【プレミア注目プレビュー】CL出場へ崖っぷちスパーズが因縁ブルーズとの週中開催ダービーに臨む
2024.05.02 19:00 Thu
プレミアリーグ第26節延期分、チェルシーvsトッテナムが、日本時間2日27:30にスタンフォード・ブリッジでキックオフされる。来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権確保へ崖っぷちのスパーズが因縁ブルーズ撃破を狙う、ミッドウィーク開催のロンドン・ダービーだ。
一方、5位のトッテナム(勝ち点60)は前節、ホーム開催のアーセナルとのノースロンドン・ダービーで2-3の敗戦。後半のロメロ、ソン・フンミンのゴールで追い上げたが、前半の3失点が響き宿敵相手に屈辱の敗戦となった。ニューカッスル戦に続く大量失点での敗戦となった中、2試合消化試合が多いアストン・ビラとのポイント差が「7」に広がり、自力での逆転の可能性が消滅。さらに、一縷の望みを託したUEFAカントリーランキングでのCL出場5枠確保の可能性は、直近CLでのドルトムントの勝利によってイタリア、ドイツの上位2位が確定したことで、同じく消滅した。
これで来季CL出場権確保に向けてはアストン・ビラとの対戦を残すリバプールの援護を期待しつつ、自分たちは残り試合で今回の対戦相手に加え、リバプール、マンチェスター・シティという難敵撃破が必須という崖っぷちの状況となった。その奇跡実現に向けて今回のダービーで勝ち点3を持ち帰ることができるか。
◆チェルシー◆
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
GK:ペトロビッチ
DF:ギルクリスト、チャロバー、バディアシル、ククレジャ
MF:カイセド、ギャラガー
MF:マドゥエケ、パーマー、ムドリク
FW:ジャクソン
負傷者:GKサンチェス、DFフォファナ、リース・ジェームズ、チアゴ・シウバ、グスト、コルウィル、チルウェル、ディザジ、MFエンソ・フェルナンデス、ウゴチュク、チュクエメカ、ラヴィア、FWスターリング、エンクンク
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては直近のアストン・ビラ戦で負傷したチアゴ・シウバ、ディザジが新たに長い負傷者リストに名を連ねることに。
スタメンは多くの離脱者の影響でほぼ選択肢がなく、前述のメンバーの起用が濃厚だ。カサデイやデイヴィドに加え、ユースの若手メンバーを抜擢する可能性もありそうだ。
◆トッテナム◆
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
GK:ヴィカーリオ
DF:ペドロ・ポロ、ロメロ、ファン・デ・フェン、エメルソン
MF:サール、ビスマ
MF:クルゼフスキ、マディソン、ソン・フンミン
FW:リシャルリソン
負傷者:GKフォースター、DFベン・デイビス、ウドジェ、MFスキップ、セセニョン、FWソロモン、ヴェルナー
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱組に加え、アーセナル戦で負傷したベン・デイビス、ヴェルナーがいずれも今季絶望の見込みで欠場となる。
スタメンは主力不在の左サイドバックにエメルソン、セントラルMFはアーセナル戦後半のサール、ビスマのセットへの入れ替えが見込まれる。前線はリシャルリソンを最前線に置き、経験不足のギルクリストにソン・フンミンをぶつける可能性が高そうだ。ベンチメンバーでは16歳の超逸材MFマイキー・ムーアの初のベンチ入りも期待されるところだ。
★注目選手
◆チェルシー:MFコナー・ギャラガー
渦中の相手に注目されるパフォーマンス。前回対戦でハットトリックを記録したジャクソン、エースのパーマーがキーマンになることは間違いないが、やはり今夏の去就においてスパーズ行きの可能性が取り沙汰されるブルーズ生え抜きMFのパフォーマンスに大きな注目が集まるところだ。
PSRやFFPの問題を抱えるクラブにおいてホームグロウンによる“帳簿上”の価値の高さによって昨夏に続き売却候補の筆頭に挙がるギャラガー。ピッチ上では離脱が多いリース・ジェームズ、チルウェルに代わるゲームキャプテンとしてパーマーと共にチームMVP級の活躍を見せているが、契約延長交渉の難航や前述の問題によって現状では泣く泣くクラブを離れる可能性が濃厚とされる。そして、その新天地の最有力は今冬にも移籍の可能性が取り沙汰されたトッテナムだ。
