弟分たちは決して弱くはなかった…/原ゆみこのマドリッド
2024.12.17 23:00 Tue
「まさか兄貴分がレガネスに足を向けて寝られなくなる日が来ようとは」そんな風に私が呟いていたのはまだ驚愕の余韻から覚めてなかった月曜日、改めてリーガ17節の結果をスポーツ紙で振り返っていた時のことでした。いやあ、実を言うと、前日夜はマドリッドの第3の弟分がモンジュイックでバルサにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を浴びるのを見るのが忍びなく、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にTV観戦に行くのをサボッてしまったんですけどね。
それがキックオフと同時にスタードダッシュをかけたボルハ・ヒメネス監督のチームは3分、ムニルのシュートがGKイニャキ・ペニャに弾かれてCKを獲得。オスカル・ロドリゲスの蹴ったボールをキャプテンのセルヒオ・ゴンサレスがゴール前、ポッカリ空いたスペースからヘッドして先制点を挙げると、GKドミトロビッチがレバンドフスキのシュートを2度もparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたおかげもあって、前半を0-1のまま終えることに。その時点でバルに後半だけでも見に行くべきかと迷った私だったんですが、だってえ、前節はブタルケでレアル・ソシエダにポンポン、ゴールを決められて、攻撃もさっぱり振るわず、0-3で負けていたレガネスですよお。
どうせ最後は3-1とか、4-1で終わるんだろうと高を括ってしまったのが大誤算。それが、前半中にネユウのタックルで頼りのジャマルが足首を痛めてしまったせいもあり、ベンチ入り禁止処分のフリック監督がスタンドから見守る中、ボールポゼッションが80%もあったバルサが後半も得点できないなんて、一体、誰に想像できたでしょう。もちろん、相手が「Nos ha faltado esa chispa para llegar bien y hacer goles/ノス・ア・ファルタードー・エサ・チスパ・パラ・ジェガール・ビエン・イ・アセール・ゴーレス(ウチは敵エリアに着いて、ゴールを決める火花に欠けていた)」(ペドリ)おかげでとはいえ、0-1でバルサ戦アウェイ初勝利って、もしや自分、レガネスの今季最高試合を見逃した?
これぞ、まさにFWが点を取れないからこそ、「La estrategia es importantísima, los defensas tenemos que aportar goles/ラ・エストラテヒア・エス・インポルタンティシマ、ロス・デフェンサス・テネモス・ケ・アポルタル・ゴーレス(セットプレーは非常に大事だ。DFも得点に貢献しないといけない)」(セルヒオ・ゴンサレス)という、日々の練習の賜物。虎の子の1点を挙げ、更にそれを守りきったCBのセルヒオには称賛の言葉しか浮かびませんが、実はこの予想外の大金星で恩恵を受けたのがレアル・マドリーとアトレティコだったんですよ。そう、首位のバルサが勝ち点を増やさなかったことで、前者は4差になりかねなかったのが、たったの1差に。後者に至ってはお隣さんを追い越して、同じ勝ち点で2位に並んだとなれば…。
いえ、話は順番にしていかないといけません。先週末はダブル兄弟分ダービー節となり、まずは土曜にマドリーがエスタディオ・バジェカスを訪問。CLアタランタ戦で負傷したエムバペ欠場は織り込み済みだったものの、ビニシウスが「Venía de una lesión y queríamos reservarle/ベニア・デ・ウナ・レシオン・イ・ケリアモス・レセルバールレ(負傷から戻って来たから、温存したかった)」(アンチェロッティ監督)という理由で控えだったり、古巣との対戦前に複数メディアにインタビューされていたハメス・ロドリゲスが当日、招集外になったなんてこともあったんですけどね。初っ端から、キックオフのボールをギュレルがロングシュートしたのにはかなりビックリさせられたかと。
いえ、それでも選手が米粒大のサンティアゴ・ベルナベウ8階席よりはずっとマシなんですが、39分に口火を切ったのはバルベルデ。お馴染みのエリア外からの弾丸シュートを決めて、1点差に迫ると、45分にはロドリゴのクロスから、ベリンガムがヘッドでリーガ6試合連続となる得点を挙げ、リードしたままハーフタイムに入りたかったラージョの夢を打ち砕くことに。
同点で始まった後半頭から、イニゴ・ペレス監督はエンバルバに代えて、アルバロ・ガルシアを投入したんですが、ゴールは再び、私のいる側で決まります。そう、11分にロドリゴがエリア前から撃ったシュートがラティウの出した足に当たり、GKバタジャを破ったんですが、とはいえ、これしきでシュンとなるバジェカスじゃありませんからね。19分、折しもビニシウスがブライムと交代でピッチに入った直後、ルジューヌが撃ったミドルシュートをイシがゴール前でコースを変え、ラージョに3-3の同点をもたらしてくれるとは、この弟分も決して侮っちゃいけない?
実際、その先はビニシウスがギュレルの受けたファールにイエローカードが出ないことに文句を言って、自身がイエローカードをゲット。累積警告で次節セビージャ戦に出られなくなってしまったり、当人がエリア内でムニンに倒されたプレーでは、いえ、これについては後で、「Cuando la he visto he dicho que puede pitarla pero también no/クアンドー・ラ・エ・ビストー・エ・ディッチョー・ケ・プエデ・ピタールラ・ペロ・タンビエン・ノー(それを見た時、ペナルティでありうるし、そうではないこともありうると言った)」とイニゴ・ペレス監督も告白していたんですけどね。その時は何故か、主審もVAR(ビデオ審判)もスルー。
おかげでPKをもらえず、終盤のビニシウスのエリア内シュートもバタジャに弾かれてしまったため、マドリーは再度の勝ち越し点が奪えなかったんですが、同様にラージョもルジューヌのFKをGKクルトワが弾いたところに詰め切れず。結局、3-3のまま、痛み分けとなったんですが、いやあ。だってえ、ラージョはマドリーとのホームゲーム、ここ4試合で1勝2分け1敗とまったくの五分ですからね。となれば、ブカネーロス(ラージョのウルトラグループ)が勝利試合限定だった「Vida de pirata/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を歌って、選手たちと一緒に祝っていたのは無理もなかった?
