前例を覆すのは難しい…/原ゆみこのマドリッド

2025.03.07 22:00 Fri
©Atlético de Madrid
「他の相手だったら、もう少し強気でいられるのだけど」そんな風に私が溜息をついていたのは木曜日、CLマドリーダービー1stレグで負けてしまったファンを慰めようとのことでしょうか。マルカでもAS(スペインの2大スポーツ紙)でも、アトレティコは過去4回中、アウェイでの1点差負け試合を3度、remontada(レモンターダ/逆転突破)しているというデータを大々的に取り上げているのを見た時のことでした。

それは全てシメオネ監督の下、最初は2015年の16強対決レバークーゼン戦で1-0と負けて帰って来たのを、ビセンテ・カルデロン(メトロポリターノ前のホーム)で1-0にして延長戦にもつれ込み、PK戦3-2で勝利。翌年もバルサとの準々決勝でカンプ・ノウで2-1と負けながら、2-0で勝ち上がったんですが、前者は次ラウンドの準々決勝でお隣さんに0-1で敗退、後者など、ミラノで決勝でのPK戦でファンフランが失敗して、レアル・マドリーに2回連続で悲願のCL優勝を持っていかれるという、悲しい結末を迎えていますからね。

最新の記録は昨季の16強対決インテル戦で、サン・シーロで1-0と負けた後、メトロポリターノで2-1として延長戦に突入。最後はやはりPK戦3-2で逆転突破を果たしたんですが、次の準々決勝でドルトムントに負けたため、ええ、そのドイツのチームこそ、マドリーがウェンブリーでの決勝で倒して、Decimoquinta(デシモキンタ/15回目のCL優勝)を達成した相手ですからね。穿った見方をすれば、アトレティコはCL決勝マドリーダービーで三度の苦渋を味あわずに済んだとも言えますが、とにかく彼らはCL5回の対戦で1度もマドリーに勝っておらず。となれば、一体、誰が楽観的になれる?
まあ、私1人で暗くなっていても仕方ないので、とりあえず、火曜の1stレグがどうだったか、お伝えしていくことにすると。先週末から、天気予報の1週間先までが雨マークという、まるで梅雨入りした日本みたいな鬱陶しい天候になってしまったマドリッドなんですが、バジェカスやブタルケに行くのとは違って、やっぱり有難いのはサンティアゴ・ベルナベウの屋根が閉じた空間。リーガでは寒い中、ズブ濡れになりながらプレーした選手たちだけでなく、スタンドに暖房が付いているおかげで、観戦するファンにとっても、このスタジアムがどこより快適なのは認めないといけないかと。

そしてこの日はプレーオフのマンチェスター・シティ戦2ndレグでは何故かなかった、恒例のモザイクも360度展開、大幕も現れて、CLマッチキックオフ前の雰囲気を盛り上げていたんですが、ええ、リーガとは違って、ビジター席も4000人分近くあったため、アトレティコファンの応援もかなり賑々しかったですしね。それに応えて、シメオネ監督のチームが開始1分もしないうちに先制したコパ・デル・レイ準決勝バルサ戦1stレグのような、先手必勝作戦で勢いよくスタートするものと思っていたんですが、真逆の現実を前半4分には突きつけられるとは、やっぱりCLのマドリーはただ者じゃない?
そう、ここ3試合、筋肉疲労蓄積でお休みし、満を持してこの日、ルーカス・バスケスに代わって右SBとして先発したバルベルデがセンターから出したスルーパスにロドリゴが反応。当人も「Fue una jugada bonita con Fede, él entendió muy bien mi movimiento de atacar la espalda/フエ・ウナ・フガダ・ボニータ・コン・フェデ、エル・エンテンディオ・ムイ・ビエン・ミ・モビミエントー・デ・アタカル・ラ・エスパルダ(フェデ/バルベルデとのキレいなプレーで、彼はボクの敵の背後を突く動きをとてもよく理解していた)」と言っていたように、ガランの裏を取ってエリア内に入ると、左足でシュート。それがGKオブラクを破って、あっという間に先制点を奪われてしまうとは、これ如何に。

