【プレミアリーグ第15節プレビュー】ミッドウィーク開催は2つの強豪対決に注目
2023.12.05 19:00 Tue
ホーム13連勝中のアストン・ビラとシティが激突
先週末に行われた第14節はアーセナルとリバプールがしぶとく勝ち点3を積み上げた一方、マンチェスター・シティがトッテナム相手のドローで痛恨の取りこぼしに。また、ニューカッスルとチェルシーがそれぞれマンチェスター・ユナイテッド、ブライトンとの強豪対決を制している。
ミッドウィーク開催となる今節は、上位浮上へ勝ち点3必須のマンチェスター・ユナイテッドvsチェルシーの名門対決が最注目カードだ。
7位のユナイテッドは前節、ニューカッスルとの強豪対決で0-1というスコア以上の力の差を見せつけられ、EFLカップでの前回対戦に続く完敗を喫した。共に負傷者の多さや直前にチャンピオンズリーグ(CL)のアウェイゲームを戦った条件は同じだったものの、ホームサポーターの情熱的な後押しを受けたマグパイズに攻守両面で圧倒され、GKオナナの好守などで前半は耐えたものの、後半にFWゴードンに先制ゴールを奪われると、以降はさしたる見せ場を作れずに敗戦。リーグ戦での連勝が「3」でストップした。
DFショーやDFワン=ビサカ、FWホイルンドら一部主力の復帰に新星MFメイヌーの台頭によって一時に比べて選手層の問題は改善傾向にあるが、FWラッシュフォードらの覇気のないプレー、一部で報じられるテン・ハグ監督の求心力低下といったネガティブな部分も目に付きクラブとしてここが踏ん張りどころ。公式戦3試合ぶりのホームゲームに向けてポジティブな要素はあまり見当たらないが、MFブルーノ・フェルナンデスやDFマグワイアらリーダーグループの奮起を期待したい。
一方、10位のチェルシーは前々節に同じニューカッスルに1-4の惨敗を喫したなか、前節はブライトン相手に3-2の勝利。MFギャラガーの退場によって2試合連続で数的不利の戦いを強いられたが、いずれもセットプレーからMFエンソ・フェルナンデスとDFコルウィルにプレミアリーグ初ゴールが生まれ、後半終盤はチーム一丸となった守備で逃げ切った。そのタフな一戦から中2日で臨むアウェイゲームはタフな戦いが予想されるが、サスペンション明けのDFリース・ジェームズとDFククレジャのコンビ、新天地デビューが期待されるMFエンクンクらの復帰を追い風に連勝を飾りたい。
シティは前節、ホームで手負いのトッテナムと対戦。開始早々に先制点を許すも、MFフォーデンのゴールなどで前半の内に逆転に成功。ペースダウンした後半は同点に追いつかれるも、相手のミスを突いてMFグリーリッシュのゴールで勝ち越し。しかし、土壇場で同点に持ち込まれると、最終盤にグリーリッシュの決定的な裏抜けが不可解な主審の判定で阻止される不運もあって3-3のドロー。痛恨の3試合連続ドローによって3位に転落している。
リーグ4連覇に向けてこれ以上の足踏みは許されないが、今回の対戦相手はクラブ記録タイとなるプレミアリーグのホームゲーム13連勝中の4位アストン・ビラが相手となる。さらに、この試合では累積警告によるサスペンションで大黒柱のMFロドリと古巣対戦のグリーリッシュが不在となり、コンディションに問題を抱えるFWドクにも欠場の可能性がある。その厳しい状況のなかでエメリ率いる難敵に勝ち切れるか。
その王者の4試合連続取りこぼしを期待しつつ、勝ち点差を広げたい首位のアーセナルと、2位のリバプールはいずれも下位に沈む昇格組相手の勝ち点3必須の一戦に臨む。
アーセナルは前節、ウォルバーハンプトンに2-1で勝利。今季初のリーグ3連勝を飾った。FWサカとMFウーデゴールの連続ゴールによって前半序盤に2点のリードを得たが、攻めあぐねた後半に1点を返されると、最後は後ろの枚数を増やして専守防衛の展開に。ホームゲームということもあり課題を残したが、昨季から磨きをかける勝負強さを発揮した。
対戦相手のルートンは17位に低迷しているが、ホームゲームではリバプールと引き分け、トッテナムやユナイテッド相手にも善戦している侮れない相手。直近のブレントフォード、ウルブス戦同様に1点差勝負も想定される。ちなみにこの試合はサカにとって通算200試合出場のメモリアルゲームとなるため、公式戦3試合連続ゴールで偉業達成を祝いたい。なお、公式戦2試合連続アシストも、ウルブス戦で左ふくらはぎを痛めて負傷交代のDF冨安健洋の出場に関してはアルテタ監督が前日会見で五分五分の状況だと説明している。
