ついにCLダービーの日がやって来た…/原ゆみこのマドリッド
2025.03.05 02:00 Wed
「でも無理させるのって、とても危ないんじゃないだろうか」そんな風に私が心配していたのは月曜日、バルデベバス(バラハス空港の近く)であったCL16強対決マドリーダービー1stレグ前最後となるチーム練習にとうとう、バルベルデが加わったという記事をマルカ(スポーツ紙)のサイトで読んだ時のことでした。いやあ、年明けから9週連続で週2試合ペースが続いているレアル・マドリーとあって、さすがに体力自慢のウルグアイ人MFも筋肉疲労には勝てず。2月19日のCLプレーオフ、マンチェスター・シティ戦2ndレグこそ、痛み止めを打って出場したものの、その後の3試合はお休みすることに。
それでも負傷とは言えないまでの状態だったため、アンチェロッティ監督もCLアトレティコ戦では戻るとずっと言っていたものの、何せ、チーム練習をしたのがたった1回だけですからねえ。おまけにCLマッチ前日はセッションが公開されるとはいえ、それは始まりのたった15分間だけ。要はバルベルデが「se le ha visto sonriente y confiado/セ・レ・ア・ビストー・ソンリエンテ・イ・コンフィアードー(笑顔で自信あり気に見えた)」のは、簡単なフィジカルトレやロンド(輪の中に人が入ってボールを奪うゲーム)の間だけで、その後は皆とは違うエクササイズをしていたって、知りようがないのでは?
実際、夕方に出た招集リストにもバルベルデは入ったんですが、ええ、マドリーは先週のコパ・デル・レイ準決勝レアル・ソシエダ戦1stレグの際、セバージョスが久保建英選手との接触プレーで太ももを負傷。全治2カ月になってしまった上、ベリンガムも累積警告で出場停止ですからね。更に右サイドの守備の補強でルーカス・バスケスに代わってSBとして入るというオプションもあるため、火曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのサンティアゴ・ベルナベウでの試合では即スタメンに入る可能性が高いんですが、いやあ。リーガもまだ12試合ありますし、0-1で先勝したコパ準決勝もまだ道半ばとなると、下手にプレーして、長期離脱となるケガに繋がったら、それはそれでアンチェロッティ監督も後悔することにならない?
まあ、そんな風に私が思ってしまったのには先週末のリーガ戦も関係していて、ええ、26節の土曜はまず、エスタディオ・バジェカスに行ったんですけどね。ホーム連戦の2試合目にセビージャを迎えたラージョは再び、早期の負傷者発生に苦しむことに。そう、前節のビジャレアル戦ではイシが前半13分に痛み、エンバルバと交代になっていたんですが、この日は26分にCFのエヌテカが筋肉系の負傷でセルジ・グァルディオラと代わらざるを得なくなったんですよ。ビジャレアル戦では、ここにハーフタイム前のデ・フルートスの一発レッド退場が重なったんですが、このセビージャ戦では35分にCBムミンもケガでアリダネと代わり、前半のうちから交代枠を2つも使うというツキのなさでねえ。
それでも途中から雨が降り出し、いきなり真冬モードに回帰したマドリッドの寒さに拍車をかける中、スタンドのファンが熱心に応援を続けたところ、後半10分には右SBのラティウがエリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて先制できたんですけどね。そこは今季、14試合でリードしながら、うち8試合で白星を挙げられなかったラージョ。25分には最後の交代機会を使って、3人のリフレッシュを入れ、36分までは耐えたものの、最後はルケバキオに決められて、1-1のドローで終わってしまいましたっけ。
