「マインツは支払う必要がある」佐野海舟の逮捕で浮上した疑問、ドイツ紙は移籍成立のため4.3億円の移籍金支払いが発生と報道…「年俸の支払いは免除できる可能性」

2024.07.19 13:10 Fri
逮捕された佐野海舟
©超ワールドサッカー
逮捕された佐野海舟
サッカー界を揺るがす大きな問題となっている日本代表MF佐野海舟の逮捕問題。移籍したばかりのマインツでも大きな問題に発展する可能性がある中、移籍金は支払われることになるようだ。

日本代表でもプレーし、今夏鹿島アントラーズからマインツへと完全移籍した佐野。しかし、17日に不同意性交疑惑で逮捕されたと一斉に報道された。

事件は14日、佐野は知人の男性2人と女性2人と都内で食事。その後、ホテルへと移動し、30代の女性に性的暴行を加えたとして逮捕。本人も容疑を認めていると言われている。
新加入選手のスキャンダルを受けたマインツは「マインツは新加入の佐野海舟が母国で逮捕されたという日本のメディア報道に驚きました。情報が不足しているため、この報道についての評価やコメントはまだできません」と声明を発表。詳細がわからないため、情報を集めている状況だとしていた。

クラブは弁護士などに連絡を取っているものの、まだ把握できていない状況であり、佐野は21日に合流する予定だったが、実現は不可能と見られている。
そんな中、ドイツ『ビルト』が続報を伝える中で、佐野の移籍が既に成立していると伝え、移籍金は支払わなければいけないとした。

「7月4日に正式に移籍が完了したため、マインツは基本移籍金250万ユーロ(約4億3000万円)を支払う必要がある」

「ただ、少なくとも、佐野海舟が不在であれば、クラブは年俸の支払いを免除できる可能性あるだろう」

鹿島も発表していた通り、佐野の移籍は完了しているため、当初の移籍金は支払う義務がマインツに発生する様子。一方で、契約を履行できない可能性が高い佐野は、給料を受け取ることはないという見方だ。

日本サッカー界だけでなく、ドイツサッカー界にも影響を与えるスキャンダル。捜査がどのように進展するのか、ドイツからも注目が集まっている。

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佐野海舟のプレーにマインツ指揮官「プレーを見ることができて良かった」、ボランチの一角に置く構想も新たな問題

マインツのボー・ヘンリクセン監督が、今夏加入した日本代表MF佐野海舟(23)について言及。シーズン開幕に向けてのプランをドイツ『ビルト』が報じた。 FC町田ゼルビアでプロキャリアをスタートさせた佐野は、その活躍が評価され2023年に鹿島アントラーズへ完全移籍。鹿島でのプレーも評価されると日本代表に招集され、今年1月のアジアカップにも参加。そして今夏マインツへの移籍が決定した。 4年契約を結び、ヨーロッパでのキャリアをスタートさせると思われた中、チーム合流前にスキャンダルが発生。日本での不同意性交問題が浮上し警察に逮捕。16日間拘留された結果、釈放されるという結末となった。 当初は7月21日にマインツに合流するはずだったものの、実際の合流は8月に入ってから。拘留期間中は当然サッカーなどできず、初の海外挑戦のスタート前につまづく形となった。 それでも、マインツに合流してからはトレーニングを行い、テストマッチにも出場。ヘンリクセン監督は佐野のプレーについてコメントしている。 「彼はたくさん走り、上手く仕事をし、シンプルな解決策を模索した。ただ、時にはそれがシンプルすぎることもあった」 「それでも、彼がプレーするのを見ることができ、我々にとって良かった」 即戦力という考えもあったはずのマインツだが、当然プランが大きく崩れることに。『ビルト』によれば佐野は英語、ドイツ語が話せないためにコミュニケーションも全て通訳を介する状態となっており、この点もチームに組み込みにくい状況だという。 ダブルボランチを組むマインツは、その一角に佐野を置くプランがあり、MFナディーム・アミリ(27)とコンビを組ませたい考え。一方で、同じポジションにはMFトム・クラウス(23)、MFドミニク・コール(30)がいるが、いずれも守備面に強みがあるため、佐野のようにボックス・トゥ・ボックスでプレーできるタイプを求めるヘンリクセン監督にとっては悩ましいところだ。 とはいえ、佐野がコミュニケーションを取れるようになり、チームにフィットし、コンディションを取り戻すには時間が掛かる状況。また、釈放はされたものの事件は解決したわけではないため、その辺りも見守られることとなる。 マインツのプランとしては、より攻撃的なポジションを務める韓国代表MFイ・ジェソン(31)をボランチの一角に置くというものがあり、当面はその形で行くことになるという。 佐野にとっては自身が起こした問題が原因ではあるものの、難しい位置からのスタートとなっただけに、信頼と共にいかにコンディションを回復させるか、そしてコミュニケーションを自ら取れるようになることがポイントとなりそうだ。 <span class="paragraph-title">【写真】マインツのジャージを着てトレーニングする佐野海舟</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="de" dir="ltr">Kaishu San<a href="https://twitter.com/hashtag/mainz05?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#mainz05</a> <a href="https://t.co/YZZxDUzUgI">pic.twitter.com/YZZxDUzUgI</a></p>&mdash; 1. FSV Mainz 05 (@1FSVMainz05) <a href="https://twitter.com/1FSVMainz05/status/1819070185547895293?ref_src=twsrc%5Etfw">August 1, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.08.08 12:07 Thu
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マインツに痛手…守備のスペシャリストDFコールが左ヒザ内側じん帯損傷で今季残り試合を欠場