一方、リバプールは最下位のシェフィールド・ユナイテッドとのアウェイゲームに臨む。アンフィールドでフルアムと対戦した前節は壮絶な撃ち合いとなった一戦を4-3で劇的勝利。守護神アリソンの負傷離脱やDFマティプの負傷交代といった影響もあり、決して得点力があるとは言えないフルアムに3ゴールを奪われたが、MFマク・アリスターとMF遠藤航の鮮烈なミドルシュートでの加入後初のリーグ戦ゴールに、DFアレクサンダー=アーノルドの2ゴールと見事な4ゴールを叩き込んでの、らしい勝利となった。今回の試合では守備面をしっかりと修正しつつ、不発に終わったアタッカー陣を含め格下相手にきっちり勝ち切りたい。
なお、対戦相手のブレイズは前節終了後にヘッキングボトム監督の解任が決断されたと報じられており、6日の試合では新指揮官か暫定指揮官の下での戦いになるかもしれない。
シティとのアウェイゲームで連敗を「3」でストップした5位のトッテナムは、トップ4圏内返り咲きを期して9位のウェストハムとのロンドン・ダービーで5試合ぶりの白星を目指す。多くの主力を欠いて臨んだシティ戦では2試合連続ゴールを決めたMFロ・チェルソのハイパフォーマンスや主力と控えのハイブリッド布陣での連携面の向上と多くのポジティブな要素が見受けられた。さらに、ディフェンスリーダーであるDFロメロが3試合のサスペンションから復帰する。ハマーズが非常にタフな相手であることに間違いないが、上位戦線踏みとどまりへ勝ち点3を掴みたい。
MF三笘薫を擁する8位のブライトンは、11位のブレントフォードを相手にバウンスバックの白星を目指す。一部ポジションでターンオーバーを図って臨んだチェルシー戦は前半終盤に得た数的優位を活かし切れず、連勝のチャンスを逃した。それでも、後半序盤に投入された三笘は再三の鋭い仕掛けで局面を打開するなど復帰戦となったAEKアテネ戦に比べて状態を上げており、先発復帰も期待されるビーズ戦では[5-3-2]の堅固な守備を特徴とする相手に攻撃の突破口となる仕事を期待したい。
その他ではチェルシー、ユナイテッドを連破して6位に順位を上げてきたニューカッスルがエバートン相手に今季2度目の3連勝を狙う一戦に注目。負傷明けのFWイサクの安定したパフォーマンスに17歳の新星MFマイリーの台頭で調子を上げるマグパイズだが、ユナイテッド戦では守護神ポープが肩の脱臼で長期離脱を余儀なくされる激震に見舞われた。その代役を担うドゥブラフカは経験豊富な選手ではあるが、今回のトフィーズ戦ではそのパフォーマンスに注目が集まるところだ。
◆プレミアリーグ第15節
▽12/5(火)
《28:30》
ウォルバーハンプトン vs バーンリー
《29:15》
ルートン・タウン vs アーセナル
▽12/6(水)
《28:30》
ブライトン vs ブレントフォード
フルアム vs ノッティンガム・フォレスト
シェフィールド・ユナイテッド vs リバプール
クリスタル・パレス vs ボーンマス
《29:15》
マンチェスター・ユナイテッド vs チェルシー
アストン・ビラ vs マンチェスター・シティ
▽12/7(木)
《28:30》
エバートン vs ニューカッスル
《29:15》
トッテナム vs ウェストハム
ミッドウィーク開催となる今節は、上位浮上へ勝ち点3必須のマンチェスター・ユナイテッドvsチェルシーの名門対決が最注目カードだ。
7位のユナイテッドは前節、ニューカッスルとの強豪対決で0-1というスコア以上の力の差を見せつけられ、EFLカップでの前回対戦に続く完敗を喫した。共に負傷者の多さや直前にチャンピオンズリーグ(CL)のアウェイゲームを戦った条件は同じだったものの、ホームサポーターの情熱的な後押しを受けたマグパイズに攻守両面で圧倒され、GKオナナの好守などで前半は耐えたものの、後半にFWゴードンに先制ゴールを奪われると、以降はさしたる見せ場を作れずに敗戦。リーグ戦での連勝が「3」でストップした。
