久保建英へのコーチの行動は「欧州至上主義」の片鱗とアジア人差別への意識の希薄さか
2020.02.10 19:45 Mon
世界で最も人気のあるスポーツと言われるサッカー。世界各国でほぼ毎週末に試合が行われ、多くの人々が熱狂する。その一方で、毎週のように舞い込んで来るニュースがある。それが“人種差別”に関わるものだ。その多くが、スタンドに集まったサポーターが相手チームの選手に対して行うもの。特に顕著に標的とされるのが、黒人選手だ。
現代において肌の色や身体的な特徴は人種を分けるものではない。黒人選手とひとまとめにしても、アフリカ出身の選手もいれば、ヨーロッパ出身の選手もいる。もちろん、アジアやアメリカ大陸出身の選手にも黒人選手は存在する。
また、身体的な特徴とは別に、風評被害もある。現在最も世界を恐怖に陥れている「新型コロナウイルス」。この影響で、アジア人が人種差別の被害に遭っている。トッテナムのイングランド代表MFデレ・アリが軽率な行動をとり、謝罪する事態も起こっているほどだ。
そんな中、あるコーチがとった行動が話題となっている。それは、9日に行われたラ・リーガ第23節のエスパニョールvsマジョルカでのこと。マジョルカのコーチが、ウォーミングアップをしていた日本代表MF久保建英を呼んだ際のジェスチャーだ。
しかし、この話題には1つ疑問が生じる。「レアル・マドリーからわざわさレンタルで獲得し、高く評価されている久保に対してそのようなジェスチャーをするだろうか」と。
通常の思考回路であれば、相手チームの選手ならともかく(それも実際は重大な問題ではあるが)、自チームの選手を差別することは考えにくい。もちろん、今回の件でもコーチに「差別」の意図があったかどうかはわからない。では、一体なぜ「差別」が無くならないのか。それは、「差別している」という認識が低いということだろう。
「差別」に関しては、加害者と被害者では捉え方が違う。「やった側」にそのつもりがなくとも、「やられた側」の受け止め方次第で状況は変わる。これは「いじめ」にも近いことが言える。
しかし、「加害者」の中には、意図的に「差別」を行う者と、そうではない者がいるのも事実。ただし、その差は潜在的な「差別」を捉えていないだけであり、大概は少し考えれば「差別」だと疑われる可能性があることは明白なものばかりだ。その裏には、どうしても消えることのない「欧州至上主義」があるとも考えられる。
「欧州至上主義」とは、15世紀から17世紀の大航海時代に端を発するもの。欧州各国が世界中に植民地を作り、18世紀から19世紀にかけて技術革新と経済発展が進んだことで、欧州の文明が世界を席巻したことから起きている。
その考えは、現代社会においても変わっていない。経済的な立場は政治的な立場が変わろうとも、文化的な影響力は強く、どうしても欧州中心に考えが及んでしまうのだろう。だからこそ、「差別的」な行動を軽率に取ってしまう、相手に疑念を持たせることをしてしまうのだと思う。
加えて、黒人選手に対する人種差別に関しては、世界中のあらゆる場面において「差別反対」の意見が出るようになってきたが、アジア人への差別はまだまだ意識の中に希薄と言えるだろう。インターネットやSNSが発達するだけでなく、サッカーを始め、スポーツ以外の各分野でも様々な人種が力を持つ現代社会においても、ヨーロッパにとってアジアは極東の未開の地。地図上だけでなく、潜在意識の中にもその考えがあるのかもしれない。
それは、他スポーツのルール変更を見ても感じる部分。アジア人が活躍する欧州発祥の競技は、ルール変更が欧州贔屓だと言われることも多い。例えばスキーのジャンプは、身長と板の長さの制限が設けられ、ノルディック複合ではジャンプの比率が減らされるということもあった。フィギュアスケートの採点項目も疑問視されている部分が多い。
いずれも、欧州(米国も含む)がアジア人の突き上げに対して取った措置とも言われているが、本来評価されるべきは人種や国籍ではなく、プレー面。優れた選手は平等に評価されるべきである。
どれだけ結果を残そうとも、差別の被害に遭う可能性がなくならない可能性は高い。そうであれば、「差別」をしたくないと思う人々は、優れたプレーヤーを純粋に称え続けることが何よりも大事になるだろう。
現代において肌の色や身体的な特徴は人種を分けるものではない。黒人選手とひとまとめにしても、アフリカ出身の選手もいれば、ヨーロッパ出身の選手もいる。もちろん、アジアやアメリカ大陸出身の選手にも黒人選手は存在する。