最終的に移籍が実現するか否かは別として、その渦中の相手にブルーズのゲームキャプテンとして臨む一戦ではその一挙手一投足に注目が集まるところ。エンソ不在の中盤でのマルチタスクを担いつつ、エモーショナルなダービーにおいてリーダーシップも求められるところだ。
◆トッテナム:DFクリスティアン・ロメロ
因縁の相手に真のリーダーシップ示せるか。昨季アウェイゲームでのククレジャの髪掴み事件、今季前回対戦での一発退場とチェルシーとのダービーでは悪目立ちが続いているロメロは、ギャラガーと共に今回のダービーの主役の一人だ。
攻守両面でワールドクラスの資質を持ち合わせているものの、好戦的過ぎるキャラクターの影響で評価を下げているアルゼンチン代表DFだが、直近のノースロンドン・ダービーでは0-3と承服しがたい展開の中でプレー、コミュニケーションでチームを鼓舞し続け、反撃の狼煙を上げるゴールを含め傑出したパフォーマンス、振る舞いを示した。
これまでであればフラストレーションをラフプレーに繋げたり、相手の挑発にのって不必要なカードをもらって最終的に退場というシナリオも想定されたが、このアーセナル戦ではプレーヤーとして一皮むけた姿を見せた。
とはいえ、まだまだ懐疑的な見方を拭うまでには至っておらず、会場の雰囲気を含めて荒れる要素が満載な今回のダービーでの振る舞いに注目だ。ジャクソンとの対人戦、パーマーとの駆け引きを優位に進め、久々のクリーンシートと共にダービーでの勝利に導きたい。
PR
9位のチェルシー(勝ち点48)は前節、アストン・ビラとのアウェイゲームを2-2のドローで終えた。後半に2点ビハインドを追いつき、後半アディショナルタイムにはディザジに劇的な逆転ゴールが生まれたかに思われたが、その直前のDFバディアシルの微妙なファウルを取られた結果、2-2のドロー決着。これでリーグ2戦未勝利となったチームは逆転でのヨーロッパ出場権獲得が絶望的になりつつある。それでも、残り試合で全勝すれば奇跡を起こせる可能性もあるだけに、3試合ぶりのホームゲームでしっかりと勝利を取り戻したいところだ。なお、今回の一戦はサウサンプトン、トッテナム、チェルシーを指揮したポチェッティーノ監督にとってイングランドでの通算400試合目の指揮となる。その中で最も多くの試合を指揮した古巣相手にシーズンダブルを達成し、メモリアルゲームを飾れるか。これで来季CL出場権確保に向けてはアストン・ビラとの対戦を残すリバプールの援護を期待しつつ、自分たちは残り試合で今回の対戦相手に加え、リバプール、マンチェスター・シティという難敵撃破が必須という崖っぷちの状況となった。その奇跡実現に向けて今回のダービーで勝ち点3を持ち帰ることができるか。
なお、昨年11月初旬にトッテナムホームで行われた前回対戦はアウェイのチェルシーが4-1の逆転勝ちで、ホームチームに今季のリーグ戦初黒星を与えている。また、同試合でトッテナムはロメロ、ウドジェの2選手の退場、マディソン、ファン・デ・フェンの負傷というアクシデントに見舞われ、その後の急失速に繋がっており、両者の因縁はより深まっている。
◆チェルシー◆
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ペトロビッチ
DF:ギルクリスト、チャロバー、バディアシル、ククレジャ
MF:カイセド、ギャラガー
MF:マドゥエケ、パーマー、ムドリク
FW:ジャクソン
負傷者:GKサンチェス、DFフォファナ、リース・ジェームズ、チアゴ・シウバ、グスト、コルウィル、チルウェル、ディザジ、MFエンソ・フェルナンデス、ウゴチュク、チュクエメカ、ラヴィア、FWスターリング、エンクンク
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては直近のアストン・ビラ戦で負傷したチアゴ・シウバ、ディザジが新たに長い負傷者リストに名を連ねることに。
スタメンは多くの離脱者の影響でほぼ選択肢がなく、前述のメンバーの起用が濃厚だ。カサデイやデイヴィドに加え、ユースの若手メンバーを抜擢する可能性もありそうだ。
◆トッテナム◆
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ヴィカーリオ
DF:ペドロ・ポロ、ロメロ、ファン・デ・フェン、エメルソン
MF:サール、ビスマ
