやモドリッチ、ベンゼマ、カセミロとシュートを撃っていたんですが、私を絶望的にしたのはアトレティコ番の実況。ええ、「選手たちは皆、神経質になっている」だの、「信じられないパスミスをしている」だの、典型的なダメダメ状態ばかりが伝わってきたため、いつマドリーがゴールを入れるか、胸をドキドキさせていたところ…。
もう、両方負ければ、やっぱり勝ち点差2のままだから、それでもいいかと思い始めていた後半10分、恐れていた通り、オドリオソワのクロスをベンゼマがヘッド。これがゴールに入ったため、目の前が真っ暗になったものでしたが、え?なかなか審判がセンターを指さないって、VAR(ビデオ審判)判定待ちですか?スタンドの控え選手たちも総立ちで見守る中、2分ぐらい経過した頃でしょうか。いきなり、イヤホンから「Gooool!!!」の絶叫が響いてきたのは。そう、それはハーフタイムに反省会を開いたアトレティコで、敵に囲まれながら、エリア前から、コレアがつま先で蹴ったシュートがゴールになったって、そんな奇跡がまた起きるとは凄い。
ええ、当人も「監督はいつもボクに言うんだ。Cuando esté dentro del área no me piense, que le pegue de puntera/クアンドー・エステ・デントロ・デル・アレア・ノー・メ・ピエンセ、ケ・レ・ペゲ・デ・プンテーラ(エリア内にいる時は考えるな。つま先で蹴ってやれ)って」と話していたように、シメオネ監督のアドバイスの賜物だったようですけどね。これで同点としたアトレティコは追撃の手を緩めなかったらしく、22分には再びゴールをゲット。今度はセルジ・グアルディオラのバックパスを奪ったルイス・スアレスが敵エリア内に駆け込み、勝ち越しの2点目を入れてくれたとなれば、もうアトレティコファンはエースを贈ってくれたバルサに足を向けて眠れない?
その直後、情勢の変化にジダン監督も選手交代でチームを刷新。実はその前から、ビニシウス、アセンシオをロドリゴとイスコに代えていたんですが、第2陣ではカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のミゲール、オドリオソラ、カセミロをマルセロ、ナチョ、マリアーノにして、5人の枠を一気に消化、3CB制で得点を目指すことにしたところ、いえ、時間はかかったものの、実ったことは実ったんですよ。いよいよ終盤、42分にはロドリゴのクロスをベンゼマがヘッドで決めて同点にすると、ロスタイム3分にはモドリッチがvolea(ボレア/ボレーシュート)で2点目をゲット。2-1の逆転勝利に成功しているんですから、これぞまさしくマドリーの矜恃を示したと言っていいかと。
まあ、それにはEL出場圏順位を争っていたレアル・ソシエダがオサスナに、ベティスも逆転して、セルタに勝っていたため、結果に関わらず、コンフェレンスリーグ(来季から始まるUEFA第3の大会)出場の7位のままというビジャレアルが、目標を水曜のEL決勝で勝利して、CL出場権獲得する方に移してくれたおかげもあったみたいですけどね。ただ、同様なことはバジャドリーにも起こっていて、あと1席の1部残留を争っていたエルチェが後半28分にはアスレティックから、2点目を奪取゛。ウエスカもバレンシアとずっと0-0だったため、一番不利だった彼らはたとえ、アトレティコに勝っても降格というのが濃厚に。おかげでお隣さんより1分程早く、1-2の勝利を決めたシメオネ監督のチームはマドリー戦の終了を待つことなく、優勝祝いに突入です!
