取ったら取り返す作戦は機能しなかった…/原ゆみこのマドリッド
2025.04.11 20:00 Fri
「たった1週間なのは助かった」そんな風に私が少し気を楽にしていたのは木曜日、レアル・マドリーのCL決勝トーナメント根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)ギャンペーンがマスコミで始まったのを確認した時のことでした。いやあ、火曜にショッキングな準々決勝アーセナル戦1stレグを近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見た後、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況が、「レモンターダが十八番なのは、その状況に陥るミスを犯すから」と言っていたのが、妙に耳に残っていたんですけどね。確かに水曜のドルトムント戦1stレグで圧倒的な力の差を見せつけ、4-0の大勝をしたバルサの方がイロイロ、都合はいいのは事実かと。
だってえ、来週水曜の2ndレグまで、頭がレモンターダで一杯になってしまったマドリーに対して、フリック監督のチームは火曜のジグナル・イドゥナ・パルク訪問がお散歩状態に。おかげで土曜午後9時(日本時間翌午前4時)のリーガ、ブタルケでのレガネス戦で、12月にモンジュイックで喰らった0-1の敗戦を倍どころか、4倍返しにしてやろうと企む余裕ができたんですよ。何せ現在、当の弟分チームは前節もホームでラバのPKゴールで追いついて、オサスナと1-1と引き分け、ようやく3連敗を脱出。とにかく降格圏の18位をなかなか脱出できずにいるため、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)に勝ち点2差の17位のアラベスと当たる兄貴分の援護射撃が欠かせないというのに、首位バルサと勝ち点4差のリーガのことを考えているマドリー勢がほとんどいないなんてこと、あっていい?
まあ、そんなことはともかく、先にエミレーツ・スタジアムでのアーセナル戦1stレグがどうだったか、お話ししていくことにすると。右にバルベルデ、左にアラバと両SBに本職でない選手を置いてスタートしたマドリーだったんですが、開始4分には敵のFKをクリアした後、カウンターでビニシウスが抜け出すという絶好のチャンスを迎えることに。それがエリアに入ったところで、エムバペに繋ごうと出した横パスを敵にカットされてしまったのが、まずはケチのつき始めだったんでしょうか。その後もビニシウスやエムバペのシュートは決まらず、31分など、ベリンガムがセンターから出したスルーパスを追ったエムバペが1対1で狙った一撃もGKダビド・ラジャに止められてしまう始末でねえ。
それどころか、ハーフタイム間際にはデクラン・ライスのヘッド、マルティネッリの至近距離シュートをGKクルトワが連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)してくれなければ、リードを奪われて折り返していたところでしたが、何とか0-0で前半は終了。まあ実際、そこまではアルテタ監督のチームにそれ程、怖さも感じなかったため、後半にはエムバパなり、CLの申し子であるロドリゴなりがゴールを決めてくれるんじゃないかと思っていた私でしたが、それがまさか、あんなとんでもない展開になるとは!
そう、サプライズがあったのは後半13分のことで、サカを深追いしたアラバが相手を倒し、エリア正面からのFKを与えてしまったのが原因なんですけどね。「最初はクロスを上げるつもりだったんだけど、敵の壁とGKの位置を見たら、狙ってやれって思った」という、キッカーのライスが蹴ったFKが壁の右端にいたバルベルデを迂回。横っ飛びしたクルトワの長い手も届かず、ネットに突き刺さったから、ビックリしたの何のって。
そう、そのちょっと前にはマルティネッリのシュートをクルトワが弾き、その跳ね返りをミケル・メリーノがvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んだボールもアラバがゴールライン上でクリア。更にメリーノの撃ち直しもクルトワが弾くという、心臓バクバクもんのトリプルピンチがあった後、CKからのライスのシュートをこれまた、ベリンガムがゴールライン上で弾いて、何とか2失点目を免れたマドリーだったんですけどね。またしてもファールで先ほどより、ちょっと左側のエリア正面でのFKを与えてしまったのが運の尽き。
いくら何でも二匹目のドジョウはないだろうと誰もが思ったものの、再びライスが蹴ったところ、今度は壁の間に入ったアーセナルの選手たちが二手に分かれて隙間が生まれ、またしてもボールがゴールに入ってしまうって、一体、どうなっているんでしょう。これにはアルテタ監督まで、「ウチは2021年以来、直接FKを決めていないのに、hoy un jugador que nunca había marcado de falta ha colado dos goles en 12 minutos/オイ・ウン・フガドール・ケ・ヌンカ・アビア・マルカードー・デ・ファルタ・ア・コラードー・ドス・ゴレス・エン・ドセ・ミヌートス(今日は1度もFKでゴールを入れたことのない選手が、12分間で2本も決めた)」と驚いていましたが、いやいや。マドリーの大殺界はこれで終わりではなかったんです!