MF:クルゼフスキ、マディソン、ソン・フンミン
FW:リシャルリソン
負傷者:GKフォースター、DFベン・デイビス、ウドジェ、MFスキップ、セセニョン、FWソロモン、ヴェルナー
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱組に加え、アーセナル戦で負傷したベン・デイビス、ヴェルナーがいずれも今季絶望の見込みで欠場となる。
スタメンは主力不在の左サイドバックにエメルソン、セントラルMFはアーセナル戦後半のサール、ビスマのセットへの入れ替えが見込まれる。前線はリシャルリソンを最前線に置き、経験不足のギルクリストにソン・フンミンをぶつける可能性が高そうだ。ベンチメンバーでは16歳の超逸材MFマイキー・ムーアの初のベンチ入りも期待されるところだ。
★注目選手
◆チェルシー:MFコナー・ギャラガー
Getty Images
渦中の相手に注目されるパフォーマンス。前回対戦でハットトリックを記録したジャクソン、エースのパーマーがキーマンになることは間違いないが、やはり今夏の去就においてスパーズ行きの可能性が取り沙汰されるブルーズ生え抜きMFのパフォーマンスに大きな注目が集まるところだ。
PSRやFFPの問題を抱えるクラブにおいてホームグロウンによる“帳簿上”の価値の高さによって昨夏に続き売却候補の筆頭に挙がるギャラガー。ピッチ上では離脱が多いリース・ジェームズ、チルウェルに代わるゲームキャプテンとしてパーマーと共にチームMVP級の活躍を見せているが、契約延長交渉の難航や前述の問題によって現状では泣く泣くクラブを離れる可能性が濃厚とされる。そして、その新天地の最有力は今冬にも移籍の可能性が取り沙汰されたトッテナムだ。
最終的に移籍が実現するか否かは別として、その渦中の相手にブルーズのゲームキャプテンとして臨む一戦ではその一挙手一投足に注目が集まるところ。エンソ不在の中盤でのマルチタスクを担いつつ、エモーショナルなダービーにおいてリーダーシップも求められるところだ。
◆トッテナム:DFクリスティアン・ロメロ
Getty Images
因縁の相手に真のリーダーシップ示せるか。昨季アウェイゲームでのククレジャの髪掴み事件、今季前回対戦での一発退場とチェルシーとのダービーでは悪目立ちが続いているロメロは、ギャラガーと共に今回のダービーの主役の一人だ。
攻守両面でワールドクラスの資質を持ち合わせているものの、好戦的過ぎるキャラクターの影響で評価を下げているアルゼンチン代表DFだが、直近のノースロンドン・ダービーでは0-3と承服しがたい展開の中でプレー、コミュニケーションでチームを鼓舞し続け、反撃の狼煙を上げるゴールを含め傑出したパフォーマンス、振る舞いを示した。
これまでであればフラストレーションをラフプレーに繋げたり、相手の挑発にのって不必要なカードをもらって最終的に退場というシナリオも想定されたが、このアーセナル戦ではプレーヤーとして一皮むけた姿を見せた。
とはいえ、まだまだ懐疑的な見方を拭うまでには至っておらず、会場の雰囲気を含めて荒れる要素が満載な今回のダービーでの振る舞いに注目だ。ジャクソンとの対人戦、パーマーとの駆け引きを優位に進め、久々のクリーンシートと共にダービーでの勝利に導きたい。
PR
チェルシーの関連記事
プレミアリーグの関連記事
|
チェルシーの人気記事ランキング
1
サマンサ・カーの人種差別発言巡る法廷闘争が長引く様相…検察側の書類提出が遅れ未だに裁判始まらず
オーストラリア女子代表FWサマンサ・カーの法廷闘争が長引きそうだ。豪『news.com.au』が伝えている。 現在の女子サッカー界を象徴する1人、“サム・カー”。世界的ストライカーにしてイングランド最強チェルシーの絶対的エースであり、昨年はケガを抱えながらも臨んだ自国開催の女子ワールドカップ(W杯)で抜群の存在感を放った。 そんなサム・カー、1月にヒザ前十字じん帯(ACL)損傷の重傷を負い、2月のパリ五輪アジア最終予選を欠場。オーストラリア女子代表は格下ウズベキスタンとの対戦だったことにも助けられ、精神的支柱を欠いても難なく本大会行きを決めた。 しかしその一方、サム・カー自身は昨年1月にロンドンで警察官に対する人種差別発言があったとして起訴されたことが今年3月に明るみに。本人と弁護団は発言の一部を認めつつ、人種差別的な意図を含んだ部分を否定する。 つまり裁判は汚名を晴らすための法廷闘争、ということに。