取ったら取り返す作戦は機能しなかった…/原ゆみこのマドリッド
2025.04.11 20:00 Fri
「たった1週間なのは助かった」そんな風に私が少し気を楽にしていたのは木曜日、レアル・マドリーのCL決勝トーナメント根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)ギャンペーンがマスコミで始まったのを確認した時のことでした。いやあ、火曜にショッキングな準々決勝アーセナル戦1stレグを近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見た後、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況が、「レモンターダが十八番なのは、その状況に陥るミスを犯すから」と言っていたのが、妙に耳に残っていたんですけどね。確かに水曜のドルトムント戦1stレグで圧倒的な力の差を見せつけ、4-0の大勝をしたバルサの方がイロイロ、都合はいいのは事実かと。
だってえ、来週水曜の2ndレグまで、頭がレモンターダで一杯になってしまったマドリーに対して、フリック監督のチームは火曜のジグナル・イドゥナ・パルク訪問がお散歩状態に。おかげで土曜午後9時(日本時間翌午前4時)のリーガ、ブタルケでのレガネス戦で、12月にモンジュイックで喰らった0-1の敗戦を倍どころか、4倍返しにしてやろうと企む余裕ができたんですよ。何せ現在、当の弟分チームは前節もホームでラバのPKゴールで追いついて、オサスナと1-1と引き分け、ようやく3連敗を脱出。とにかく降格圏の18位をなかなか脱出できずにいるため、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)に勝ち点2差の17位のアラベスと当たる兄貴分の援護射撃が欠かせないというのに、首位バルサと勝ち点4差のリーガのことを考えているマドリー勢がほとんどいないなんてこと、あっていい?
まあ、そんなことはともかく、先にエミレーツ・スタジアムでのアーセナル戦1stレグがどうだったか、お話ししていくことにすると。右にバルベルデ、左にアラバと両SBに本職でない選手を置いてスタートしたマドリーだったんですが、開始4分には敵のFKをクリアした後、カウンターでビニシウスが抜け出すという絶好のチャンスを迎えることに。それがエリアに入ったところで、エムバペに繋ごうと出した横パスを敵にカットされてしまったのが、まずはケチのつき始めだったんでしょうか。その後もビニシウスやエムバペのシュートは決まらず、31分など、ベリンガムがセンターから出したスルーパスを追ったエムバペが1対1で狙った一撃もGKダビド・ラジャに止められてしまう始末でねえ。
それどころか、ハーフタイム間際にはデクラン・ライスのヘッド、マルティネッリの至近距離シュートをGKクルトワが連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)してくれなければ、リードを奪われて折り返していたところでしたが、何とか0-0で前半は終了。まあ実際、そこまではアルテタ監督のチームにそれ程、怖さも感じなかったため、後半にはエムバパなり、CLの申し子であるロドリゴなりがゴールを決めてくれるんじゃないかと思っていた私でしたが、それがまさか、あんなとんでもない展開になるとは!
そう、サプライズがあったのは後半13分のことで、サカを深追いしたアラバが相手を倒し、エリア正面からのFKを与えてしまったのが原因なんですけどね。「最初はクロスを上げるつもりだったんだけど、敵の壁とGKの位置を見たら、狙ってやれって思った」という、キッカーのライスが蹴ったFKが壁の右端にいたバルベルデを迂回。横っ飛びしたクルトワの長い手も届かず、ネットに突き刺さったから、ビックリしたの何のって。
そう、そのちょっと前にはマルティネッリのシュートをクルトワが弾き、その跳ね返りをミケル・メリーノがvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んだボールもアラバがゴールライン上でクリア。更にメリーノの撃ち直しもクルトワが弾くという、心臓バクバクもんのトリプルピンチがあった後、CKからのライスのシュートをこれまた、ベリンガムがゴールライン上で弾いて、何とか2失点目を免れたマドリーだったんですけどね。またしてもファールで先ほどより、ちょっと左側のエリア正面でのFKを与えてしまったのが運の尽き。
いくら何でも二匹目のドジョウはないだろうと誰もが思ったものの、再びライスが蹴ったところ、今度は壁の間に入ったアーセナルの選手たちが二手に分かれて隙間が生まれ、またしてもボールがゴールに入ってしまうって、一体、どうなっているんでしょう。これにはアルテタ監督まで、「ウチは2021年以来、直接FKを決めていないのに、hoy un jugador que nunca había marcado de falta ha colado dos goles en 12 minutos/オイ・ウン・フガドール・ケ・ヌンカ・アビア・マルカードー・デ・ファルタ・ア・コラードー・ドス・ゴレス・エン・ドセ・ミヌートス(今日は1度もFKでゴールを入れたことのない選手が、12分間で2本も決めた)」と驚いていましたが、いやいや。マドリーの大殺界はこれで終わりではなかったんです!