いやあ、これは7年ぶりだからでしょうかね。「Dentro de poco vamos a ver qué va a pasar/デントロ・デ・ポコ・バモス・ア・ベル・ケ・バ・ア・パサール(すぐに何が起きるかはわかる)。私についてだけでなく、クラブが来季に向けてどうするかはね」と、今季最後の記者会見でジダン監督が8個の質問、全てに含まれていた自身の進退問題への問いをはぐらかした後も、ホセ・ソリージャでのお祝いは止まらず。それどころか、ピッチで騒ぐのに飽きた選手たちが駐車場に飛び出し、応援に来ていたアトレティコファンたちに揉みくちゃにされていたのには正直、開いた口が塞がりませんでしたが、もういいですよ。チームの半数はもうコロナ感染済みですし、クルトワからサモラ(リーガで一番失点率の低いGKに与えられる賞)を取り戻し、通算5度目としたオブラク(スロベニア)はユーロがないんですから。
当局の警告を無視して、同時進行でどんどん人々がネプトゥーノ(アトレティコが優勝を祝う広場)近辺に集まっている中、丁度、私が家に着いた時にはGOL(ゴル/スポーツ専門オープン放送)がバジャドリッドから、マドリッドに戻るアトレティコバスを追走していましたが、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でも大勢のファンがお出迎え。当然、ここでもお祝いして選手たちは帰宅したんですが、いやあ、きっと何が何でも第1キャプテンになったら、やりたかったんでしょうね。ネプトゥーノにいつまでも残っていたファンたちもほとんど警官隊に追い帰された午前3時過ぎ、コケが海神像にゲリラ登頂。工事用の機械式足場で上がって、像の首にアトレティコのbufanda(ブファンダ/マフラー)とbandera(バンデラ/旗)を巻き付けて行ったって、いや、これ、冗談じゃなくて、本当ですって。
そして翌日曜の夕方には、市内のアトーチャ駅とカスティージャ広場の間の道をファンがキャラバンとなって、アトレティコグッズを示しながら、車で走るというイベントがあった後、いよいよワンダ・メトロポリターノで上はユニフォーム、下は私服のパンツという選手たちへのトロフィー贈呈式が開催。うーん、この日もスタジアム周辺には沢山、ファンが来ていたんですけどね。これも残念ながら、一般開放はされず、セレソ会長やマドリッドの州知事、市長らのスピーチがあっただけで、前夜はトロフィーのレプリカを持ち上げて、自宅で祝っていたコケに本物が授与。一応、紙吹雪などもあって、綺麗ではあったんですが、後はスタンドにいた選手、スタッフの家族、親族らがピッチに下りて、懇親会兼セルフィー大会状態になっているんですから、一体、どうしたらいい?
ホント、世が世なら、2014年のリーガ優勝時のようにアトレティコもオープンデッキバスで市内をパレード、プエルタ・デ・ソル(マドリッドの中心にある広場)の市庁舎バルコニーからファンに挨拶したり、ネプトゥーノの仮設ステージでシメオネ監督が再び、「Si se cree y se trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・セ・トラバハ、セ・プエデ(信じて努力すれば、達成できる)」といった名言を残せたはずでしたが、パンデミック中では望むべくもなし。ただ、もう私がメトロに乗った後、チーム全員がスタジアム外縁のテラスに姿を現し、集まっていたファンにトロフィーを披露していたなんてこともあったんですが、ああまで人が密集している映像を見ると、やっぱり早く帰って正解だったと思うのはコロナ脳のせい?
