「何もかも違う」三浦知良、56歳で挑戦したポルトガルで感じた日本サッカーとの大きな違い「ゴールに向かうのは大事」

2023.05.30 22:45 Tue
©超ワールドサッカー
30日、ポルトガル2部のオリヴェイレンセでプレーしていた“キングカズ”ことFW三浦知良が帰国。空港での取材で、海外挑戦で改めて感じたこと、そして今後について語った。

55歳にして、イタリア、クロアチアに続くヨーロッパサッカーに挑戦した三浦。横浜FCからのレンタル移籍での挑戦となった中、リーグ戦3試合に出場したもののゴールは生まれなかった。

56歳の誕生日を迎えた後に試合にも出場し、ポルトガルでの歴代最年長出場記録も樹立。厳しいものにはなったが、更なる挑戦への後押しにもなったようだ。
1999年夏のディナモ・ザグレブ以来のヨーロッパでのプレーとなった三浦。現地の雰囲気については「何もかも違います」とコメント。「サポーターの雰囲気も違いますし、選手の持っているサッカーに対する情熱というか、そういったものがポルトガルはサッカー文化が根付いていて、みんながサッカー中心の人たちなので、エネルギーを感じました」とコメント。文化としてサッカーが確立している環境は刺激があったようだ。

3試合の出場に終わった結果については「自分自身毎日精一杯やっていたので、今の僕の実力ではこんなもんかなと思います」と受け止め。「決して満足はしていませんが、全力でやった結果なので、それは受け止めて次に生かしていきたいです」と、意欲を見せた。
また「当然プロの世界なので結果が全てです」と語ると、「出場時間やゴール数、アシスト数はポルトガルではみんな求められてその争いなので、結果は次に生かしたいと思います」と、選手たるもの結果が全てということを改めて感じたようだ。

レンタル期間が満了を迎え、このまま横浜FCに一度戻ることになる三浦。オファーに関しては「これから聞くことになると思います」とし、来月から自主トレを始めるため、次のシーズンへ準備を早くもしたいと意気込んでいる。

行き先については「全て僕自身が行きたくても行けない場合もありますし、オリヴェイレンセで継続という形も、選手として短い時間で移籍するより、慣れてきたところで継続するというのも1つの選択です」とコメント。「去年も鈴鹿からという感じで、継続は大事だなと思います。良いコンディション、良いものが作れてくるので、継続もあるかなと思います」と、再びポルトガルに行く可能性も示唆。ただ、「それは相手があることなので、相手がノーと言えばなしになる。クラブと監督の意見もありますし。しっかり練習して、準備して、どこでも行けるようにしておきたいと思います」と、良い話を待ちながら、自身はコンディション維持に努めるとした。

まだまだ現役でプレーが見たい三浦だが、56歳という年齢は簡単ではない。移籍先の環境についても、「今まであまり人工芝だからとか、クラブハウスがあまり良い環境でないとか、つい最近まで自分の経験とやる気次第で乗り越えられると思っていましたが、年齢を考えると環境は整っていた方が良いんだなということは今回感じました」と語り、やはり環境が整っているクラブに行ったほうがコンディションは調整できると感じたようだ。

ただ「自分が選べるような、行きたいところ、環境の良いところに行けるわけではないので、どうやって折り合いをつけるかというのは選択の中で難しいところです」と語り、「下のリーグになってしまうと、ポルトガルでも環境が悪くなっていくので、どういうふうにやっていけばいいかなというのを考えていきます」と、移籍先には慎重に選ぶ姿勢を見せた。

56歳での新たな挑戦。厳しさを感じたことも含め得たものは大きいという。

「毎日向こうの選手とやって、ポルトガル2部は激しいし、体もものすごく大きいし、練習からバチバチやります。みんな僕をリスペクトして、選手として一緒に戦ってくれましたし、ガチガチ来てくれましたし、練習でゲームが始まれば遠慮なくきていました」

「フランス人、ブラジル人、アフリカ人、ポルトガル人も当然仲間にいて、そういう人たちとまた新たに友情関係というのか、そういったものを作れたことも財産となりましたし、僕は5カ月間で短いですが、遠征して一緒にご飯を食べて勝利のために戦ったことが一番大きいかなと思います」

また、日本サッカーの課題も改めて感じたとコメント。ゴールに向かう姿勢は全く違うと語った。

「あとは日本のサッカーといつも比較しながら、どう成長しているかというのがありましたが、海外の選手は個が強い、特にゴールに向かう力がとにかく凄いということが良くわかりました」

「シュートで終われば、シュートがどこに飛んでいくかは関係ない感じでした。シュートで終わればサポーターも拍手しますし、強引にいって取られても拍手されます」

「ポルトガルの攻撃の特徴もあるんですが、そういう意味では自分が若い時に点を取っていた時を考えると、ゴールに向かうのは大事だなと」

「日本のサッカーはよくボールを回しすぎとか、綺麗に崩すまでとかありますが、“綺麗に崩すよりも”という感じを毎日感じました」

「ミニゲームで5vs5、6vs6、7vs7とかダブルボックスでやりますが、点が凄く入るんです。僕にも凄くチャンスが来て、そこでゴールは取れるんです。みんなゴールに向かうから溢れて来るんです」