そんな中、あるコーチがとった行動が話題となっている。それは、9日に行われたラ・リーガ第23節のエスパニョールvsマジョルカでのこと。マジョルカのコーチが、ウォーミングアップをしていた日本代表MF久保建英を呼んだ際のジェスチャーだ。
このコーチは、指笛を鳴らした後、ウォーミングアップエリアに向けて「つり目ポーズ」をとっていた。このジェスチャーは、アジア人が「つり目」であることを形容した差別的な意味を持っているとされ、世界中で多くの被害者がいる。
しかし、この話題には1つ疑問が生じる。「レアル・マドリーからわざわさレンタルで獲得し、高く評価されている久保に対してそのようなジェスチャーをするだろうか」と。
通常の思考回路であれば、相手チームの選手ならともかく(それも実際は重大な問題ではあるが)、自チームの選手を差別することは考えにくい。もちろん、今回の件でもコーチに「差別」の意図があったかどうかはわからない。では、一体なぜ「差別」が無くならないのか。それは、「差別している」という認識が低いということだろう。
「差別」に関しては、加害者と被害者では捉え方が違う。「やった側」にそのつもりがなくとも、「やられた側」の受け止め方次第で状況は変わる。これは「いじめ」にも近いことが言える。
しかし、「加害者」の中には、意図的に「差別」を行う者と、そうではない者がいるのも事実。ただし、その差は潜在的な「差別」を捉えていないだけであり、大概は少し考えれば「差別」だと疑われる可能性があることは明白なものばかりだ。その裏には、どうしても消えることのない「欧州至上主義」があるとも考えられる。
「欧州至上主義」とは、15世紀から17世紀の大航海時代に端を発するもの。欧州各国が世界中に植民地を作り、18世紀から19世紀にかけて技術革新と経済発展が進んだことで、欧州の文明が世界を席巻したことから起きている。
その考えは、現代社会においても変わっていない。経済的な立場は政治的な立場が変わろうとも、文化的な影響力は強く、どうしても欧州中心に考えが及んでしまうのだろう。だからこそ、「差別的」な行動を軽率に取ってしまう、相手に疑念を持たせることをしてしまうのだと思う。
加えて、黒人選手に対する人種差別に関しては、世界中のあらゆる場面において「差別反対」の意見が出るようになってきたが、アジア人への差別はまだまだ意識の中に希薄と言えるだろう。インターネットやSNSが発達するだけでなく、サッカーを始め、スポーツ以外の各分野でも様々な人種が力を持つ現代社会においても、ヨーロッパにとってアジアは極東の未開の地。地図上だけでなく、潜在意識の中にもその考えがあるのかもしれない。
それは、他スポーツのルール変更を見ても感じる部分。アジア人が活躍する欧州発祥の競技は、ルール変更が欧州贔屓だと言われることも多い。例えばスキーのジャンプは、身長と板の長さの制限が設けられ、ノルディック複合ではジャンプの比率が減らされるということもあった。フィギュアスケートの採点項目も疑問視されている部分が多い。
いずれも、欧州(米国も含む)がアジア人の突き上げに対して取った措置とも言われているが、本来評価されるべきは人種や国籍ではなく、プレー面。優れた選手は平等に評価されるべきである。
どれだけ結果を残そうとも、差別の被害に遭う可能性がなくならない可能性は高い。そうであれば、「差別」をしたくないと思う人々は、優れたプレーヤーを純粋に称え続けることが何よりも大事になるだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
久保建英の関連記事
ラ・リーガの関連記事
|
|
久保建英の人気記事ランキング
1
残り2節、J1最下位の仙台が昨季までスペイン1部セルタで指導したマルティネス氏を異例の招へい
ベガルタ仙台は9日、スペイン人のダビド・マルティネス氏(32)のコーチ就任を発表した。 マルティネス氏は、現在久保建英が所属するビジャレアルのユース監督やサウジアラビアのアル・エティファクのU-23監督、ファーストチームのアシスタントコーチを務め、2018年から2019年11月まではセルタで、フラン・エスクリバ監督、ミゲル・カルドソ監督の下でアシスタントコーチを務めていた。 マルティネス氏は今回のコーチ就任についてクラブを通じてコメントしている。 「歴史あるベガルタ仙台に関われることを誇りに思うとともに、日本の文化、人々に触れ合う機会を与えてくれたクラブに感謝します」 「ファン、サポーターのみなさんへ魅力的なサッカーをお見せできるように、周りのスタッフと共にチームを助けていきます。またクラブへの献身、リスペクト、プロ意識がすべての基盤になってきます。期待と活力、大きな責任感を持って戦います」 「競争力があり、勝者のプレーをするチーム作りにはみなさんの支えが必要です。よろしくお願いいたします」 クラブの発表によると、マルティネス氏は11月24日に来日。毎日の検温と体調チェックの実施および手洗い、うがい、アルコール消毒の徹底、健康観察期間として来日より14日間は不要不急の外出を控えるというクラブの管理下で過ごしていたとのこと。9日よりチームに合流している。 仙台は今シーズンの明治安田生命J1リーグで最下位に位置。残り2試合で最下位脱出を目指す。 2020.12.09 14:21 Wed2