ええ、今季は相手に先制されることが決して珍しくなかった彼らでしたが、最近は特に取ったら取り返せばいいという開き直りが顕著でしたからね。逆境に燃え上がるチームの習性を利用して、残り時間でせめて1点ぐらいは返して、2ndレグで辻褄を合わせるのがアンチェロッティ監督の計画だったのかもしれないんですが、予想できなかったのは選手たちのリアクションがなかったこと。それどころか、先週末のバレンシア戦でも1時間程プレーしたモドリッチをルーカス・バスケスに代えた後の30分、まさかルイス=スケリーが繋いだボールから、メリーノに3点目のゴールを奪われてしまっては、もう絶対絶命では?
うーん、昨季までいたレアル・ソシエダやスペイン代表では中盤でプレーしているイメージのあるメリーノがまさかマドリー相手に得点して、あまりプレミアリーグを見ないスペイン人ファンにアーセナルでCFを務めているというのが、ガセではなかったのを証明できたのは良かったかもしれないんですけどね。3-0とされた後のマドリーはほとんどチャンスを作ることもなく、あろうことか、ロスタイムにはカマビンガが2枚目のイエローカードをもらって退場するおまけ付きで試合は終了。これにはバルを満員にしたマドリーファンたちもカンカンだったんですが、こんな大敗にも決してタオルを投げないのが、マドリーがマドリーたる所以。
ええ、アンチェロッティ監督も最初は2ndレグでのレモンターダについて、「Las posibilidades son muy pocas pero hay que intentarlo/ラス・ポシビリダーデス・ソン・ムイ・ポカス・エロ・アイ・ケ・インテンタールロ(確率はとても低いが、やってみなければ)」と言っていたのが、会見の最後では、「Muchas veces en el Bernabéu ocurren cosas así/ムーチャス・ベセス・エン・エル・ベルナベウ・オクレン・コーサス・アシー(ベルナベウでは何度もそういうことが起きる)」という論調に。
まだマドリー2年目のベリンガムも「もし逆転できるチームがあるとしたら、それはレアル・マドリー」と断言していましたしね。クルトワに至ってはご丁寧にも、「Si metemos uno o dos goles rápidos el tercero vendrá solo y creo que es possible/シー・メテモス・ウノ・オ・ドス・ゴーレス・ラピドス・エル・テルセロ・ベントラ・ソロ・イ・クレオ・ケ・エス・ポシーブレ(ゴールを1本か2本素早く決めたら、3本目は勝手に入るし、可能だと思う)」とレモンターダのシナリオまで披露って、まったくどこまで自信があるのか。
ただ、注意しておくと、マドリーがかつてアウェイでの1stレグに3点差で負けたヨーロッパの大会の決勝トーナメント6回のうち、逆転突破ができたのは半分の3度だけで、1975年のダービー・カウンティ戦(4-1、5-1)、1985年のアンデルレヒト戦(3-0、6-1)、1986年のメンヘングラッドバッハ戦(5-1、4-0)と、かなり昔のことなんですよね。
例えば、レモンターダラッシュで優勝した2022年のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)も16強対決のPSGに1-0負けから、ホームで3-1の勝利。準々決勝チェルシー戦など、ロンドンで1-3と勝っていながら、ベルナベウで追い越され、最後は2-3の負けで突破。準決勝のマンチェスター・シティも4-3の負けから、3-1の勝利と、どれも3点差を覆す程の難易度ではなかったのはちょっと気になるかと。
加えて、エミレーツ・スタジアムでは守備の弱さだけでなく、エムバペ、ビニシウス、ロドリゴ、ベリンガムら攻撃陣がまったく効率的でなかったこともありますし、2ndレグには出場停止となるカマビンガだけでなく、セバージョスとメンディも間に合わないようだとなると、正直、私も逆転突破には懐疑的なんですが…あのアーセナルの強さを見る限り、16強対決でお隣さんに負けたアトレティコかなんて、3点どころか、5点ぐらい取られていたかもしれませんしね。今回、レモンターダを成し遂げられたら、私のマドリーを見る目も変わってくるかもしれませんね。