いえ、確かにロドリゴはCLキラーで名を馳せていて、2022年のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)のシーズンなど、奇跡のレモンターダゴールを多々挙げているんですけどね。とはいえ、その1分後にも再びエリアに侵入して来たロドリゴと競って相手を倒し、すわペナルティかとフォンド・ノルテ(北側ゴール裏席)上階右手のファンを恐怖に陥れるガランを見た日には、やはり彼にはビッグマッチ向けの選手としての才能が欠けている気がしたのはきっと、私だけではなかったかと。

ただアトレティコにとって、幸いだったのは、まるでリーガ前節のベティス戦のようにマドリーが1点を取ったことで満足してしまい、ええ、先週、親知らずを抜いたんだとばかり思っていたエムバペも、実は普通の奥歯だったことが発覚。その影響でパッとしない状態が続いていた上、ビニシウスも脅威にならなかったため、徐々にその後はアトレティコが調子を上げ、一時はかなり長い時間、ボールをキープするという珍しい光景が見られたんですけどね。

おまけに32分には、アトレティコのタレント、フリアン・アルバレスがカマビンガをかわして左側からエリア内に侵入。そこからの弾丸シュートが右のゴールポストに当たって、ネットに入ってしまったから、ビックリしたの何のって。まさに「En partido así aparecen los grandes y Julián ha sacado un gol de la nada/エン・パルティードー・アシー・アパレセン・ロス・グランデス・イ・フリアン・ア・サカードー・ウン・ゴル・デ・ナーダ(こういう試合では大物が現れるんだけど、フリアンは何もないところからゴールを決めた)」(ジョレンテ)という感じですが、やっぱりCLトロフィーを掲げた経験(2023年マンチェスター・シティ)のある選手は格が違う?

そのまま試合は1-1でハーフタイムに入ったため、そう、今季のアトレティコは途中出場選手のゴールがやたら多いですからね。後半頭から、セルロートやコレアらがアップに励んでいるのを頼もしく思って見ていた私なんですが、まったく好事魔多しですよお。相変わらず、ゲームの主導権を握っていたのはアトレティコだったにも関わらず、10分、ずっとチョロチョロ動いていた、このリーガ2試合CL1試合のベリンガム出場停止期間中、その代わりを務めているブライムが発奮。エリア内でヒメネスを切り返すと、ゴール前に4人程いたアトレティコの選手の間を抜けていくシュートを決められてしまったから、さあ大変!

いえまあ、2-1とされた後、グリーズマンの対角線に放った一撃がGKクルトワのparadon(パラドン/・スーパーセーブ)で逸らされてしまったり、FKから始まったプレーでエリア内左にフリーでいたヒメネスのvolea(ボレア/ボレーシュート)が大外れしたりなんてことはあったんですけどね。この日は珍しく、17分にアンチェロッティ監督が先手を取った選手交代が当たり、カマビンガに代わってモドリッチが入ると、マドリーは完全に落ち着きを取り戻すことに。

おかげで一旦、グリーズマンに代えてル・ノルマンを入れ、CB3人制に切り替えた後、30分にはデ・パウルとバリオスのボランチ2人を下げ、セルロートとコレアを投入したアトレティコだったんですが、以降はようようシュートも撃てなくてねえ。「Al final ellos tienen clase, tienen calidad y con las mismas chances te hacen gol/アル・フィナル・エジョス・ティエネン・クラセ、ティエネン・カリダッド・イ・コン・ラス・ミスマス・チャンセス・テ・アセン・ゴル(結局、彼らにはクラスがあって、質もあるから、チャンスの数は同じでもゴールを決められる)。それでウチは2-1にされた後、試合のコントロールを失たった」(ヒメネス)という状態になってしまってはどうしようもありませんって(最終結果2-1)。

え、それでもロスタイムにエムバペがエリア内右奥から出したキラーパスをビニシウスの前でジョレンテがカットして、3点目を取られなくて良かったじゃないかって?その通りで、これまでのCLダービーの経緯を重々承知。「El resultado no es bueno, queríamos ganar o empatar el partido/エル・レスルタードー・ノー・エス・ブエノ、ケリアモス・ガナール・オ・エンパタール・エル・パルティードー(結果は良くない。ウチは勝つか、引き分けるかしたかったんだから)」と苦い顔をしていたシメオネ監督もそれには、「Ese fallo es una esperanza que deja una puerta abierta para lo que viene/エセ・ファジョ・エス・ウナ・エスペランサ・ケ・デハ・ウナ・プエルタ・アビエルタ・パラ・ロ・ケ・ビエネ(あのミスが次の試合の扉が開いているという希望になった)」と言っていたんですけどね。