そんなラージョは今週、水曜に延期分の12節ビジャレアル戦が控えているんですが、心配なのは選手たちの体力。ええ、エヌテカも「Se corre casi igual en la medular que arriba con Iñigo/セ・コレ・カシー・イグアル・エン・ラ・メドゥラル・ケ・アリーバ・コン・イニゴ(イニゴ監督の下では中盤も前線も同じぐらい走る)。家に帰った時にはクタクタだよ」と言っていましたが、このダービーでは普段以上に消耗したはずですからね。ただ、マルセリーノ監督のチームは日曜試合でベティスに1-2と負け、中日が1日少ないのと、アレックス・バエナ、パレホ、キケ・フェメニアらが出場停止になるのが救いになりますが…バジェカスで隣になったラージョ番記者に「練習でも全然、走ってなかった」と言われていたハメスが、年内最終試合の遠征に参加するのかは微妙かもしれませんね。
一方、マドリーには同じ水曜午後6時(日本時間翌午前2時)から、インターコンチネンタルカップ決勝パチューカ戦が控えていて、早くも月曜午後にはカタールに移動。全治10日と言われたエムバペも招集メンバーに入ったんですが、出発前のバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションではすでにチーム練習に一部参加していたよう。10月の負傷時同様、人一倍、治癒力が高いことを証明していましたが、ただ、実際にプレーできるかはまだ不明です。まあ、土曜に準決勝のアル・アハリ戦を延長、PK戦で乗り切ったパチューカの選手たちもドーハで3試合目とあって、かなり疲れているはずですしね。日曜には最近、首位争いが激化しまくっているリーガのセビージャ戦もあるため、性急な復帰は避けた方がいいかもしれませんよ。
そして翌日曜、お日様が嬉しいメトロポリターノでアトレティコとヘタフェの兄弟分ダービーが開催となったんですが、こちらは前夜とは打って変わって、渋い展開でねえ。クリスマスが近いこともあって、クラブが来場するファンにサンタ帽を配ったのと、とうとう本家マドリーダービーの時のGKクルトワへの物投げ込み騒動により、身バレしたメンバーが永久追放になったことを受け、ずっと応援ストをしていたフレンテ・アトレティコ(ウルトラグループ)が活動を再開。スタンドに継続的な応援BGMが戻ったこともあり、場内はキックオフ前からフィエスタ状態だったんですが、もしやアトレティコ、ここ5試合、ずっと3得点以上を続けていて、ゴールを入れるのに飽きてしまった?
いやまあ、序盤のチャンスでサムエル・リノがエリア外からのクロスをゴール前で押し込めばいいだけなのを2度続けて外し、やっぱりセビージャ戦のロングシュートが同点ゴールになったのは例外で、まだまだ決定力に課題が残っているのが明白になったのは、当人も天狗にならずに済んで良かったかもしれないんですけどね。ただ、前半はフリアン・アルバレス、ジュリアーノ、デ・パウルもチャンスを生かせず、0-0で折り返したのは、ここまで15試合で11得点と、「Tenemos un déficit con el gol no solo desde el inicio de temporada, sino en pretemporada/テネモス・ウン・デフィシット・コン・エル・ゴル・ノー・ソロ・デスデ・エル・イニシオ・デ・テンポラーダ、シノ・エンプレテンポラーダ(ウチのゴール不足はシーズン当初からだけじゃなく、プレシーズンから)」と認めているボルダラス監督の思う壺だったかも。
後半頭からはリノを諦め、セルロートを入れたアトレティコに対し、ヘタフェも10分にはジェジュやデビュー組のカンテラーノ(ヘタフェBの選手)、ケイタをレギュラーのウチェとアレックス・ソラに代えて、ゴールを探すことにしたんですが、控えが頼りになることにかけては最近のシメオネ監督のチームに並ぶ者はなし。ジュリアーノ、ジョレンテからコレア、モリーナに代わり、一時、4人FW体制になった後、18分にはグリーズマンをコケにしたところ、とうとう24分、待望のゴールが生まれることに。そう、アルゼンチン代表でのケガがようやく治ったモリーナが右サイドからクロスを上げると、それがドンピシャでセルロートの真上に落ち、彼がヘッドでGKダビド・ソリアを破ってくれたとなれば、どれだけ場内が盛り上がったことか。
リードされたヘタフェも32分には3選手を一斉交代したものの、うーん、やっぱりアルバロ・ロドリゲスがベルトゥになっても、昨年、アトレティコのホーム20連勝の始まる前と終了の引分けに貢献した、未だにヒザの半月板損傷が完治していないボルハ・マジョラルとは違いますからね。結局、そのまま試合は1-0で終わり、アトレティコは破竹の11連勝を達成。まあ、昨今のゴール祭りと比べると地味ではありましたが、シメオネ監督も「Siempre digo que el mejor resultado es 1-0/シエンプレ・ディゴ・ケ・エル・メホール・レスルタードー・エス・ウノ・セロ(常に自分は、最高の勝利は1-0と言ってきた)。守備が良くて、攻撃に決定力があるってことだからね。4-3とかで勝つと、見直すことがありすぎる」と話していましたしね。
そこまで兄貴分に苦労をさせたことで、ヘタフェのメンツも保てて良かったんですが、現在、16位で降格圏と勝ち点2差の彼らには、「アトレティコと競えたことは慰めになるが、necesitamos puntos/ネセシタモス・プントス(ウチには勝ち点いる)」(ボルダラス監督)というのも事実。とりあえず、コリセウムにマジョルカを迎える土曜の試合で頑張って、彼らが残留ゾーンで年を越せることを祈るばかりですが…相手のエースのムリキがジローナ戦で退場し、出場停止なのは有難くても、やっぱり誰かがゴールを入れてくれないと勝てないため、ここはお隣さんのレガネスを見習って、このミッドウィークはセットプレーに磨きをかけるのがいいかもしれませんよ。
そしてアトレティコは消化試合数が1つ少ない状態で日曜にモンジュイックで頂上決戦に挑むんですが、いやあ、彼らがバルサのホームで勝利した記憶が私にはほとんどなくてねえ。今回は両チーム共、3週間の連戦が終わり、ミッドウィークの試合がなくなって休養十分なところは五分で、ジャマルが足首のケガで全治3、4週間になってしまった、再びフリック監督がスタンドから指揮する相手と比べ、先週末から負傷者ゼロになっているのは有利なんですけどね。といっても、これでホーム2連敗となったバルサだって、いつまでも負け続ける訳ありませんし、アトレティコの連勝が止まる日がいつか必ずやって来るのは確か。明るい年末を過ごすためにも、それが今週末でないといいのですが…。
それがキックオフと同時にスタードダッシュをかけたボルハ・ヒメネス監督のチームは3分、ムニルのシュートがGKイニャキ・ペニャに弾かれてCKを獲得。オスカル・ロドリゲスの蹴ったボールをキャプテンのセルヒオ・ゴンサレスがゴール前、ポッカリ空いたスペースからヘッドして先制点を挙げると、GKドミトロビッチがレバンドフスキのシュートを2度もparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたおかげもあって、前半を0-1のまま終えることに。その時点でバルに後半だけでも見に行くべきかと迷った私だったんですが、だってえ、前節はブタルケでレアル・ソシエダにポンポン、ゴールを決められて、攻撃もさっぱり振るわず、0-3で負けていたレガネスですよお。
どうせ最後は3-1とか、4-1で終わるんだろうと高を括ってしまったのが大誤算。それが、前半中にネユウのタックルで頼りのジャマルが足首を痛めてしまったせいもあり、ベンチ入り禁止処分のフリック監督がスタンドから見守る中、ボールポゼッションが80%もあったバルサが後半も得点できないなんて、一体、誰に想像できたでしょう。もちろん、相手が「Nos ha faltado esa chispa para llegar bien y hacer goles/ノス・ア・ファルタードー・エサ・チスパ・パラ・ジェガール・ビエン・イ・アセール・ゴーレス(ウチは敵エリアに着いて、ゴールを決める火花に欠けていた)」(ペドリ)おかげでとはいえ、0-1でバルサ戦アウェイ初勝利って、もしや自分、レガネスの今季最高試合を見逃した?