え、それで待望のミッドウィークフリーを満喫しているアトレティコの次のリーガ戦はいつなのかって?いやあ、前節は弟分のラージョとレガネスが平日試合に当たったんですが、この31節はメトロポリターノで月曜午後9時にバジャドリー戦が開催されることになってねえ。後半ロスタイムにバリオスがゴールを挙げて、土壇場の逆転勝利をした前節セビージャ戦は日曜だったため、中7日と更に余裕なんですが、今のところ、負傷でサンチェス・ピスファンに行かなかったデ・パウルとリノはまだチーム練習に合流していません。
代わって、負傷から前節に復帰したコケが中盤のスタメンを務める準備をしているようで、まあ何と言っても、相手は先週末も弟分のヘタフェに0-4の大敗を喰らった最下位チーム。おまけにその試合中、ベンチでルイス・ペレスがラタサに殴りかかろうとするシーンが見られた程、現在、残留ゾーンから勝ち点14差と刻一刻と降格確定が近づいているバジャドリーの内部崩壊ぶりはかなりのよう。となると、アトレティコの勝利は堅そうですが、今季はレガネスやヘタフェに負け、最近も残留争いグループのエスパニョールと引き分けた彼らですからね。この試合では前節のバレンシア戦の負けで勝ち点3となった2位のお隣さん、ベティスと引き分けて7差となった首位バルサを本気で追撃する意欲があるのかないのか、問われることになりそうです。
そしてこの週末土曜、ブタルケでのレガネスvsバルサ戦の前座を務めるのがヘタフェで、こちらはコリセウムにラル・パルマスを迎えることに。ちなみにボルダラス監督のチームは前節の勝利で勝ち点39に到達し、この降格圏19位の相手を倒せば、ほぼほぼ残留が確定するんですが、実は来季のヨーロッパの大会出場権が回ってくる7位、8位ともそれぞれ、4差、2差と手の届く範囲にいるんですよ。まあ、彼らは11位ですから、間にいくつもチームがあるのが難点とはいえ、残り7試合、ファンに夢を見させてあげるため、頑張ってみるのも一興では?
一方、一足先に勝ち点40に到達したラージョは前節、エスタディオ・バジェカスでエスパニョールに0-4の大敗を喰らい、いえ、まだ8位と勝ち点1差の9位ですから、全然、ヨーロッパの大会行きを諦めることはないんですけどね。ただ、この日曜の相手は4位のアスレティックで、しかもサン・マメスで開催とあって、かなり勝利のハードルは高いんですが、バルベルデ監督のチームは木曜にELレンジャース戦1stレグをアウィでプレーして、スコアレスドローで決着。その疲労も溜まっているはずですし、要は来週木曜の2ndレグをまったくゼロの状態から始めないといけないため、もしかしたら、気が散ってくれたりする?今は3位のアトレティコと勝ち点6差ついているアスレティックとはいえ、ちょっと弟分の援護射撃を期待したいところです。
だってえ、来週水曜の2ndレグまで、頭がレモンターダで一杯になってしまったマドリーに対して、フリック監督のチームは火曜のジグナル・イドゥナ・パルク訪問がお散歩状態に。おかげで土曜午後9時(日本時間翌午前4時)のリーガ、ブタルケでのレガネス戦で、12月にモンジュイックで喰らった0-1の敗戦を倍どころか、4倍返しにしてやろうと企む余裕ができたんですよ。何せ現在、当の弟分チームは前節もホームでラバのPKゴールで追いついて、オサスナと1-1と引き分け、ようやく3連敗を脱出。とにかく降格圏の18位をなかなか脱出できずにいるため、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)に勝ち点2差の17位のアラベスと当たる兄貴分の援護射撃が欠かせないというのに、首位バルサと勝ち点4差のリーガのことを考えているマドリー勢がほとんどいないなんてこと、あっていい?