ただ、やはりCLダービー史を熟知しているアンチェロッティ監督が、「El objetivo era tomar una pequeña ventaja y lo hemos conseguido/エル・オブヘティボ・エラ・トマール・ウナ・ペケーニャ・ベンタハ・イ・ロ・エモス・コンセギードー(目標は小さなアドバンテージを得ることで、ウチはそれを達成した)」と満足そうにしているのを見ると、やっぱり2ndレグでのアトレティコ逆転突破は夢物語に見えてしまうのが辛いんですが、ええ、来週水曜の対戦にマドリーはベリンガムが戻って来ますしね。それに対して、アトレティコは木曜にグラウンドでの個人練習を始めたコケが間に合うかもしれないといったって…ゴール期待値があまりに違いすぎて、お話にならないのでは?

そんな両チームは今週末、どちらもリーガの兄弟分ダービーを迎えることになるんですが、ベティスに負けて首位バルサと勝ち点3の3位に後退したマドリーは日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、再びベルナベウでラージョ戦。当然ながら、復帰早々、後半38分までプレーして、また疲労が溜まったバルベルデは休養の見込みで、他もかなりのローテーションが予想されるんですが、今回のイニゴ・ペレス監督のチームはそれでも勝ち点を持って帰るのはかなり難しそうな気が。

というのも現在、彼らは負傷禍真っ只中にあって、カメージョ、RdT(ラウール・デ・トマス)に加え、イシ、エヌテカまで脱落。デ・フルートスも2試合目の出場停止という前線で使えるのはアルバロ・ガルシアとセルジ・グァルディオラだけとなると、もしかして、かつてバルサで活躍したエトーの息子、22才のカンテラーノ、エティエンヌの抜擢もある?加えて前節セビージャ戦でヒザを痛めたCBムミンも今季絶望の重傷だったことがわかり、とてもシーズン前半戦対決の3-3という結果のリピートは望めそうにありませんが、せめて来季のヨーロッパの大会出場圏6位のベティスと勝ち点3差の7位は死守できたらいいですよね。

そしてアトレティコは日曜午後2時(日本時間午後10時)にコリセウムを訪問してのヘタフェ戦なんですが、こちらもCLマドリーダービー2ndレグを意識して、大幅スタメンローテになる予定。といっても彼らの場合、いつも後半に途中出場するメンバーがスタメンになるだけで、ベンチ温存された選手も状況次第では投入されるため、結局のところ、そんなに変わりはないんですけどね。ちなみにヘタフェとの直近の対戦は2月のコパ・デル・レイ準々決勝で、その時はボルダラス監督がリーガに専念することを決めたせいで、5-0と大勝しているんですが、さすがに二匹目のドジョウは期待できないかと。

ええ、ヘタフェもビジャレアル、そして前節はお隣さんのレガネスとの弟分ダービーに負けた後、いくら降格圏とは勝ち点6差の14位にいるとはいえ、さすがに3連敗はしたくないはずですからね。今はエースのボルハ・マジョラルも普通に先発できるようになりましたし、冬の移籍市場で入ったファンミ、テラツ、ベルナトも即戦力となって働いているため、お得意様にしているとはいえ、油断をすると、せっかく前節で2位に浮上。マドリーに勝ち点2差、首位と1差の2位というポジションをアトレティコも失うことになりかねませんよ。

一方、今節はダービーの蚊帳の外となったレガネスだけは土曜試合となり、こちらはアウェイでセルタと対戦。まあ一応、先週末はヘタフェとの死闘を後半ロスタイムにディエゴ・ガルシアがchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で挙げた奇跡の決勝ゴールで制したとはいえ、まだ降格圏とは勝ち点3しか離れていませんからね。セルタも前節ではジローナと2-2で引き分けて、なかなか来季のヨーロッパの大会出場圏に近づけない10位と、レガネスよりちょっと上のグループにいるチームとなると、果たしてバライドスからお土産を持ってこられるかどうか。残りあと12試合、ボルハ・ヒメネス監督のチームには崖っぷちで踏み留まる戦いが待っていそうですね。