「日本ではみんなで守備してみんなで攻撃してという感じで、あまりゴールが入らないこともありますが、そこから打つのかというところから打っちゃうし。僕でも結構チャンスは来ます」

「ゴールしても凄く評価してくれます。こぼれ球でも何でも。ただ、どんな時でもゴールに入れないとダメです。常にゴールしろと言われて、どんな形でもゴールに入れるという意識は強かったです」

明らかにゴールを奪うことへの意識が違ったと語る三浦。シュートへの意識は変わったようで、「強引でもいいから打たないといけないなと」と語り、「監督もOK、OKと言ってくれて、ボックスの外から、中に人がいても打っちゃう」と、状況に関係なくシュートが最初の選択肢だと語った。

ただ、最終戦ではそれとは真逆の事態が発生。「最後の試合で俺に出せば入るというシーンがあったんですが、そこで出さなかった選手はみんなに出せよと言われてました」と意外なエピソードを明かし、「ミウラに出せとその時だけは言われてました笑」と、ゴールをお膳立てしろとチームメイトに怒られた選手が居たことを明かした。

果たしてこの先はどこでプレーするのか。新シーズンもポルトガルに渡るのか、日本でプレーを続けるのか。冗談だと言っていた“60歳”までピッチに立つ姿を見たいものだ。

三浦知良の関連記事

Jリーグは14日、「2025“Jリーグの日”特別企画発表会」を開催。5月15日の「Jリーグの日」を記念した特別企画として「Jリーグチップス(選手カード付)」のオマージュ版を特別に復刻させることを発表した。 「Jリーグチップス(選手カード付)」のオマージュ版は、5月17日(土)、18日(日)に行われる試合を対象とし 2025.05.14 16:45 Wed
Jリーグは14日、5月15日の「Jリーグの日」を記念し、開幕当時に多くのファンに親しまれた「Jリーグチップス」を特別に復刻することを発表した。 1993年の開幕とともに人気を博した「Jリーグチップス(選手カード付)」が、32周年を迎えるJリーグに帰ってくることに。復刻版では、J1、J2、J3の全60クラブから各3 2025.05.14 15:55 Wed
2025シーズンのJリーグに向けた最新の移籍情報を網羅。選手・監督の退団や引退、移籍をクラブごとにまとめてチェック。 J1、J2、J3の全部60クラブの移籍情報をまとめています。 ※最終更新日:2025年3月3日 [ J2移籍情報 | J3移籍情報 ] ◼︎明治安田J1移籍情報 ※カッコ内は発 2025.03.03 21:00 Mon
リーガ・ポルトガル2(ポルトガル2部)のオリヴェイレンセは6日、横浜FCを退団したMF三田啓貴(34)が完全移籍で加入することを発表した。 左足のキックが売りの三田はFC東京の下部組織育ち。U-18から明治大学に進み、FC東京に加入。その後、ベガルタ仙台、ヴィッセル神戸を渡り歩き、2023年から横浜FCでプレーし 2025.02.06 23:55 Thu
横浜FCは11日、JFLのアトレチコ鈴鹿クラブへ期限付き移籍していたFW三浦知良(57)の移籍期間延長を発表した。契約期間は2026年1月31日までとなる。 三浦はブラジルの名門・サントスでプロキャリアをスタート。その後日本へ戻り、ヴェルディ川崎(現:東京ヴェルディ)、ジェノア(イタリア)、ディナモ・ザグレブ(ク 2025.01.11 11:55 Sat

オリヴェイレンセの関連記事

リーガ・ポルトガル2(ポルトガル2部)のオリヴェイレンセは6日、横浜FCを退団したMF三田啓貴(34)が完全移籍で加入することを発表した。 左足のキックが売りの三田はFC東京の下部組織育ち。U-18から明治大学に進み、FC東京に加入。その後、ベガルタ仙台、ヴィッセル神戸を渡り歩き、2023年から横浜FCでプレーし 2025.02.06 23:55 Thu
いわてグルージャ盛岡は1日、FW上笹貫剣(25)がポルトガル2部のオリヴェイレンセへ完全移籍すると発表した。 上笹貫は東京都出身ながら学生時代をアメリカで過ごし、パシフィック大学から2022年に岩手加入。3年目となる2024シーズンは、明治安田J3リーグで6試合、YBCルヴァンカップで1試合、天皇杯で2試合プレー 2025.01.01 14:37 Wed
横浜FCは8日、ユースに所属するMF高橋友矢(17)がUDオリヴェイレンセに期限付き移籍することを発表した。 高橋はジュニアユース時代から横浜FCに所属。8月1日にプロ契約を締結することが発表されていた。 高橋は8月21日に18歳の誕生日を迎えるため、国際移籍が可能に。その日を待っての期限付き移籍となる。 2024.08.08 19:10 Thu
横浜FCは8日、ガイナーレ鳥取へ育成型期限付き移籍していたFW宮田和純(23)が、ポルトガルのUDオリヴェイレンセへ期限付き移籍すると発表した。 宮田は流通経済大学から今シーズン横浜FCに入団。YBCルヴァンカップ1試合に出場するも中々出場機会を得られなかったこともあり、今年5月に鳥取への育成型期限付き移籍が発表 2024.08.08 17:40 Thu
横浜FCは30日、MF永田滉太朗(19)のオリヴェイレンセへの期限付き移籍期間延長を発表した。永田は2024-25シーズンもポルトガル2部クラブでプレーすることになる。 永田は神奈川県出身で、158cmとかなり小柄な選手。川崎フロンターレのU-12から横浜FCのジュニアユースへと加入し、ユースに昇格していた。その 2024.06.30 18:51 Sun