まあ、そんなことはともかく、先にエミレーツ・スタジアムでのアーセナル戦1stレグがどうだったか、お話ししていくことにすると。右にバルベルデ、左にアラバと両SBに本職でない選手を置いてスタートしたマドリーだったんですが、開始4分には敵のFKをクリアした後、カウンターでビニシウスが抜け出すという絶好のチャンスを迎えることに。それがエリアに入ったところで、エムバペに繋ごうと出した横パスを敵にカットされてしまったのが、まずはケチのつき始めだったんでしょうか。その後もビニシウスやエムバペのシュートは決まらず、31分など、ベリンガムがセンターから出したスルーパスを追ったエムバペが1対1で狙った一撃もGKダビド・ラジャに止められてしまう始末でねえ。
そう、サプライズがあったのは後半13分のことで、サカを深追いしたアラバが相手を倒し、エリア正面からのFKを与えてしまったのが原因なんですけどね。「最初はクロスを上げるつもりだったんだけど、敵の壁とGKの位置を見たら、狙ってやれって思った」という、キッカーのライスが蹴ったFKが壁の右端にいたバルベルデを迂回。横っ飛びしたクルトワの長い手も届かず、ネットに突き刺さったから、ビックリしたの何のって。
これには後でクルトワも「Puedo tomar la responsabilidad de que en la primera falta podría haber puesto un hombre más/プエド・トマール・ラ・レスポンサビリダッド・デ・ケ・エン・ラ・プリメーラ・ファルタ・ポドリア・アベール・プエストー・ウン・オンブレ・マス(最初のFKで壁にもう1人、置くこともできたという責任はボクにある)」と通常より、人数が少なかったことを反省していたんですけどね。それより恐るるべきはライスで、ベッカムに憧れていた当人が日々、FKの腕を磨いていた成果が25分にも再び、現れることに。
そう、そのちょっと前にはマルティネッリのシュートをクルトワが弾き、その跳ね返りをミケル・メリーノがvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んだボールもアラバがゴールライン上でクリア。更にメリーノの撃ち直しもクルトワが弾くという、心臓バクバクもんのトリプルピンチがあった後、CKからのライスのシュートをこれまた、ベリンガムがゴールライン上で弾いて、何とか2失点目を免れたマドリーだったんですけどね。またしてもファールで先ほどより、ちょっと左側のエリア正面でのFKを与えてしまったのが運の尽き。
いくら何でも二匹目のドジョウはないだろうと誰もが思ったものの、再びライスが蹴ったところ、今度は壁の間に入ったアーセナルの選手たちが二手に分かれて隙間が生まれ、またしてもボールがゴールに入ってしまうって、一体、どうなっているんでしょう。これにはアルテタ監督まで、「ウチは2021年以来、直接FKを決めていないのに、hoy un jugador que nunca había marcado de falta ha colado dos goles en 12 minutos/オイ・ウン・フガドール・ケ・ヌンカ・アビア・マルカードー・デ・ファルタ・ア・コラードー・ドス・ゴレス・エン・ドセ・ミヌートス(今日は1度もFKでゴールを入れたことのない選手が、12分間で2本も決めた)」と驚いていましたが、いやいや。マドリーの大殺界はこれで終わりではなかったんです!
ええ、今季は相手に先制されることが決して珍しくなかった彼らでしたが、最近は特に取ったら取り返せばいいという開き直りが顕著でしたからね。逆境に燃え上がるチームの習性を利用して、残り時間でせめて1点ぐらいは返して、2ndレグで辻褄を合わせるのがアンチェロッティ監督の計画だったのかもしれないんですが、予想できなかったのは選手たちのリアクションがなかったこと。それどころか、先週末のバレンシア戦でも1時間程プレーしたモドリッチをルーカス・バスケスに代えた後の30分、まさかルイス=スケリーが繋いだボールから、メリーノに3点目のゴールを奪われてしまっては、もう絶対絶命では?