となると、まだ私がエスタディオ・バジェカスを出る前から、ベニト・ビジャマリンでのベティス戦で前半10分、エムバペからのパスをメンディがGKアドリアンの前で方向を変え、ブライムがゴールを決めて早くも先制。それが監督記者会見を聞いてスタジアムを出た後、メトロポリターノに行くためにメトロに乗る前、コーヒーを飲みに入ったバル(スペインの喫茶店兼バー)のTVで34分、イスコの蹴ったCKから、カルドソにヘッドで同点ゴールを奪われるシーンを見ることになったマドリーだったんですけどね。たとえ、あちらは試合中、一時、マドリッドとは比べ物にならない程の集中豪雨状態に襲われたとはいえ、どうせ、後半にはエムバペやビニシウス、ロドリゴらがゴールを挙げて、簡単に逆転するだろうと、その時は私も思っていたところ…。
それが後半9分にはリュディガーがベティスの新星、19才のヘスス・ロドリゲスをエリア内で倒してPKを献上。おかげでPK決めたイスコが古巣への恩返しを果たしたばかりか、スタンド最前列で待機していた女優の奥さん、サラ・サラモさんに駆け寄ってキスするという、「Estoy grabando un pequeño documental de cómo me estoy recuperando de la lesion/エストイ・グラバンドー・ウン・ペケーニョ・ドクメンタル・デ・コモ・メ・エストイ・レクペランドー・デ・ラ・レシオン(どんな風に自分が負傷から回復しているのかの小さなドキュメンタリーを撮っている)」と当人が言っていた作品に最高のシーンを付け加えるなんてことが起こっていたとは、ビックリじゃないですか。
結局、私は後半ロスタイムをメトロポリターノのプレス用ワーキングルームで見られただけだったんですが、やっぱり負傷せずに生き残っている選手たちも相当、過密日程に疲れていたんですかね。ビニシウス、ロドリゴはもちろん、途中出場したカマビンガやギュレル、そして後半30分にエムバペを下げて、驚きの早期投入となったエンドリックも同点ゴールを挙げることはできず、そのままベティスに2-1で負けてしまったとなれば、イコール、アトレティコがお隣さんをリーガで追い越す大チャンスが到来ってことで…。
え、そのシチュエーション、ちょっと前にもなかったかって?その通りで2週間前の24節、その日も私がブタルケでレガネスvsアラベス戦を見てから、メトロポリターノに移動中にマドリーはエル・サダルでオサスナと1-1の引き分けで終了。またとないチャンスを得たアトレティコだったんですが、その日はバリオスの早期退場もあって、彼らもセルタと同じスコアでドローしてしまってねえ。結局、漁夫の利でラージョに勝ったバルサに首位に立たれてしまったんですが、そんなこともあったため、先週は試合がなく、体力で勝るアスレティックとの対戦には一抹の不安を抱えていたところ…。
だってえ、スペイン・スーパーカップやCL16強対決進出プレーオフがなく、お隣さん程の消化試合数ではなくとも、コパ準決勝1stレグがあったため、アトレティコも先週から1週間2試合体制に入っているんですよ。しかも火曜のバルサ戦は4-4の激戦だったとなれば、シメオネ監督がモンジュイックでスタメンだったフリアン・アルバレス、ジョレンテ、ヒメネス、ギャラガーをセルロート、リノ、ル・ノルマン、モリーナにローテしていたのも十分、理解できるかと。
実際、稲妻のようなスタートして2点を奪ったバルサ戦と違い、この日はなかなかゴールも入りませんでしたしね。1stレグをイーブンに保つ奇跡の後半ロスタイム弾を決めたセルロートも先発で入ると勝手が違うのか、2度のヘッドを失敗してしまったせいで、前半は0-0で終わったんですが、今季のアトレティコで侮れないのは試合内ローテの効率の良さ。ええ、後半13分にはフリアン、ジョレンテ、ギャラガー、少し遅れてコレアも入ったところ、21分には右サイドからジョレンテが送ったスルーパスが引き寄せられるようにフリアンの下へ。1対1でGKウナイ・シモンを破ってくれたから、ビックリしたの何のって。
いえまあ、その後はコレアがシュートをセーブされてしまったりして、追加点は入らず。逆にFKからプラドのヘッドがゴールポストに弾かれ、更にイニャキ・ウィリアムスのシュートもボールバーに弾かれるという、ダブルラックや、弟のニコとのFKセットプレーでエリア外からイニャキが撃ったボールがモリーナに当たり、これもバーを叩いて命拾いしたなんてこともあったんですけどね。
