名古屋を下した浦項が、蔚山との“東海岸ダービー”を制し2009年以来の決勝進出! アル・ヒラルと対戦《ACL2021》

2021.10.20 21:52 Wed
Getty Images
20日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区準決勝の蔚山現代(韓国)vs浦項スティーラース(韓国)が行われ、延長戦に入るも1-1のドロー。PK戦の末、4-5で浦項が勝利し決勝へ駒を進めた。

準々決勝で全北現代モータースを下して勝ち上がった蔚山と、名古屋グランパスを倒して準決勝に進出した浦項の対戦。Kリーグ1では首位の蔚山、7位の浦項という状況での韓国勢同士、“東海岸ダービー”と呼ばれる対決で決勝進出を懸けた戦った。

最初にチャンスを作ったのは浦項。6分、大きなサイドチェンジに抜け出したカン・サンウがボックス左でキープ。マイナスのボールを受けたイム・サンヨプがクロスを上げると、イ・スンモがボックス中央でヘッド。しかし、これは左ポストに直撃し、ゴールとはならない。
浦項がボールを保持して試合を進める中、16分に右サイドからのクロスをGKがパンチングでクリア。こぼれ球を繋ぎオ・セフンがボックス手前中央から反転シュート。しかし、これは枠の左に外れる。

時間が経過するに合わせて徐々に激しさを増していく両者の対決。パスを繋いで攻撃を仕掛ける蔚山に対し、長いボールを使いながらカウンターでチャンスを窺う浦項という構図で時間が進んでいく。
互いに譲らず、ゴールレスで迎えた後半。先にスコアを動かしたのは蔚山だった。

52分、ヴァレリ・カザイシュヴィリがバイシクルパス。左サイドを抜け出したソル・ヨンウの浮き球のパスをボックス内で受けたユン・ビッカラムが、縦に仕掛けてグラウンダーのクロス。これをGKイ・ジュンがセーブ。しかし、ボールが手に付かないと、こぼれ球に反応したユン・イルロクが詰めて、蔚山が先制に成功する。

先制した蔚山に対し、浦項は激しい守備を見せ、ラフプレーが増えて行く。

すると61分、蔚山が再びチャンス。浮き球のパスに抜けたイ・ドンギョンが抜けると、ボックス内右で仕掛けてマイナスのパス。これをユン・ビッカラムがシュートもミートせず。それでもシュートはゴールに飛ぶが、右ポストに嫌われる。

押し気味に試合を進めていた蔚山だったが、67分にアクシデント。ルーズボールに対して奪いに行ったウォン・ドゥジェがイム・サンヨプに両足タックル。一発退場が言い渡され、蔚山は1人少ない状態で試合を進めることとなる。

数的不利になった蔚山に対し、追いかける浦項。しかし、なかなか攻撃がうまくいかない。ゴールが奪えないまま試合は終了の時が近づいてきたが、89分にラッキーな形でゴール。FKからのクロスをアレックス・グラントがボックス内でヘッド。緩いボールがゴールへ飛ぶと、GKチョ・ヒョヌがセーブするかと思われたが、目測を誤りポストに当たったボールが入り、浦項が土壇場で同点に追いつく。

数的不利の状態で延長を戦わなければいけない蔚山だったが、積極的なプレーを見せてゴールに迫っていく。しかし、決定力を欠いてしまい、ゴールを奪えず。対する数的有利な浦項は、1人多いとは思えない試合運び。ボールを持てず、単純なクロスを送るに終始し、チャンスをほとんど作れない。そのまま試合は終了し、120分が終了。PK戦に委ねられることとなった。

PK戦は蔚山が先攻。しかし、1人目のダヴィ・ブルトハイスが大きく外してしまい失敗。浦項の1人目のイム・サンヨプのシュートは、GKチョ・ヒョヌが読んで触るが、シュートに勢いがあり成功する。

蔚山の2人目のイ・チョンヨンは弱めにコースを狙ってシュート。これをGKイ・ジュノがセーブするが、前に出ていたとしてやり直し。イ・チョンヨンは蹴り直しを中央に蹴ってしっかりと決める。

蔚山は2人目以降が全員しっかりと決めた一方で、蔚山のGKチョ・ヒョヌはコースを読むも止めることができず。浦項は5人全員が成功。“東海岸ダービー”を制し、優勝した2009年以来の決勝進出を決めた。

なお、決勝は11月23日にサウジアラビアでアル・ヒラルと対戦する。

蔚山現代 1-1(4 PK 5) 浦項スティーラース
【蔚山】
ユン・イルロク(後7)
【浦項】
アレックス・グラント(後44)

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