うーん、昨季までいたレアル・ソシエダやスペイン代表では中盤でプレーしているイメージのあるメリーノがまさかマドリー相手に得点して、あまりプレミアリーグを見ないスペイン人ファンにアーセナルでCFを務めているというのが、ガセではなかったのを証明できたのは良かったかもしれないんですけどね。3-0とされた後のマドリーはほとんどチャンスを作ることもなく、あろうことか、ロスタイムにはカマビンガが2枚目のイエローカードをもらって退場するおまけ付きで試合は終了。これにはバルを満員にしたマドリーファンたちもカンカンだったんですが、こんな大敗にも決してタオルを投げないのが、マドリーがマドリーたる所以。
ええ、アンチェロッティ監督も最初は2ndレグでのレモンターダについて、「Las posibilidades son muy pocas pero hay que intentarlo/ラス・ポシビリダーデス・ソン・ムイ・ポカス・エロ・アイ・ケ・インテンタールロ(確率はとても低いが、やってみなければ)」と言っていたのが、会見の最後では、「Muchas veces en el Bernabéu ocurren cosas así/ムーチャス・ベセス・エン・エル・ベルナベウ・オクレン・コーサス・アシー(ベルナベウでは何度もそういうことが起きる)」という論調に。
まだマドリー2年目のベリンガムも「もし逆転できるチームがあるとしたら、それはレアル・マドリー」と断言していましたしね。クルトワに至ってはご丁寧にも、「Si metemos uno o dos goles rápidos el tercero vendrá solo y creo que es possible/シー・メテモス・ウノ・オ・ドス・ゴーレス・ラピドス・エル・テルセロ・ベントラ・ソロ・イ・クレオ・ケ・エス・ポシーブレ(ゴールを1本か2本素早く決めたら、3本目は勝手に入るし、可能だと思う)」とレモンターダのシナリオまで披露って、まったくどこまで自信があるのか。
ただ、注意しておくと、マドリーがかつてアウェイでの1stレグに3点差で負けたヨーロッパの大会の決勝トーナメント6回のうち、逆転突破ができたのは半分の3度だけで、1975年のダービー・カウンティ戦(4-1、5-1)、1985年のアンデルレヒト戦(3-0、6-1)、1986年のメンヘングラッドバッハ戦(5-1、4-0)と、かなり昔のことなんですよね。
例えば、レモンターダラッシュで優勝した2022年のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)も16強対決のPSGに1-0負けから、ホームで3-1の勝利。準々決勝チェルシー戦など、ロンドンで1-3と勝っていながら、ベルナベウで追い越され、最後は2-3の負けで突破。準決勝のマンチェスター・シティも4-3の負けから、3-1の勝利と、どれも3点差を覆す程の難易度ではなかったのはちょっと気になるかと。
加えて、エミレーツ・スタジアムでは守備の弱さだけでなく、エムバペ、ビニシウス、ロドリゴ、ベリンガムら攻撃陣がまったく効率的でなかったこともありますし、2ndレグには出場停止となるカマビンガだけでなく、セバージョスとメンディも間に合わないようだとなると、正直、私も逆転突破には懐疑的なんですが…あのアーセナルの強さを見る限り、16強対決でお隣さんに負けたアトレティコかなんて、3点どころか、5点ぐらい取られていたかもしれませんしね。今回、レモンターダを成し遂げられたら、私のマドリーを見る目も変わってくるかもしれませんね。
え、それで待望のミッドウィークフリーを満喫しているアトレティコの次のリーガ戦はいつなのかって?いやあ、前節は弟分のラージョとレガネスが平日試合に当たったんですが、この31節はメトロポリターノで月曜午後9時にバジャドリー戦が開催されることになってねえ。後半ロスタイムにバリオスがゴールを挙げて、土壇場の逆転勝利をした前節セビージャ戦は日曜だったため、中7日と更に余裕なんですが、今のところ、負傷でサンチェス・ピスファンに行かなかったデ・パウルとリノはまだチーム練習に合流していません。
代わって、負傷から前節に復帰したコケが中盤のスタメンを務める準備をしているようで、まあ何と言っても、相手は先週末も弟分のヘタフェに0-4の大敗を喰らった最下位チーム。おまけにその試合中、ベンチでルイス・ペレスがラタサに殴りかかろうとするシーンが見られた程、現在、残留ゾーンから勝ち点14差と刻一刻と降格確定が近づいているバジャドリーの内部崩壊ぶりはかなりのよう。となると、アトレティコの勝利は堅そうですが、今季はレガネスやヘタフェに負け、最近も残留争いグループのエスパニョールと引き分けた彼らですからね。この試合では前節のバレンシア戦の負けで勝ち点3となった2位のお隣さん、ベティスと引き分けて7差となった首位バルサを本気で追撃する意欲があるのかないのか、問われることになりそうです。
そしてこの週末土曜、ブタルケでのレガネスvsバルサ戦の前座を務めるのがヘタフェで、こちらはコリセウムにラル・パルマスを迎えることに。ちなみにボルダラス監督のチームは前節の勝利で勝ち点39に到達し、この降格圏19位の相手を倒せば、ほぼほぼ残留が確定するんですが、実は来季のヨーロッパの大会出場権が回ってくる7位、8位ともそれぞれ、4差、2差と手の届く範囲にいるんですよ。まあ、彼らは11位ですから、間にいくつもチームがあるのが難点とはいえ、残り7試合、ファンに夢を見させてあげるため、頑張ってみるのも一興では?