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「あと大変なのは弟分だけね」そんな風に私が呟いていたのは金曜日、慌ただしいミッドウィーク開催36節がバルサのリーガ優勝で終わった翌朝のことでした。いやあ、もちろん、水曜のサンティアゴ・ベルナベウでマジョルカ相手に意地で勝利を挙げた甲斐もなく、翌日にはクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点差を7にした宿敵がエスパニョールに0-2と勝利。最短ルートでタイトルをものにしたのはきっと、レアル・マドリーの選手たちも面白くないものを感じているとは思いますけどね。お隣さんも負けたため、2位の座が安泰となったのは良かったかと。 一方、またしてもアウェイで恥をさらしてきたアトレティコも前節で、毎シーズンの義務である5位以上の来季CL出場権は確定させていますからね。まだ4位のアスレティックに抜かれる可能性あるものの、5位ビジャレアルとは勝ち点差6でゴールアベレージはイーブン、総得失点差で上回っているため、落ちても4位で来季のスペイン・スーパーカップ出場権(今季の決勝がバルサvsマドリーだったため)はゲットと至って平和なんですが、対照的に残り2節に全てが懸かってしまったのが、ラージョ、ヘタフェ、レガネスのマドリッド勢弟分3チームなんですよ。 その状況を説明するのを兼ねて、この火曜水曜の試合がどうだったか、振り返っていくことにすると。先陣を切ったのはどこより辛い状況にあるレガネスで、ええ、ラ・セラミカでのビジャレアル戦を私もサンティアゴ・ベルナベウへ行く前に見ていたんですけどね。前節はようやくエスパニョールに勝ったため、少しは継続してくれるかと期待したものの、それがまったくダメだったんです。相手がCL出場権獲得に邁進しているチームだというのもあったんでしょうが、前半だけでアジョセに2本、そしてハーフタイム入り直前にもペペに決められて、呆気なく3-0で勝負がついてしまいましたっけ。 それも不幸は重なるもので、同日同時間帯にプレーしていたアラベスがバレンシアに1-0で勝ったため、残留圏最後の17位である相手とレガネスの勝ち点差が4となり、いえ、おかげでバジャドリーに続き、ラス・パルマスの降格が決まり、僅かでも生き残りの可能性があるのは18位のレガネスだけとなったんですけどね。ボルハ・ヒメネス監督は、「Mientras hay vida, hay esperanza. Vamos a pelear a por los 40 puntos/ミエントラス・アイ・ビダ、アイ・エスペランサ。バモス・ア・ペレアル・ア・ポル・ロス・クアレンタ・プントス(生きている間は希望がある。ウチは勝ち点40を目指して戦う)」と話していたものの…。 というのも、彼らの残りの対戦相手は37節、日曜の全カードunificacion(ウニフィカシオン/統合)時間帯午後7時(日本時間翌午前2時)ではラス・パルマス、最終節はバジャドリーと両降格済みチームというのは希望が持てるんですが、他力本願になることだから。要はやはり、次節にバジャドリーと対戦するアラベスが勝った場合、勝ち点が41となり、レガネスは2連勝しても追いつけず。その場合はもう2つの残留未達成チーム、勝ち点5差のヘタフェか、エスパニョールが2連敗してくれるかどうかに懸かってくることに。 どちらにしろ、かなり見込みの薄い賭けに見えるんですが、ラ・セラミカでの帰りがけには応援に来ていたレガネスファンが、来季はバレンシア移籍の噂があるネユウに「Basura!/basura(クズ)」と罵声を浴びせ、一気触発状態になったなんてことも。いつもブタルケでは「2部Bになってもついていく」と歌っているファンたちなんですから、今季4年ぶりで再昇格して、慣れない1部での戦いにここまで一生懸命、取り組んできた選手たちを貶めることはしないでほしいものです。 