いえ、話は順番にしていかないといけません。先週末はダブル兄弟分ダービー節となり、まずは土曜にマドリーがエスタディオ・バジェカスを訪問。CLアタランタ戦で負傷したエムバペ欠場は織り込み済みだったものの、ビニシウスが「Venía de una lesión y queríamos reservarle/ベニア・デ・ウナ・レシオン・イ・ケリアモス・レセルバールレ(負傷から戻って来たから、温存したかった)」(アンチェロッティ監督)という理由で控えだったり、古巣との対戦前に複数メディアにインタビューされていたハメス・ロドリゲスが当日、招集外になったなんてこともあったんですけどね。初っ端から、キックオフのボールをギュレルがロングシュートしたのにはかなりビックリさせられたかと。
その後はとにかく、バックスタンドに大幕を広げ、赤と白の旗を振るファンのモザイクで迎えられたラージョが序盤から猛攻をかけ、ええ、早くも4分にはデ・フルートスのクロスをウナイ・ロペスがフリーでヘッドして、先制点をゲットしちゃいましたからね。丁度、正面スタンド右端の記者用ボックスが当たったため、更には36分、イシが蹴ったCKから、ルーカス・バスケスとギュレルのマークをモノともせず、ムミンが頭で2点目を加えるのも目の前で見られたんですが、その直後に始まったマドリーの反撃は逆に遠目で、肉眼では何が起きたのか、よくわからなかったのは残念だったかと。
いえ、それでも選手が米粒大のサンティアゴ・ベルナベウ8階席よりはずっとマシなんですが、39分に口火を切ったのはバルベルデ。お馴染みのエリア外からの弾丸シュートを決めて、1点差に迫ると、45分にはロドリゴのクロスから、ベリンガムがヘッドでリーガ6試合連続となる得点を挙げ、リードしたままハーフタイムに入りたかったラージョの夢を打ち砕くことに。
同点で始まった後半頭から、イニゴ・ペレス監督はエンバルバに代えて、アルバロ・ガルシアを投入したんですが、ゴールは再び、私のいる側で決まります。そう、11分にロドリゴがエリア前から撃ったシュートがラティウの出した足に当たり、GKバタジャを破ったんですが、とはいえ、これしきでシュンとなるバジェカスじゃありませんからね。19分、折しもビニシウスがブライムと交代でピッチに入った直後、ルジューヌが撃ったミドルシュートをイシがゴール前でコースを変え、ラージョに3-3の同点をもたらしてくれるとは、この弟分も決して侮っちゃいけない?
実際、その先はビニシウスがギュレルの受けたファールにイエローカードが出ないことに文句を言って、自身がイエローカードをゲット。累積警告で次節セビージャ戦に出られなくなってしまったり、当人がエリア内でムニンに倒されたプレーでは、いえ、これについては後で、「Cuando la he visto he dicho que puede pitarla pero también no/クアンドー・ラ・エ・ビストー・エ・ディッチョー・ケ・プエデ・ピタールラ・ペロ・タンビエン・ノー(それを見た時、ペナルティでありうるし、そうではないこともありうると言った)」とイニゴ・ペレス監督も告白していたんですけどね。その時は何故か、主審もVAR(ビデオ審判)もスルー。
おかげでPKをもらえず、終盤のビニシウスのエリア内シュートもバタジャに弾かれてしまったため、マドリーは再度の勝ち越し点が奪えなかったんですが、同様にラージョもルジューヌのFKをGKクルトワが弾いたところに詰め切れず。結局、3-3のまま、痛み分けとなったんですが、いやあ。だってえ、ラージョはマドリーとのホームゲーム、ここ4試合で1勝2分け1敗とまったくの五分ですからね。となれば、ブカネーロス(ラージョのウルトラグループ)が勝利試合限定だった「Vida de pirata/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を歌って、選手たちと一緒に祝っていたのは無理もなかった?
