岡山DF田中裕介が古巣C大阪とのトレーニングマッチで負傷、全治は2~4週間
2021.02.16 19:17 Tue
ファジアーノ岡山は16日、DF田中裕介の負傷を発表した。
クラブの発表によると、田中は13日に行われたセレッソ大阪とのトレーニングマッチ中に負傷。右大腿部肉離れと診断され、全治は2~4週間とのことだ。
田中は2019年にC大阪から岡山に加入。2シーズンを過ごし、明治安田J2で58試合に出場し1得点を記録していた。
クラブの発表によると、田中は13日に行われたセレッソ大阪とのトレーニングマッチ中に負傷。右大腿部肉離れと診断され、全治は2~4週間とのことだ。
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2025シーズンのホームグロウン制度、14クラブが不遵守も罰則なし…最多はFC東京の15名
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