そして火曜の午後9時半、サンティアゴ・ベルナベウにマジョルカを迎えたマドリーはというと、泣きっ面に蜂とはまさにこのことで、クラシコに負けてリーガ逆転優勝の目が99%なくなった彼らには前代未聞の頭数不足が襲来。元々、長期離脱のカルバハル、ミリトン、手術したリュディガー、アラバ、メンディ、まだリハビリ中のカマビンガ、クラシコでケガをしたビニシウス、ルーカス・バスケス、自信喪失中のロドリゴ、出場停止のチュアメニに加え、試合前日にもGKルニンとブライムが招集リスト落ちとなったおかげで、とうとう大量12名が欠けたとなれば、その日の控え選手がバジャホ以外、全員カンテラーノ(RMカスティージャの選手)だったの仕方なかったかと。 そのせいか、ベルナベウも満員にはならなかったんですが、そんな状況でも勝利を求められるのがマドリーですからね。前半11分、マテウのパスをセバージョスがカットできず、バルイェントに先制ゴールを奪われた時には場内も一瞬、凍りついたものでしたが、そこは世界一を自負するチーム。GKレオ・ロマンがparadon(パラドン/スーパーセーブ)を連発したせいで、同点になるのは後半23分、モドリッチのスルーパスから、敵DF3人に囲まれたエムバペが格の違いを際立たせるシュートを決めてくれるまで待たないといけなかったんですが、いやホント、マドリーには最後まで絶対に諦めない精神がしみ込んでいるんですねえ。 そう、後半19分に脚を打撲した、今は押しも押されぬレギュラーでも登録がRMカスティージャのままのアセンシオをトップチームの幽霊部員バジェホに交代。他は29分にせっかく巡ってきた先発のチャンスを生かせなかったエンドリックをコパ・デル・レイ準々決勝レガネス戦の後半ロスタイムに決勝ゴールを挙げたゴンサロにしただけで、トップチームの選手が常時7人以上ピッチにいないといけない規定を守ったマドリーは、アンチェロッティ監督も「Nunca he visto un equipo que haya tirado 40 veces a portería como hemos hecho/ヌンカ・エ・ビストー・ウン・エキポ・ケ・アジャ・ティラードー・クアレンタ・ベセス・ア・ポルテリア・コモ・エモス・ヘッチョー(ウチがやったように40回もシュートするチームは見たことがない)」と驚いていた猛攻を、飽きずに終盤まで続けることに。 するととうとう、後半ロスタイム最後の分にはモドリッチのCKがクリアされた後、フラン・ガルシアが再びエリアに戻したボールをバジェホがヘッドで流し、出場3試合目のCBヤコボがコペテに先んじてシュート。「He ido y no sé ni cómo, pero la he metido/エ・イドー・イ・ノー・セ・ニ・コモ、ペロ・ラ・エ・メティードー(行って、どうやったかはわからないけど、ゴールに入れた)」という彼の初得点で、土壇場のremontada(レモンダーダ/逆転劇)を達成しているんですから、驚いたの何のって(最終結果2-1)。 これでバルサがエスパニョール戦をプレーする前にして、リーガチャンピオンとなるのを防げたマドリーだったんですが、この根性を今季、リーガのバルサ戦以外の試合でも見せられていいたらねえ。試合後、クルトワなどは、「Vamos a creer hasta que matemáticamente sea imposible/バモス・ア・クレエル・アスタ・ケ・マテマティカメンテ・セア・インポシブレ(数字的に不可能になるまで、ボクらは信じる)」と言っていたものの、翌日のカタルーニャダービーでは予想通り、奇跡は起こらず。 よって、残りのセビージャ、レアル・ソシエダとの2試合は、レバンドフスキととうとう3得点差になったエムバペが上乗せゴールを入れて、ピチチ(リーガの得点王)だけでなく、ヨーロパ・ゴールデンシュー獲得を目指す機会と、クラブW杯前のプレシーズンマッチと化したマドリーなんですが、ケガから復帰する選手もそうそう多くはなさそうですしね。大体がして、もうアンチェロッティ監督の頭にはブラジル代表の6月W杯予選に向けての招集リスト作りしかないかも。 