そんなラージョは今週、水曜に延期分の12節ビジャレアル戦が控えているんですが、心配なのは選手たちの体力。ええ、エヌテカも「Se corre casi igual en la medular que arriba con Iñigo/セ・コレ・カシー・イグアル・エン・ラ・メドゥラル・ケ・アリーバ・コン・イニゴ(イニゴ監督の下では中盤も前線も同じぐらい走る)。家に帰った時にはクタクタだよ」と言っていましたが、このダービーでは普段以上に消耗したはずですからね。ただ、マルセリーノ監督のチームは日曜試合でベティスに1-2と負け、中日が1日少ないのと、アレックス・バエナ、パレホ、キケ・フェメニアらが出場停止になるのが救いになりますが…バジェカスで隣になったラージョ番記者に「練習でも全然、走ってなかった」と言われていたハメスが、年内最終試合の遠征に参加するのかは微妙かもしれませんね。
一方、マドリーには同じ水曜午後6時(日本時間翌午前2時)から、インターコンチネンタルカップ決勝パチューカ戦が控えていて、早くも月曜午後にはカタールに移動。全治10日と言われたエムバペも招集メンバーに入ったんですが、出発前のバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションではすでにチーム練習に一部参加していたよう。10月の負傷時同様、人一倍、治癒力が高いことを証明していましたが、ただ、実際にプレーできるかはまだ不明です。まあ、土曜に準決勝のアル・アハリ戦を延長、PK戦で乗り切ったパチューカの選手たちもドーハで3試合目とあって、かなり疲れているはずですしね。日曜には最近、首位争いが激化しまくっているリーガのセビージャ戦もあるため、性急な復帰は避けた方がいいかもしれませんよ。
そして翌日曜、お日様が嬉しいメトロポリターノでアトレティコとヘタフェの兄弟分ダービーが開催となったんですが、こちらは前夜とは打って変わって、渋い展開でねえ。クリスマスが近いこともあって、クラブが来場するファンにサンタ帽を配ったのと、とうとう本家マドリーダービーの時のGKクルトワへの物投げ込み騒動により、身バレしたメンバーが永久追放になったことを受け、ずっと応援ストをしていたフレンテ・アトレティコ(ウルトラグループ)が活動を再開。スタンドに継続的な応援BGMが戻ったこともあり、場内はキックオフ前からフィエスタ状態だったんですが、もしやアトレティコ、ここ5試合、ずっと3得点以上を続けていて、ゴールを入れるのに飽きてしまった?
いやまあ、序盤のチャンスでサムエル・リノがエリア外からのクロスをゴール前で押し込めばいいだけなのを2度続けて外し、やっぱりセビージャ戦のロングシュートが同点ゴールになったのは例外で、まだまだ決定力に課題が残っているのが明白になったのは、当人も天狗にならずに済んで良かったかもしれないんですけどね。ただ、前半はフリアン・アルバレス、ジュリアーノ、デ・パウルもチャンスを生かせず、0-0で折り返したのは、ここまで15試合で11得点と、「Tenemos un déficit con el gol no solo desde el inicio de temporada, sino en pretemporada/テネモス・ウン・デフィシット・コン・エル・ゴル・ノー・ソロ・デスデ・エル・イニシオ・デ・テンポラーダ、シノ・エンプレテンポラーダ(ウチのゴール不足はシーズン当初からだけじゃなく、プレシーズンから)」と認めているボルダラス監督の思う壺だったかも。
後半頭からはリノを諦め、セルロートを入れたアトレティコに対し、ヘタフェも10分にはジェジュやデビュー組のカンテラーノ(ヘタフェBの選手)、ケイタをレギュラーのウチェとアレックス・ソラに代えて、ゴールを探すことにしたんですが、控えが頼りになることにかけては最近のシメオネ監督のチームに並ぶ者はなし。ジュリアーノ、ジョレンテからコレア、モリーナに代わり、一時、4人FW体制になった後、18分にはグリーズマンをコケにしたところ、とうとう24分、待望のゴールが生まれることに。そう、アルゼンチン代表でのケガがようやく治ったモリーナが右サイドからクロスを上げると、それがドンピシャでセルロートの真上に落ち、彼がヘッドでGKダビド・ソリアを破ってくれたとなれば、どれだけ場内が盛り上がったことか。
リードされたヘタフェも32分には3選手を一斉交代したものの、うーん、やっぱりアルバロ・ロドリゲスがベルトゥになっても、昨年、アトレティコのホーム20連勝の始まる前と終了の引分けに貢献した、未だにヒザの半月板損傷が完治していないボルハ・マジョラルとは違いますからね。結局、そのまま試合は1-0で終わり、アトレティコは破竹の11連勝を達成。まあ、昨今のゴール祭りと比べると地味ではありましたが、シメオネ監督も「Siempre digo que el mejor resultado es 1-0/シエンプレ・ディゴ・ケ・エル・メホール・レスルタードー・エス・ウノ・セロ(常に自分は、最高の勝利は1-0と言ってきた)。守備が良くて、攻撃に決定力があるってことだからね。4-3とかで勝つと、見直すことがありすぎる」と話していましたしね。
そこまで兄貴分に苦労をさせたことで、ヘタフェのメンツも保てて良かったんですが、現在、16位で降格圏と勝ち点2差の彼らには、「アトレティコと競えたことは慰めになるが、necesitamos puntos/ネセシタモス・プントス(ウチには勝ち点いる)」(ボルダラス監督)というのも事実。とりあえず、コリセウムにマジョルカを迎える土曜の試合で頑張って、彼らが残留ゾーンで年を越せることを祈るばかりですが…相手のエースのムリキがジローナ戦で退場し、出場停止なのは有難くても、やっぱり誰かがゴールを入れてくれないと勝てないため、ここはお隣さんのレガネスを見習って、このミッドウィークはセットプレーに磨きをかけるのがいいかもしれませんよ。
そしてアトレティコは消化試合数が1つ少ない状態で日曜にモンジュイックで頂上決戦に挑むんですが、いやあ、彼らがバルサのホームで勝利した記憶が私にはほとんどなくてねえ。今回は両チーム共、3週間の連戦が終わり、ミッドウィークの試合がなくなって休養十分なところは五分で、ジャマルが足首のケガで全治3、4週間になってしまった、再びフリック監督がスタンドから指揮する相手と比べ、先週末から負傷者ゼロになっているのは有利なんですけどね。といっても、これでホーム2連敗となったバルサだって、いつまでも負け続ける訳ありませんし、アトレティコの連勝が止まる日がいつか必ずやって来るのは確か。明るい年末を過ごすためにも、それが今週末でないといいのですが…。