それから、チーム全員とその家族、クラブ関係者らはワンダにあるレストラン、El Gran Escenario(エル・グラン・エセナリオ)で夕食会を開いて、ようやく2日がかりのお祝いを終了。嬉しいことに、アトレティコはシメオネ監督を始め、TVのインタビューで「Sí, sí, sí, seguro/シー、セグロ(はい、はい、はい、もちろんだよ)」と言っていたスアレス、ようやく念願のビッグタイトルを獲得できたオブラクなど、お隣さんと違って、来季の残留がはっきりしているメンバーが多いですからね。バジャドリー戦の後、今季は無限のフィジカル力でプレーに、ゴールにと大貢献したジョレンテでさえ、「Estamos fundidos/エスタモス・フンディードス(ボクらはクタクタだ)。今季はとっても詰まったシーズンで、ハードな試合も多かったからね。何とか、最後の試合まで最高の状態で辿りつこうとしていたけど、体力的にはもうガタがきていた」と言っていたぐらいですから、どの選手も今はゆっくり休んでほしいです。
そして前節、1部残留を達成し、同様の身分のグラナダと日曜に対戦したヘタフェは、久保建英選手はフル出場したものの、スコアレスドローで終幕。それでも順位が16位から、15位に上がっていたのは儲かりもんですが、近いうちにボルダラス監督の将来について、ニュースがあるのではないかと。更に月曜には2部の統合時間帯開催41節があったため、いやあ、私の訪れたブタルケでは、全治3週間程の肉離れを負った柴崎岳選手がスタンドで観戦していたんですけどね。マラガ相手に得点できず、そのまま0-0で分けるかと思ったところ、何と後半43分にロベル・イバニェスのシュートが決まり、1-0で勝利したレガネスは昇格プレーオフ出場を確定できることに。
同じ時間にカステジョンと戦っていたラージョも0-2で勝ち、マドリッド勢2部仲間で、すでに残留が確定しているレガネスのお隣さん、フエンラブラダがスポルティング・ヒホンから、スコアレスドローを勝ち取る援護射撃も受けられたため、プレーオフ圏内の6位に上昇。こちらはまだ最終節で変わる可能性があるんですが、だんだん、マドリッド勢同士のガチンコプレーオフ対決が濃厚になってきたようです。一番心配なのは2部では古株のアルコルコンが降格圏まで勝ち点1と、まだ残留が決まっていないことですが、マドリッド2部4チーム体制が昇格で3チームになるのはともかく、降格で減ってしまうのはいやですよね。
アトレティコ・マドリーの関連記事
|
|
アトレティコ・マドリーの人気記事ランキング
1
「若き日のディエゴを思い出す」ジュリアーノ・シメオネ22歳をマドリード紙ら称賛「彼の血にも“チョリズモ”」「息子3人の中で最も父親似」
アトレティコ・マドリーのアルゼンチン代表FWジュリアーノ・シメオネ(22)に対する評価が高まってきた。「若き日の父親ディエゴを彷彿とさせる」などとマドリード紙が称える。 父ディエゴ・シメオネが指揮するアトレティコに16歳で入団したジュリアーノ。 トップチームで父親から初めて起用されたのは19歳。しかし、そこからしばらくセカンドチームを主戦場とし、23-24シーズンはアラベスへ武者修行…現役時代からアトレティコ魂を持つ父ディエゴに肩を並べるのは難しいだろうと誰もが思うなか、昨夏アラベスより復帰した。 それでも迎えた今季、ジュリアーノはラ・リーガ第10節あたりからスターターに定着し、ワイドアタッカーとして奮闘。4日のコパ・デル・レイ準々決勝ヘタフェ戦では2得点を記録した。 『マルカ』などに寄稿するマドリードのジャーナリスト、アドリアン・ブランコ氏は、自身のXでジュリアーノを称賛。 「ジュリアーノ・シメオネは今季アトレティコのビッグネームである。彼がアトレティコの復活、成長、競争力を象徴する存在となっているのだ。そのプレーにはエネルギー、犠牲、決意、熱意が溢れ、とにかく情熱的。彼の血にも“チョリズモ”が流れている」 『Relevo』も社説でジュリアーノを称賛した。 「ジュリアーノは“魂”そのものか。ピッチ脇でチョロ(父ディエゴ)が望むこと全てをフィールド全域に伝えるのが、このシメオネ家の三男だ。彼がアトレティコに来たのは父親のおかげだと誰もが言ったが、今ここに残っているのは父親が持っていたもの全てを彼も持つからだ」 「ジュリアーノが自らのゴールを祝っている様子を見ると、いつだったか…ビセンテ・カルデロンでエンブレムを指差して歌っていた若き日のディエゴを思い出す。今や、ジュリアーノがアトレティコのスターターであることに異論を唱える者はいない。間違いなく、息子3人の中でジュリアーノが最も父親に似ている」 2025.02.05 20:41 Wed2