せいぜい、6月に赴任するシャビ・アロンソ監督にRMカスティージャからの抜擢メンバーがアピールする機会ぐらいにしかならないんじゃないかと思いますが、困ったのは、試合終了直前まで、勝ち点1確保を見込みながら、空手で帰ることになったマジョルカのアラサーテ監督の決意。そう、8位のコンフェレンスリーグ出場の座を勝ち点1差でラージョ、オサスナと争っている彼らだけに、「最後のCKをクリアして終わったはずだったのにゴールを入れられた。Te vas con rabia, pero hay que transformarla en energía el domingo/テ・バス・コン・ラビア、ペロ・アイ・ケ・トランスフォルマルラ・エン・エネルヒア・エル・ドミンゴ(怒り心頭だが、このエネルギーを日曜に持って行かないと)」と言っていたんですが、その日曜の相手はヘタフェなんですよ。 おまけに「Tenemos que intentar ganar el domingo para llegar a Vallecas con opciones europeas/テネモス・ケ・インテンタール・ガナール・エル・ドミンゴ・パラ・ジェガール・ア・バジェカス・コン・オプシオネス・エウロペアス(日曜に勝って、ヨーロッパの大会参加の可能性を残してバジェカスに着かないといけない)」(アラサーテ監督)というように、マジョルカの最終節はラージョ戦。となれば、もしやマドリーは弟分たちに対して、余計なことをしてくれた? ええ、何せ翌木曜にはマドリッドがサン・イシドロ祭の祝日で賑わう中、エスタディオ・バジェカスに足を運んだ私だったんですけどね。昼間に降ったにわか雨も上がり、お日様がさんさんと輝く中でキックオフとなったベティス戦は、ラージョが前半37分にペドロ・ディアスのミドルシュートがバーに当たって落ちたボールをデ・フルートスがヘッドで決めて先制。更に前半ロスタイムにもルジューヌの直接FKがゴールとなり、2-0で折り返す最高の展開に。 やっぱりここ3週間、コンフェレンスリーグ準決勝フィオレンティーナ戦から週2試合となり、しかも先週は延長戦でチェルシーとの決勝に進出とあって、ベティスは疲れているはずという予想が当たったと、ホクホクしながら、後半を捨てて、私がコリセウムに向かったところ、やられました!うーん、やはり「Salimos un poco aturdidos quizás por la euforia, en la segunda parte/サリモス・ウン・ポコ・アトゥルディードス・キサ・ポル・ラ・エウフォリア、エン・ラ・セグンダ・パルテ(ボクらは多分、歓喜しすぎていて、ちょっとボオッとして後半に入った)」(ラティウ)のせいだったんでしょうかね。 メトロからアトーチャ駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)に乗り換える前、早くも6分にはクチョのゴールで1点を返され、15分には英雄だったルジューヌがアブデをエリア内で倒してPKを献上。イスコに2点目を決められて、最後は2-2で引き分けてしまうんですから、ガッカリじゃないでうか。いえ、「Tenemos dos finales por delante y hay que ganarla/テネモス・ドス・フィナレス・ポル・デランテ・イ・アイ・ケ・ガナールラ(ウチには2つの決勝があって、勝たないといけない)」とイニゴ・ペレス監督も言っていた通り、日曜のセルタ戦、最終節のマジョルカ戦に勝てば、来季のコンフェレンスリーグの切符どころか、36節で勝ち点4差になってしまったセルタを追い越して、未だにEL行きも夢じゃないんですけどね。 せっかくの直接ライバルたちと差をつける機会を失ってしまったのは残念ではありますが、まあ、最後まで競うものが残留ではないだけ、ラージョは百万倍幸せ。