3選手の連れ戻しをレアルが検討中…レンタル先で活躍のラファ・マリンら
レアル・マドリーが他クラブへ放出した選手の再加入を選択肢に考えているようだ。 現在ラ・リーガで首位を走り、チャンピオンズリーグ(CL)でも準々決勝進出が見えているマドリー。新戦力ではドルトムントから大金をはたいて獲得したイングランド代表MFジュード・ベリンガムが驚異的な活躍を見せている他、ミランからレンタルバックしたスペイン代表MFブラヒム・ディアスや、ラージョ・バジェカーノから買い戻したスペイン代表DFフラン・ガルシアなども戦力としてチームに貢献している。 周知の通り、マドリーは他クラブへ放出した選手でも手の届く範囲にとどめていることが多く、レアル・ソシエダで活躍する日本代表MF久保建英もその1人。50%の保有権があることから、今夏の買い戻しがにわかに囁かれていたが、最近2029年までの契約延長にサインしたこともあり、可能性はかなり低くなると考えられている。 しかし、スペイン『マルカ』によると、マドリーが今夏の再加入を検討しているのは久保ではなく、カンテラ出身の3選手とのこと。アラベスにレンタル移籍中のU-21スペイン代表DFラファ・マリン(21)、ラツィオのU-21スペイン代表DFマリオ・ヒラ(23)、ジローナのU-21スペイン代表DFミゲル・グティエレス(22)のようだ。 マリンは191cmのセンターバックで、昨夏アラベスへ武者修行。ここまで主力としてラ・リーガの21試合に出場し、来シーズンの復帰は確実とみられている。 同じくセンターバックのヒラは2022年夏にラツィオへ完全移籍したが、久保と同様にマドリーが保有権を50%残している形。昨年11月下旬あたりからレギュラーの座を勝ち取った今シーズンは、ここまでセリエAで11試合に出場している。 リーグ首位を争うジローナのグティエレスも2022年夏にマドリーから完全移籍。左サイドバックや左ウイングバックとしてチームの躍進を支えており、マドリーは安価での買い戻しが可能と言われている。 また、昨夏買い取りオプション付きのレンタルでミランへと移籍したスペイン人DFアレックス・ヒメネス(18)の動向も注視している模様。他にも多くの選手がマドリーの支配下にあり、さらなる成長が期待されている。 2024.02.18 23:00 Sun3
年俸64億円の破格オファー…久保建英がサウジ行き拒否明かす「最も大切なことは最高の選手と対戦し一緒にプレーすること」
レアル・ソシエダの日本代表MF久保建英(24)が、サウジアラビアからの超高額オファーを断っていたことを明かした。スペイン『ムンド・デポルティボ』が伝えている。 現在、ラ・レアルの絶対的な主力として活躍する久保は、移籍市場においてヨーロッパのビッグクラブや、スター選手の獲得に依然として熱心な中東の金満クラブのターゲットとなっている。 その日本代表MFは最新の『フランス・フットボール』のインタビューでサウジアラビアからの超高額オファーを拒否したことを明かした。 今回のインタビューによると、具体的なクラブ名は明かされていないが、久保に対してサウジアラビアから年俸4000万ユーロ(約64億円)程度の4年契約という破格のオファーが届いていたという。 しかし、久保は「僕にとって子供の頃から最も大切なことは、最高の選手と対戦し、最高の選手と一緒にプレーすることだった」と、財政面の魅力よりも世界最高峰のレベルでプレーするというスポーツ面の魅力が何よりも重要であると主張。その破格のオファーを拒否したことを明かした。 その一方で、サウジアラビアが将来的にサッカー界をトップレベルで牽引するようなリーグに成長した場合、移籍先として検討の余地はあると、中東行きの可能性を完全には閉ざしてはいない。 「近い将来、あるいはずっと先の将来に、サウジアラビアがスポーツの実力で世界最高のリーグになったら、僕は行くと思います。ただ、現時点では、金銭面でしか魅力的ではないと考えています」 サウジアラビア行きを拒否した久保だが、今夏の移籍市場では依然としてリバプールからの関心も伝えられている。だが、イマノル・アルグアシル監督は最近のインタビューで日本人エース残留を明言しており、少なくとも今夏は引き続きスペインでプレーすることになりそうだ。 2024.08.11 18:50 Sun4