それでも何とかそのまま、1-0で逃げ切って、3位と勝ち点5差だった4位アスレティックの上位3チームに近づきたいという野望を挫いたアトレティコだったんですが、残念ながら、土曜の夜こそ、首位に戻った彼らだったものの、日曜にはバルサがレアル・ソシエダに4-0の圧勝。首位とは勝ち点1差のままながら、お隣さんより勝ち点2つ上の2位という位置で週末を終えることに。
ちなみにシメオネ監督によると、いつも早い時間に交代選手を投入する理由は、「Entramos en una fase del campeonato que se necesitan piernas. Acá hay que corer/エントラモス・エン・ウナ・ファセ・デル・カンペオナーオー・ケ・セ・ネセシータン・ピエルナス。アカー・アイ・ケ・コレール(脚が必要な大会のフェーズに入っている。ここでは走らないといけない)」からだそうで、この辺はいつも選手交代の時間が遅めなアンチェロッティ監督とは対照的なところ。逆にマドリーの指揮官に言わせると、「hay dos tipos de jugadores: los que corren y los que marcan la diferencia/アイ・ドス・ティポス・デ・フガドーレス:ロス・ケ・コレン・イ・ロス・ケ・マルカン・ラ・ディフェレンシア(選手には2つのタイプがある:走る者と違いを見せる者)。その中間にいることはありえない」のだとか。
そうは言ってもメッシ級になればとにかく、やっぱり走って何ぼというのがサッカーですからね。よって、アトレティコでは違いを見せるフリアンですら、時短プレーローテの対象になってしまうんですが、現時点では負傷者はコケとアスピリクエタだけと、頭数的にも体力的にも有利に見えるとはいえ、CLでのマドリーはまったく別の存在。実際、この大会ではシメオネ監督も過去4回対戦して、1度もお隣さんを破ったことがないですしね。
たとえ、マドリーがリーガここ5試合で勝ち点5しか貯められていない状態であるとしても、マンチェスター・シティ戦のバージョンを見せてくるのは確実と思えるため、今は夢を見過ぎないのが吉。せめて1stレグをベルナベウで対戦して3-0の完敗。ビセンテ・カルデロンでの2ndレグでも2-1で逆転突破に及ばなかった、一番直近の2017年の準決勝のようにはならないでとほしいと祈るばかりでしょうか。
そして先週末のリーガは日曜にブタルケでレガネスとヘタフェの弟分ダービーで締めだったんですが、いやあ、こちらも冷たい雨の中での対戦となったせいでしょうかね。お隣さん同士のライバル心もあって、キックオフ前からずっとスタンドの応援は途切れなかったんですが、反対にピッチではしょっちゅう誰かが倒れているという展開に。おまけに前半は両チーム共、ほとんどチャンスらしきものもなく進んだため、ハーフタイム間際には何と、スタンドでも気を失うファンが現れ、クラブのメディカルスタッフと共にミゲール・デ・ラ・フエンテやヘタフェのGKダビド・ソリアまでが様子を見に行って、プレーが中断するなんてことも。
その状態は後半になってもほぼ変わらなかったため、気温3℃という極寒の中、傘までさしてブタルケに行った自分が可哀そうになったぐらいだったんですが、いえいえ、勝負とは最後の最後までわからないもの。何と後半ロスタイム2分、最近のアトレティコのようにレガネスが奇跡のゴールを挙げることになろうとは!そう、ファン・クルスが交代出場して以降、相手エリアに近づくようになった彼らはその当人がロジェに繋ぎ、そこからのクロスを、こちらもミゲールから代わっていたディエゴ・ガルシアがゴールを背に足でトラップ。その試合、両チーム通じて、唯一の枠内シュートとなるchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)でゴールにしたとなれば、もう場内は狂喜乱舞ですって。