リーガ・ポルトガル2の関連記事

東京ヴェルディは31日、ポルティモネンセからFW川﨑修平(23)を期限付き移籍で獲得したことを発表した。移籍期間は2025年12月31日までとなる。 川﨑は大阪府出身で、ガンバ大阪の下部組織育ち。2020年にトップチームに昇格すると、J1で18試合に出場。2021年夏にポルティモネンセに完全移籍した。 ポル 2025.03.31 18:17 Mon
リーガ・ポルトガル2(ポルトガル2部)のオリヴェイレンセは6日、横浜FCを退団したMF三田啓貴(34)が完全移籍で加入することを発表した。 左足のキックが売りの三田はFC東京の下部組織育ち。U-18から明治大学に進み、FC東京に加入。その後、ベガルタ仙台、ヴィッセル神戸を渡り歩き、2023年から横浜FCでプレーし 2025.02.06 23:55 Thu
V・ファーレン長崎は5日、DFモヨマルコム強志(23)がリーガ・ポルトガル2(ポルトガル2部)のポルティモネンセへ期限付き移籍することを発表した。 モヨマルコム強志は大阪府出身で、ガンバ大阪のジュニアユースから東福岡高校へと進学。法政大学を経て、2024年に長崎に加入した。 プロ1年目の2024シーズンは、 2025.02.06 09:00 Thu
リーガ・ポルトガル2(ポルトガル2部)のポルティモネンセが、新たな日本人を獲得することになったようだ。 ポルトガル・プロサッカーリーグ(LPFP)は3日、冬の移籍市場最終日を迎えることに。期限である18時までに44件の登録の申請を受けたという。 ポルトガル『O Jogo』によると、ポルティモネンセは2人を申 2025.02.04 12:03 Tue
元日本代表GK中村航輔(29)がポルティモネンセを退団し、日本に帰還する予定という。 これを報じたのはポルトガル『レコルド』で、こう綴る。 「2部リーグで12位のポルティモネンセは中村と2026年まで残る契約を友好的に解消する形で合意した。この日本代表選手は母国に帰国する見通しだ」 中村は2021年冬 2025.01.27 17:19 Mon

三浦知良の人気記事ランキング

1

実はGKもいる!背番号「11」のベストイレブンはこれだ!!