一方、10位のチェルシーは前々節に同じニューカッスルに1-4の惨敗を喫したなか、前節はブライトン相手に3-2の勝利。MFギャラガーの退場によって2試合連続で数的不利の戦いを強いられたが、いずれもセットプレーからMFエンソ・フェルナンデスとDFコルウィルにプレミアリーグ初ゴールが生まれ、後半終盤はチーム一丸となった守備で逃げ切った。そのタフな一戦から中2日で臨むアウェイゲームはタフな戦いが予想されるが、サスペンション明けのDFリース・ジェームズとDFククレジャのコンビ、新天地デビューが期待されるMFエンクンクらの復帰を追い風に連勝を飾りたい。
その名門対決と同時刻開催となるアストン・ビラvsマンチェスター・シティも上位争いを左右する重要な一戦だ。
シティは前節、ホームで手負いのトッテナムと対戦。開始早々に先制点を許すも、MFフォーデンのゴールなどで前半の内に逆転に成功。ペースダウンした後半は同点に追いつかれるも、相手のミスを突いてMFグリーリッシュのゴールで勝ち越し。しかし、土壇場で同点に持ち込まれると、最終盤にグリーリッシュの決定的な裏抜けが不可解な主審の判定で阻止される不運もあって3-3のドロー。痛恨の3試合連続ドローによって3位に転落している。
リーグ4連覇に向けてこれ以上の足踏みは許されないが、今回の対戦相手はクラブ記録タイとなるプレミアリーグのホームゲーム13連勝中の4位アストン・ビラが相手となる。さらに、この試合では累積警告によるサスペンションで大黒柱のMFロドリと古巣対戦のグリーリッシュが不在となり、コンディションに問題を抱えるFWドクにも欠場の可能性がある。その厳しい状況のなかでエメリ率いる難敵に勝ち切れるか。
その王者の4試合連続取りこぼしを期待しつつ、勝ち点差を広げたい首位のアーセナルと、2位のリバプールはいずれも下位に沈む昇格組相手の勝ち点3必須の一戦に臨む。
アーセナルは前節、ウォルバーハンプトンに2-1で勝利。今季初のリーグ3連勝を飾った。FWサカとMFウーデゴールの連続ゴールによって前半序盤に2点のリードを得たが、攻めあぐねた後半に1点を返されると、最後は後ろの枚数を増やして専守防衛の展開に。ホームゲームということもあり課題を残したが、昨季から磨きをかける勝負強さを発揮した。
対戦相手のルートンは17位に低迷しているが、ホームゲームではリバプールと引き分け、トッテナムやユナイテッド相手にも善戦している侮れない相手。直近のブレントフォード、ウルブス戦同様に1点差勝負も想定される。ちなみにこの試合はサカにとって通算200試合出場のメモリアルゲームとなるため、公式戦3試合連続ゴールで偉業達成を祝いたい。なお、公式戦2試合連続アシストも、ウルブス戦で左ふくらはぎを痛めて負傷交代のDF冨安健洋の出場に関してはアルテタ監督が前日会見で五分五分の状況だと説明している。
一方、リバプールは最下位のシェフィールド・ユナイテッドとのアウェイゲームに臨む。アンフィールドでフルアムと対戦した前節は壮絶な撃ち合いとなった一戦を4-3で劇的勝利。守護神アリソンの負傷離脱やDFマティプの負傷交代といった影響もあり、決して得点力があるとは言えないフルアムに3ゴールを奪われたが、MFマク・アリスターとMF遠藤航の鮮烈なミドルシュートでの加入後初のリーグ戦ゴールに、DFアレクサンダー=アーノルドの2ゴールと見事な4ゴールを叩き込んでの、らしい勝利となった。今回の試合では守備面をしっかりと修正しつつ、不発に終わったアタッカー陣を含め格下相手にきっちり勝ち切りたい。
なお、対戦相手のブレイズは前節終了後にヘッキングボトム監督の解任が決断されたと報じられており、6日の試合では新指揮官か暫定指揮官の下での戦いになるかもしれない。
シティとのアウェイゲームで連敗を「3」でストップした5位のトッテナムは、トップ4圏内返り咲きを期して9位のウェストハムとのロンドン・ダービーで5試合ぶりの白星を目指す。多くの主力を欠いて臨んだシティ戦では2試合連続ゴールを決めたMFロ・チェルソのハイパフォーマンスや主力と控えのハイブリッド布陣での連携面の向上と多くのポジティブな要素が見受けられた。さらに、ディフェンスリーダーであるDFロメロが3試合のサスペンションから復帰する。ハマーズが非常にタフな相手であることに間違いないが、上位戦線踏みとどまりへ勝ち点3を掴みたい。