いえまあ、何かと言うと、「Aldeano el que no bote/アルデアーノ・エル・ケ・ノー・ボテ(跳ばないのは村民)」とヘタフェファンを莫迦にするカンティコを歌うレガネスファンの習性はあまり褒められたことじゃないとは思うんですけどね。このところ、ボルハ・ヒメネス監督のチームは5試合白星なしで、降格圏最上位と勝ち点が同じというところまで追い詰められていたため、1-0で勝って、差が勝ち点3に増えたのは良かったかと。一方のヘタフェは前節のベティス戦に続いて、2連敗となってしまったんですが、まあ、こちらは降格圏と6差ありますしね。次節のコリセムでの試合で頑張ればいいんですが…それがアトレティコとの兄弟分ダービーなのはホントにツイていませんよね。
それでも負傷とは言えないまでの状態だったため、アンチェロッティ監督もCLアトレティコ戦では戻るとずっと言っていたものの、何せ、チーム練習をしたのがたった1回だけですからねえ。おまけにCLマッチ前日はセッションが公開されるとはいえ、それは始まりのたった15分間だけ。要はバルベルデが「se le ha visto sonriente y confiado/セ・レ・ア・ビストー・ソンリエンテ・イ・コンフィアードー(笑顔で自信あり気に見えた)」のは、簡単なフィジカルトレやロンド(輪の中に人が入ってボールを奪うゲーム)の間だけで、その後は皆とは違うエクササイズをしていたって、知りようがないのでは?
実際、夕方に出た招集リストにもバルベルデは入ったんですが、ええ、マドリーは先週のコパ・デル・レイ準決勝レアル・ソシエダ戦1stレグの際、セバージョスが久保建英選手との接触プレーで太ももを負傷。全治2カ月になってしまった上、ベリンガムも累積警告で出場停止ですからね。更に右サイドの守備の補強でルーカス・バスケスに代わってSBとして入るというオプションもあるため、火曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのサンティアゴ・ベルナベウでの試合では即スタメンに入る可能性が高いんですが、いやあ。リーガもまだ12試合ありますし、0-1で先勝したコパ準決勝もまだ道半ばとなると、下手にプレーして、長期離脱となるケガに繋がったら、それはそれでアンチェロッティ監督も後悔することにならない?
それでも途中から雨が降り出し、いきなり真冬モードに回帰したマドリッドの寒さに拍車をかける中、スタンドのファンが熱心に応援を続けたところ、後半10分には右SBのラティウがエリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて先制できたんですけどね。そこは今季、14試合でリードしながら、うち8試合で白星を挙げられなかったラージョ。25分には最後の交代機会を使って、3人のリフレッシュを入れ、36分までは耐えたものの、最後はルケバキオに決められて、1-1のドローで終わってしまいましたっけ。
いえ、昨年12月から、リーガ戦9試合連続無敗でクラブ最長記録を作った後、バルサに1-0、ビジャレアルにも0-1と連敗。それでも次の時間帯で兄貴分の援護射撃があれば、来季のヨーロッパ出場圏である6位を維持できた彼らだったんですけどね。困ったのは今週末の次節、サンティアゴ・ベルナベウを訪ねる兄弟分ダービーの晴れ舞台を迎えるに当たって、使えるFWがセルジ・グァルディオラしかいないことで、ええ、エンテカ、イシに加え、カメージョとRdT(ラウール・デ・トマス)もまだリハビリ中。デ・フルートスも2試合目の出場停止とあって、もうイニゴ・ペレス監督も泣きたいぐらいの気持ちになっているかもしれませんが、元々、ヨーロッパの大会がなく、コパも16強対決で敗退しているラージョにして、この惨状ですよお。