11月11日は「ポッキー&プリッツの日」として有名だが、サッカーが11人同士で戦うことから、「サッカーの日」としても知られている。 今回は、「サッカーの日」に合わせて、2020-21シーズンに背番号「11」を着用している選手たちでベストイレブンを組んでみた。 背番号「11」はもともと左ウイングのポジションに与えられていた番号で、現代サッカーにおいても攻撃的な選手が着用していることが多い。横浜FCの元日本代表FW三浦知良も「11」を長年着用している。 <div id="cws_ad">◆今から31年前、コリチーバ時代の三浦知良のプレー集<br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiJ6dmY0SERPaSIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> そんな「11」番だが、実はGKにもわずかながら着用している選手がいる。ウォルバーハンプトンに所属するポルトガル代表GKルイ・パトリシオがその1人だ。 2018年夏にスポルティング・リスボンから加入して以来、ウルブスの守護神に君臨するパトリシオだが、2017-18シーズン終了後に、白血病により31歳で引退した元ナイジェリア代表GKカール・イケメに敬意を払い、クラブは彼の背番号だった「1」を欠番に。それ以降パトリシオは「11」番を着用し続けている。 また、一時は攻撃的なサイドバックが「11」番を着用することも流行。インテルのセルビア代表DFアレクサンダル・コラロフも歴代のクラブで愛用している。 さすがに「11」番を着用しているセンターバックは少なかったため、ローマでセンターバックを務めたこともあったコラロフと、ホッフェンハイムのオーストリア代表MFフロリアン・グリリッチュの2人をセンターバックとして選出した。 また、両サイドにはマンチェスター・シティで左サイドバックとしてプレーするウクライナ代表DFオレクサンドル・ジンチェンコと、本来は2列目の選手だが、ユーティリティ性のあるサウサンプトンのイングランド代表MFネイサン・レドモンドを並べてみた。 また、中盤には躍進アタランタの主軸であるスイス代表MFレモ・フロイラーとパリ・サンジェルマンのアルゼンチン代表FWアンヘル・ディ・マリアに加え、ドルトムントのドイツ代表MFマルコ・ロイスというファンタスティックな陣容を揃えた。 ディ・マリアも本来はウイングであるが、「11」番のウイングは激戦区だ。バルセロナのフランス代表FWウスマーヌ・デンベレ、レアル・マドリーのスペイン代表FWマルコ・アセンシオ、クリスタル・パレスのコートジボワール代表FWウィルフリード・ザハなど、錚々たるウインガーが名を連ねる。 その中でも、プレミアリーグで得点を重ねるリバプールのエジプト代表FWモハメド・サラーとチェルシーのドイツ代表FWティモ・ヴェルナーをウイングの位置で選んだ。 そして、最前線には今季から背番号を「11」に変更したミランのスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチを選出。以前ミランに所属していた2010年夏から2012年夏にかけても11番を着用していたイブラヒモビッチは、今シーズンのセリエAで5試合8ゴールを記録し、目下得点王争いのトップに君臨中だ。 今回名前が挙がらなかった中にも、バイエルンのブラジル代表FWドグラス・コスタやビジャレアルのナイジェリア代表FWサムエル・チュクウェゼ、マンチェスター・ユナイテッドのイングランド代表FWメイソン・グリーンウッドといった選手も背番号「11」を着用している。 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/fom11_pc.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;"><hr></div> ◆背番号「11」の選手で組むベストイレブン[4-3-3] GK ルイ・パトリシオ DF オレクサンドル・ジンチェンコ アレクサンダル・コラロフ フロリアン・グリリッチュ ネイサン・レドモンド MF レモ・フロイラー アンヘル・ディ・マリア マルコ・ロイス FW ティモ・ヴェルナー ズラタン・イブラヒモビッチ モハメド・サラー 2020.11.11 12:46 Wed
2

長友佑都が目指すべき存在、衰え見せなかった“鉄人”ハビエル・サネッティ

長年トップレベルで変わりないパフォーマンスを披露し続けることが困難なサッカー界。しかし、中には次々と出てくる若き才能に負けず、そのポジションを守り続ける男もいる。 Jリーグでは、先日53歳でJ1出場を果たした三浦知良(横浜FC)という偉大なレジェンドがいる一方で、出場機会を求めてJ1の舞台からJ2へと40歳で移った遠藤保仁(ジュビロ磐田)もいる。 日本代表に目を向ければ、2010年の南アフリカ・ワールドカップから2014年のブラジル大会、2018年のロシア大会と3大会連続でレギュラーとしてプレーし、今なお日本代表に呼ばれているDF長友佑都(マルセイユ)が居る。後輩たちの突き上げにも負けない意欲を見せており、34歳にして新たなリーグに挑戦する。 その長友が尊敬してやまない男も、また長年ポジションを守り続けてきた。元アルゼンチン代表DFハビエル・サネッティだ。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">◆ネッラズーリの永遠の背番号「4」 </div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/Zanetti5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 1995年に母国アルゼンチンのバンフィエルドからインテルに加入したサネッティは、2014年に現役を引退するまでの約20年間を「ネラッズーリ(青と黒)」に捧げ、クラブ歴代最多の公式戦出場858試合の記録を保持している。 