「W杯に選ばれるチャンスになる」佐藤龍之介、代表定着に向けて求められる“結果”「ゴール前で自分のプレーを見せたい」
2025.07.08 07:19 Tue
東アジアE-1選手権に臨む日本代表は7日、初戦のホンコン・チャイナ戦に向けてトレーニングを行った。6月のW杯アジア最終予選に引き続き、今回の招集メンバーに名を連ねたファジアーノ岡山のMF佐藤龍之介は、さらなる活躍に向けて熱意を顕わにした。
2025シーズン、FC東京からファジアーノ岡山に育成型期限付き移籍で加入した佐藤は6月、W杯最終予選に向けた日本代表メンバーにA代表として初招集され、インドネシア戦でデビューを飾った。18歳という若さで、J1では今シーズン18試合に出場し、4ゴール1アシストを記録している。右WBというポジションながらも、得点に直結するプレーができる選手だ。
「チームがやりたいことやチームでやるべきことは、もちろん理解しています。その中で、自分の“個”を意識して出していきたいなと思います」と強調し、「いろいろな年齢の選手が多いですが、年齢は関係なく、自分の良さを追求したいなと思います」と、多士済々の日本代表でも、自分の武器を見失うことはない。
A代表初招集の6月シリーズでは1試合の途中出場に留まった。「すごい選手はたくさんいます。でも、極端に言えば、自分が中心選手だと思い込んで、点を取っていくという思いをプレーで表現する。そういう意識でいるべきだと思います」と、当事者意識は十分だ。今大会で何かを残そうとする気概も見える。
さらに、2026年に開催されるFIFA W杯に向けての意気込みも十分だ。「結果を残すことが大事だと思います。こういった大会の舞台で結果を残せる選手というのは、プレーの内容以上の評価を残し、W杯などの大会でメンバーに選出されるチャンスになっていくと思います。そういった点では、ゴール前で自分のプレーを見せたいなと思います」とコメントした。“点を取る”という意識を胸に、今大会では目に見える結果を残したい。
2025シーズン、FC東京からファジアーノ岡山に育成型期限付き移籍で加入した佐藤は6月、W杯最終予選に向けた日本代表メンバーにA代表として初招集され、インドネシア戦でデビューを飾った。18歳という若さで、J1では今シーズン18試合に出場し、4ゴール1アシストを記録している。右WBというポジションながらも、得点に直結するプレーができる選手だ。
「チームがやりたいことやチームでやるべきことは、もちろん理解しています。その中で、自分の“個”を意識して出していきたいなと思います」と強調し、「いろいろな年齢の選手が多いですが、年齢は関係なく、自分の良さを追求したいなと思います」と、多士済々の日本代表でも、自分の武器を見失うことはない。
さらに、2026年に開催されるFIFA W杯に向けての意気込みも十分だ。「結果を残すことが大事だと思います。こういった大会の舞台で結果を残せる選手というのは、プレーの内容以上の評価を残し、W杯などの大会でメンバーに選出されるチャンスになっていくと思います。そういった点では、ゴール前で自分のプレーを見せたいなと思います」とコメントした。“点を取る”という意識を胸に、今大会では目に見える結果を残したい。
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