MF三笘薫を擁する8位のブライトンは、11位のブレントフォードを相手にバウンスバックの白星を目指す。一部ポジションでターンオーバーを図って臨んだチェルシー戦は前半終盤に得た数的優位を活かし切れず、連勝のチャンスを逃した。それでも、後半序盤に投入された三笘は再三の鋭い仕掛けで局面を打開するなど復帰戦となったAEKアテネ戦に比べて状態を上げており、先発復帰も期待されるビーズ戦では[5-3-2]の堅固な守備を特徴とする相手に攻撃の突破口となる仕事を期待したい。
その他ではチェルシー、ユナイテッドを連破して6位に順位を上げてきたニューカッスルがエバートン相手に今季2度目の3連勝を狙う一戦に注目。負傷明けのFWイサクの安定したパフォーマンスに17歳の新星MFマイリーの台頭で調子を上げるマグパイズだが、ユナイテッド戦では守護神ポープが肩の脱臼で長期離脱を余儀なくされる激震に見舞われた。その代役を担うドゥブラフカは経験豊富な選手ではあるが、今回のトフィーズ戦ではそのパフォーマンスに注目が集まるところだ。
◆プレミアリーグ第15節
▽12/5(火)
《28:30》
ウォルバーハンプトン vs バーンリー
《29:15》
ルートン・タウン vs アーセナル
▽12/6(水)
《28:30》
ブライトン vs ブレントフォード
フルアム vs ノッティンガム・フォレスト
シェフィールド・ユナイテッド vs リバプール
クリスタル・パレス vs ボーンマス
《29:15》
マンチェスター・ユナイテッド vs チェルシー
アストン・ビラ vs マンチェスター・シティ
▽12/7(木)
《28:30》
エバートン vs ニューカッスル
《29:15》
トッテナム vs ウェストハム
マンチェスター・ユナイテッドの関連記事
プレミアリーグの関連記事
|
マンチェスター・ユナイテッドの人気記事ランキング
1
“ジャンピングチョップ事件”いまだ和解なし、ファン・ニステルローイが宿敵との騒動を振り返る
▽現役時代にマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元オランダ代表FWルート・ファン・ニステルローイ氏が、宿敵との騒動を振り返った。イギリス『インデペンデント』が伝えた。 ▽事件は約13年前のオールド・トラフォード、マンチェスター・ユナイテッドvsアーセナルで起こった。当時のプレミアリーグは、ユナイテッドとアーセナルの2強時代。MFロイ・キーン、MFパトリック・ヴィエラという闘将に率いられていた両者の直接対決は、常に意地と意地がぶつかり合う激闘だった。 ▽そして試合では、0-0で迎えたアディショナルタイムにFWディエゴ・フォルランがボックス内でDFマーティン・キーオンに倒されてPKを獲得。しかし、このPKキッカーを務めた名手ファン・ニステルローイは、シュートをバーに当ててしまった。 ▽そして、試合は0-0のまま終了。宿敵の絶対的エースがPKを失敗したことにより勝ち点を獲得してテンションが上がったアーセナルの選手たちは、試合終了の笛とともにファン・ニステルローイを囲んで挑発。試合中も激しくやりあっていたキーオンは、ファン・ニステルローイに“ジャンピングチョップ”を敢行した。 ▽オックスフォード大学での講義にゲストとして参加したファン・ニステルローイ氏は、「キーオンに街でたまたま会ったら、どのように振舞うのか?」と尋ねられると、冗談交じりに「彼は再び私の上に飛んでくるだろう(笑)。時代を生きていくには、クレバーじゃないといけないと思ったよ」と語り、会場の笑いを誘った。 ▽一方、この事件があった2003-04シーズンにプレミアリーグ無敗優勝を経験したキーオン氏は先月、当時について以下のように振り返っていた。 「おそらく、私は過剰な反応を見せてしまった。ルート・ファン・ニステルローイは、ブラックリスト入りする信用できない敵だった。彼はトッププレーヤーであり、ファイターだったが、どんな手を使ってでも相手を打ちのめそうとするような選手だった」 2016.02.08 20:42 Mon2
元ユナイテッドSDがFAに復帰…新設のチーフ・フットボール・オフィサーに就任