「これは貴重な映像」男子日本代表からなでしこジャパンへエール!サンライズユニフォームで場内挨拶「男子も似合う」「女子を応援する男子、かっこいいな」
SAMURAI BLUEからなでしこジャパンへエールが送られた。 サッカー日本代表は15日、キリンチャレンジカップ2023でエルサルバドル代表と対戦し、6-0で勝利を収めた。 開始1分でFKから谷口彰悟が代表初ゴールを記録すると、4分には上田綺世が自ら得たPKを決めてこちらも初ゴールをマーク。早々に退場者を出したエルサルバドルを日本が圧倒すると、25分には久保建英、44分には堂安律が押し込み、前半だけで4得点。後半には中村敬斗にも日本代表初ゴール、古橋亨梧にも得点が生まれ、新体制での初白星を手にした。 試合後の挨拶時には、選手たちがなでしこジャパンのユニフォーム姿で周回。7月に開幕するオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)へ向け、なでしこジャパンへエールを送った。 TV中継では放送に乗らなかったが、日本代表の公式ツイッターがこの様子を掲載。「これは貴重な映像ですね」、「この声援がなでしこJAPANに届くといいですね」、「男子も似合う」、「良いねこういうの」、「女子を応援する男子、かっこいいな」、「(川﨑)颯太似合ってるやんw」、「男子選手の協力に感謝!」などの声がファンから寄せられた。 また、モデルやスポーツキャスターなどで活躍する長谷川ゆうさんも「こーゆーの嬉しいよね。やっぱりこのユニ可愛い、欲しくなるなー。。」とのリプライを残した。「サンライズ」をテーマにしたユニフォームは、試合での着用は女子のみだが、販売用には「ウィメンズシルエット」と「メンズシルエット」のいずれも展開されている。 なでしこジャパンは、7月14日にパナマ女子代表との壮行試合を行ったのちに現地へ出発。ニュージーランドで同22日にザンビア女子代表、同26日にコスタリカ女子代表、同31日にスペイン女子代表と、グループステージで対戦する。 <span class="paragraph-title">【動画】日本代表がなでしこジャパンのユニフォームを着て女子W杯をPR</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">試合後、<a href="https://twitter.com/hashtag/SAMURAIBLUE?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#SAMURAIBLUE</a> の選手たちは <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%81%AA%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%93%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#なでしこジャパン</a> のアウェイユニフォームを着て場内を一周しました<br>7月に開幕する <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#ワールドカップ</a> での優勝を目指すなでしこジャパンの応援もお願いします<br><br>FIFA 女子 ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023 <br>グループステージ第1節… <a href="https://t.co/MXZSjEtMNI">pic.twitter.com/MXZSjEtMNI</a></p>— サッカー日本代表 (@jfa_samuraiblue) <a href="https://twitter.com/jfa_samuraiblue/status/1669331487907536897?ref_src=twsrc%5Etfw">June 15, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2023.06.16 16:20 Fri5
