反ロシアの声高まる中セルビアの名門クラブはロシア支持、過去の恩恵を忘れず「クラブのためにしたことを決して忘れない」、サポーターも支持のチャント

2022.03.05 22:22 Sat
Getty Images
世界中から大きな非難を集めているロシアによるウクライナへの軍事侵攻。サッカー界からも制裁が課されているなか、ツルヴェナ・ズヴェズダのファンはロシアを支持するチャントを歌った。イギリス『デイリー・メール』が伝えた。
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それは3日に行われたヴォジュドヴァツとの試合後の出来事だった。鶴ヴェナ・ズヴェズダは、試合に3-0で勝利。その後、ズヴェズダシュ(ツルヴェナ・ズヴェズダのファン)はウクライナ侵攻を支持するチャントを歌った。ツルヴェナ・ズヴェズダは、レッドスターの名前でも知られるクラブ。セルビアの名門中の名門クラブで、チャンピオンズカップ(現チャピオンズリーグ)も優勝した経験がある。
馴染みのあるところでは、かつて名古屋グランパスで選手、監督として活躍した“ピクシー”ことドラガン・ストイコビッチ氏はこのクラブで名を挙げたほか、引退後には会長も務めていた。

旧ユーゴスラビア代表の選手たちも多く輩出する名門クラブだが、ロシアのエネルギー会社『ガスプロム』社と長年にわたりスポンサーシップを結んでいた。
この『ガスプロム』社はサッカー界にも大きく影響を与えていたが、今回の件を受けて欧州サッカー連盟(UEFA)はメインスポンサーとしての契約解除を決定。また、シャルケも長年スポンサーどしてもらっていたが、契約解除を発表するなど、脱ロシアの動きが見られていた。

しかし、10日にヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16・1stレグでレンジャーズと対戦するツルヴェナ・ズヴェズダだが、『ガスプロム』のロゴはスポンサーにつけままにするとのこと。スタジアムにも看板を出したままにするという。

クラブ自体も、反ロシアの動きが高まる中で、ロシアを支持することは変わらないとし、チームを助け続けてくれたスポンサーへの不義理はしないと、ゼネラルマネージャー(GM)であるズヴェズダン・テルジッチ氏も以前にスタンスを示していた。

「ガスプロムのロゴを削除するリクエストは受け取っていない。それが起こらないことを心から願っている。ガスプロムは2010年からツルヴェナ・ズヴェズダと関わりがあり、最悪の経済的問題に脅かされたときも一緒にいた」

「ガスプロムがなかったら、問題はツルヴェナ・ズヴェズダがあるかどうかだ。クラブを愛する人々は、ガスプロムがクラブのためにしたことを決して忘れない」

「我々は、FIFAとUEFAがロシアのクラブに対して行ったことを認めない。国際法には根拠がない。現在、ヨーロッパ中に反ロシアのヒステリーがある」

「政治はスポーツにおいて、理屈を超えて介入してきた。ロシアの人々はセルビアの人々に近く、これからもそうだろう」



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