だってえ、ファンに総動員をかけ、アスレティック戦前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)を焚いて、チームバスをお出迎えしてもらい、普段の数倍は力強いコリセウムの応援を受けながら、GKダビド・ソリアとウナイ・シモンのロングゴールキックと延々にボールが宙を舞っていた試合、ヘタフェは後半31分にグルセタ、44分にはCKからビビアンのシュートを浴びて、ウィリアムス兄弟のいなかったアスレティックに0-2で負け、来季のCL出場確定を祝われてしまったんですよ。 おかげでとうとう、試合の終盤にはスタンドから、「jugadores mercenarios/フガドーレス、メセナリオス(選手は金で雇われた傭兵)」というカンティコが出ていた程だったんですが、つまりこれって、6連敗の彼らは未だに残留確定ができておらず。エスパニョール、アラベス、レガネスと共に降格最後の1チームになる可能性があるってことで、奇跡が起こって、お隣さんが残留できても、ヘタフェが落ちたら、そんな悲劇はない?いやまあ、それでも日曜のマジョルカ戦、最終節のセルタ戦で勝ち点を貯められれば、回避可能なんですけどね。揃って相手がヨーロッパの大会出場を目指しているチームというのが辛いところかと。 そんなヘタフェにはもう少しのガッツと幸運を祈るしかないんですが、え?何で木曜にプレーしたアトレティコの話が抜けているんだって?いやあ、私がバジェカスに行ったのも実はもう、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)であの、ちっちもさっちもいかない彼らのアウェイゲームを見ているのに耐えられなかったからで、案の定、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継でも一向にいい話は聞こえてこず。挙句の果てに前半24分にはCKから、カテナにヘッドでゴールを挙げられて先制されると、後半途中にはシメオネ監督がフリアン・アルバレス、セルロートを下げる不可解采配を見せ、ええ、今のコレアとグリーズマンではゴールをまったく期待できませんですからね。 最後は後半37分にもブドミルに頭で決められ、2-0ですごすご完敗と、その気合のないプレーぶりにラジオの解説者たちがカンカンだったのを聞くにつけ、見ないで本当に良かったとホッとしたのは私だけではない?これで彼らはコパ・デル・レイ準決勝でバルサに負けて、今季全てのタイトル獲得可能性がほぼ消えて以来、アウェイ戦5試合でたったの1勝。そんな情けない有様にならなければ、もっと遅くまでリーガで粘れたんじゃないかと思うんですが、これには「監督がアウェイで選手たちがいいレベルを見せるのに必要なモチベーションを与えられない監督の責任」といくらシメオネ監督が言い張ったって、やっぱり当事者たちの自覚の問題があるのでは? おまけにこのオサスナ戦では後半途中にバリオスがジョレンテの腰に頭をぶつけ、脳震盪で交代。日曜のスィートホーム、メトロポリターノでの今季最終戦、ベティス戦にも出られなくなってしまうとは如何に。昨季同様、シーズン終盤は突極のアウェイ弱者になり下がったアトレティコにはもう、何を言っていいか、私もわからないんですが、そんなところを含めて、彼らは人間的な愛すべきチーム。今はせめて、クラブW杯では心を入れ替えて、今季のCLグループフェーズ、PSG戦やレバークーゼン戦で見せた強さを再現してくれることを願うしかありませんね。 ご挨拶: サイトのサービス終了をもって、このコラムも今回で終わりとなります。長年のおつき合い、ありがとうございました。この先もサッカーファンの旅行先として最適なマドリッドの魅力、リーガやマドリッドのクラブの試合やニュース、スペイン代表などについて、お伝えする方法を模索中なので、その際にはよろしくお願いします。 2025.05.17 21:00 Sat
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重傷を負ったレアルの17歳逸材CBが復帰間近、昨夏のツアー帯同に続くCWC参加なるか