元マンチェスター・ユナイテッドのスポーツディレクター(SD)、ダン・アシュワース氏が、イングランドサッカー協会(FA)に復帰することになった。 FAは14日、アシュワース氏が新設のチーフ・フットボール・オフィサーに就任すると発表。同職ではイングランド代表の男女チームと緊密に連携していくことになるという。 昨年12月にユナイテッドのSDをわずか5カ月で退任したアシュワース氏。それ以前にはブライトン&ホーヴ・アルビオン、ニューカッスルで手腕を発揮しており、国内外のクラブからのオファーも想定されていたが、2018年まで6年間に渡って勤務していたFAに復帰することになった。 アシュワース氏は、セント・ジョージズ・パークの再開発を監督し、2028年に開催されるユーロ2028の共催に向け、競技施設とピッチの改善を目指す。 さらに、この新役職は、男子フットボールのテクニカルディレクターであるジョン・マクダーモット氏と緊密に連携するとともに、FAの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ブリンガム氏とも連携する。 また、イングランド国内の地元出身のコーチの育成にも携わる予定だという。 2025.05.15 16:30 Thu3
今季は5名が新加入、イングランドでプレーする日本人女子選手の増加傾向に英紙が注目「今後も続く可能性が高い」
現在は9人、イングランドでプレーする日本人女子選手の増加傾向を英紙が注目「今後も続く可能性が高い」 イングランドのFA女子スーパーリーグ(FAWSL)には、現在9人の日本人選手が所属。アジア人プレーヤーが増加傾向にある理由を、イギリス『BBC』が探った。 マンチェスター・シティのMF長谷川唯を筆頭に、ウェストハムにはDF清水梨紗とMF林穂之香に加え、今季からはFW植木理子も在籍。リバプールではMF長野風花が主軸を担っている。 オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)得点王の実績が評価され、マンチェスター・ユナイテッドにはMF宮澤ひなたが加入。チェルシーにはローンバックでFW浜野まいかが復帰し、今冬にはレスター・シティへ宝田沙織と籾木結花が籍を移した。 なでしこジャパンが2011年ドイツ女子W杯で優勝、2012年にロンドン・オリンピックで銀メダルを獲得した直後にも、2013年にチェルシーへ永里優季(現:ヒューストン・ダッシュ/アメリカ)が、2014年にアーセナルへ大野忍(スペランツァ大阪監督)や近賀ゆかり(サンフレッチェ広島レジーナ)が加入と、イングランドでのプレーを選択する日本人が続いたが、現在は当時とは異なる風向きで、勢いも加速している。 WSLで頭角を現した最初のアジア人選手と言えば、チェルシーで6度のリーグ優勝を達成した韓国女子代表MFチ・ソヨン(2014-2022年5月)をおいて他にないが、『BBC』では、続く存在として長谷川を挙げ、増加傾向にある日本人選手を特集。スカウティングへの投資、テレビによる世界的な女子サッカー中継の増加、移籍市場での競争の激化など、いくつかの要因を挙げた。 「映像が得られるという点で、スカウティングリソースは劇的に増加した。我々には2人の素晴らしいアナリストもいて、間違いのない選手を特定するのに役立っている」と、宝田と籾木を獲得したレスターのウィリー・カーク監督の言葉を引用。ウェストハムのレハネ・スキナー監督は、国際大会を通じて植木の才能を買っていたと話す。 また、イングランド内における女子サッカーの地位が高まったことによる、待遇の変化にも注目。給与の向上や移籍市場の変化により、WSLが選手にとってより魅力的なものになったと伝えている。 各チームの監督ともに、日本人選手の良さに「規律や戦術理解度、技術の高さ」などを挙げる。『BBC』は「これらの要因により、アジア系の才能ある人材がイギリスに流入することになり、最近到着した選手たちの成功を考えると、この傾向は今後も続く可能性が高い」と結んでいるが、まさしくその通りになるだろう。 最後に、各指揮官によるコメントを掲載。日本人選手、特に自チーム所属の選手を大いに評価している点がユニークだ。 