となると、まだ私がエスタディオ・バジェカスを出る前から、ベニト・ビジャマリンでのベティス戦で前半10分、エムバペからのパスをメンディがGKアドリアンの前で方向を変え、ブライムがゴールを決めて早くも先制。それが監督記者会見を聞いてスタジアムを出た後、メトロポリターノに行くためにメトロに乗る前、コーヒーを飲みに入ったバル(スペインの喫茶店兼バー)のTVで34分、イスコの蹴ったCKから、カルドソにヘッドで同点ゴールを奪われるシーンを見ることになったマドリーだったんですけどね。たとえ、あちらは試合中、一時、マドリッドとは比べ物にならない程の集中豪雨状態に襲われたとはいえ、どうせ、後半にはエムバペやビニシウス、ロドリゴらがゴールを挙げて、簡単に逆転するだろうと、その時は私も思っていたところ…。
それが後半9分にはリュディガーがベティスの新星、19才のヘスス・ロドリゲスをエリア内で倒してPKを献上。おかげでPK決めたイスコが古巣への恩返しを果たしたばかりか、スタンド最前列で待機していた女優の奥さん、サラ・サラモさんに駆け寄ってキスするという、「Estoy grabando un pequeño documental de cómo me estoy recuperando de la lesion/エストイ・グラバンドー・ウン・ペケーニョ・ドクメンタル・デ・コモ・メ・エストイ・レクペランドー・デ・ラ・レシオン(どんな風に自分が負傷から回復しているのかの小さなドキュメンタリーを撮っている)」と当人が言っていた作品に最高のシーンを付け加えるなんてことが起こっていたとは、ビックリじゃないですか。
結局、私は後半ロスタイムをメトロポリターノのプレス用ワーキングルームで見られただけだったんですが、やっぱり負傷せずに生き残っている選手たちも相当、過密日程に疲れていたんですかね。ビニシウス、ロドリゴはもちろん、途中出場したカマビンガやギュレル、そして後半30分にエムバペを下げて、驚きの早期投入となったエンドリックも同点ゴールを挙げることはできず、そのままベティスに2-1で負けてしまったとなれば、イコール、アトレティコがお隣さんをリーガで追い越す大チャンスが到来ってことで…。
え、そのシチュエーション、ちょっと前にもなかったかって?その通りで2週間前の24節、その日も私がブタルケでレガネスvsアラベス戦を見てから、メトロポリターノに移動中にマドリーはエル・サダルでオサスナと1-1の引き分けで終了。またとないチャンスを得たアトレティコだったんですが、その日はバリオスの早期退場もあって、彼らもセルタと同じスコアでドローしてしまってねえ。結局、漁夫の利でラージョに勝ったバルサに首位に立たれてしまったんですが、そんなこともあったため、先週は試合がなく、体力で勝るアスレティックとの対戦には一抹の不安を抱えていたところ…。
だってえ、スペイン・スーパーカップやCL16強対決進出プレーオフがなく、お隣さん程の消化試合数ではなくとも、コパ準決勝1stレグがあったため、アトレティコも先週から1週間2試合体制に入っているんですよ。しかも火曜のバルサ戦は4-4の激戦だったとなれば、シメオネ監督がモンジュイックでスタメンだったフリアン・アルバレス、ジョレンテ、ヒメネス、ギャラガーをセルロート、リノ、ル・ノルマン、モリーナにローテしていたのも十分、理解できるかと。
実際、稲妻のようなスタートして2点を奪ったバルサ戦と違い、この日はなかなかゴールも入りませんでしたしね。1stレグをイーブンに保つ奇跡の後半ロスタイム弾を決めたセルロートも先発で入ると勝手が違うのか、2度のヘッドを失敗してしまったせいで、前半は0-0で終わったんですが、今季のアトレティコで侮れないのは試合内ローテの効率の良さ。ええ、後半13分にはフリアン、ジョレンテ、ギャラガー、少し遅れてコレアも入ったところ、21分には右サイドからジョレンテが送ったスルーパスが引き寄せられるようにフリアンの下へ。1対1でGKウナイ・シモンを破ってくれたから、ビックリしたの何のって。