一方、一足先に勝ち点40に到達したラージョは前節、エスタディオ・バジェカスでエスパニョールに0-4の大敗を喰らい、いえ、まだ8位と勝ち点1差の9位ですから、全然、ヨーロッパの大会行きを諦めることはないんですけどね。ただ、この日曜の相手は4位のアスレティックで、しかもサン・マメスで開催とあって、かなり勝利のハードルは高いんですが、バルベルデ監督のチームは木曜にELレンジャース戦1stレグをアウィでプレーして、スコアレスドローで決着。その疲労も溜まっているはずですし、要は来週木曜の2ndレグをまったくゼロの状態から始めないといけないため、もしかしたら、気が散ってくれたりする?今は3位のアトレティコと勝ち点6差ついているアスレティックとはいえ、ちょっと弟分の援護射撃を期待したいところです。
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レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが、国際サッカー連盟(FIFA)の倫理規定違反で2年間の出場停止処分を科される可能性が浮上している。 昨年はバロンドールこそ逃したもののFIFAザ・ベストを受賞し、チャンピオンズリーグとラ・リーガの2冠に貢献したヴィニシウス。今シーズンは昨シーズンほどのインパクトこそ残せていないが、公式戦20ゴール14アシストと十分なスタッツを残し、マドリーの主軸として活躍。直近では2030年までの新契約締結で合意に至ったとの報道も出ていた。 そんななか、イタリア『ジャンルカ・ディ・マルツィオ』などの報道によれば、現在フットボール界屈指のスーパースターには父親と代理人とともに経営する『ALL Agenciamento Esportivo』社のサッカークラブ買収に関する問題で、FIFAから調査を受けているという。 『ALL』はポルトガルのFCアルベルカと、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエB(ブラジル2部)のアスレティック・クラブを買収した。 後者のアスレティック・クラブに関しては16.5%の株式を保有するブラジル企業『ティベリス・ホールディング・ド・ブラジル』が、クラブのセリエB昇格を受けて、株式過半数を取得する優先購入権を行使する計画を立てていた。 しかし、実際に株式はヴィニシウスと関係のある『ALL』に直接売却され、サンパウロ商事裁判所は調査のため取引を停止。 だが、捜査が行われている間に『ALL』がクラブの運営権を握ったことに激怒した『ティベリス』は4月7日、FIFA倫理委員会の調査委員会に申し立てを行い、ヴィニシウスに対して2年間の出場停止処分を要求した。 『ティベリス』の訴えによると、これはFIFA倫理規定第20条およびスペインサッカー連盟(RFEF)スポーツ正義規定第22条に違反するとして国際訴訟を起こすことを決定。これらの規定はいずれも、利益相反の明らかなリスクがある場合に、現役サッカー選手がプロサッカークラブを直接的または間接的に所有することを禁じている。 懸念されるのは、選手オーナーにとって有利な個人契約、スポーツの試合結果への影響。さらに、異例の形で他の選手を引きつける可能性、税務上の不正行為に至るまで、多岐にわたるという。実際、アスレティック・クラブとアルベルカの間ではここにきて選手移籍の動きもある。 この訴えはFIFAに審査される予定であり、出場停止処分に至らない可能性もあるが、『ティベリス』は2年間の出場停止処分を求めており、この訴えが全面的に認められた場合、ヴィニシウスの選手生命に関わる事態となる。 ただ、現状の見立てでは両者間での和解を目指しつつ、ヴィニシウス側に処分が下ったとしても、罰金といったより軽微な処分にとどまる可能性が高いようだ。 2025.04.23 20:51 Wed4
40歳C・ロナウドが約400億円で3年連続最も稼いだアスリートに! メッシが5位、ドジャース・大谷翔平は9位