ええ、今季は相手に先制されることが決して珍しくなかった彼らでしたが、最近は特に取ったら取り返せばいいという開き直りが顕著でしたからね。逆境に燃え上がるチームの習性を利用して、残り時間でせめて1点ぐらいは返して、2ndレグで辻褄を合わせるのがアンチェロッティ監督の計画だったのかもしれないんですが、予想できなかったのは選手たちのリアクションがなかったこと。それどころか、先週末のバレンシア戦でも1時間程プレーしたモドリッチをルーカス・バスケスに代えた後の30分、まさかルイス=スケリーが繋いだボールから、メリーノに3点目のゴールを奪われてしまっては、もう絶対絶命では?
うーん、昨季までいたレアル・ソシエダやスペイン代表では中盤でプレーしているイメージのあるメリーノがまさかマドリー相手に得点して、あまりプレミアリーグを見ないスペイン人ファンにアーセナルでCFを務めているというのが、ガセではなかったのを証明できたのは良かったかもしれないんですけどね。3-0とされた後のマドリーはほとんどチャンスを作ることもなく、あろうことか、ロスタイムにはカマビンガが2枚目のイエローカードをもらって退場するおまけ付きで試合は終了。これにはバルを満員にしたマドリーファンたちもカンカンだったんですが、こんな大敗にも決してタオルを投げないのが、マドリーがマドリーたる所以。
ええ、アンチェロッティ監督も最初は2ndレグでのレモンターダについて、「Las posibilidades son muy pocas pero hay que intentarlo/ラス・ポシビリダーデス・ソン・ムイ・ポカス・エロ・アイ・ケ・インテンタールロ(確率はとても低いが、やってみなければ)」と言っていたのが、会見の最後では、「Muchas veces en el Bernabéu ocurren cosas así/ムーチャス・ベセス・エン・エル・ベルナベウ・オクレン・コーサス・アシー(ベルナベウでは何度もそういうことが起きる)」という論調に。
まだマドリー2年目のベリンガムも「もし逆転できるチームがあるとしたら、それはレアル・マドリー」と断言していましたしね。クルトワに至ってはご丁寧にも、「Si metemos uno o dos goles rápidos el tercero vendrá solo y creo que es possible/シー・メテモス・ウノ・オ・ドス・ゴーレス・ラピドス・エル・テルセロ・ベントラ・ソロ・イ・クレオ・ケ・エス・ポシーブレ(ゴールを1本か2本素早く決めたら、3本目は勝手に入るし、可能だと思う)」とレモンターダのシナリオまで披露って、まったくどこまで自信があるのか。
ただ、注意しておくと、マドリーがかつてアウェイでの1stレグに3点差で負けたヨーロッパの大会の決勝トーナメント6回のうち、逆転突破ができたのは半分の3度だけで、1975年のダービー・カウンティ戦(4-1、5-1)、1985年のアンデルレヒト戦(3-0、6-1)、1986年のメンヘングラッドバッハ戦(5-1、4-0)と、かなり昔のことなんですよね。
例えば、レモンターダラッシュで優勝した2022年のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)も16強対決のPSGに1-0負けから、ホームで3-1の勝利。準々決勝チェルシー戦など、ロンドンで1-3と勝っていながら、ベルナベウで追い越され、最後は2-3の負けで突破。準決勝のマンチェスター・シティも4-3の負けから、3-1の勝利と、どれも3点差を覆す程の難易度ではなかったのはちょっと気になるかと。
加えて、エミレーツ・スタジアムでは守備の弱さだけでなく、エムバペ、ビニシウス、ロドリゴ、ベリンガムら攻撃陣がまったく効率的でなかったこともありますし、2ndレグには出場停止となるカマビンガだけでなく、セバージョスとメンディも間に合わないようだとなると、正直、私も逆転突破には懐疑的なんですが…あのアーセナルの強さを見る限り、16強対決でお隣さんに負けたアトレティコかなんて、3点どころか、5点ぐらい取られていたかもしれませんしね。今回、レモンターダを成し遂げられたら、私のマドリーを見る目も変わってくるかもしれませんね。