「(WSLでプレーする)日本人選手はどんどん増えてくるだろうし、その理由も分かるだろう。非常に規律があり、聞く耳を持っている。強度も高く、ゲームの理解度もとても高い。もちろん、個々の能力は異なる。(長谷川)唯は非常に知的でゲームの読み方は誰にも負けないだろうし、信じられないほどの才能があると思う」(マンチェスター・シティ/ガレス・テイラー監督) 「風花は試合を読む力が高く、本当に素晴らしいサッカー選手だ。彼女たちは戦術面において非常にクレバーで、技術的にもとても優れている。後方から組み立てるチームの多いWSLの現状において、"日本ブランド"は我々にとって助けになる」(リバプール/マット・ビアード監督) 「日本人選手が増えた理由は明白です。戦術的に聡明で、技術的にも才能のある選手を望まない人はいないでしょう?彼女たちは私たちのチームに大きな価値をもたらしてくれました」(ウェストハム/レハネ・スキナー監督) 「必ずしもアジアの選手を探していたわけではなく、トップクラスのナンバー6を探していたら宝田を見つけたんだ。半年ほど注視して、夏に獲得しようとしたが、リンシェーピングとの合意に至らなかったから、(それなら満了後にと)事前契約を行った。チャンピオンズリーグのアーセナル戦は素晴らしかった」 「宝田選手をさらに見ていたら、籾木の良さにも気付いて、これは良い機会だと思ったんだ。2人とも素晴らしい才能のある選手だよ」(レスター・シティ/ウィリー・カーク監督) 2024.02.12 21:57 Mon4
ユナイテッドを「史上最悪のチームかも」と評したアモリム監督…発言には疑問の声も「評論家のようだ」「誰もが弱いと知ってはいるが…」
元イングランド代表DFのジェイミー・キャラガー氏が、マンチェスター・ユナイテッドのルベン・アモリム監督が発したコメントを批判した。 今シーズン、中々不振から抜け出せずにいるユナイテッド。開幕から思うような結果を残せずにいると、3シーズン目を迎えていたエリク・テン・ハグ監督を昨年10月に解任した。 その後、クラブはスポルティングCPで辣腕を振るっていたアモリム監督を招へい。しかし、状況は厳しいままであり、先週末に行われたプレミアリーグ第22節ではブライトン&ホーヴ・アルビオン相手に1-3の完敗。順位は13位に低迷しており、浮上のきっかけを掴めずにいる。 そのブライトン戦後、失望を露わにしたアモリム監督は「プレミアリーグ10試合で2勝。我々はマンチェスター・ユナイテッド史上最悪のチームかもしれない。(メディアが)見出しを欲しがっているのは知っているが、(最悪のチームと)認めて変える必要があるからこそ言うんだ。さあ、見出しをつけてくれ」とコメント。これが物議を醸すこととなった。 イギリス『スカイ・スポーツ』でキャラガー氏は、アモリム監督の発言を批判。確かに現在のユナイテッドは弱いとしつつ、他ならぬ指揮官が公の場でそれを認めるメリットはないと断じている。 「私はギャリー・ネビルほどマンチェスター・ユナイテッドの歴史に詳しいわけではないが、監督の発言としては最も奇妙で馬鹿げたものの一つだと言わざるを得ないだろう」 「なぜあんなコメントをしたのか…あれは私のような評論家の立場でするようなコメントだ。監督はそれに対して、擁護するべき立場だろう。彼があのコメントによって何を得るのか、どんな利益があるのかがわからない」 「我々は誰もが、マンチェスター・ユナイテッドは弱いチームだと知っている。彼らはホームでブライトンにまたも敗北した。厳しいシーズンであることも、弱いチームであることもわかっている。彼は気を緩めてしまったのだろう。そしてこのコメントは、残りのシーズン中ずっと彼の頭から離れないはずだ」 「彼は記者たちに『見出しをあげるよ』と言った。監督として、なぜそんなことをしたいのかが私にはわからない。チームが今後自信をつけるのには役立たないだろう」 「私が言いたいのは、監督は今からシーズン終了までロッカールームに入って、どこが相手でも勝つ自信を選手に与えられるよう鼓舞できるのかということだ。監督は、自分たちが史上最悪のチームの一つだと言ったのだからね。彼がそれで何を得られるのか、私にはまったくわからない」 2025.01.21 17:20 Tue5