レアル・マドリーU-19のU-17スペイン代表DFジョアン・マルティネスが、復帰へと近づいている。スペイン『マルカ』が報じた。 今シーズン開幕前のアメリカツアーでは、ブレイクを果たしたスペイン人DFラウール・アセンシオらとともにファーストチームに帯同したマルティネス。カルロ・アンチェロッティ監督も高く評価した17歳センターバックだが、ツアー終了後のトレーニングで左ヒザ前十字じん帯断裂の重傷を負っていた。 2024年8月の負傷からもうすぐ7カ月が経とうというなか、すでにボールを使ったピッチでのトレーニングを再開しているとのこと。リハビリは最終段階にあり、あと1カ月ほどでチームに復帰できる段階まで来ているという。 アルバロ・アルベロア監督率いるU-19チームでのシーズン中の復帰が期待される一方、ファーストチーム に帯同してのFIFAクラブ・ワールドカップ(CWC)参加も視野に。出場することが目標ではなく、再びアンチェロッティ監督のもとでトレーニングし、その後のプレシーズンに備えたいという考えのようだ。 2025.02.26 18:58 Wed
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エッシェンが2012年レアル移籍のドタバタ裏話を明かす「バスを止めてくれ!と狂ったように叫んだ」

元ガーナ代表MFマイケル・エッシェンが、レアル・マドリー移籍の経緯を明かした。スペイン『アス』が伝えている。 2005年から2014年の間、チェルシーで活躍したエッシェン。2012-2013シーズンには、当時チェルシー加入時の恩師であったジョゼ・モウリーニョ監督が率いていたレアル・マドリーへ1年間のレンタル移籍で加入していた。 <div style="margin:0 auto; min-width:300px; " id="cws_ad"><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiJiUm1zTmlFUyIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div> エッシェンは、南アフリカ人スポーツジャーナリスト、キャロル・シャバララ氏と、インスタグラムのライブ配信を通してのインタビューに応えると、この移籍が決定するまでの経緯を回顧。移籍市場最終日のわずか数時間で移籍が決まったと明かし、映画のようなドタバタ移籍劇について語った。 <span class="paragraph-title">◆知らない番号から突然の電話…</span> 「(2012年8月31日)私はUEFAスーパーカップを戦うためにチェルシーのチームとモナコにいた。その時見覚えのない番号から電話があったんだ」 「私は出たくなかったが、その日私と同じ部屋にいた従兄弟が電話に出るよう言ってきたんだ」 「電話が鳴り続けたので、電話に出た。『もしもし?』と言った瞬間に相手からも、『もしもし?』と聞こえた。すぐに誰が電話をしてきたか分かって、従兄弟に『ジョゼ・モウリーニョからだ』と教えたよ」 「彼は『アーセナルに移籍するそうじゃないか』と言ってきたので、そんなことないと伝えたよ。アーセナルからは何の連絡もなかったからね」 「そしたら彼が『アーセナルには行かずに俺のところへ来い』と言ったんだ。彼にどこのことか聞いたら、『レアル・マドリー』と言った。私は彼に準備はできてると言ったよ」 <span class="paragraph-title">◆試合前のドタバタ劇</span> 「あれは移籍市場最終日のことで、ジョゼは私の代理人の電話番号を聞いてきた。私はスーパーカップの試合中に抜け出すことになっても行く準備はできてると伝えた」 「ラサナ・ディアラがロシアに移籍する予定で、彼の移籍が成立したら私の移籍の手順を進めると教えてくれた。私は『分かった、部屋でリラックスして待ってるよ』と答えた」 「彼は、数時間待ってくれ、そしたらかけ直すと言っていた」 「数時間して私の代理人に何が起きたか話した。マドリーへの移籍についてジョゼと話したこと、彼の番号を教えたことを伝えた。彼はマドリーは戻ってくるから落ち着けと言っていた」 「ラス(ラサナ・ディアラ)のロシアへの移籍が決まったから、私たちは計画を変更しなきゃならなかった。チームは(スーパーカップの)アトレティコ戦に向けてホテルを出る寸前だったからね。マドリーの代理人は私の代理人と一緒にいて、私はスタジアムに行くためにもうバスに乗っていたんだ。私もスタジアムに行く予定だったが、代理人がホテルに戻ってこいと言ってきた。FAXを送らなきゃいけなかったらしい。だから私は運転手にバスを止めてくれと狂ったように叫ばなければならなかった」 <span class="paragraph-title">◆「バスを止めてくれ!」</span> 「チームメイトはみんな私を見て『ミケルどうした?』って感じだった。彼らに私はバスから降りなきゃいけないと伝えて『またね』と言った」 「そんなこんなでパスが止まって、私はホテルに戻って代理人を待っていた。それから彼が来てFAXを何枚か送ったんだ。ありがたいことに全ての処理が時間内に間に合ったよ。それから私は少なくともスパイクを取りに行かなきゃいけないからスタジアムに行ってくると代理人に伝えた」 「スタジアムに着いたころにはもう試合は終わっていた。私がピッチにいたチームメイトに加わったが、何人かは既に私の移籍について知っていた。他のチームメイトは何があったのか聞いてきたので、彼らに移籍することを伝えなきゃならなかった。レアルへの移籍の話が来てホテルに戻って書類を書く必要があったと説明したよ。だからスパイクを取りにいくついでにみんなにさよならを言わなきゃならなかった」 「表彰式の後、みんなでロッカールームに戻った時、みんなにちゃんとしたお別れを言った。スパイクとすね当てだけ持って、ロマン・アブラモビッチを含めみんなに挨拶した。アブラモビッチは幸運を祈ってくれた。その後私はホテルに戻り、次の日にはマドリー行きの飛行機に乗っていた」 「私はスパイクとすね当てと、ジーンズとシャツ一枚、それからチェルシーのジャージだけ持ってマドリーへ行ったんだ。空港に着くとジョゼが待っていてくれた。挨拶を済ますと、病院でメディカルを受けて、次の日にはトレーニングに参加したよ」 激動の移籍最終日の出来事を明かしたエッシェン。移籍したマドリーでは主力として公式戦35試合に出場し2ゴール1アシストを記録した。 2020.05.19 11:15 Tue

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