マインツは5日、ドイツ人MFドミニク・コールが左ヒザ内側じん帯の損傷で離脱したことを発表した。 コールは4日に行われたブンデスリーガ第32節のフランクフルト戦に先発出場したが、8分に相手選手と接触した場面で左ヒザを負傷。その後の検査で上記の診断が下された。 なおクラブによれば、現在は経過観察しながらリハビリを続けており、7月初旬のプレシーズン機関での復帰を目指しているとのことだ。 2022年夏にフランクフルトからマインツへ加入したコールは、本職の守備的MFに加え、センターバックでもプレー可能な守備のスペシャリスト。マインツでは昨季から主にセンターバックでプレーしており、今季もここまで公式戦30試合に出場していた。 2025.05.06 13:00 Tue
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独メディア『ビルド』、“日本のゲルト・ミュラー”岡崎のインタビューを掲載

▽ドイツメディア『ビルド』は9月30日、マインツに所属する日本代表FW岡崎慎司のインタビューを掲載した。 ▽岡崎は『ビルド』のインタビューで、今シーズン活躍を続けている“成功の秘訣”やブンデスリーガにおける日本人選手の最多得点記録の更新について語った。また、ドイツ移籍に際し、苦しんだことについてもインタビューで打ち明けている。 ――岡崎選手、あなたはとても“典型的な”日本人だ。とても同情的で、フィールドの外では大人しい。だけど、ピッチ上でゴールを量産している。今後もこの調子は続きそうか? 「ファウルが起こると、すぐ相手に謝ってしまいます。ただ、ゴールを奪うには相手を気にしていては無理ですね。チームを助けるために、相手にとって失礼な選手になる必要があるんです」 ――今季5ゴールを記録し、現在得点ランキングのトップに位置しているが、成功の秘訣は? 「僕は小さいときからストライカーでした。ゴールへの嗅覚はそのときから養われたのだと思います。僕は常にこぼれ球に対して適切なポジションを取ること、また、細かい動きでゴールを奪うことを意識しています。ユース時代、コーチたちにペナルティエリアでの動きについて指導を受けました」 ――あなたのプレースタイルはゲルト・ミュラーを思い起こさせるが、ゲルト・ミュラーを知っているか? 「ゲルト・ミュラーと比較されることはとても名誉です。もちろん知っています。とても偉大なストライカーです。“日本のゲルト・ミュラー”岡崎、良いですね(笑)。だけど、この比較が正しいかは、僕には分かりません。ゲルト・ミュラーは僕よりも上の存在です。 ――ブンデスリーガで通算30ゴールを記録し、日本人選手の最多得点記録を更新。奥寺康彦氏が樹立した記録を抜いたことについて、どういう感想を持っているか 「奥寺さんの記録を意識していませんでした。チームのためにゴールを奪ってきて、いつのまにか歴史的な記録を達成していたという印象です。ゴールはストライカーの義務です」 ――チームはあなたの日本人選手の最多得点記録更新を喜んだか 「もちろんです。記録は破るためにあるものだと思っています。もっと多くのゴールを奪っていきたいと思っています。僕を追いかけてくる選手にとって難しいものとなるでしょうね。だけど、僕の記録もいつか破られると思っています」 ――2011年に日本からシュツットガルトにやってきた。ブンデスリーガに移籍したことで苦しんだことは 「日本人はブンデスリーガに適応しやすいと思います。スペインやイングランドのリーグに比べて、ブンデスリーガは多くの日本人がプレーしてきました。その最初が奥寺さんでした。その後、高原(直泰)さんが続き、長谷部(誠)さんや香川(真司)も続きました。これらの選手たちがブンデスリーガで称賛を受けたことが、今に繋がっているんだと思います」 ――ドイツにやってきてカルチャーショックはあったか 「ありましたね。文化的に日本とドイツは、とても異なっています。ドイツは勝利にこだわり、どんなに小さな試合でも勝利を求めます。それはトレーニング中でもそうです。また食べ物に関する文化も全く違います。慣れるまでに3年掛かりました」 2014.10.01 23:15 Wed

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