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レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが、国際サッカー連盟(FIFA)の倫理規定違反で2年間の出場停止処分を科される可能性が浮上している。 昨年はバロンドールこそ逃したもののFIFAザ・ベストを受賞し、チャンピオンズリーグとラ・リーガの2冠に貢献したヴィニシウス。今シーズンは昨シーズンほどのインパクトこそ残せていないが、公式戦20ゴール14アシストと十分なスタッツを残し、マドリーの主軸として活躍。直近では2030年までの新契約締結で合意に至ったとの報道も出ていた。 そんななか、イタリア『ジャンルカ・ディ・マルツィオ』などの報道によれば、現在フットボール界屈指のスーパースターには父親と代理人とともに経営する『ALL Agenciamento Esportivo』社のサッカークラブ買収に関する問題で、FIFAから調査を受けているという。 『ALL』はポルトガルのFCアルベルカと、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエB(ブラジル2部)のアスレティック・クラブを買収した。 後者のアスレティック・クラブに関しては16.5%の株式を保有するブラジル企業『ティベリス・ホールディング・ド・ブラジル』が、クラブのセリエB昇格を受けて、株式過半数を取得する優先購入権を行使する計画を立てていた。 しかし、実際に株式はヴィニシウスと関係のある『ALL』に直接売却され、サンパウロ商事裁判所は調査のため取引を停止。 だが、捜査が行われている間に『ALL』がクラブの運営権を握ったことに激怒した『ティベリス』は4月7日、FIFA倫理委員会の調査委員会に申し立てを行い、ヴィニシウスに対して2年間の出場停止処分を要求した。 『ティベリス』の訴えによると、これはFIFA倫理規定第20条およびスペインサッカー連盟(RFEF)スポーツ正義規定第22条に違反するとして国際訴訟を起こすことを決定。これらの規定はいずれも、利益相反の明らかなリスクがある場合に、現役サッカー選手がプロサッカークラブを直接的または間接的に所有することを禁じている。 懸念されるのは、選手オーナーにとって有利な個人契約、スポーツの試合結果への影響。さらに、異例の形で他の選手を引きつける可能性、税務上の不正行為に至るまで、多岐にわたるという。実際、アスレティック・クラブとアルベルカの間ではここにきて選手移籍の動きもある。 この訴えはFIFAに審査される予定であり、出場停止処分に至らない可能性もあるが、『ティベリス』は2年間の出場停止処分を求めており、この訴えが全面的に認められた場合、ヴィニシウスの選手生命に関わる事態となる。 ただ、現状の見立てでは両者間での和解を目指しつつ、ヴィニシウス側に処分が下ったとしても、罰金といったより軽微な処分にとどまる可能性が高いようだ。 2025.04.23 20:51 Wed2
40歳C・ロナウドが約400億円で3年連続最も稼いだアスリートに! メッシが5位、ドジャース・大谷翔平は9位
アル・ナスルのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(40)が、再び世界で最も稼ぐアスリートとなった。アメリカ『フォーブス』が伝えた。 サッカー界のスーパースターの1人であるC・ロナウド。初めて世界で最も稼ぐアスリートになってから9年。40歳になった中で、3年連続5度目のナンバーワンとなった。 スポルティングCPで才能を見出され、マンチェスター・ユナイテッドで輝きを放ち、レアル・マドリーで全盛期を迎えると、ユベントス、ユナイテッドでプレーし、現在はサウジアラビアのアル・ナスルでプレー。AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)では準決勝で川崎フロンターレに敗れてアジア王者は逃したが、その存在感は健在だ。 サッカー界のNo.1プレーヤーという肩書きは譲りつつあるものの、この1年間で稼いだ金額は推定2億7500万ドル(約399億6000万円)とのこと。これは自己最高記録であり、歴代でも2015年に3億ドル、2018年に2億8500万ドルを稼いだプロボクサーのフロイド・メイウェザーだけとなっている。 内訳としては2億2500万ドル(約326億9000万円)がアル・ナスルとの契約で手にしており、残りの5000万ドル(約72億7000万円)はピッチ外での収入となり、スポンサー契約などの収入と見られている。 サッカー選手ではトップ10にはアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)が1億3500万ドル(約196億3000万円)で5位。8位に元フランス代表FWカリム・ベンゼマ(アル・イテハド)が1億400万ドル(約151億2000万円)でランクイン。トップ50に広げると、フランス代表FWキリアン・ムバッペ(レアル・マドリー)が9000万ドル(約130億9000万円)で16位、ブラジル代表FWネイマール(サントス)が7600万ドル(約110億5000万円)で25位、ノルウェー代表FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)が6200万ドル(約90億1000万円)で34位、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)が5500万ドル(約80億円)で46位、セネガル代表FWサディオ・マネ(アル・ナスル)が5400万ドル(約78億5000万円)で48位となった。 全体では2位にNBAのゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーで1億5600万ドル(約226億7000万円)、3位にイングランドのプロボクサーであるタイソン・フューリーで1億4600万ドル(約212億2000万円)、4位にNFLのダラス・カウボーイズに所属するダック・プレスコットで1億3700万ドル(約199億1000万円)、5位がメッシとなった。 なお、日本人では9位にはMLBのロサンゼルス・ドジャーズに所属する大谷翔平が唯一入り1億250万ドル(約148億9000万円)。フィールド上で250万ドル(約3億6000万円)、フィールド外で1億ドル(約145億3000万円)を稼いでいるとされている。 <h3>◆最も稼ぐアスリートランキング 2025</h3> 1位:クリスティアーノ・ロナウド(サッカー/ポルトガル/40歳) 総収益:2億7500万ドル(約399億6000万円) 2位:ステフィン・カリー(バスケットボール/アメリカ/37歳) 総収益:1億5600万ドル(約226億7000万円) 3位:タイソン・フューリー(ボクシング/イギリス/36歳) 総収益:1億4600万ドル(約212億2000万円) 4位:ダック・プレスコット(アメリカン・フットボール/アメリカ/31歳) 総収益:1億3700万ドル(約199億1000万円) 5位:リオネル・メッシ(サッカー/アルゼンチン/37歳) 総収益:1億3500万ドル(約196億3000万円) 6位:レブロン・ジェームズ(バスケットボール/アメリカ/39歳) 総収益:1億3380万ドル(約194億4000万円) 7位:フアン・ソト(野球/ドミニカ共和国/26歳) 総収益:1億1400万ドル(約165億8000万円) 8位:カリム・ベンゼマ(サッカー/フランス/36歳) 総収益:1億400万ドル(約151億2000万円) 9位:大谷翔平(野球/日本/歳) 総収益:1億250万ドル(約148億9000万円) 10位:ケビン・デュラント(バスケットボール/アメリカ/35歳) 総収益:1億140万ドル(約147億3000万円) 2025.05.16 17:40 Fri3