現役時代のシメオネ監督はどんな人物だった? かつての同僚が明かす
アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督について、現役時代のチームメイトたちが振り返った。スペイン『マルカ』が伝えている。 現役時代セビージャやアトレティコ、そしてインテルなどで活躍したシメオネ氏。特に現在監督を務めるアトレティコには1994年から1997年までの3年間と2003年から2005年1月までの1年半の2度在籍し、公式戦155試合出場29ゴールを記録した。 <div id="cws_ad"><div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJKcDZqR25nZCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script></div> 監督としてピッチサイドで感情を全面に出したスタイルでチームを鼓舞するシメオネ氏だが、現役時代からこの情熱的なスタイルは一貫したもので、共にプレーした多くの選手たちに大きな印象を与えていたようだ。 アトレティコでのチームメイトだった元スペイン代表DFトニ・ムニョス氏は、選手時代のシメオネ氏の情熱を振り返っている。 「彼は全てにおいて情熱的で、ピッチ上でも自分が感じたことを表現していた。苦しむことを楽しんでいたし、全員に対して高い要求を持っていて、強いパーソナリティのある選手だった」 またムニョス氏は、シメオネ氏の優れた戦術眼が得点に繋がっていたと話す。 「戦術的にもとても優れていた。常に1シーズンで8から14ゴールくらいを決めていたが、それは彼がフリーキックや攻撃参加が上手かっただけでなく、試合を読む力に非常に長けていたからだ」 「彼のフットボールに対する思いはとても大きかった。私にシエスタすらさせてくれなかったよ。常にフットボールについて話していて、寝ていても起こされたものだ」 「彼のウォーミングアップは試合前のホテルから始まっていた。チームメイトに指示をして人を集めて、ランチやディナーの時、気付いたら相手がどういう風にプレーするのかという話をしていた」 またセビージャ時代のチームメイトである元スペイン代表DFマノーロ・ヒメネス氏も、シメオネ氏がピッチ上で見せる姿に感嘆していたと明かし、選手時代から名監督としての片鱗を見せていたと語った。 「彼は熱量に溢れていた。失敗した時には怒り、野心と高い要求を求める選手だった。彼はチームのみんなのリスペクトを勝ち取った。なぜなら、失敗しても自分の足でもう一度立ち上がることのできる、勇気ある選手だったからだ」 「彼はハードワーカーで、自分の持つ全てをピッチで出し尽くし、全てのボールを200%の力で追う、今で言うBox to Box タイプのMFだった」 「アグレッシブさとクオリティを兼ね備え、前線への攻撃参加もできた、完全な選手だった。彼が監督になる姿は容易に想像できた」 「選手の時も監督の時も、エル・チョロ(シメオネ愛称)は誇張して大袈裟に行動したりしない。あれが彼のそのままの生き方なんだ」 「彼はベンチで静かに座っているようなタイプではない。自分のメンタルの強さやウイニング・スピリットを常に示してきた人物で、それは彼のDNAの中にあるものなんだ」 また、同じくセビージャ時代の同僚でチームのCBであったホセ・ミゲル・プリエト氏も、シメオネ氏は選手時代からリーダシップを発揮していたと明かした。 「彼はよく試合の前、失敗はピッチに持ち込まずロッカールームに置いていけと私たちに言ったよ」 「常にフットボールのことを考えていて、その執着にも似た思いは今でも増していると思う」 「試合中は全てのプレーに関わっていたし、サッカーというものを理解していた。優れたMFがいれば、CBの力を引き出すことができる。私たちが活躍できたのは彼のおかげだ」 しかし、そんな情熱的なシメオネ氏だが、抜けている部分もあったとプリエト氏は語る。 「私たちはトレーニングに彼の車に乗って行ったことがあったが、車のタイヤがパンクしていたのにずっと変えていなかったんだ。だから私がタイヤの買い方を教えてやったんだ」 2020.06.10 12:45 Wed3
【2020-21 ラ・リーガベストイレブン】優勝アトレティコから最多4人を選出