いえまあ、その後はコレアがシュートをセーブされてしまったりして、追加点は入らず。逆にFKからプラドのヘッドがゴールポストに弾かれ、更にイニャキ・ウィリアムスのシュートもボールバーに弾かれるという、ダブルラックや、弟のニコとのFKセットプレーでエリア外からイニャキが撃ったボールがモリーナに当たり、これもバーを叩いて命拾いしたなんてこともあったんですけどね。
それでも何とかそのまま、1-0で逃げ切って、3位と勝ち点5差だった4位アスレティックの上位3チームに近づきたいという野望を挫いたアトレティコだったんですが、残念ながら、土曜の夜こそ、首位に戻った彼らだったものの、日曜にはバルサがレアル・ソシエダに4-0の圧勝。首位とは勝ち点1差のままながら、お隣さんより勝ち点2つ上の2位という位置で週末を終えることに。
ちなみにシメオネ監督によると、いつも早い時間に交代選手を投入する理由は、「Entramos en una fase del campeonato que se necesitan piernas. Acá hay que corer/エントラモス・エン・ウナ・ファセ・デル・カンペオナーオー・ケ・セ・ネセシータン・ピエルナス。アカー・アイ・ケ・コレール(脚が必要な大会のフェーズに入っている。ここでは走らないといけない)」からだそうで、この辺はいつも選手交代の時間が遅めなアンチェロッティ監督とは対照的なところ。逆にマドリーの指揮官に言わせると、「hay dos tipos de jugadores: los que corren y los que marcan la diferencia/アイ・ドス・ティポス・デ・フガドーレス:ロス・ケ・コレン・イ・ロス・ケ・マルカン・ラ・ディフェレンシア(選手には2つのタイプがある:走る者と違いを見せる者)。その中間にいることはありえない」のだとか。
そうは言ってもメッシ級になればとにかく、やっぱり走って何ぼというのがサッカーですからね。よって、アトレティコでは違いを見せるフリアンですら、時短プレーローテの対象になってしまうんですが、現時点では負傷者はコケとアスピリクエタだけと、頭数的にも体力的にも有利に見えるとはいえ、CLでのマドリーはまったく別の存在。実際、この大会ではシメオネ監督も過去4回対戦して、1度もお隣さんを破ったことがないですしね。
たとえ、マドリーがリーガここ5試合で勝ち点5しか貯められていない状態であるとしても、マンチェスター・シティ戦のバージョンを見せてくるのは確実と思えるため、今は夢を見過ぎないのが吉。せめて1stレグをベルナベウで対戦して3-0の完敗。ビセンテ・カルデロンでの2ndレグでも2-1で逆転突破に及ばなかった、一番直近の2017年の準決勝のようにはならないでとほしいと祈るばかりでしょうか。
そして先週末のリーガは日曜にブタルケでレガネスとヘタフェの弟分ダービーで締めだったんですが、いやあ、こちらも冷たい雨の中での対戦となったせいでしょうかね。お隣さん同士のライバル心もあって、キックオフ前からずっとスタンドの応援は途切れなかったんですが、反対にピッチではしょっちゅう誰かが倒れているという展開に。おまけに前半は両チーム共、ほとんどチャンスらしきものもなく進んだため、ハーフタイム間際には何と、スタンドでも気を失うファンが現れ、クラブのメディカルスタッフと共にミゲール・デ・ラ・フエンテやヘタフェのGKダビド・ソリアまでが様子を見に行って、プレーが中断するなんてことも。
その状態は後半になってもほぼ変わらなかったため、気温3℃という極寒の中、傘までさしてブタルケに行った自分が可哀そうになったぐらいだったんですが、いえいえ、勝負とは最後の最後までわからないもの。何と後半ロスタイム2分、最近のアトレティコのようにレガネスが奇跡のゴールを挙げることになろうとは!そう、ファン・クルスが交代出場して以降、相手エリアに近づくようになった彼らはその当人がロジェに繋ぎ、そこからのクロスを、こちらもミゲールから代わっていたディエゴ・ガルシアがゴールを背に足でトラップ。その試合、両チーム通じて、唯一の枠内シュートとなるchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)でゴールにしたとなれば、もう場内は狂喜乱舞ですって。