バルサは祝ってるけど、まだ続くリーガもある…/原ゆみこのマドリッド
「あと大変なのは弟分だけね」そんな風に私が呟いていたのは金曜日、慌ただしいミッドウィーク開催36節がバルサのリーガ優勝で終わった翌朝のことでした。いやあ、もちろん、水曜のサンティアゴ・ベルナベウでマジョルカ相手に意地で勝利を挙げた甲斐もなく、翌日にはクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点差を7にした宿敵がエスパニョールに0-2と勝利。最短ルートでタイトルをものにしたのはきっと、レアル・マドリーの選手たちも面白くないものを感じているとは思いますけどね。お隣さんも負けたため、2位の座が安泰となったのは良かったかと。 一方、またしてもアウェイで恥をさらしてきたアトレティコも前節で、毎シーズンの義務である5位以上の来季CL出場権は確定させていますからね。まだ4位のアスレティックに抜かれる可能性あるものの、5位ビジャレアルとは勝ち点差6でゴールアベレージはイーブン、総得失点差で上回っているため、落ちても4位で来季のスペイン・スーパーカップ出場権(今季の決勝がバルサvsマドリーだったため)はゲットと至って平和なんですが、対照的に残り2節に全てが懸かってしまったのが、ラージョ、ヘタフェ、レガネスのマドリッド勢弟分3チームなんですよ。 その状況を説明するのを兼ねて、この火曜水曜の試合がどうだったか、振り返っていくことにすると。先陣を切ったのはどこより辛い状況にあるレガネスで、ええ、ラ・セラミカでのビジャレアル戦を私もサンティアゴ・ベルナベウへ行く前に見ていたんですけどね。前節はようやくエスパニョールに勝ったため、少しは継続してくれるかと期待したものの、それがまったくダメだったんです。相手がCL出場権獲得に邁進しているチームだというのもあったんでしょうが、前半だけでアジョセに2本、そしてハーフタイム入り直前にもペペに決められて、呆気なく3-0で勝負がついてしまいましたっけ。 それも不幸は重なるもので、同日同時間帯にプレーしていたアラベスがバレンシアに1-0で勝ったため、残留圏最後の17位である相手とレガネスの勝ち点差が4となり、いえ、おかげでバジャドリーに続き、ラス・パルマスの降格が決まり、僅かでも生き残りの可能性があるのは18位のレガネスだけとなったんですけどね。ボルハ・ヒメネス監督は、「Mientras hay vida, hay esperanza. Vamos a pelear a por los 40 puntos/ミエントラス・アイ・ビダ、アイ・エスペランサ。バモス・ア・ペレアル・ア・ポル・ロス・クアレンタ・プントス(生きている間は希望がある。ウチは勝ち点40を目指して戦う)」と話していたものの…。 というのも、彼らの残りの対戦相手は37節、日曜の全カードunificacion(ウニフィカシオン/統合)時間帯午後7時(日本時間翌午前2時)ではラス・パルマス、最終節はバジャドリーと両降格済みチームというのは希望が持てるんですが、他力本願になることだから。要はやはり、次節にバジャドリーと対戦するアラベスが勝った場合、勝ち点が41となり、レガネスは2連勝しても追いつけず。その場合はもう2つの残留未達成チーム、勝ち点5差のヘタフェか、エスパニョールが2連敗してくれるかどうかに懸かってくることに。 どちらにしろ、かなり見込みの薄い賭けに見えるんですが、ラ・セラミカでの帰りがけには応援に来ていたレガネスファンが、来季はバレンシア移籍の噂があるネユウに「Basura!/basura(クズ)」と罵声を浴びせ、一気触発状態になったなんてことも。いつもブタルケでは「2部Bになってもついていく」と歌っているファンたちなんですから、今季4年ぶりで再昇格して、慣れない1部での戦いにここまで一生懸命、取り組んできた選手たちを貶めることはしないでほしいものです。 そして火曜の午後9時半、サンティアゴ・ベルナベウにマジョルカを迎えたマドリーはというと、泣きっ面に蜂とはまさにこのことで、クラシコに負けてリーガ逆転優勝の目が99%なくなった彼らには前代未聞の頭数不足が襲来。元々、長期離脱のカルバハル、ミリトン、手術したリュディガー、アラバ、メンディ、まだリハビリ中のカマビンガ、クラシコでケガをしたビニシウス、ルーカス・バスケス、自信喪失中のロドリゴ、出場停止のチュアメニに加え、試合前日にもGKルニンとブライムが招集リスト落ちとなったおかげで、とうとう大量12名が欠けたとなれば、その日の控え選手がバジャホ以外、全員カンテラーノ(RMカスティージャの選手)だったの仕方なかったかと。 そのせいか、ベルナベウも満員にはならなかったんですが、そんな状況でも勝利を求められるのがマドリーですからね。前半11分、マテウのパスをセバージョスがカットできず、バルイェントに先制ゴールを奪われた時には場内も一瞬、凍りついたものでしたが、そこは世界一を自負するチーム。GKレオ・ロマンがparadon(パラドン/スーパーセーブ)を連発したせいで、同点になるのは後半23分、モドリッチのスルーパスから、敵DF3人に囲まれたエムバペが格の違いを際立たせるシュートを決めてくれるまで待たないといけなかったんですが、いやホント、マドリーには最後まで絶対に諦めない精神がしみ込んでいるんですねえ。 そう、後半19分に脚を打撲した、今は押しも押されぬレギュラーでも登録がRMカスティージャのままのアセンシオをトップチームの幽霊部員バジェホに交代。他は29分にせっかく巡ってきた先発のチャンスを生かせなかったエンドリックをコパ・デル・レイ準々決勝レガネス戦の後半ロスタイムに決勝ゴールを挙げたゴンサロにしただけで、トップチームの選手が常時7人以上ピッチにいないといけない規定を守ったマドリーは、アンチェロッティ監督も「Nunca he visto un equipo que haya tirado 40 veces a portería como hemos hecho/ヌンカ・エ・ビストー・ウン・エキポ・ケ・アジャ・ティラードー・クアレンタ・ベセス・ア・ポルテリア・コモ・エモス・ヘッチョー(ウチがやったように40回もシュートするチームは見たことがない)」と驚いていた猛攻を、飽きずに終盤まで続けることに。 