2020-21シーズンのラ・リーガが全日程を消化しました。そこで本稿では今シーズンのベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。 ◆ラ・リーガベストイレブン GK:オブラク DF:クンデ、サビッチ、パウ・トーレス MF:マルコス・ジョレンテ、デ・ヨング、モドリッチ、カラスコ FW:メッシ、ベンゼマ、ジェラール・モレノ GK ヤン・オブラク(28歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:38(先発:38)/失点数:25 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 2シーズンぶり5度目のサモラ賞獲得と共に自身初のプリメーラ制覇。今季はよりチームが攻撃的な振る舞いを見せた中、38試合中18試合でクリーンシートを達成。試合を通して高い集中力を維持し、ピンチとなれば的確なポジショニングと驚異的な反応で圧巻のシュートストップを連発。また、第28節のアラベス戦では土壇場でチームが与えたPKをストップする殊勲の仕事で優勝に繋がる勝ち点3奪取に貢献するなど、近年苦手としていたPKでは敗れたセビージャ戦でも見事なセーブを見せた。 DF ジュール・クンデ(22歳/セビージャ) 出場試合数:34(先発:33)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> メガクラブ注目の逸材DF。守備的MFとして特大の輝きを放った同僚フェルナンドを3バックの中央に置く形も考えたが、伸びしろとプレーのインパクトを評価してフランス代表DFを選出。敏腕SDモンチの眼鏡にかなった元ボルドーDFは加入2年目となった今季も見事な成長曲線を描いた。若かりし頃のセルヒオ・ラモスを彷彿とさせる攻撃的なセンターバックはパワー勝負、スピード勝負のいずれにおいても一線級のアタッカー相手に全く見劣らず、守備者としてはポジショニングや判断面を除いてワールドクラスの域に足を踏み入れている。さらに、攻撃面においても的確な繋ぎ、局面を変える持ち出しと著しい成長を見せた。先日のインタビューでは今夏のステップアップを示唆しており、その動向にも注目が集まるところだ。 DF ステファン・サビッチ(30歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:33(先発:33)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 優勝チームの最終ラインを統率。昨季のゴディン退団に伴い、ディフェンスリーダーとしての自覚をさらに強め、ヒメネスが離脱を繰り返した中で3バックと4バックを併用したロヒブランコスの最終ラインを締めた。出足鋭い守備で相手アタッカーに自由を与えず、ビッグマッチにおいても冷静な対応でチームに落ち着きをもたらした。今季のチームがよりビルドアップを重視していた中、安定した球出しで中盤、前線へクリーンなボールを届ける攻撃面での仕事も秀逸だった。 DF パウ・トーレス(24歳/ビジャレアル) 出場試合数:33(先発:33)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今季のラ・リーガ最高のスぺイン人DF。昨シーズンにブレイクを果たした24歳の左利きのセンターバックは、智将エメリの下で更なるスケールアップを遂げた。守備では191cmの恵まれた体躯とリーグ屈指の快足を武器に対人対応で無類の強さをみせ、カバーリングやスペースケアもそつなくこなした。さらに、優れた戦術眼、左足のキックを武器に長短織り交ぜた正確なパスでビルドアップの場面でも存在感を放っており、そのポテンシャルの高さを考えれば、今夏のメガクラブ行きは濃厚か…。 MF マルコス・ジョレンテ(26歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:37(先発:33)/得点数:12 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今シーズンのMVP。いずれもキャリアハイとなる12ゴール11アシストという目に見える数字の貢献度に加え、セカンドトップや右サイドハーフ、インテリオール、サイドバックと状況に応じて複数のポジションをこなしながら、攻守両面で高い強度のプレーをシーズン通して継続した。 MF フレンキー・デ・ヨング(24歳/バルセロナ) 出場試合数:37(先発:35)/得点数:3 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ブラウグラナの未来。