え、それで待望のミッドウィークフリーを満喫しているアトレティコの次のリーガ戦はいつなのかって?いやあ、前節は弟分のラージョとレガネスが平日試合に当たったんですが、この31節はメトロポリターノで月曜午後9時にバジャドリー戦が開催されることになってねえ。後半ロスタイムにバリオスがゴールを挙げて、土壇場の逆転勝利をした前節セビージャ戦は日曜だったため、中7日と更に余裕なんですが、今のところ、負傷でサンチェス・ピスファンに行かなかったデ・パウルとリノはまだチーム練習に合流していません。
代わって、負傷から前節に復帰したコケが中盤のスタメンを務める準備をしているようで、まあ何と言っても、相手は先週末も弟分のヘタフェに0-4の大敗を喰らった最下位チーム。おまけにその試合中、ベンチでルイス・ペレスがラタサに殴りかかろうとするシーンが見られた程、現在、残留ゾーンから勝ち点14差と刻一刻と降格確定が近づいているバジャドリーの内部崩壊ぶりはかなりのよう。となると、アトレティコの勝利は堅そうですが、今季はレガネスやヘタフェに負け、最近も残留争いグループのエスパニョールと引き分けた彼らですからね。この試合では前節のバレンシア戦の負けで勝ち点3となった2位のお隣さん、ベティスと引き分けて7差となった首位バルサを本気で追撃する意欲があるのかないのか、問われることになりそうです。
そしてこの週末土曜、ブタルケでのレガネスvsバルサ戦の前座を務めるのがヘタフェで、こちらはコリセウムにラル・パルマスを迎えることに。ちなみにボルダラス監督のチームは前節の勝利で勝ち点39に到達し、この降格圏19位の相手を倒せば、ほぼほぼ残留が確定するんですが、実は来季のヨーロッパの大会出場権が回ってくる7位、8位ともそれぞれ、4差、2差と手の届く範囲にいるんですよ。まあ、彼らは11位ですから、間にいくつもチームがあるのが難点とはいえ、残り7試合、ファンに夢を見させてあげるため、頑張ってみるのも一興では?
一方、一足先に勝ち点40に到達したラージョは前節、エスタディオ・バジェカスでエスパニョールに0-4の大敗を喰らい、いえ、まだ8位と勝ち点1差の9位ですから、全然、ヨーロッパの大会行きを諦めることはないんですけどね。ただ、この日曜の相手は4位のアスレティックで、しかもサン・マメスで開催とあって、かなり勝利のハードルは高いんですが、バルベルデ監督のチームは木曜にELレンジャース戦1stレグをアウィでプレーして、スコアレスドローで決着。その疲労も溜まっているはずですし、要は来週木曜の2ndレグをまったくゼロの状態から始めないといけないため、もしかしたら、気が散ってくれたりする?今は3位のアトレティコと勝ち点6差ついているアスレティックとはいえ、ちょっと弟分の援護射撃を期待したいところです。
だってえ、来週水曜の2ndレグまで、頭がレモンターダで一杯になってしまったマドリーに対して、フリック監督のチームは火曜のジグナル・イドゥナ・パルク訪問がお散歩状態に。おかげで土曜午後9時(日本時間翌午前4時)のリーガ、ブタルケでのレガネス戦で、12月にモンジュイックで喰らった0-1の敗戦を倍どころか、4倍返しにしてやろうと企む余裕ができたんですよ。何せ現在、当の弟分チームは前節もホームでラバのPKゴールで追いついて、オサスナと1-1と引き分け、ようやく3連敗を脱出。とにかく降格圏の18位をなかなか脱出できずにいるため、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)に勝ち点2差の17位のアラベスと当たる兄貴分の援護射撃が欠かせないというのに、首位バルサと勝ち点4差のリーガのことを考えているマドリー勢がほとんどいないなんてこと、あっていい?