いえまあ、何かと言うと、「Aldeano el que no bote/アルデアーノ・エル・ケ・ノー・ボテ(跳ばないのは村民)」とヘタフェファンを莫迦にするカンティコを歌うレガネスファンの習性はあまり褒められたことじゃないとは思うんですけどね。このところ、ボルハ・ヒメネス監督のチームは5試合白星なしで、降格圏最上位と勝ち点が同じというところまで追い詰められていたため、1-0で勝って、差が勝ち点3に増えたのは良かったかと。一方のヘタフェは前節のベティス戦に続いて、2連敗となってしまったんですが、まあ、こちらは降格圏と6差ありますしね。次節のコリセムでの試合で頑張ればいいんですが…それがアトレティコとの兄弟分ダービーなのはホントにツイていませんよね。
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かつてレアル・マドリー、スペイン代表で活躍したイケル・カシージャス氏が、昨年の心臓発作後にジョゼ・モウリーニョ監督から最初に連絡を受けていたことを明かした。 これまでマドリー、スペイン代表で多くのトロフィーを獲得した世界屈指の名GKだったカシージャス氏は、自身最後の所属先となったポルト時代の昨年5月に心臓発作を起こした。その後、同年11月に練習復帰を果たしたものの、実戦復帰を果たせぬまま、今年8月に現役引退を発表した。 <div id="cws_ad"><br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiI4VVVPckFSTCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> また、カシージャス氏によると、自身に心臓発作が起こった数週間後には妻であるサラ・カルボネロさんにも卵巣がんが見つかり、治療を受ける必要があり、同時期はカシージャス一家にとって非常に困難な時期だったという。 そういった苦境の中、カシージャス氏には世界中のフットボールコミュニティから多くの励ましの声が届いていたが、いの一番に連絡をくれたのは、マドリー時代に確執が公のものとなっていたモウリーニョ監督という意外な人物だった。 モウリーニョ監督はマドリーを率いた時代に、当時“アンタッチャブル”と思われていたカシージャス氏から守護神の座をはく奪し、実績で大きく劣るGKディエゴ・ロペスを起用。だが、その数年後には両者の関係は修復され、良好な関係を築けている。 今回、スペイン『ESPN Deportes』のインタビューに応じた元スペイン代表GKは、自身と妻に対するポルトガル人指揮官からの思いやりある行動を明かしている。 「(病気を経験して)以前は親しくなかった人たちとも親しくなれる」 「多くの人は知らないだろうけど、例えば、私の昔の監督であるモウリーニョが最初に私の身に起こったことを心配してくれた人だった。その後、彼は私の妻のことも心配してくれたんだ」 また、カシージャス氏は心臓発作を経験したことにより、自身の人生観にも大きな変化が生まれたことを認めている。 「長い間会っていなかった人たちと再会したよ。これまでよりも普通の日常を大切にしていると思う」 「明日や来週に何をすべきかを考えるのに悩まされることはないよ。今日が何をもたらすのかを考え、その瞬間をより楽しむことが重要なんだ」 「私は多くの部分でとても幸運だったと思っているが、多くの人はそうではない。あの日は絶対に死ぬと思っていたし、あの経験が私に多くのことを考え直させた。自分が特権を与えられている幸運な人間であることを思い知らされたよ」 2020.10.11 14:50 Sun4
コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語
バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun5
