チェルシーが2部首位レスター撃破でベスト4進出…攻守に自滅で2点差追いつかれるも後半AT2発で劇的勝ち上がり【FAカップ】
2024.03.17 23:55 Sun
FAカップ準々決勝、チェルシーvsレスター・シティが17日にスタンフォード・ブリッジで行われ、4-2で勝利したチェルシーが準決勝進出を決めた。
互いに自分たちのやり方でサイドを起点に攻め合う、拮抗した入りとなった。しかし、個の質で勝るホームチームが早い時間帯にゴールをこじ開ける。
13分、右サイドのスペースでパーマーの縦パスに反応したジャクソンが相手DFヴェステルゴーアに一対一を仕掛けてボックス右に侵入。GKとDFを引き付けてファーでドフリーのククレジャにプレゼントパスを供給。これを左サイドバックが難なくワンタッチで流し込んだ。
このPK失敗によってレスターに勢いを与えたものの、サイドからのクロス以外に攻め手がない相手の攻撃を冷静に撥ね返す。ただ、攻撃ではムドリクの際どいミドルシュートに加え、カイセドからの完璧なスルーパスに抜け出したスターリングがGKとの一対一でシュートを枠の右に外してしまう。
PK失敗に続き決定機逸で自身に苛立ちを募らせるスターリングだったが、前半終了間際に汚名返上の仕事を果たす。前半アディショナルタイム1分、左サイドでのスローインの流れから一気に左のスペースに抜け出すと、ボックス左から絶妙なグラウンダークロスを供給。これをニアに絞ってきたパーマーが左足ワンタッチでゴール左下隅に流し込み、結局ブルーズが2点目を奪って試合を折り返した。
互いに選手交代なしで迎えた後半は思わぬ形でスコアが動く。51分、最後尾で何でもないバックパスを受けたディザジがダカの激しい寄せに慌てると、GKサンチェスのポジションを確認せずに左足の長いバックパス。これが無人のゴールへものの見事に決まった。
ディザジの信じがたいオウンゴールによって1点差に迫られたチェルシーだが、失点直後にジャクソン、カイセドのシュートで決定機を作るなどすぐさま反発力を示す。
だが、1点差となったことで明らかに勢いを増したレスターが互角以上の戦いに持ち込むと、62分には相手陣内左サイドでデューズバリー=ホールから足元にパスを受けたマヴィディディが鋭いカットインでDFグストを振り切って右足を一閃。このシュートがゴール右上隅の完璧なコースを射抜いた。
これで2-2の振り出しに戻った試合は完全に拮抗。行ったり来たりのオープンな展開が続いていく。だが、70分過ぎには試合の流れに影響を与えるアクシデントが発生。ジャクソンが巧みなターンでDFと入れ替わってボックス付近でDFドイルと交錯する。当初、主審はPKの判定を下したが、VARのレビューによってエリア外でのファウルと判定が変わって決定機阻止のドイルにはレッドカードが掲示された。
勝ち越しのチャンスは逃したものの、数的優位を手にしたホームチームはここから終盤にかけて猛攻を仕掛けていく。その中でポチェッティーノ監督はムドリク、スターリング、ククレジャを下げてチュクエメカ、マドゥエケ、チルウェルを続けてピッチに送り出す。
すると、結果的に一連の交代策が終盤の劇的な展開をもたらすことに。8分が加えられた後半アディショナルタイムで完全に相手を押し込んだチェルシーは92分、ボックス左でジャクソン、パーマーと細かいパス交換を見せたチュクエメカがパーマーの絶妙なヒールパスでゴール前に抜け出すと、冷静にGKとの一対一を制し、土壇場で勝ち越しゴールを奪った。
さらに、残り時間で攻勢に出たレスターをうまく引っくり返すと、98分にはマドゥエケが鮮やかな個人技からペナルティアーク付近に持ち込んで左足の見事なコントロールシュートを左隅に突き刺し、トドメの4点目まで奪って見せた。
そして、攻守両面での自滅によって2点差を追いつかれる失態を演じたものの、最終的にチャンピオンシップ首位チームを退けたチェルシーがベスト4進出を決めた。