驚異的なデビューシーズンを飾った同僚ペドリはシーズン総括の“期待以上”の枠に回ってもらい、加入2年目の超万能型MFを選出。代表の恩師であるクーマン監督からの厚い信頼に応え、ピボーテ、インテリオール、センターバックと様々なタスクを完璧にこなし、シーズンを通して攻守両面で決定的な仕事を果たした。戦術眼、テクニック、アスリート能力と3拍子揃ったコンプリートMFとして、前目で使われれば果敢なゴール前への飛び出し、後ろ目で使われれば、安定した繋ぎ、局面を変える持ち出し、強度の高い守備とその貢献度は驚異的だった。 MF ルカ・モドリッチ(35歳/レアル・マドリー) 出場試合数:35(先発:32)/得点数:5 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 老いては益々壮んなるべし。中盤の名パートナーであるカゼミロとクロースの活躍も光ったが、そのトリボーテを代表してエルブランコの背番号10を選出。昨季終盤の鬼気迫るパフォーマンスを今季も継続した35歳は、最終ラインと前線に多くの離脱者に見舞われた今季のチームをベンゼマらと共に牽引。円熟味を増す抜群のゲームメイクに加え、中盤での泥臭い仕事、クラシコ初戦、最終節のビジャレアル戦で見せた貴重なゴールと試合の際を見極めたプレーを幾度も見せた。36歳で臨む新シーズンも大暴れを期待したい。 MF ヤニック・カラスコ(27歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:30(先発:25)/得点数:6 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 後半戦の攻撃の中心選手。サイドアタッカーではルーカス・バスケス(レアル・マドリー)やエメルソン(ベティス)、アクーニャ(セビージャ)らの活躍も見事だったが、優勝チームに敬意を評してベルギー代表MFを選出。今季は左右のサイドハーフに加え、左のウイングバック、2シャドーの一角と様々なポジションをこなし、M・ジョレンテと共にチームに多くのオプションをもたらした上、6ゴール10アシストと数字の面でも申し分ない結果を残した。とりわけ、シーズン終盤戦においてはアタッカー陣に離脱者が目立った中、9試合中8試合でゴールかアシストを記録。その突破力とラストプレーの精度は見事だった。 FW リオネル・メッシ(33歳/バルセロナ) 出場試合数:35(先発:33)/得点数:30 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 2年ぶりの30ゴールの大台到達で5年連続8度目のピチーチ獲得。シーズン開幕直後は退団問題、試行錯誤を繰り返したチームの影響もあってスロースタートも、昨年11月以降に本来のコンディションを取り戻すと、チームの布陣が定まった中盤戦から後半戦にかけては出場8試合連続ゴールを記録。ブスケッツ、ジョルディ・アルバとのホットラインに加え、ペドリやデ・ヨング、グリーズマンとの連携も深まり、終盤戦では様々なパターンからゴールを陥れた。 FW カリム・ベンゼマ(33歳/レアル・マドリー) 出場試合数:34(先発:33)/得点数:23 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> エルブランコの絶対的エースとして抜群の存在感を放った。アトレティコに優勝をもたらしたルイス・スアレスと天秤にかける形となったが、23ゴール9アシストという数字面の優位性に加え、メッシ同様にその替えの利かなさを鑑みて選出した。ヴィニシウス、アセンシオに少なからず成長が見られたものの、アザールの体たらくによってチャンスメイク、フィニッシュと膨大な仕事量をシーズン通してこなした。決定力、勝負強さだけでなく、今季はセルヒオ・ラモスらが度々不在の中でリーダーとしての仕事ぶりも光った。 FW ジェラール・モレノ(29歳/ビジャレアル) 出場試合数:33(先発:30)/得点数:23 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ラ・リーガ最高のスペイン人ストライカー。昨季、18ゴールを挙げてスペイン人最多得点者に与えられるサラ賞を初受賞したビジャレアルの絶対的エースは、昨季の数字を大幅に更新して2年連続のサラ賞を獲得した。エメリ新監督の下、右ウイング、センターフォワード、セカンドトップを主戦場に多士済々な相棒をうまく生かしつつ、その卓越した左足の精度、決定力を武器にゴールを量産。チャンスメイクの部分でも7アシストとリーグ屈指の万能型アタッカーの本領を発揮。なお、ジュゼッペ・ロッシに並ぶクラブ最多得点者(82点)となった29歳は、今夏のステップアップも噂される中で去就が注目されるところだ。 2021.06.02 19:01 Wed4