1999年からはキャプテンを務めると、強烈なキャプテンシーでチームをまとめ上げ、インテルでは5回のセリエA制覇、4度のコッパ・イタリア優勝を経験。2009-10シーズンにはチャンピンズリーグ優勝も成し遂げ3冠を達成するなど、多くの功績を残してきた。 その功績はサポーターからも認められ、本拠地サン・シーロでのラストゲームでは、背番号「4」の下に「EVER」の文字をあしらった「サネッティは4ever(フォーエバー、永遠)」という意味の特製のユニフォームが用意。背番号「4」はインテルの永久欠番に指定された。 <div id="cws_ad">◆入団、三冠、引退試合…サネッティとインテルが歩んだ道<br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiJZMjJvcWNhTSIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div><div style="text-align:center;" id="cws_ad"><hr><a href="https://web.ultra-soccer.jp/link.php?url=https://ryan.onelink.me/C7cD/1fb76a70&c=sega_20201031_1">バティストゥータ、サネッティ、ベロンが<br />「サカつくRTW」に登場!</a><hr></div><div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">◆長友とサイドバックコンビを形成 </div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/Zanetti4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> サネッティは、2014年に現役を引退するまでの3年間、長友ともチームメイトとしてプレーしている。右サイドのサネッティ、左サイドの長友と、インテルの両サイドバックをこの2人が担う時期もあった。 長友がセリエA初ゴールを決めた際には、サネッティとともに披露した「お辞儀」パフォーマンスがイタリアでも大きな話題となり、その後のインテル内で流行するほど。サネッティには長友の誠実さが伝わり、良い関係を築いていた。 長友自身もサネッティについて最も尊敬している選手だと明かしており、「サネッティのように30代後半まで活躍できる選手になりたい」と語っている。 実際、サネッティは現役最後のシーズンとなった2013-14シーズンも39歳ながら、公式戦48試合に出場するフル稼働。さらにそのほとんどすべてが先発での出場であり、衰えをみせることなくスパイクを脱いでいた。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">◆重宝されるスキルとユーティリティ性 </div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/Zanetti3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> サネッティがキャリアを長く続けられた理由の一つに、そのユーティリティ性が挙げられる。左右のサイドバックはもちろん、センターバックやボランチに加えサイドのアタッカーも務めることができた。上下動を繰り返す豊富な運動量に加え、馬力と闘志に溢れるディフェンス、アタッカー顔負けのドリブルで攻守問わずに活躍ができる選手だった。 その一流の能力に加え、チームをまとめる強烈なキャプテンシー、長年のキャリアにおいて大きなケガをしていないタフさ、さらにはプロキャリアを通して退場はわずか1回というフェアプレー精神までも併せ持っており、監督としては是が非でもチームに置いておきたい存在だったと言える。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">◆ベテランとして生きる道 </div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/Zanetti2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> サネッティ然り、経験豊富なベテランというだけでは重宝はされない。当然ながら戦力として結果を残せることが、現役選手として生き残る道だ。 ケガなくプレーすることはもちろん、フィジカルレベルを保つこと、そしてチームに経験と安定感をもたらせることは何よりも必要なこと。ミランに復帰してから再びその才能を遺憾なく発揮しているFWズラタン・イブラヒモビッチも良い例だろう。 常に結果を残し続けてきた男は、そのキャラクターもさることながら、ピッチ上でのパフォーマンスで観るものをガッカリさせたことはない。 きっと、我々がガッカリすることなく、イブラヒモビッチはピッチから去っていくはずだ。そして、結果を残すだけでなく、チームメイトへ与える影響が大きいからこそ、ベテランでありながらも重宝される。 長友の後継者探しは日本代表にとっては解決しなければいけない問題であることは間違いない。一方で、長友が尊敬してやまないサネッティになることも、日本がワンランク上に上がるためには必要だろう。ベテランとはそういった存在にならなければならないのだ。 <div style="text-align:left;" id="cws_ad"><hr>長友佑都も尊敬してやまないアルゼンチンの英雄サネッティが、大人気スポーツ育成シミュレーションゲーム『プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド』(サカつくRTW)に登場!<br /><br />サネッティとともにアルゼンチン代表として1998年のフランスW杯で日本代表と戦った、FWガブリエル・バティストゥータとMFファン・セバスティアン・ベロンも同時に登場している。『サカつくRTW』で“鉄人”の姿を観たい方は是非一度チェックしよう。</div><hr> 2020.11.02 13:30 Mon
3