するととうとう、後半ロスタイム最後の分にはモドリッチのCKがクリアされた後、フラン・ガルシアが再びエリアに戻したボールをバジェホがヘッドで流し、出場3試合目のCBヤコボがコペテに先んじてシュート。「He ido y no sé ni cómo, pero la he metido/エ・イドー・イ・ノー・セ・ニ・コモ、ペロ・ラ・エ・メティードー(行って、どうやったかはわからないけど、ゴールに入れた)」という彼の初得点で、土壇場のremontada(レモンダーダ/逆転劇)を達成しているんですから、驚いたの何のって(最終結果2-1)。 これでバルサがエスパニョール戦をプレーする前にして、リーガチャンピオンとなるのを防げたマドリーだったんですが、この根性を今季、リーガのバルサ戦以外の試合でも見せられていいたらねえ。試合後、クルトワなどは、「Vamos a creer hasta que matemáticamente sea imposible/バモス・ア・クレエル・アスタ・ケ・マテマティカメンテ・セア・インポシブレ(数字的に不可能になるまで、ボクらは信じる)」と言っていたものの、翌日のカタルーニャダービーでは予想通り、奇跡は起こらず。 よって、残りのセビージャ、レアル・ソシエダとの2試合は、レバンドフスキととうとう3得点差になったエムバペが上乗せゴールを入れて、ピチチ(リーガの得点王)だけでなく、ヨーロパ・ゴールデンシュー獲得を目指す機会と、クラブW杯前のプレシーズンマッチと化したマドリーなんですが、ケガから復帰する選手もそうそう多くはなさそうですしね。大体がして、もうアンチェロッティ監督の頭にはブラジル代表の6月W杯予選に向けての招集リスト作りしかないかも。 せいぜい、6月に赴任するシャビ・アロンソ監督にRMカスティージャからの抜擢メンバーがアピールする機会ぐらいにしかならないんじゃないかと思いますが、困ったのは、試合終了直前まで、勝ち点1確保を見込みながら、空手で帰ることになったマジョルカのアラサーテ監督の決意。そう、8位のコンフェレンスリーグ出場の座を勝ち点1差でラージョ、オサスナと争っている彼らだけに、「最後のCKをクリアして終わったはずだったのにゴールを入れられた。Te vas con rabia, pero hay que transformarla en energía el domingo/テ・バス・コン・ラビア、ペロ・アイ・ケ・トランスフォルマルラ・エン・エネルヒア・エル・ドミンゴ(怒り心頭だが、このエネルギーを日曜に持って行かないと)」と言っていたんですが、その日曜の相手はヘタフェなんですよ。 おまけに「Tenemos que intentar ganar el domingo para llegar a Vallecas con opciones europeas/テネモス・ケ・インテンタール・ガナール・エル・ドミンゴ・パラ・ジェガール・ア・バジェカス・コン・オプシオネス・エウロペアス(日曜に勝って、ヨーロッパの大会参加の可能性を残してバジェカスに着かないといけない)」(アラサーテ監督)というように、マジョルカの最終節はラージョ戦。となれば、もしやマドリーは弟分たちに対して、余計なことをしてくれた? ええ、何せ翌木曜にはマドリッドがサン・イシドロ祭の祝日で賑わう中、エスタディオ・バジェカスに足を運んだ私だったんですけどね。昼間に降ったにわか雨も上がり、お日様がさんさんと輝く中でキックオフとなったベティス戦は、ラージョが前半37分にペドロ・ディアスのミドルシュートがバーに当たって落ちたボールをデ・フルートスがヘッドで決めて先制。更に前半ロスタイムにもルジューヌの直接FKがゴールとなり、2-0で折り返す最高の展開に。 やっぱりここ3週間、コンフェレンスリーグ準決勝フィオレンティーナ戦から週2試合となり、しかも先週は延長戦でチェルシーとの決勝に進出とあって、ベティスは疲れているはずという予想が当たったと、ホクホクしながら、後半を捨てて、私がコリセウムに向かったところ、やられました!うーん、やはり「Salimos un poco aturdidos quizás por la euforia, en la segunda parte/サリモス・ウン・ポコ・アトゥルディードス・キサ・ポル・ラ・エウフォリア、エン・ラ・セグンダ・パルテ(ボクらは多分、歓喜しすぎていて、ちょっとボオッとして後半に入った)」(ラティウ)のせいだったんでしょうかね。 メトロからアトーチャ駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)に乗り換える前、早くも6分にはクチョのゴールで1点を返され、15分には英雄だったルジューヌがアブデをエリア内で倒してPKを献上。イスコに2点目を決められて、最後は2-2で引き分けてしまうんですから、ガッカリじゃないでうか。いえ、「Tenemos dos finales por delante y hay que ganarla/テネモス・ドス・フィナレス・ポル・デランテ・イ・アイ・ケ・ガナールラ(ウチには2つの決勝があって、勝たないといけない)」とイニゴ・ペレス監督も言っていた通り、日曜のセルタ戦、最終節のマジョルカ戦に勝てば、来季のコンフェレンスリーグの切符どころか、36節で勝ち点4差になってしまったセルタを追い越して、未だにEL行きも夢じゃないんですけどね。 せっかくの直接ライバルたちと差をつける機会を失ってしまったのは残念ではありますが、まあ、最後まで競うものが残留ではないだけ、ラージョは百万倍幸せ。だってえ、ファンに総動員をかけ、アスレティック戦前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)を焚いて、チームバスをお出迎えしてもらい、普段の数倍は力強いコリセウムの応援を受けながら、GKダビド・ソリアとウナイ・シモンのロングゴールキックと延々にボールが宙を舞っていた試合、ヘタフェは後半31分にグルセタ、44分にはCKからビビアンのシュートを浴びて、ウィリアムス兄弟のいなかったアスレティックに0-2で負け、来季のCL出場確定を祝われてしまったんですよ。 おかげでとうとう、試合の終盤にはスタンドから、「jugadores mercenarios/フガドーレス、メセナリオス(選手は金で雇われた傭兵)」というカンティコが出ていた程だったんですが、つまりこれって、6連敗の彼らは未だに残留確定ができておらず。エスパニョール、アラベス、レガネスと共に降格最後の1チームになる可能性があるってことで、奇跡が起こって、お隣さんが残留できても、ヘタフェが落ちたら、そんな悲劇はない?