【2024-25 ラ・リーガ前半戦ベストイレブン】3つ巴の争いも3位のバルサから最多4選手を選出
2024-25シーズンのラ・リーガは第19節を消化。そこで本稿では前半戦のベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定した。 ◆ラ・リーガ前半戦ベストイレブン GK:レミロ DF:ミンゲサ、ビビアン、リュディガー、ミゲル・グティエレス MF:ヤマル、バルベルデ、ペドリ、ハフィーニャ FW:レヴァンドフスキ、グリーズマン GK アレックス・レミロ(29歳/レアル・ソシエダ) 出場試合数:19(先発:19)/失点数:13 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 安定感際立つラ・レアル最後の砦。サモラ賞レースでは12失点のオブラクが首位に立っているが、アトレティコとソシエダの守備力を考慮してレミロを選出。比較的メンバーが入れ替わるディフェンスラインで新加入アゲルドとともに攻守に安定したパフォーマンスを披露。ここまでチーム総得点が17点と常にロースコアの戦いを強いられるなか、高い集中力を維持し、12度のクリーンシートを達成。試合の流れを変えるパラドンの数々も印象的だ。 DF オスカル・ミンゲサ(25歳/セルタ) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> バルサ育ちがガリシアの地で完全覚醒。バルセロナDFクンデやソシエダDFアランブル、ラージョDFラティウ、エスパニョールDFエル・ヒラリと今季前半戦は右ラテラルの活躍が光ったが、セルタで攻守に躍動したミンゲサを選出。バルセロナ時代にはディフェンスラインの便利屋という印象にとどまったが、今季のセルタでは左右のサイドバックとウイングバックを主戦場に2ゴール5アシストを記録。ビルドアップへの貢献度を含め、攻撃面において完全に殻を破った。すでに国内外の強豪クラブが関心を示しており、その去就にも注目が集まる。 DF ダニ・ビビアン(25歳/アスレティック・ビルバオ) 出場試合数:16(先発:14)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今季も抜群の安定感誇るディフェンスリーダー。昨季に完全に一本立ちした25歳は、屈強なフィジカルを武器に対人守備で無類の強さ。加えて、昨季の経験によって攻守両面で判断の質、ポジショニング、プレーの安定感が増しており、味方へのコーチングを含めてますますリーダーらしい存在感を放った。マドリー戦ではムバッペを完璧に封じ込んだのも印象的だった。 DF アントニオ・リュディガー(31歳/レアル・マドリー) 出場試合数:19(先発:18)/得点数:0 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> エル・ブランコの屋台骨支える。ディフェンスラインのマルチロールだったナチョの退団に加え、今季もミリトン、カルバハルが長期離脱となったマドリーのディフェンスラインでフル稼働。チュアメニやルーカス・バスケスとビッグマッチにおいて脆さを見せる相棒たちを見事にカバー。ムバッペの加入でより攻撃偏重なチームにおいて1試合平均1失点でとどまっている最大の要因は地対空で無類の強さをみせ、要所での気の利いたカバーリングを見せるドイツ代表の存在が非常に大きい。 DF ミゲル・グティエレス(23歳/ジローナ) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> チーム苦戦の中で個人としては充実の前半戦。今季もミチェル監督仕込みの攻撃的なポジショナルプレーにおいて偽SB以上にフレキシブルな役割を担い、ピボーテやインテリオールとしてもプレー。昨季に比べて前線の質がやや低下し、1ゴール4アシストの数字にとどまったが、高精度のクロスやキーパスでその数字以上のチャンスを演出し続けている。 MF ラミン・ヤマル(17歳/バルセロナ) 出場試合数:16(先発:14)/得点数:5 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 17歳の怪物がトップ・オブ・トップの領域に。