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現在、プレミアリーグ11位とリーグ戦でのヨーロッパ出場権獲得が絶望的なチェルシーは、よりプライオリティ高まる今大会でベスト4進出を狙った。ポチェッティーノ監督はチャンピオンシップ(2部)首位の難敵との一戦に向け、3-2で勝利したニューカッスル戦から先発2人を変更。GKをペトロビッチからロベルト・サンチェスに入れ替えたほか、サスペンションのエンソ・フェルナンデス代役にムドリクを起用した。13分、右サイドのスペースでパーマーの縦パスに反応したジャクソンが相手DFヴェステルゴーアに一対一を仕掛けてボックス右に侵入。GKとDFを引き付けてファーでドフリーのククレジャにプレゼントパスを供給。これを左サイドバックが難なくワンタッチで流し込んだ。
ククレジャのチェルシー加入後初ゴールによってリードを手にしたブルーズは、以降も相手サイドバックの背後を効果的に突きながら決定機を作り出していく。すると、24分には右サイドを深くえぐったグストのクロスに反応したスターリングがボックス内でファタウに倒されてPKを獲得。メインキッカーはパーマーもPKを獲得したスターリングが自らキッカーを務めたが、中途半端な中央へのシュートはGKストラルチクが残した足によってセーブされた。
このPK失敗によってレスターに勢いを与えたものの、サイドからのクロス以外に攻め手がない相手の攻撃を冷静に撥ね返す。ただ、攻撃ではムドリクの際どいミドルシュートに加え、カイセドからの完璧なスルーパスに抜け出したスターリングがGKとの一対一でシュートを枠の右に外してしまう。
PK失敗に続き決定機逸で自身に苛立ちを募らせるスターリングだったが、前半終了間際に汚名返上の仕事を果たす。前半アディショナルタイム1分、左サイドでのスローインの流れから一気に左のスペースに抜け出すと、ボックス左から絶妙なグラウンダークロスを供給。これをニアに絞ってきたパーマーが左足ワンタッチでゴール左下隅に流し込み、結局ブルーズが2点目を奪って試合を折り返した。
互いに選手交代なしで迎えた後半は思わぬ形でスコアが動く。51分、最後尾で何でもないバックパスを受けたディザジがダカの激しい寄せに慌てると、GKサンチェスのポジションを確認せずに左足の長いバックパス。これが無人のゴールへものの見事に決まった。
ディザジの信じがたいオウンゴールによって1点差に迫られたチェルシーだが、失点直後にジャクソン、カイセドのシュートで決定機を作るなどすぐさま反発力を示す。
だが、1点差となったことで明らかに勢いを増したレスターが互角以上の戦いに持ち込むと、62分には相手陣内左サイドでデューズバリー=ホールから足元にパスを受けたマヴィディディが鋭いカットインでDFグストを振り切って右足を一閃。このシュートがゴール右上隅の完璧なコースを射抜いた。
これで2-2の振り出しに戻った試合は完全に拮抗。行ったり来たりのオープンな展開が続いていく。だが、70分過ぎには試合の流れに影響を与えるアクシデントが発生。ジャクソンが巧みなターンでDFと入れ替わってボックス付近でDFドイルと交錯する。当初、主審はPKの判定を下したが、VARのレビューによってエリア外でのファウルと判定が変わって決定機阻止のドイルにはレッドカードが掲示された。
勝ち越しのチャンスは逃したものの、数的優位を手にしたホームチームはここから終盤にかけて猛攻を仕掛けていく。その中でポチェッティーノ監督はムドリク、スターリング、ククレジャを下げてチュクエメカ、マドゥエケ、チルウェルを続けてピッチに送り出す。
すると、結果的に一連の交代策が終盤の劇的な展開をもたらすことに。8分が加えられた後半アディショナルタイムで完全に相手を押し込んだチェルシーは92分、ボックス左でジャクソン、パーマーと細かいパス交換を見せたチュクエメカがパーマーの絶妙なヒールパスでゴール前に抜け出すと、冷静にGKとの一対一を制し、土壇場で勝ち越しゴールを奪った。
さらに、残り時間で攻勢に出たレスターをうまく引っくり返すと、98分にはマドゥエケが鮮やかな個人技からペナルティアーク付近に持ち込んで左足の見事なコントロールシュートを左隅に突き刺し、トドメの4点目まで奪って見せた。
そして、攻守両面での自滅によって2点差を追いつかれる失態を演じたものの、最終的にチャンピオンシップ首位チームを退けたチェルシーがベスト4進出を決めた。
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