いやまあ、それでも日曜のマジョルカ戦、最終節のセルタ戦で勝ち点を貯められれば、回避可能なんですけどね。揃って相手がヨーロッパの大会出場を目指しているチームというのが辛いところかと。 そんなヘタフェにはもう少しのガッツと幸運を祈るしかないんですが、え?何で木曜にプレーしたアトレティコの話が抜けているんだって?いやあ、私がバジェカスに行ったのも実はもう、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)であの、ちっちもさっちもいかない彼らのアウェイゲームを見ているのに耐えられなかったからで、案の定、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継でも一向にいい話は聞こえてこず。挙句の果てに前半24分にはCKから、カテナにヘッドでゴールを挙げられて先制されると、後半途中にはシメオネ監督がフリアン・アルバレス、セルロートを下げる不可解采配を見せ、ええ、今のコレアとグリーズマンではゴールをまったく期待できませんですからね。 最後は後半37分にもブドミルに頭で決められ、2-0ですごすご完敗と、その気合のないプレーぶりにラジオの解説者たちがカンカンだったのを聞くにつけ、見ないで本当に良かったとホッとしたのは私だけではない?これで彼らはコパ・デル・レイ準決勝でバルサに負けて、今季全てのタイトル獲得可能性がほぼ消えて以来、アウェイ戦5試合でたったの1勝。そんな情けない有様にならなければ、もっと遅くまでリーガで粘れたんじゃないかと思うんですが、これには「監督がアウェイで選手たちがいいレベルを見せるのに必要なモチベーションを与えられない監督の責任」といくらシメオネ監督が言い張ったって、やっぱり当事者たちの自覚の問題があるのでは? おまけにこのオサスナ戦では後半途中にバリオスがジョレンテの腰に頭をぶつけ、脳震盪で交代。日曜のスィートホーム、メトロポリターノでの今季最終戦、ベティス戦にも出られなくなってしまうとは如何に。昨季同様、シーズン終盤は突極のアウェイ弱者になり下がったアトレティコにはもう、何を言っていいか、私もわからないんですが、そんなところを含めて、彼らは人間的な愛すべきチーム。今はせめて、クラブW杯では心を入れ替えて、今季のCLグループフェーズ、PSG戦やレバークーゼン戦で見せた強さを再現してくれることを願うしかありませんね。 ご挨拶: サイトのサービス終了をもって、このコラムも今回で終わりとなります。長年のおつき合い、ありがとうございました。この先もサッカーファンの旅行先として最適なマドリッドの魅力、リーガやマドリッドのクラブの試合やニュース、スペイン代表などについて、お伝えする方法を模索中なので、その際にはよろしくお願いします。 2025.05.17 21:00 Sat4
終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル①~ペジェグリーニ体制プレイバック~
2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆マヌエル・ペジェグリーニ体制/2009-10</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190308_23_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>ペレス会長は、2度目の政権の皮切りにペジェグリーニ監督を招へい。前シーズンにはビジャレアルで攻撃的なサッカーを組み立て、チャンピオンズリーグ(CL)ベスト8に名を連ねており、国内外で評価を上昇させていた。 マドリーは前年度までのCLで5シーズン連続のベスト16に終わっており、リーガでもバルセロナの後塵を拝しての2位。コパ・デル・レイのタイトルも獲れず、ペジェグリーニ監督にはCLベスト8以上に加えて、主要タイトルの獲得が求められていた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-4-2]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190308_23_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>2009年夏、ペジェグリーニ監督を招へいしたマドリーはFWクリスティアーノ・ロナウド、MFカカら多く新戦力を獲得し、FWロッベンやMFスナイデル、DFエインセ、DFカンナバーロ、DFサルガドらが去った穴を埋めた。“新銀河系軍団”はこの時から形作られている。 基本フォーメーションに関しては、フラットな[4-4-2]だけでなく、カカをトップ下に配した[4-3-1-2]も多く採用した。また、負傷によりシーズン後半を棒に振ったDFペペが起用可能だった当初には、マルセロを一列前に上げてセルヒオ・ラモスを右SB、アルベロアを左SBに回している。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point!~クラシコでの2敗&CLベスト16の壁~</span> 結果から言えば、このシーズンのマドリーは無冠に終わった。CLどころか、リーガは宿敵バルセロナに奪われ、コパ・デル・レイに至っては当時3部だったアルコルコン(1stレグの0-4敗戦が後に“アラコルコンの悲劇”と呼ばれる)に敗れベスト32で散っている。 たらればの話ではあるが、CLベスト8に進出出来ていれば閉塞感を振り払えていただろう。決勝戦の会場が本拠地サンティアゴ・ベルナベウに決まっていただけに、多くの期待が寄せられていたが、ベスト16でリヨンに2戦合計1-2で敗戦。6シーズン連続のベスト16敗退となった。 さらに、CLを逃したとなれば、リーガ優勝がペジェグリーニ監督続投の条件となっていたが、ここでも首位バルセロナ(勝ち点99)とわずか3ポイント差で撃沈。2試合の直接対決では2敗を喫しており、“エル・クラシコ”で勝ち越せなかったことがタイトル獲得を阻んだ。 そして、ペジェグリーニ監督は2010年の夏に解任。言わずもがな、その理由は全てのタイトルを逸したためだ。<hr>▽マヌエル・ペジェグリーニ 【在任期間】 1シーズン(2009-10) 【戦績】 公式戦48試合36勝5分け7敗 チャンピオンズリーグ:ベスト16 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点96) コパ・デル・レイ:ベスト16 【主な獲得選手】 FWクリスティアーノ・ロナウド、FWカリム・ベンゼマ、MFカカ、MFシャビ・アロンソ 【主な放出選手】 FWアリエン・ロッベン、MFヴェスレイ・スナイデル、DFガブリエル・エインセ、DFファビオ・カンナバーロ、DFミチェル・サルガド 2019.03.09 18:30 Sat5