ただ、起訴を叩きつけたイギリス・クラウン検察庁(CPS)の必要書類提出が遅れており、現状裁判が始められず。 豪『シドニー・モーニング・ヘラルド』によると、CPSはサム・カーによる人種差別発言があったとする街中の監視カメラ映像など「重要証拠」を最終的に収集できなかったとされ、被害を訴えた警察官の陳述書も未だ手元にないという。 主張をまとめたCPSの必要書類は、遅くとも4月23日までに裁判所へ提出する必要があり、これはサム・カーにとって汚名を晴らすための法廷闘争が長引くことを表すもの。 オーストラリア国内でも大きな関心ごととなっている本件。無罪を勝ち取ることが国民から望まれているのは至極当然だが、それはさておき、このままサム・カーが代表キャプテンにとどまることには、同国スポーツ界を中心に否定的な見解が目立つ。 国技クリケットの元代表選手であるミッチェル・ジョンソン氏は「カーは多くの少年少女たちから尊敬されているキャプテン。そんな彼女がキャプテンであり続けることは、それ自体がひどいメッセージ。子供たちに、自分の行動には責任を持たなければならないことを示す機会だ」とする。 これに対し、オーストラリア女子代表GKでウェストハム所属のマッケンジー・アーノルドは「彼女から腕章を剥奪? そんな議論は一切ないし、今後も起こるとは到底思えない」と反論。同世代で共にロンドンで活躍する主将を守っている。 サム・カー側が本件で一部の発言を認めているだけに、そのパーソナリティに対する疑問符も湧き上がっている格好だ。 2024.04.13 20:05 Sat2
プレミア3位と好調のチェルシーに追い風、サンチョがトレーニングに復帰
チェルシーのイングランド代表MFジェイドン・サンチョが、トレーニング復帰を果たしたようだ。 サンチョは今夏の移籍市場で、マンチェスター・ユナイテッドから期限付き移籍の形で加入。エンツォ・マレスカ監督の下で一定の出場機会を得ると、ここまでプレミアリーグ5試合3アシストを記録している。 ただ、第8節のリバプール戦では先発しながらハーフタイムでピッチを退くと、それ以降は出場がなし。マレスカ監督は病気やその後のトレーニング中に負った打撲が原因としており、今月のインターナショナルマッチウィーク明けには復帰できる可能性を示唆していた。 そんな中で、チェルシーは公式X(旧ツイッター)を更新し、サンチョがトレーニングに復帰した姿を投稿。イギリス『イブニング・スタンダード』によると、今週末のプレミアリーグ第12節のレスター・シティ戦には出場できる見込みとのことだ。 チェルシーは負傷によって今月のインターナショナルマッチウィークでは代表辞退となったコール・パーマーの状態が不透明なこともあり、サンチョの復帰は大きな後押しとなるだろう。 2024.11.19 15:40 Tue3
名門フラメンゴを今月から率いるはフィリペ・ルイス39歳…トップ初指揮で初陣から2連勝も3試合目は黒星
つい数年前まで欧州の最前線で活躍した元ブラジル代表DFフィリペ・ルイス(39)。彼は今月から、名門フラメンゴを指揮している。 アトレティコ・マドリーのレジェンドにして、一時期はチェルシーにも所属。サイドバックとして確かな技術を持ちながらも、ハードな守備を厭わず、多くのファンを魅了したF・ルイス。 昨年末にフラメンゴで現役を引退すると、そのまま育成年代でコーチングキャリアへ。 当初はU-17チームだったが、夏にU-20を任され、10月に入るとトップチームがチッチ監督を解任…39歳F・ルイスが後任を託された。 3日の初陣は、国内カップ戦準決勝でいきなり強豪コリンチャンスと。F・ルイス新監督は「さっそくブラジル最大のクラシックマッチかよ(笑) このプレッシャーを光栄に感じないわけがないね」と語り、1-0勝利で1stレグ先勝。 続けて6日は初のリーグ戦。敵地でバイーアを2-0と撃破し、就任から公式戦2連勝とした。ブラジル『グローボ』いわく、この2試合は現地でとても高く評価されたそうだ。 しかし17日、リーグ戦第30節でフルミネンセに0-2と敗戦。初黒星にF・ルイス監督は「(準決勝)2ndレグの直前にこういった負け方は痛い。しかしサッカーは毎週、自己を回復し、自信を取り戻す猶予を与えてくれる。選手には頭を空っぽにしてもらいたい」とコメントした。 名手フィリペ・ルイス39歳の、名将への歩みが始まった。 2024.10.18 18:10 Fri4