W杯初の悲劇を味わった、世界を魅了した“ファンタジスタ”ロベルト・バッジョ

カタール・ワールドカップ(W杯)もいよいよ3位決定戦と決勝のみとなり、どちらが優勝するのかを世界中の人々が注目している。 今回が22回目の開催となったW杯は、初の冬開催、初の中東開催となり、これまで夏に行われてきた大会とはまた違った様相を呈している。 4年後の2026年に行われる、アメリカ・カナダ・メキシコの共催W杯では、出場国が32カ国から48カ国に増えることとなり、また違った形での楽しみが増えることになるだろう。 思えば、アメリカW杯が開催されたのは1994年。そこから32年が経過して再び開催される北米でのW杯だが、そこに日本代表が辿り着けなかったのが“ドーハの悲劇”と呼ばれる予選での出来事だった。 この大会では、予選でも各地で波乱が起こり、ヨーロッパではイングランド代表とフランス代表が敗退。南米ではアルゼンチンが大陸間プレーオフに回る事態となるなどした。 そんな中で迎えた本大会だが、初出場のナイジェリア代表、サウジアラビア代表が決勝トーナメントに進出したかと思えば、アルゼンチンはディエゴ・マラドーナがドーピング検査で陽性となり追放となるなど、本大会でも波乱続き。それでも決勝は、ブラジル代表vsイタリア代表という強豪が顔を合わせた。 <span class="paragraph-subtitle">◆W杯初のPK戦決勝で起きた悲劇</span> この大会、最も印象的なシーンとも言って良いのが、決勝戦。“ファンタジスタ”として多くのサッカーファンを魅了した、イタリア代表FWロベルト・バッジョの姿ではないだろうか。 ポニーテールをなびかせ、魅力あふれるテクニカルなプレーで世界を沸かせていたバッジョ。準決勝までに5ゴールを記録し、チームを牽引していた。 共に過去3度のW杯優勝経験がある強豪国同士の4度目を懸けた一戦は、炎天下の中ゴールレスで120分間が終了。W杯決勝では史上初となるPK戦に突入した。 イタリアは1人目のフランコ・バレージが失敗。そして、4人目のFWダニエレ・マッサーロも失敗する。ブラジルは順当に決めていく中、イタリアGKジャンルカ・パリュウカが1つセーブ。イタリア5人目のキッカーにバッジョが登場し、決めてブラジルにプレッシャーをかけたかったが、シュートはバーの遥か上に飛んで行き試合終了となった。 バッジョがうつむき立ち尽くす姿は、誰もが見たことがあるワンシーンではなかろうか。PK戦での敗退という残酷な結末が決勝で待っていたのは、この大会が初めてだった。 <span class="paragraph-subtitle">◆イタリアでのキャリアを全うした“ファンタジスタ”</span> バッジョは決してエリートではなく、セリエC1のヴィチェンツァでプロデビュー。しかし、そこで活躍を見せると1985年にセリエAのフィオレンティーナへと完全移籍する。 しかし、契約からわずか2日後に右ヒザ十字じん帯を断裂。リーグ戦に出場できないと、翌年もケガでほぼ稼働できず。それでもケガが癒えると、持ち味である得点力が花開き、1990年には当時の史上最高額の移籍金でユベントスに加入。この移籍にはファンが怒り、暴動が起きるほどの人気ぶりだった。 ユベントスではさらに得点力が磨かれ、チームのタイトル獲得にも貢献。1994年にはバロンドールを受賞した。 しかし、1994-95シーズンは再び負傷に悩まされると、チームからの移籍を決断。レアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッドが手を挙げる中、ミランへと完全移籍。その後は、ボローニャ、インテル、ブレシアと、イタリアでキャリアの全てを捧げることとなった。 キャリアの終盤でもケガに悩まされ、2002年の日韓W杯前にも左ヒザ十字じん帯を負傷。半年の離脱となり、W杯絶望と見られた中、まさかの2カ月で復帰。その後はリーグ戦でゴールも決めていたが、W杯メンバーには選ばれず。2004年に現役を引退した。 <span class="paragraph-subtitle">◆予測不能なプレーの連続</span> ロベルト・バッジョは“ファンタジスタ”と呼ばれる通り、テクニックに優れ、誰も予想が付かないプレーを試合中に見せることが特徴。ゴールを決めることはもちろん、決定的なパスを出すこと、そしてアイデア溢れる選択で観客だけでなく、相手選手も驚かせるところがその由来だ。 ゴール、アシストとサッカーの醍醐味であるプレーを司る姿は、イタリアだけに留まらず、世界中のファンが見惚れるほど。ちなみに幼少期の憧れはブラジル代表として活躍したジーコという逸話もある。 また、日本代表でもかつて活躍し、セリエAでもプレー経験があるFW三浦知良は同じ年齢。誕生日も8日しか違わず、交流を持っていることでも知られる。 現代サッカーにおいては希少な存在となった“ファンタジスタ”。多くの人が憧れたバッジョのような選手がこの先に現れるのか。新たな“ファンタジスタ”の誕生を多くの人が望んでいる。 <div id="cws_ad"><hr>イタリア代表で活躍し、セリエAでキャリアを全うした“ファンタジスタ”ロベルト・バッジョが大人気スポーツ育成シミュレーションゲーム『プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド』(サカつくRTW)に登場!<br/><br/>現役時代に魅せたプレーが『サカつくRTW』でも再現。是非一度チェックしてみよう。<a href="https://ryan.onelink.me/C7cD/5uev4c53" target="_blank"><div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2022/sega20221215.jpg" style="max-width:100%;"></div></a></div> <span class="paragraph-title">【動画】バロンドールも受賞したバッジョのユベントス時代の輝き</span> <span data-other-div="movie"></span> <div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiIxWEh4QmVYWSIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script> イタリア代表で活躍し、セリエAでキャリアを全うした“ファンタジスタ”ロベルト・バッジョが大人気スポーツ育成シミュレーションゲーム『プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド』(サカつくRTW)に登場! 現役時代に魅せたプレーが『サカつくRTW』でも再現。是非一度チェックしてみよう。 <a href="https://ryan.onelink.me/C7cD/5uev4c53" target="_blank"><div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2022/sega20221215.jpg" style="max-width:100%;"></div></a> 2022.12.15 20:00 Thu
4