アル・ナスルのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(40)が、再び世界で最も稼ぐアスリートとなった。アメリカ『フォーブス』が伝えた。 サッカー界のスーパースターの1人であるC・ロナウド。初めて世界で最も稼ぐアスリートになってから9年。40歳になった中で、3年連続5度目のナンバーワンとなった。 スポルティングCPで才能を見出され、マンチェスター・ユナイテッドで輝きを放ち、レアル・マドリーで全盛期を迎えると、ユベントス、ユナイテッドでプレーし、現在はサウジアラビアのアル・ナスルでプレー。AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)では準決勝で川崎フロンターレに敗れてアジア王者は逃したが、その存在感は健在だ。 サッカー界のNo.1プレーヤーという肩書きは譲りつつあるものの、この1年間で稼いだ金額は推定2億7500万ドル(約399億6000万円)とのこと。これは自己最高記録であり、歴代でも2015年に3億ドル、2018年に2億8500万ドルを稼いだプロボクサーのフロイド・メイウェザーだけとなっている。 内訳としては2億2500万ドル(約326億9000万円)がアル・ナスルとの契約で手にしており、残りの5000万ドル(約72億7000万円)はピッチ外での収入となり、スポンサー契約などの収入と見られている。 サッカー選手ではトップ10にはアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)が1億3500万ドル(約196億3000万円)で5位。8位に元フランス代表FWカリム・ベンゼマ(アル・イテハド)が1億400万ドル(約151億2000万円)でランクイン。トップ50に広げると、フランス代表FWキリアン・ムバッペ(レアル・マドリー)が9000万ドル(約130億9000万円)で16位、ブラジル代表FWネイマール(サントス)が7600万ドル(約110億5000万円)で25位、ノルウェー代表FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)が6200万ドル(約90億1000万円)で34位、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)が5500万ドル(約80億円)で46位、セネガル代表FWサディオ・マネ(アル・ナスル)が5400万ドル(約78億5000万円)で48位となった。 全体では2位にNBAのゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーで1億5600万ドル(約226億7000万円)、3位にイングランドのプロボクサーであるタイソン・フューリーで1億4600万ドル(約212億2000万円)、4位にNFLのダラス・カウボーイズに所属するダック・プレスコットで1億3700万ドル(約199億1000万円)、5位がメッシとなった。 なお、日本人では9位にはMLBのロサンゼルス・ドジャーズに所属する大谷翔平が唯一入り1億250万ドル(約148億9000万円)。フィールド上で250万ドル(約3億6000万円)、フィールド外で1億ドル(約145億3000万円)を稼いでいるとされている。 <h3>◆最も稼ぐアスリートランキング 2025</h3> 1位:クリスティアーノ・ロナウド(サッカー/ポルトガル/40歳) 総収益:2億7500万ドル(約399億6000万円) 2位:ステフィン・カリー(バスケットボール/アメリカ/37歳) 総収益:1億5600万ドル(約226億7000万円) 3位:タイソン・フューリー(ボクシング/イギリス/36歳) 総収益:1億4600万ドル(約212億2000万円) 4位:ダック・プレスコット(アメリカン・フットボール/アメリカ/31歳) 総収益:1億3700万ドル(約199億1000万円) 5位:リオネル・メッシ(サッカー/アルゼンチン/37歳) 総収益:1億3500万ドル(約196億3000万円) 6位:レブロン・ジェームズ(バスケットボール/アメリカ/39歳) 総収益:1億3380万ドル(約194億4000万円) 7位:フアン・ソト(野球/ドミニカ共和国/26歳) 総収益:1億1400万ドル(約165億8000万円) 8位:カリム・ベンゼマ(サッカー/フランス/36歳) 総収益:1億400万ドル(約151億2000万円) 9位:大谷翔平(野球/日本/歳) 総収益:1億250万ドル(約148億9000万円) 10位:ケビン・デュラント(バスケットボール/アメリカ/35歳) 総収益:1億140万ドル(約147億3000万円) 2025.05.16 17:40 Fri5