今季は5名が新加入、イングランドでプレーする日本人女子選手の増加傾向に英紙が注目「今後も続く可能性が高い」
現在は9人、イングランドでプレーする日本人女子選手の増加傾向を英紙が注目「今後も続く可能性が高い」 イングランドのFA女子スーパーリーグ(FAWSL)には、現在9人の日本人選手が所属。アジア人プレーヤーが増加傾向にある理由を、イギリス『BBC』が探った。 マンチェスター・シティのMF長谷川唯を筆頭に、ウェストハムにはDF清水梨紗とMF林穂之香に加え、今季からはFW植木理子も在籍。リバプールではMF長野風花が主軸を担っている。 オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)得点王の実績が評価され、マンチェスター・ユナイテッドにはMF宮澤ひなたが加入。チェルシーにはローンバックでFW浜野まいかが復帰し、今冬にはレスター・シティへ宝田沙織と籾木結花が籍を移した。 なでしこジャパンが2011年ドイツ女子W杯で優勝、2012年にロンドン・オリンピックで銀メダルを獲得した直後にも、2013年にチェルシーへ永里優季(現:ヒューストン・ダッシュ/アメリカ)が、2014年にアーセナルへ大野忍(スペランツァ大阪監督)や近賀ゆかり(サンフレッチェ広島レジーナ)が加入と、イングランドでのプレーを選択する日本人が続いたが、現在は当時とは異なる風向きで、勢いも加速している。 WSLで頭角を現した最初のアジア人選手と言えば、チェルシーで6度のリーグ優勝を達成した韓国女子代表MFチ・ソヨン(2014-2022年5月)をおいて他にないが、『BBC』では、続く存在として長谷川を挙げ、増加傾向にある日本人選手を特集。スカウティングへの投資、テレビによる世界的な女子サッカー中継の増加、移籍市場での競争の激化など、いくつかの要因を挙げた。 「映像が得られるという点で、スカウティングリソースは劇的に増加した。我々には2人の素晴らしいアナリストもいて、間違いのない選手を特定するのに役立っている」と、宝田と籾木を獲得したレスターのウィリー・カーク監督の言葉を引用。ウェストハムのレハネ・スキナー監督は、国際大会を通じて植木の才能を買っていたと話す。 また、イングランド内における女子サッカーの地位が高まったことによる、待遇の変化にも注目。給与の向上や移籍市場の変化により、WSLが選手にとってより魅力的なものになったと伝えている。 各チームの監督ともに、日本人選手の良さに「規律や戦術理解度、技術の高さ」などを挙げる。『BBC』は「これらの要因により、アジア系の才能ある人材がイギリスに流入することになり、最近到着した選手たちの成功を考えると、この傾向は今後も続く可能性が高い」と結んでいるが、まさしくその通りになるだろう。 最後に、各指揮官によるコメントを掲載。日本人選手、特に自チーム所属の選手を大いに評価している点がユニークだ。 「(WSLでプレーする)日本人選手はどんどん増えてくるだろうし、その理由も分かるだろう。非常に規律があり、聞く耳を持っている。強度も高く、ゲームの理解度もとても高い。もちろん、個々の能力は異なる。(長谷川)唯は非常に知的でゲームの読み方は誰にも負けないだろうし、信じられないほどの才能があると思う」(マンチェスター・シティ/ガレス・テイラー監督) 「風花は試合を読む力が高く、本当に素晴らしいサッカー選手だ。彼女たちは戦術面において非常にクレバーで、技術的にもとても優れている。後方から組み立てるチームの多いWSLの現状において、"日本ブランド"は我々にとって助けになる」(リバプール/マット・ビアード監督) 「日本人選手が増えた理由は明白です。戦術的に聡明で、技術的にも才能のある選手を望まない人はいないでしょう?彼女たちは私たちのチームに大きな価値をもたらしてくれました」(ウェストハム/レハネ・スキナー監督) 「必ずしもアジアの選手を探していたわけではなく、トップクラスのナンバー6を探していたら宝田を見つけたんだ。半年ほど注視して、夏に獲得しようとしたが、リンシェーピングとの合意に至らなかったから、(それなら満了後にと)事前契約を行った。チャンピオンズリーグのアーセナル戦は素晴らしかった」 「宝田選手をさらに見ていたら、籾木の良さにも気付いて、これは良い機会だと思ったんだ。2人とも素晴らしい才能のある選手だよ」(レスター・シティ/ウィリー・カーク監督) 2024.02.12 21:57 Mon5