「大輔のゴールに絡めて良かった」2点演出のカズ、引退試合の主役・松井大輔との思い出は「一緒に寮で暮らしていた」

アトレチコ鈴鹿の元日本代表FW三浦知良が、MF松井大輔との思い出を振り返った。 三浦は15日、ニッパツ三ツ沢球技場で行われた『松井大輔引退試合-Le dernier dribble-~STARSEEDS SPECIAL MATCH~』に参加。「MATSUI FRIENDS」の一員として先発し、自らのシュートで松井の先制点を演出。18分にもゴール前でのキープが主役の2点目に繋がった。 「大輔のゴールに絡めて良かったです」とゴール関与について語った三浦は、後輩の引退試合への思いにも言及。 「特別な準備はないですけど、楽しく、大輔をちゃんと送り出せたら良いかなと思って。20分間という出場でしたけど、最後20分間、大輔と一緒のピッチに立てて良かったなと思いました。立ちたいなと思っていたので、それが実現して良かったです」 横浜FCでもチームメイトだった三浦だが、後輩がプロデビューした京都パープルサンガ(現:京都サンガF.C.)時代を回想。元韓国代表MFパク・チソンにも触れつつ、当時を懐かしんだ。 「大輔が1年目の2000年は一緒に寮で暮らしていたことがすごく懐かしいです。その時は面倒も見ましたし、パク・チソンもいました。豪華なメンバーで。サッカーはもちろんですけど、生活も含めて常に一緒にいました。やっぱり鮮明に覚えていますね」 一方、21日には元日本代表GK南雄太の引退試合にも参加する三浦。「これからまた大阪の方に戻らなければいけない」「20日までやって、21日のイベントに出ます」と、忙しい合間を縫っても仲間の晴れ舞台に駆けつける、さすがの心遣いを見せている。 <span class="paragraph-title">【動画】カズの左足シュートから松井大輔の先制点!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">[速報] <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AB%E3%82%BA?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#キングカズ</a> から <a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%BE%E4%BA%95%E5%A4%A7%E8%BC%94?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#松井大輔</a> で先制!<br><br>/<br>キングカズが打ったシュートのこぼれ球に<br>松井大輔が反応し主役が先制点を決める!<br>\<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%BE%E4%BA%95%E5%A4%A7%E8%BC%94%E5%BC%95%E9%80%80%E8%A9%A6%E5%90%88?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#松井大輔引退試合</a><br>-Le dernier dribble-<br>~STARSEEDS SPECIAL MATCH~<br> <a href="https://t.co/9ioJ3RDzDV">https://t.co/9ioJ3RDzDV</a><a href="https://twitter.com/yokohama_fc?ref_src=twsrc%5Etfw">@yokohama_fc</a> <a href="https://twitter.com/matsui_ld_1215?ref_src=twsrc%5Etfw">@matsui_ld_1215</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%9E%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E7%A5%AD%E3%82%8A?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#アベマサッカー祭り</a></p>&mdash; アベマサッカー (@ABEMA_soccer) <a href="https://twitter.com/ABEMA_soccer/status/1868167071118590188?ref_src=twsrc%5Etfw">December 15, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.12.15 22:56 Sun
5

三浦知良が5年7カ月ぶりのゴール! JFL最年長弾の移籍後初得点で“カズダンス”も

日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズでプレーする元日本代表FW三浦知良が移籍後初ゴールを決めた。 鈴鹿は30日にFCティアモ枚方とのアウェイ戦に。9試合連続でメンバー入りの三浦は2点リードの84分から出場すると、その直後に相手選手のハンドで獲得したPKのキッカーに名乗りを上げ、しっかりとゴール右に決め切った。 新天地初ゴールで“カズダンス”も初披露した三浦は横浜FC時代の2017年3月以来となる公式戦での得点に。現ヴィッセル神戸スポーツダイレクターの永井秀樹氏が持つJFL最年長得点記録の42歳50日を55歳246日に更新した。 なお、自身のJFL最年長出場記録も新たに55歳246日に更新。三浦が観客に勇姿を届けたチームも後半アディショナルタイムにMF二川孝広の一発を浴びたのの、3-1で勝利している。 2022.10.30 16:45 Sun