今季の前半戦では過密日程の疲労や細かいケガがありながらも、5ゴール10アシストを記録。レヴァンドフスキ、ハフィーニャとの最強ユニットでリーグダントツの51ゴールを挙げた攻撃陣を牽引。クンデの絶妙な後方からの支援を受けつつ、攻撃面では異次元の輝きを放っており、複数人にマークされながらも局面を打開。ときおり若さゆえのセルフィッシュな姿を見せる場面もあるが、視野や判断、オフ・ザ・ボールの向上によってコンプリートアタッカーに成長している。 MF フェデリコ・バルベルデ(26歳/レアル・マドリー) 出場試合数:19(先発:19)/得点数:5 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 躍動続けるエル・ブランコの新8番。クロースの背番号を継承し、気持ち新たに臨んだシーズンでより責任感を増したウルグアイ代表はピボーテにインテリオール、ときに右のラテラルでも起用され、チームのために献身。ベリンガムとともに前がかりなチームを守備で支えつつ、5ゴール2アシストを記録。“バルベルデ砲”と称される強烈なミドルシュートは、チームの窮地や勝負所で決まる場面が多く、勝負強さを含めてマドリーの前半戦ベストプレーヤーと言える活躍だった。 MF ペドリ(22歳/バルセロナ) 出場試合数:19(先発:17)/得点数:4 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 多くのケガを乗り越えて天才が完全復活。近年はピッチに出れば活躍を見せるものの、度重なるケガで稼働率の問題を抱えてきたが、今季は前半戦全試合に出場。試行錯誤のコンディション調整がようやく実を結び、離脱期間に集中して取り組んだウエイトトレーニングは主に守備面で力強さをもたらし、チーム事情で主戦場はインテリオールやトップ下からピボーテに変化。そのぶんボールに絡む機会が増えてゲームメイカー、リンクマンとして質の高い仕事を見せつつ、前半戦だけで4ゴールを記録。キャリアハイの6ゴール更新は確実か。 MF ハフィーニャ(28歳/バルセロナ) 出場試合数:19(先発:18)/得点数:11 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 新生バルサの象徴の一人に。昨季終了時点では換金対象の一人と目されたが、フリック監督の信頼を得て開幕から絶対的な主力に加え、テア・シュテーゲンら不在のなかで多くの試合でゲームキャプテンも務めた。左ウイングを主戦場に11ゴール8アシストとゴール関与数では前半戦リーグトップに輝くなど、圧巻の輝きを放った。さらに、元々定評がある運動量を武器に、守備面でもハイプレスに献身的なプレスバックとチームのために身を粉にして働く姿は、多くのクレから称賛を浴びている。 FW ロベルト・レヴァンドフスキ(36歳/バルセロナ) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:16 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 恩師との再タッグで完全復活。加入2年目となった昨季は19ゴールを挙げるも、シーズンを通して安定感を欠いたが、今季はバイエルン時代に指導を受けたドイツ人指揮官の下で完全復活。ヤマル、ハフィーニャの両翼に加えて、配球力に優れるセンターバックコンビなどチーム全体でビルドアップ、チャンスメークの質が上がったなかで、よりボックス付近での仕事に集中できる環境が整えられて本領を発揮。ここまで16ゴールと2位以下に5点以上の差を付けてピチーチレースを独走。ケガさえなければ、1年目の23ゴールを更新し、自身初のピチーチ獲得は濃厚だ。 FW アントワーヌ・グリーズマン(33歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:19(先発:17)/得点数:7 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 前半戦のMVP。11ゴール3アシストを記録した昨季に比べて7ゴール4アシストと数字は劣るものの、前線と中盤で多くの役割をこなすなど、その数字以上のインパクトを残した。フランス代表引退によってコンディションも維持できており、セルロートやアルバレスとの連携も深まりつつある後半戦ではさらなる躍動で、アトレティコを優勝へ導けるか。 2025.01.18 18:31 Sat5