まあ、そんなことはともかく、先にエミレーツ・スタジアムでのアーセナル戦1stレグがどうだったか、お話ししていくことにすると。右にバルベルデ、左にアラバと両SBに本職でない選手を置いてスタートしたマドリーだったんですが、開始4分には敵のFKをクリアした後、カウンターでビニシウスが抜け出すという絶好のチャンスを迎えることに。それがエリアに入ったところで、エムバペに繋ごうと出した横パスを敵にカットされてしまったのが、まずはケチのつき始めだったんでしょうか。その後もビニシウスやエムバペのシュートは決まらず、31分など、ベリンガムがセンターから出したスルーパスを追ったエムバペが1対1で狙った一撃もGKダビド・ラジャに止められてしまう始末でねえ。
そう、サプライズがあったのは後半13分のことで、サカを深追いしたアラバが相手を倒し、エリア正面からのFKを与えてしまったのが原因なんですけどね。「最初はクロスを上げるつもりだったんだけど、敵の壁とGKの位置を見たら、狙ってやれって思った」という、キッカーのライスが蹴ったFKが壁の右端にいたバルベルデを迂回。横っ飛びしたクルトワの長い手も届かず、ネットに突き刺さったから、ビックリしたの何のって。
これには後でクルトワも「Puedo tomar la responsabilidad de que en la primera falta podría haber puesto un hombre más/プエド・トマール・ラ・レスポンサビリダッド・デ・ケ・エン・ラ・プリメーラ・ファルタ・ポドリア・アベール・プエストー・ウン・オンブレ・マス(最初のFKで壁にもう1人、置くこともできたという責任はボクにある)」と通常より、人数が少なかったことを反省していたんですけどね。それより恐るるべきはライスで、ベッカムに憧れていた当人が日々、FKの腕を磨いていた成果が25分にも再び、現れることに。
そう、そのちょっと前にはマルティネッリのシュートをクルトワが弾き、その跳ね返りをミケル・メリーノがvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んだボールもアラバがゴールライン上でクリア。更にメリーノの撃ち直しもクルトワが弾くという、心臓バクバクもんのトリプルピンチがあった後、CKからのライスのシュートをこれまた、ベリンガムがゴールライン上で弾いて、何とか2失点目を免れたマドリーだったんですけどね。またしてもファールで先ほどより、ちょっと左側のエリア正面でのFKを与えてしまったのが運の尽き。
いくら何でも二匹目のドジョウはないだろうと誰もが思ったものの、再びライスが蹴ったところ、今度は壁の間に入ったアーセナルの選手たちが二手に分かれて隙間が生まれ、またしてもボールがゴールに入ってしまうって、一体、どうなっているんでしょう。これにはアルテタ監督まで、「ウチは2021年以来、直接FKを決めていないのに、hoy un jugador que nunca había marcado de falta ha colado dos goles en 12 minutos/オイ・ウン・フガドール・ケ・ヌンカ・アビア・マルカードー・デ・ファルタ・ア・コラードー・ドス・ゴレス・エン・ドセ・ミヌートス(今日は1度もFKでゴールを入れたことのない選手が、12分間で2本も決めた)」と驚いていましたが、いやいや。マドリーの大殺界はこれで終わりではなかったんです!
ええ、今季は相手に先制されることが決して珍しくなかった彼らでしたが、最近は特に取ったら取り返せばいいという開き直りが顕著でしたからね。逆境に燃え上がるチームの習性を利用して、残り時間でせめて1点ぐらいは返して、2ndレグで辻褄を合わせるのがアンチェロッティ監督の計画だったのかもしれないんですが、予想できなかったのは選手たちのリアクションがなかったこと。それどころか、先週末のバレンシア戦でも1時間程プレーしたモドリッチをルーカス・バスケスに代えた後の30分、まさかルイス=スケリーが繋いだボールから、メリーノに3点目のゴールを奪われてしまっては、もう絶対絶命では?
うーん、昨季までいたレアル・ソシエダやスペイン代表では中盤でプレーしているイメージのあるメリーノがまさかマドリー相手に得点して、あまりプレミアリーグを見ないスペイン人ファンにアーセナルでCFを務めているというのが、ガセではなかったのを証明できたのは良かったかもしれないんですけどね。3-0とされた後のマドリーはほとんどチャンスを作ることもなく、あろうことか、ロスタイムにはカマビンガが2枚目のイエローカードをもらって退場するおまけ付きで試合は終了。これにはバルを満員にしたマドリーファンたちもカンカンだったんですが、こんな大敗にも決してタオルを投げないのが、マドリーがマドリーたる所以。
ええ、アンチェロッティ監督も最初は2ndレグでのレモンターダについて、「Las posibilidades son muy pocas pero hay que intentarlo/ラス・ポシビリダーデス・ソン・ムイ・ポカス・エロ・アイ・ケ・インテンタールロ(確率はとても低いが、やってみなければ)」と言っていたのが、会見の最後では、「Muchas veces en el Bernabéu ocurren cosas así/ムーチャス・ベセス・エン・エル・ベルナベウ・オクレン・コーサス・アシー(ベルナベウでは何度もそういうことが起きる)」という論調に。
まだマドリー2年目のベリンガムも「もし逆転できるチームがあるとしたら、それはレアル・マドリー」と断言していましたしね。クルトワに至ってはご丁寧にも、「Si metemos uno o dos goles rápidos el tercero vendrá solo y creo que es possible/シー・メテモス・ウノ・オ・ドス・ゴーレス・ラピドス・エル・テルセロ・ベントラ・ソロ・イ・クレオ・ケ・エス・ポシーブレ(ゴールを1本か2本素早く決めたら、3本目は勝手に入るし、可能だと思う)」とレモンターダのシナリオまで披露って、まったくどこまで自信があるのか。
ただ、注意しておくと、マドリーがかつてアウェイでの1stレグに3点差で負けたヨーロッパの大会の決勝トーナメント6回のうち、逆転突破ができたのは半分の3度だけで、1975年のダービー・カウンティ戦(4-1、5-1)、1985年のアンデルレヒト戦(3-0、6-1)、1986年のメンヘングラッドバッハ戦(5-1、4-0)と、かなり昔のことなんですよね。
例えば、レモンターダラッシュで優勝した2022年のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)も16強対決のPSGに1-0負けから、ホームで3-1の勝利。準々決勝チェルシー戦など、ロンドンで1-3と勝っていながら、ベルナベウで追い越され、最後は2-3の負けで突破。準決勝のマンチェスター・シティも4-3の負けから、3-1の勝利と、どれも3点差を覆す程の難易度ではなかったのはちょっと気になるかと。
加えて、エミレーツ・スタジアムでは守備の弱さだけでなく、エムバペ、ビニシウス、ロドリゴ、ベリンガムら攻撃陣がまったく効率的でなかったこともありますし、2ndレグには出場停止となるカマビンガだけでなく、セバージョスとメンディも間に合わないようだとなると、正直、私も逆転突破には懐疑的なんですが…あのアーセナルの強さを見る限り、16強対決でお隣さんに負けたアトレティコかなんて、3点どころか、5点ぐらい取られていたかもしれませんしね。今回、レモンターダを成し遂げられたら、私のマドリーを見る目も変わってくるかもしれませんね。
え、それで待望のミッドウィークフリーを満喫しているアトレティコの次のリーガ戦はいつなのかって?いやあ、前節は弟分のラージョとレガネスが平日試合に当たったんですが、この31節はメトロポリターノで月曜午後9時にバジャドリー戦が開催されることになってねえ。後半ロスタイムにバリオスがゴールを挙げて、土壇場の逆転勝利をした前節セビージャ戦は日曜だったため、中7日と更に余裕なんですが、今のところ、負傷でサンチェス・ピスファンに行かなかったデ・パウルとリノはまだチーム練習に合流していません。
代わって、負傷から前節に復帰したコケが中盤のスタメンを務める準備をしているようで、まあ何と言っても、相手は先週末も弟分のヘタフェに0-4の大敗を喰らった最下位チーム。おまけにその試合中、ベンチでルイス・ペレスがラタサに殴りかかろうとするシーンが見られた程、現在、残留ゾーンから勝ち点14差と刻一刻と降格確定が近づいているバジャドリーの内部崩壊ぶりはかなりのよう。となると、アトレティコの勝利は堅そうですが、今季はレガネスやヘタフェに負け、最近も残留争いグループのエスパニョールと引き分けた彼らですからね。この試合では前節のバレンシア戦の負けで勝ち点3となった2位のお隣さん、ベティスと引き分けて7差となった首位バルサを本気で追撃する意欲があるのかないのか、問われることになりそうです。
そしてこの週末土曜、ブタルケでのレガネスvsバルサ戦の前座を務めるのがヘタフェで、こちらはコリセウムにラル・パルマスを迎えることに。ちなみにボルダラス監督のチームは前節の勝利で勝ち点39に到達し、この降格圏19位の相手を倒せば、ほぼほぼ残留が確定するんですが、実は来季のヨーロッパの大会出場権が回ってくる7位、8位ともそれぞれ、4差、2差と手の届く範囲にいるんですよ。まあ、彼らは11位ですから、間にいくつもチームがあるのが難点とはいえ、残り7試合、ファンに夢を見させてあげるため、頑張ってみるのも一興では?
一方、一足先に勝ち点40に到達したラージョは前節、エスタディオ・バジェカスでエスパニョールに0-4の大敗を喰らい、いえ、まだ8位と勝ち点1差の9位ですから、全然、ヨーロッパの大会行きを諦めることはないんですけどね。ただ、この日曜の相手は4位のアスレティックで、しかもサン・マメスで開催とあって、かなり勝利のハードルは高いんですが、バルベルデ監督のチームは木曜にELレンジャース戦1stレグをアウィでプレーして、スコアレスドローで決着。その疲労も溜まっているはずですし、要は来週木曜の2ndレグをまったくゼロの状態から始めないといけないため、もしかしたら、気が散ってくれたりする?今は3位のアトレティコと勝ち点6差ついているアスレティックとはいえ、ちょっと弟分の援護射撃を期待したいところです。
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元レアル・マドリーのドクターが最高のアスリートについて言及した。 世界最高峰のアスリートは誰かと問われれば、ユベントスのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの名を挙げる人は多いだろう。36歳となった今でも、強さ、ジャンプ力、スピードをすべて信じられないほどのレベルで備えた見本のような肉体を誇っている。 C・ロナウドは息子がポテトチップスを食べてコカ・コーラを飲んでいるのを見ると、いい気分にはならないようで、自身も先日のユーロ2020の記者会見では目の前のコーラを退けるなど、印象的な行動もとっていた。 だが、元マドリーのドクター、ヘスス・オルモ氏の考えは少々異なる様子。オルモ氏はC・ロナウドよりもレアル・マドリーのウェールズ代表FWガレス・ベイルの方がより完全なアスリートであると信じているようだ。スペイン『イデアル』に次のように語っている。 「サッカー選手の身体的パフォーマンスレベルは、他のオリンピック選手とはかけ離れている」 「ただ、今はセルヒオ・ラモスのように近づいている選手も居る。ルーカス・バスケス、クリスティアーノ・ロナウドもだ。ケイロル(・ナバス)は驚異的な瞬発力があり、(ダニエル・)カルバハルは素晴らしいコンディションを持てている」 「ただ、おそらく私が見た中で最高のアスリートはガレス・ベイルだ」 「彼はどんなスポーツでも優れた能力をできる生まれながらのアスリートだ。彼は特異な遺伝学と運動能力を持っていて、技術的な能力もある」 「パフォーマンスがあってのことだが、彼はあらゆる状況から生じるすべての面で私に最も感銘を与えた人物だ」 ベイルはマドリー時代の2017年にレアル・ソシエダ戦で75メートルを独走してのゴールを挙げ、その際に時速22マイル(約35km)というクレイジーな最高速度を記録している。かつて痩せた子供だったベイルが何年もかけて肉体の構築に取り組んできたため、オルモ氏は感銘を受けているのだろう。 <span class="paragraph-title">【写真】あなたはどっち派?!C・ロナウドとベイルの筋肉美</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Gareth Bale's legs <a href="https://t.co/sWUddWmodR">pic.twitter.com/sWUddWmodR</a></p>— bob mortimer (@RealBobMortimer) <a href="https://twitter.com/RealBobMortimer/status/886531195214995456?ref_src=twsrc%5Etfw">July 16, 2017</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Recovery time! <a href="https://t.co/1NduH6HkFi">pic.twitter.com/1NduH6HkFi</a></p>— Cristiano Ronaldo (@Cristiano) <a href="https://twitter.com/Cristiano/status/1367191022963425283?ref_src=twsrc%5Etfw">March 3, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.08.04 19:15 Wed4
C・ロナウドの飛び抜けたプロ意識…アデバヨール氏が“たった半年”のマドリー時代に感謝する理由「練習2時間前に誰もいないはずのジムから物音がするんだよ…」
元トーゴ代表FWのエマヌエル・アデバヨール氏が、レアル・マドリー時代のポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現アル・ナスル)とのエピソードを明かした。 西アフリカの小国トーゴを2006年ドイツW杯へ導いた同国史上No.1フットボーラー、アデバヨール氏。クラブキャリアはアーセナルやマンチェスター・C、トッテナム等でプレーした。 陽気なキャラクターで愛された男は指導者業へ入らず、トーゴのスポーツ大臣にA代表監督就任を打診されても「僕には無理!」とお断り。 そんなアデバヨール氏は現役時代の2011年にマドリーでプレー。シティからのレンタル加入でわずか半年だったが、当時マドリーにはC・ロナウドが所属しており、アデバヨール氏はそのプロ意識に感銘を受けたという。ポッドキャスト『Takes from the terrace』に語った。 「たった半年のマドリード生活でも、あの男と一緒にプレーする機会を得られたことを感謝しないわけにはいかないね。C・ロナウドだ」 「僕は今なお、彼のメンタリティ、人柄、パーソナリティに敬意を抱いているよ。一瞬たりとも『最高の選手になりたい』という意識を排除しない姿勢は僕に衝撃を与えたんだ」 「覚えてる人はいるかな?」 「僕はかなりの批判を受けながらのマドリー加入だった。不要な選手だとね。だから、クラブから『最初の2週間は、練習開始1時間前には必ずクラブハウスへ来い』『そういったところから姿勢をアピールするんだ』と指示された」 「僕は初日、指示された時間よりもさらに1時間早い午前8時30分にクラブハウスへ来た。10時30分の練習スタートまで2時間もあるし、それが一番乗りだろうと。僕がプロフェッショナルであると誰もが認めてくれるだろうとね」 「ところが、誰もいないはずのジムから物音がするんだ。理学療法士に聞いたら『ああ、クリスティアーノがいつもこの時間からいるんだよ』ってね。僕は2番目の到着だったわけだ」 「そこでC・ロナウドとの挨拶だ。会話を交わすなかで『いつも何時に来ているの?」と聞くと、彼は『7時だよ』とさ…(笑) こっちが呆気に取られていると『助けになれることがあったら何でも言ってくれ』と言ってくれたよ」 「彼は今年で40歳か…まだまだ第一線の選手であることが僕は嬉しいね。今でもクリスティアーノ・ロナウドの活躍を見るたび、僕はあの出来事を思い出して美しい気分に浸る」 <span class="paragraph-title">【動画】現在40歳のアデバヨール氏</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Emmanuel Adebayor believes Arsenal must win the North London Derby against Tottenham to keep their momentum going in the title race <a href="https://t.co/gndjUA5SNm">pic.twitter.com/gndjUA5SNm</a></p>— Sky Sports Premier League (@SkySportsPL) <a href="https://twitter.com/SkySportsPL/status/1879487573522850087?ref_src=twsrc%5Etfw">January 15, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.01.24 16:31 Fri5