オリヴェイレンセの人気記事ランキング

1

「何もかも違う」三浦知良、56歳で挑戦したポルトガルで感じた日本サッカーとの大きな違い「ゴールに向かうのは大事」

30日、ポルトガル2部のオリヴェイレンセでプレーしていた“キングカズ”ことFW三浦知良が帰国。空港での取材で、海外挑戦で改めて感じたこと、そして今後について語った。 55歳にして、イタリア、クロアチアに続くヨーロッパサッカーに挑戦した三浦。横浜FCからのレンタル移籍での挑戦となった中、リーグ戦3試合に出場したもののゴールは生まれなかった。 56歳の誕生日を迎えた後に試合にも出場し、ポルトガルでの歴代最年長出場記録も樹立。厳しいものにはなったが、更なる挑戦への後押しにもなったようだ。 1999年夏のディナモ・ザグレブ以来のヨーロッパでのプレーとなった三浦。現地の雰囲気については「何もかも違います」とコメント。「サポーターの雰囲気も違いますし、選手の持っているサッカーに対する情熱というか、そういったものがポルトガルはサッカー文化が根付いていて、みんながサッカー中心の人たちなので、エネルギーを感じました」とコメント。文化としてサッカーが確立している環境は刺激があったようだ。 3試合の出場に終わった結果については「自分自身毎日精一杯やっていたので、今の僕の実力ではこんなもんかなと思います」と受け止め。「決して満足はしていませんが、全力でやった結果なので、それは受け止めて次に生かしていきたいです」と、意欲を見せた。 また「当然プロの世界なので結果が全てです」と語ると、「出場時間やゴール数、アシスト数はポルトガルではみんな求められてその争いなので、結果は次に生かしたいと思います」と、選手たるもの結果が全てということを改めて感じたようだ。 レンタル期間が満了を迎え、このまま横浜FCに一度戻ることになる三浦。オファーに関しては「これから聞くことになると思います」とし、来月から自主トレを始めるため、次のシーズンへ準備を早くもしたいと意気込んでいる。 行き先については「全て僕自身が行きたくても行けない場合もありますし、オリヴェイレンセで継続という形も、選手として短い時間で移籍するより、慣れてきたところで継続するというのも1つの選択です」とコメント。「去年も鈴鹿からという感じで、継続は大事だなと思います。良いコンディション、良いものが作れてくるので、継続もあるかなと思います」と、再びポルトガルに行く可能性も示唆。ただ、「それは相手があることなので、相手がノーと言えばなしになる。クラブと監督の意見もありますし。しっかり練習して、準備して、どこでも行けるようにしておきたいと思います」と、良い話を待ちながら、自身はコンディション維持に努めるとした。 まだまだ現役でプレーが見たい三浦だが、56歳という年齢は簡単ではない。移籍先の環境についても、「今まであまり人工芝だからとか、クラブハウスがあまり良い環境でないとか、つい最近まで自分の経験とやる気次第で乗り越えられると思っていましたが、年齢を考えると環境は整っていた方が良いんだなということは今回感じました」と語り、やはり環境が整っているクラブに行ったほうがコンディションは調整できると感じたようだ。 ただ「自分が選べるような、行きたいところ、環境の良いところに行けるわけではないので、どうやって折り合いをつけるかというのは選択の中で難しいところです」と語り、「下のリーグになってしまうと、ポルトガルでも環境が悪くなっていくので、どういうふうにやっていけばいいかなというのを考えていきます」と、移籍先には慎重に選ぶ姿勢を見せた。 56歳での新たな挑戦。厳しさを感じたことも含め得たものは大きいという。 「毎日向こうの選手とやって、ポルトガル2部は激しいし、体もものすごく大きいし、練習からバチバチやります。みんな僕をリスペクトして、選手として一緒に戦ってくれましたし、ガチガチ来てくれましたし、練習でゲームが始まれば遠慮なくきていました」 「フランス人、ブラジル人、アフリカ人、ポルトガル人も当然仲間にいて、そういう人たちとまた新たに友情関係というのか、そういったものを作れたことも財産となりましたし、僕は5カ月間で短いですが、遠征して一緒にご飯を食べて勝利のために戦ったことが一番大きいかなと思います」 また、日本サッカーの課題も改めて感じたとコメント。ゴールに向かう姿勢は全く違うと語った。 「あとは日本のサッカーといつも比較しながら、どう成長しているかというのがありましたが、海外の選手は個が強い、特にゴールに向かう力がとにかく凄いということが良くわかりました」 「シュートで終われば、シュートがどこに飛んでいくかは関係ない感じでした。シュートで終わればサポーターも拍手しますし、強引にいって取られても拍手されます」 「ポルトガルの攻撃の特徴もあるんですが、そういう意味では自分が若い時に点を取っていた時を考えると、ゴールに向かうのは大事だなと」 「日本のサッカーはよくボールを回しすぎとか、綺麗に崩すまでとかありますが、“綺麗に崩すよりも”という感じを毎日感じました」 「ミニゲームで5vs5、6vs6、7vs7とかダブルボックスでやりますが、点が凄く入るんです。僕にも凄くチャンスが来て、そこでゴールは取れるんです。みんなゴールに向かうから溢れて来るんです」 「日本ではみんなで守備してみんなで攻撃してという感じで、あまりゴールが入らないこともありますが、そこから打つのかというところから打っちゃうし。僕でも結構チャンスは来ます」 「ゴールしても凄く評価してくれます。こぼれ球でも何でも。ただ、どんな時でもゴールに入れないとダメです。常にゴールしろと言われて、どんな形でもゴールに入れるという意識は強かったです」 明らかにゴールを奪うことへの意識が違ったと語る三浦。シュートへの意識は変わったようで、「強引でもいいから打たないといけないなと」と語り、「監督もOK、OKと言ってくれて、ボックスの外から、中に人がいても打っちゃう」と、状況に関係なくシュートが最初の選択肢だと語った。 ただ、最終戦ではそれとは真逆の事態が発生。「最後の試合で俺に出せば入るというシーンがあったんですが、そこで出さなかった選手はみんなに出せよと言われてました」と意外なエピソードを明かし、「ミウラに出せとその時だけは言われてました笑」と、ゴールをお膳立てしろとチームメイトに怒られた選手が居たことを明かした。 果たしてこの先はどこでプレーするのか。新シーズンもポルトガルに渡るのか、日本でプレーを続けるのか。冗談だと言っていた“60歳”までピッチに立つ姿を見たいものだ。 2023.05.30 22:45 Tue

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly