補強効果はすぐには出ない…/原ゆみこのマドリッド
2024.08.31 21:00 Sat
「何か気が散って困るわね」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、ようやくミッドウィーク開催リーガが終わり、週末4節の対戦を見ていた時のことでした。いやあ、木曜には今季から、大会形式が一新されたCLのリーグフェーズの組み合わせ抽選会が開催。これまで32チームでグループリーグを戦っていたのが、36チームとなり、各チームがこなす8試合のカードが決まったんですけどね。何ともややこしそうな抽選をどうやるのか、怖いもの見たさにネット中継を追っていたところ、4つのシードポットごとにUEFA会長賞を受賞したブッフォンがクラブ名の入ったボールを選び、同クリスチアーノ・ロナウド(アル・ナシリ)が抽選ソフトウェアの始動ボタンをポン。
それだけでコンピューターが8試合の相手を決めてくれるという、呆気ないものだったのはともかく、いえ、レアル・マドリーはホームでドルトムント、ミラン、ザルツブルク、シュツットガルト、アウェイでリバプール、アタランタ、リール、ブレストと、アトレティコはホームでライプツィヒ、レバークーゼン、リール、スロバン・ブラチスラバ、アウェイでPSG、ベンフィカ、ザルツブルク、スパルタ・プラハと対戦というのは一応、記憶に留めたんですけどね。実際に試合が始まるのは9月の第3週な上、スケジュールも土曜まで出ないとあって、それまでほっといていいかという気分だったんですが、正直、36チームある順位表って、怖すぎじゃない?
ええ、その8位以上で終われば、決勝トーナメント16強対決に直接進出、9位から24位なら、プレーオフを経ての参加になるんですけどね。1月末の最終節、運命の分かれ目の順位にアトレティコがいた場合、これじゃあ、どのチームの不幸を願ったらいいかもわかりづらくなりそうですが、まあ、それはまだ先の話。すると翌金曜、今度はスペイン代表のネーションズリーグ、9月5日のセルビア戦、8日のスイス戦に向けた招集リストの発表があって、ええ、アトレティコはモラタがミランに移籍してしまった上、負傷中というのもあって、ル・ノルマン(レアル・ソシエダから移籍)だけと、また恒例の1人参加に。
お隣さんもユーロでは3人参加だったのが、ナチョ(アル・カーディシーヤ)とホセル(アル・ガラファ)が退団して、カルバハルの1人になっていたため、そんなに肩身は狭くないんですが、ユーロ前の最終足切りで落ちたアレイス・ガルシア(ジローナからレバークーゼンに移籍)が入っていたのに、リーガ3試合で2得点しているジョレンテが呼ばれないのは何故?ちなみにバルサはフェルミンが今回、U21の応援に行かされたんですが、ダニ・オルモ(ライプツィヒから移籍)が加わって、ジャマル、ペドリ、フェラン・トーレスと合わせて4人のまま。代表最多勢力となっていますが、ヘスス・ナバス(セビージャ)の代表引退に伴い、ミンゲサ(セルタ)が初招集されたりと、マイナーな変化についてはまた、追ってお知らせしていくことになるかと。
更に金曜は深夜零時に夏の移籍市場が閉じるとあって、私もマドリッド勢にサプライズが起きたら困ると、スポーツ紙のネットページに気を取られがちなんですが、とりあえず、ミッドウィーク3節の試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると。トップバッターとなったのは弟分のラージョで、火曜にエスタディオ・バジェカスにバルサを迎えて今季ホーム開幕戦に挑むことに。この夏の目玉補強となったハメス・ロドリゲス(サンパウロと契約解除)がスタンドから見守る中、キックオフ前にはパリ五輪金メダリストのカメージョも両チームの選手たちが作る花道を通って登場。場内のファンから大きな拍手を受け、いいムードの中でスタートしたんですが、まさか開始10分にはデ・フルートスのラストパスから、ウナイ・ロペスが先制ゴールを挙げてくれるとは!
そう、14分にはオルモのシュートがゴールバーに当たり、バジェカスのファンがヒヤリとした直後、ペドリがラフィーニャと連携して、同点ゴールを奪われてしまったのはまだいいんですけどね。26分のレバンドフスキのゴールは、そのプレーの起点でクンデがチャバリアの足を踏んでいたことがVAR(ビデオ審判)モニターチェックで発覚し、スコアには上がらなかったんですが、とうとう37分、ジャマルのラストパスをオルモにエリア内から決められてしまったから、さあ大変。
この夜も猛暑だったせいもあったか、前半の頑張りで体力消耗してしまったラージョはアルバロ・ガルシア、バレンティン、カメージョが次々、「Problemas relacionados con la fatiga/プロブレマス・レラシオナードス・コン・ラ・ファティガ(疲労に伴う問題)」に襲われ、交代を余儀なくされたことも影響したんですけどね。リードされてもとても反撃できる状態ではなく、「Nos faltó físico y fútbol/ノス・ファルトー・フィシコ・イ・フトボル(ウチにはフィジカルとサッカーが欠けていた)」(イニゴ・ペレス監督)せいで、結局、そのまま1-2で負けてしまいましたっけ。
一方、3連勝でリーガ単独首位に立ったバルサも後半ロスタイムに災厄に見舞われていて、開幕からスタメンに抜擢されているカンテラーノ(Bチームの選手)、17才のベルナルがイシを吹っ飛ばした拍子にヒザを負傷。最後の5分はピッチサイドでメディカルスタッフと立って見ていたんですが、それが予想通り、靭帯断裂の重傷だったんですよ。当人もガビ、ジャマル、クバルシに続いて、今季は早熟なトップチーム生活を送る夢を抱いていただけに、何とも気の毒なことになってしまいましたが、こればっかりはねえ。
幸いラージョの方は途中交代した3人も土曜のエスパニョール戦前には回復し、火曜はベンチにいなかったRdT(ラウール・デ・トマス)も筋肉痛が治って、バルセロナ遠征に参加できるようなんですけどね。その彼が今夜中にステルス移籍していないことを祈るばかりですが、そうそう、代表戦週間明けのデビューが予定されていたハメス・ロドリゲスは来週、コロンビア代表のお勤めに出るのだとか。遅くに決まった入団ですし、当人はコパ・アメリカ決勝以来、練習をしていないため、本来なら、この2週間、ラージョでじっくり身体を作ってもらいたいところですが、なかなか上手くいかないもんですよね。
そして翌水曜にはまず、1部の新弟分レガネスが同じ昇格組のバジャドリーとアウェイでプレーしたんですが、さすがにファン・クルスも3試合連続ゴールは無理だったか、0-0の痛み分けで終わることに。ボルハ・ヒメネス監督も「Cada punto fuera de casa va a ser muy importante/カーダ・プント・フエラ・デ・カサ・バ・ア・セル・ムイ・インポルタンテ(アウェイでの全てのポイントはとても重要になる)」と言っていたように、こちらは基本、アウェイでは高望みをせず、ブタルケで白星を積み重ねて、残留達成を果たそうというスタンスのようですが、となると肝となるのは土曜のマジョルカ戦。
移籍市場最終日にはアランバリがエイバルに移り、そのマジョルカからナスタシッチが入団というCBの入れ替えがあったレガネスですが、この夏はもう、これで10人も補強していますからね。ようやく猛暑が終わり、涼しくなったスタンドで応援してくれるファンの前で、1勝2分けの彼らと真逆の2分け1敗でスタートした相手には、いいところを見せてもらいたいかと。加えて、日曜のヘタフェ戦でレアル・ソシエダの久保建英選手がコリセウムに来る前に、今季マジョルカに移籍した浅野拓磨選手が初めてマドリッドに来るのもちょっと楽しみなところです。
え、それより問題なのは大型補強をしながら、その効果がまったく見えていない兄貴分たちじゃないかって?いやあ、その通りで、どちらもこの3節、引分けちゃってねえ。そう、水曜午後9時半に昇格組のエスパニョールをメトロポリターノに迎えたアトレティコの方は先週末、やはりホームでジローナに3-0と快勝したのに油断しちゃったんですかね。グリーズマン、ジョレンテ、バリオスを控えにし、セルロート(ビジャレアルから移籍)とフリアン・アルバレス(同マンチェスター・シティ)の前線で挑んだところ、いや、確かに前半15分までに前者のヘッドが2回、後者のvolea(ボレア/ボレーシュート)が2回、更にはサムエル・リノのポスト直撃シュートがあったりして、期待の持てるスタートを切ったものの…。
それまで成す術なかったエスパニョールが、お水休憩中にマノロ・ゴンサレス監督から、「Trabajamos toda la semana sobre todo marcando a los tres medios de ellos/トラバハモス・トーダ・ラ・セマーナ・ソブレ・トードー・マルカンドー・ア・ロス・トレス・メディオス・デ・エジョス(ウチは1週間丸々、とにかく彼らの中盤3人をマークすることに取り組んだ)」ことを思い出すように言われて豹変。暑さのせいもあったか、その後はあまり攻撃が続かなくなってしまったため、シメオネ監督も後半頭から、フリアン・アルバレスを諦めて、休ませていた3人を一気に投入する荒業に踏み切ったんですけどね。いやあ、あんなに撃っても撃っても点が取れない彼らを見るのも久々だったような。
いえ、後半10分にはバリオスのシュートをGKジョアン・ガルシアが弾き、そのボールをコケがゴールに押し込もうとしたところ、緩々になって、敵DFにクリアされそうになったため、リケルメが蹴り込んだんですけどね。一時はゴールコールに場内が沸きながら、結局、VAR判定でオフサイドという顛末に。更にはロスタイムにリケルメが決めたシュートも見え見えのオフサイドでスコアに上がってくれないのでは…。結局、スコアレスドローで終わり、試合後記者会見で当人が、「No soy una persona egoísta/ノー・ソイ・ウナ・ペルソナ・エゴイスタ(ボクはエゴイストな人間じゃない)。もし入るとわかっていたら、ボールに触らなかったけど、そうしなかったら、エスパニョールの選手がクリアしていたよ。2つ目は疲れていて、パスを上手く計算できなかった」と正当化する破目に。
といっても実際、悪いのは選手たちばかりとは言えず、シメオネ監督も0-0だった後半27分にCFセルロートを左SBレイニウドと交代するという、ハテナなことをしていましたからね。曰く、「El equipo se estaba rompiendo/エル・エキポ・セ・エスタバ・ロンピエンドー(チームが上下に分かれていた)」からだそうですが、ここはベンチに残っていた三男のジュリアーノを入れてでも、点を取りに行くところじゃなかった?
要はシュート25本(うち枠内8本)もありながら、「La pelota no quiso entrar por nuestra falta de contundencia/ラ・ペロータ・ノー・キソ・エントラール・ポル・ヌエストラ・ファルタ・デ・コントゥンデンシア(ウチの決定力不足でボールがゴールに入りたがらなかった)」(シメオネ監督)そうなんですが、まったく早くも3節から、耳タコになった言い訳を聞かされるとはこの世も末。こうなると、土曜午後7時(日本時間翌午前2時)、サン・マメスでのアスレティック戦ではひたすら、昨季のアウェイ弱者ぶりをリピートしないことを祈るしかないかと。ちなみに人事の方ではサム(ポルトに移籍)、モウリーニョ(同アラベス)の放出が決まった後はもう動きはないようで、ハビ・ガランは残留するようです。
そして翌木曜、ラス・パルマス戦をプレーしたお隣さんはというと。この日から、ようやく猛暑が収まり、昼間にはにわか雨も降って、マドリッドも気温が下がったんですが、それはカナリア諸島も同じだったようで、お水休憩もなかった程。行きつけの近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)もバケーションが終わり、ええ、相手は前節、レガネスに負けていたこともあって、私も気楽に構えていたんですが、いやいや、とんでもない。
何と早くも開始5分、マックバーニーからボールをもらったモレイロがエリア内でミリトンを切り返し、GKクルトワを破ってしまうとは、もしやマドリーの選手たち、眠ったままピッチに入っていた?といってもリードされると、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)精神が目覚める彼らですから、とても残り85分間、ラス・パルマスが耐えきれるとは全然、思わなかったんですけどね。それが前節のバジャドリー戦でサンティアゴ・ベルナベウの観衆を沸かせたバルベルデのFKもこの日はGKシレッセンにparadon(パラドン/スーパーセーブ)され、リュディガーのエリア外からの強烈シュートも弾かれてしまっては、アンチェロッティ監督も後半頭から、ブライムとローテーションしていたロドリゴを投入せざるを得なかったかと。
そう、最悪だったのはエムバペとビニシウスのコンビが機能していないことで、一応、後半24分にはモドリッチと交代で入っていたギュレルがゴール前から蹴ったボールにアレックス・スアレスの腕が当たり、マドリーはPKをゲット。それをビニシウスが決めて、同点には追いついたんですけどね。こちらも撃っても撃っても一向に勝ち越し点が入らなかったため、とうとう40分にはアンチェロッティ監督もビニシウスを下げ、エンドリックを投入。残念ながら、こちらもベルナベウでのように入ってすぐのヘッドをゴールにすることはできず、それどころか、ラス・パルマスがFKから、マタが頭で落としたボールをビティがゴールにしながら、オフサイドで認められないというドッキリまであって、最後は1-1の引分けで御の字という結末に。
いやまあ、こちらもシュート25本(うち枠内8本)とまったくアトレティコと同じで、シメオネ監督のチームにアウェイ&黄色のユニチームのジンクスがあるように、開幕マジョルカ戦でも引分けていることから、マドリーにはリゾートアイランドチームのジンクスがあるんじゃないかという疑いも出てきているんですけどね。アンチェロッティ監督は、「El problema no es mental, no es falta de carácter o actitud/エル・プロブレマ・ノー・エス・メンタル、ノー・エス・ファルタ・デ・カラクテル・オ・アクティトゥッド(メンタルの問題でも、意志や態度の欠如でもない)。私がもっとピッチでの戦術を明確にして、選手たちに伝えないといけない。解決策を探すべきなのは自分だ」と言っていたんですが、とにかくあれだけ期待されて入ったエムバペがゴールを決められなくてはねえ。
クロースが引退して、チームに司令塔がいなくなってしまったのもかなり響いているようですが、果たして日曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)、ベルナベルで迎えるベティス戦はどうなることやら。ちなみに相手は今週、リーガのヘタフェ戦を延期して、木曜にコンフェレンスリーグ・プレーオフ予選でクリフバスを総合スコア5-0で退け、リーグフェーズ入りを達成。バルサからビクトル・ロケはレンタルしたものの、いきなりフェキルがアル・ジャーラへ行ってしまったりと、戦力アップしたのか、減退したのか、わかりにくいんですが、アトレティコ同様、マドリーも首位のバルサとは早くも勝ち点4差。とにかく気合を入れていくしかありませんよね。
それだけでコンピューターが8試合の相手を決めてくれるという、呆気ないものだったのはともかく、いえ、レアル・マドリーはホームでドルトムント、ミラン、ザルツブルク、シュツットガルト、アウェイでリバプール、アタランタ、リール、ブレストと、アトレティコはホームでライプツィヒ、レバークーゼン、リール、スロバン・ブラチスラバ、アウェイでPSG、ベンフィカ、ザルツブルク、スパルタ・プラハと対戦というのは一応、記憶に留めたんですけどね。実際に試合が始まるのは9月の第3週な上、スケジュールも土曜まで出ないとあって、それまでほっといていいかという気分だったんですが、正直、36チームある順位表って、怖すぎじゃない?
ええ、その8位以上で終われば、決勝トーナメント16強対決に直接進出、9位から24位なら、プレーオフを経ての参加になるんですけどね。1月末の最終節、運命の分かれ目の順位にアトレティコがいた場合、これじゃあ、どのチームの不幸を願ったらいいかもわかりづらくなりそうですが、まあ、それはまだ先の話。すると翌金曜、今度はスペイン代表のネーションズリーグ、9月5日のセルビア戦、8日のスイス戦に向けた招集リストの発表があって、ええ、アトレティコはモラタがミランに移籍してしまった上、負傷中というのもあって、ル・ノルマン(レアル・ソシエダから移籍)だけと、また恒例の1人参加に。
更に金曜は深夜零時に夏の移籍市場が閉じるとあって、私もマドリッド勢にサプライズが起きたら困ると、スポーツ紙のネットページに気を取られがちなんですが、とりあえず、ミッドウィーク3節の試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると。トップバッターとなったのは弟分のラージョで、火曜にエスタディオ・バジェカスにバルサを迎えて今季ホーム開幕戦に挑むことに。この夏の目玉補強となったハメス・ロドリゲス(サンパウロと契約解除)がスタンドから見守る中、キックオフ前にはパリ五輪金メダリストのカメージョも両チームの選手たちが作る花道を通って登場。場内のファンから大きな拍手を受け、いいムードの中でスタートしたんですが、まさか開始10分にはデ・フルートスのラストパスから、ウナイ・ロペスが先制ゴールを挙げてくれるとは!
いやあ、意外とラージョはホームでバルサに強くて、ここ3試合で2勝1分け。ウナイ・ロペスもこれでバルサ相手に3ゴールとお得意様にはしていたんですけどね。前半の彼らは守備もソツなく、安心感があったんですが、ツイていなかったのは折しも試合当日、とうとうバルサがダニ・オルモの選手登録に成功していたこと。ええ、開幕前に着いていながら、最初の2試合はサラリーキャップの都合で登録できず、スタンド観戦にさせられた鬱憤を晴らすべく、後半頭から出場した彼にラージョは翻弄されてしまったんですよ。
そう、14分にはオルモのシュートがゴールバーに当たり、バジェカスのファンがヒヤリとした直後、ペドリがラフィーニャと連携して、同点ゴールを奪われてしまったのはまだいいんですけどね。26分のレバンドフスキのゴールは、そのプレーの起点でクンデがチャバリアの足を踏んでいたことがVAR(ビデオ審判)モニターチェックで発覚し、スコアには上がらなかったんですが、とうとう37分、ジャマルのラストパスをオルモにエリア内から決められてしまったから、さあ大変。
この夜も猛暑だったせいもあったか、前半の頑張りで体力消耗してしまったラージョはアルバロ・ガルシア、バレンティン、カメージョが次々、「Problemas relacionados con la fatiga/プロブレマス・レラシオナードス・コン・ラ・ファティガ(疲労に伴う問題)」に襲われ、交代を余儀なくされたことも影響したんですけどね。リードされてもとても反撃できる状態ではなく、「Nos faltó físico y fútbol/ノス・ファルトー・フィシコ・イ・フトボル(ウチにはフィジカルとサッカーが欠けていた)」(イニゴ・ペレス監督)せいで、結局、そのまま1-2で負けてしまいましたっけ。
一方、3連勝でリーガ単独首位に立ったバルサも後半ロスタイムに災厄に見舞われていて、開幕からスタメンに抜擢されているカンテラーノ(Bチームの選手)、17才のベルナルがイシを吹っ飛ばした拍子にヒザを負傷。最後の5分はピッチサイドでメディカルスタッフと立って見ていたんですが、それが予想通り、靭帯断裂の重傷だったんですよ。当人もガビ、ジャマル、クバルシに続いて、今季は早熟なトップチーム生活を送る夢を抱いていただけに、何とも気の毒なことになってしまいましたが、こればっかりはねえ。
幸いラージョの方は途中交代した3人も土曜のエスパニョール戦前には回復し、火曜はベンチにいなかったRdT(ラウール・デ・トマス)も筋肉痛が治って、バルセロナ遠征に参加できるようなんですけどね。その彼が今夜中にステルス移籍していないことを祈るばかりですが、そうそう、代表戦週間明けのデビューが予定されていたハメス・ロドリゲスは来週、コロンビア代表のお勤めに出るのだとか。遅くに決まった入団ですし、当人はコパ・アメリカ決勝以来、練習をしていないため、本来なら、この2週間、ラージョでじっくり身体を作ってもらいたいところですが、なかなか上手くいかないもんですよね。
そして翌水曜にはまず、1部の新弟分レガネスが同じ昇格組のバジャドリーとアウェイでプレーしたんですが、さすがにファン・クルスも3試合連続ゴールは無理だったか、0-0の痛み分けで終わることに。ボルハ・ヒメネス監督も「Cada punto fuera de casa va a ser muy importante/カーダ・プント・フエラ・デ・カサ・バ・ア・セル・ムイ・インポルタンテ(アウェイでの全てのポイントはとても重要になる)」と言っていたように、こちらは基本、アウェイでは高望みをせず、ブタルケで白星を積み重ねて、残留達成を果たそうというスタンスのようですが、となると肝となるのは土曜のマジョルカ戦。
移籍市場最終日にはアランバリがエイバルに移り、そのマジョルカからナスタシッチが入団というCBの入れ替えがあったレガネスですが、この夏はもう、これで10人も補強していますからね。ようやく猛暑が終わり、涼しくなったスタンドで応援してくれるファンの前で、1勝2分けの彼らと真逆の2分け1敗でスタートした相手には、いいところを見せてもらいたいかと。加えて、日曜のヘタフェ戦でレアル・ソシエダの久保建英選手がコリセウムに来る前に、今季マジョルカに移籍した浅野拓磨選手が初めてマドリッドに来るのもちょっと楽しみなところです。
え、それより問題なのは大型補強をしながら、その効果がまったく見えていない兄貴分たちじゃないかって?いやあ、その通りで、どちらもこの3節、引分けちゃってねえ。そう、水曜午後9時半に昇格組のエスパニョールをメトロポリターノに迎えたアトレティコの方は先週末、やはりホームでジローナに3-0と快勝したのに油断しちゃったんですかね。グリーズマン、ジョレンテ、バリオスを控えにし、セルロート(ビジャレアルから移籍)とフリアン・アルバレス(同マンチェスター・シティ)の前線で挑んだところ、いや、確かに前半15分までに前者のヘッドが2回、後者のvolea(ボレア/ボレーシュート)が2回、更にはサムエル・リノのポスト直撃シュートがあったりして、期待の持てるスタートを切ったものの…。
それまで成す術なかったエスパニョールが、お水休憩中にマノロ・ゴンサレス監督から、「Trabajamos toda la semana sobre todo marcando a los tres medios de ellos/トラバハモス・トーダ・ラ・セマーナ・ソブレ・トードー・マルカンドー・ア・ロス・トレス・メディオス・デ・エジョス(ウチは1週間丸々、とにかく彼らの中盤3人をマークすることに取り組んだ)」ことを思い出すように言われて豹変。暑さのせいもあったか、その後はあまり攻撃が続かなくなってしまったため、シメオネ監督も後半頭から、フリアン・アルバレスを諦めて、休ませていた3人を一気に投入する荒業に踏み切ったんですけどね。いやあ、あんなに撃っても撃っても点が取れない彼らを見るのも久々だったような。
いえ、後半10分にはバリオスのシュートをGKジョアン・ガルシアが弾き、そのボールをコケがゴールに押し込もうとしたところ、緩々になって、敵DFにクリアされそうになったため、リケルメが蹴り込んだんですけどね。一時はゴールコールに場内が沸きながら、結局、VAR判定でオフサイドという顛末に。更にはロスタイムにリケルメが決めたシュートも見え見えのオフサイドでスコアに上がってくれないのでは…。結局、スコアレスドローで終わり、試合後記者会見で当人が、「No soy una persona egoísta/ノー・ソイ・ウナ・ペルソナ・エゴイスタ(ボクはエゴイストな人間じゃない)。もし入るとわかっていたら、ボールに触らなかったけど、そうしなかったら、エスパニョールの選手がクリアしていたよ。2つ目は疲れていて、パスを上手く計算できなかった」と正当化する破目に。
といっても実際、悪いのは選手たちばかりとは言えず、シメオネ監督も0-0だった後半27分にCFセルロートを左SBレイニウドと交代するという、ハテナなことをしていましたからね。曰く、「El equipo se estaba rompiendo/エル・エキポ・セ・エスタバ・ロンピエンドー(チームが上下に分かれていた)」からだそうですが、ここはベンチに残っていた三男のジュリアーノを入れてでも、点を取りに行くところじゃなかった?
要はシュート25本(うち枠内8本)もありながら、「La pelota no quiso entrar por nuestra falta de contundencia/ラ・ペロータ・ノー・キソ・エントラール・ポル・ヌエストラ・ファルタ・デ・コントゥンデンシア(ウチの決定力不足でボールがゴールに入りたがらなかった)」(シメオネ監督)そうなんですが、まったく早くも3節から、耳タコになった言い訳を聞かされるとはこの世も末。こうなると、土曜午後7時(日本時間翌午前2時)、サン・マメスでのアスレティック戦ではひたすら、昨季のアウェイ弱者ぶりをリピートしないことを祈るしかないかと。ちなみに人事の方ではサム(ポルトに移籍)、モウリーニョ(同アラベス)の放出が決まった後はもう動きはないようで、ハビ・ガランは残留するようです。
そして翌木曜、ラス・パルマス戦をプレーしたお隣さんはというと。この日から、ようやく猛暑が収まり、昼間にはにわか雨も降って、マドリッドも気温が下がったんですが、それはカナリア諸島も同じだったようで、お水休憩もなかった程。行きつけの近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)もバケーションが終わり、ええ、相手は前節、レガネスに負けていたこともあって、私も気楽に構えていたんですが、いやいや、とんでもない。
何と早くも開始5分、マックバーニーからボールをもらったモレイロがエリア内でミリトンを切り返し、GKクルトワを破ってしまうとは、もしやマドリーの選手たち、眠ったままピッチに入っていた?といってもリードされると、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)精神が目覚める彼らですから、とても残り85分間、ラス・パルマスが耐えきれるとは全然、思わなかったんですけどね。それが前節のバジャドリー戦でサンティアゴ・ベルナベウの観衆を沸かせたバルベルデのFKもこの日はGKシレッセンにparadon(パラドン/スーパーセーブ)され、リュディガーのエリア外からの強烈シュートも弾かれてしまっては、アンチェロッティ監督も後半頭から、ブライムとローテーションしていたロドリゴを投入せざるを得なかったかと。
そう、最悪だったのはエムバペとビニシウスのコンビが機能していないことで、一応、後半24分にはモドリッチと交代で入っていたギュレルがゴール前から蹴ったボールにアレックス・スアレスの腕が当たり、マドリーはPKをゲット。それをビニシウスが決めて、同点には追いついたんですけどね。こちらも撃っても撃っても一向に勝ち越し点が入らなかったため、とうとう40分にはアンチェロッティ監督もビニシウスを下げ、エンドリックを投入。残念ながら、こちらもベルナベウでのように入ってすぐのヘッドをゴールにすることはできず、それどころか、ラス・パルマスがFKから、マタが頭で落としたボールをビティがゴールにしながら、オフサイドで認められないというドッキリまであって、最後は1-1の引分けで御の字という結末に。
いやまあ、こちらもシュート25本(うち枠内8本)とまったくアトレティコと同じで、シメオネ監督のチームにアウェイ&黄色のユニチームのジンクスがあるように、開幕マジョルカ戦でも引分けていることから、マドリーにはリゾートアイランドチームのジンクスがあるんじゃないかという疑いも出てきているんですけどね。アンチェロッティ監督は、「El problema no es mental, no es falta de carácter o actitud/エル・プロブレマ・ノー・エス・メンタル、ノー・エス・ファルタ・デ・カラクテル・オ・アクティトゥッド(メンタルの問題でも、意志や態度の欠如でもない)。私がもっとピッチでの戦術を明確にして、選手たちに伝えないといけない。解決策を探すべきなのは自分だ」と言っていたんですが、とにかくあれだけ期待されて入ったエムバペがゴールを決められなくてはねえ。
クロースが引退して、チームに司令塔がいなくなってしまったのもかなり響いているようですが、果たして日曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)、ベルナベルで迎えるベティス戦はどうなることやら。ちなみに相手は今週、リーガのヘタフェ戦を延期して、木曜にコンフェレンスリーグ・プレーオフ予選でクリフバスを総合スコア5-0で退け、リーグフェーズ入りを達成。バルサからビクトル・ロケはレンタルしたものの、いきなりフェキルがアル・ジャーラへ行ってしまったりと、戦力アップしたのか、減退したのか、わかりにくいんですが、アトレティコ同様、マドリーも首位のバルサとは早くも勝ち点4差。とにかく気合を入れていくしかありませんよね。
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レアル・マドリーは17日、ボーンマスに所属するスペイン代表DFディーン・ハイセン(20)の獲得合意を発表した。契約期間は2025年6月1日~2030年6月30日までの5年間となる。 なおボーンマスによれば、マドリーは契約解除金として5000万ポンド(約97億円)を支払ったとのことだ。 ハイセンは197cmの高さを備え、両足でボールを扱えるモダンなセンターバック。ユベントスの下部組織に所属し、昨シーズン後半にはローマへ加入して公式戦13試合に出場するなど存在感を示した。 その後、ユベントスへ復帰するもクラブは売却に動き、昨夏の移籍市場でボーンマスに完全移籍。アンドニ・イラオラ監督から徐々に信頼を得ると、20歳ながらチームの主力センターバックに定着。 プレミアリーグ30試合3ゴールを記録し、3月にはスペイン代表を選択してデビューしていた。 2025.05.17 20:00 Sat2
「マイケル・ジョーダンだって守備」 PSG時代のムバッペが受けたエンリケ監督の熱いマンツーマン指導に脚光 「真のリーダーとは…」
フランス代表FWキリアン・ムバッペは昨季のパリ・サンジェルマン(PSG)でルイス・エンリケ監督から守備でも貢献してこそリーダーと熱弁されていたようだ。イギリス『デイリー・メール』が報じた。 今季から幼き頃からの夢だったレアル・マドリーでのキャリアを始めたムバッペ。憧れのクラブで新たなキャリアを紡ぐ25歳だが、『Movistar+』による最近のドキュメンタリー映像でルイス・エンリケ監督のマンツーマン指導を受ける姿が公開され、話題だ。 映像はバルセロナとのチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグで2-3の先勝を許し、そのリターンレグを前にした戦術説明の様子。エンリケ監督はムバッペがファンという元NBA選手のマイケル・ジョーダン氏を引き合いに出して、守備での働きを求めた。 「君がマイケル・ジョーダン好きというのを読んだ。あのマイケル・ジョーダンだって、チームメイト全員のものを掴んで狂ったように守備をした。まずは人として、選手として、模範を示さないといけない」 「マークするなら、(パウ・)クバルシだ。クバルシと(マルク=アンドレ・)テア・シュテーゲンを見るんだ。で、試合中はずっとクバルシが前に出ないように、テア・シュテーゲンが早くプレーするようにプレスをかけ続け、早く戻るんだ」 「何のために? リーダーになるためだ。君はゴールを決めるだけでいいと思っている」 また、「君は怪物で、ワールドクラスの選手。そこに疑いの余地なんてない。だが、それだけでは不十分だ」とチームメイトのために頑張る姿勢を改めて要求した。 「真のリーダーとは先日のようにゴールを決められなかったとしても、重要なことのすべてで助ける人のことだ。それこそが君に望むこと。ここのリーダーとしてね。大きな扉をくぐって去ってほしい。後悔なくね」 「だが、君は勝つ必要がある。攻撃面だけではないんだ。君は素晴らしいアタッカー。狂ったように攻めるのはわかっている。だが、攻撃できない日は史上最高のDFにならないと。それがリーダーだ。マイケル・ジョーダンだ」 その甲斐もあってから、PSGは2ndレグを4-1で制し、逆転で4季ぶりの準決勝へ。1stレグで無得点だったムバッペも2ゴールと勝利に貢献している。 <span class="paragraph-title">【動画】昨季PSGでのひと幕…ムバッペがエンリケ監督のマンツーマン指導を受ける</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="es" dir="ltr">"He leído que te gustaba Michael Jordan".<br><br>"Michael Jordan se ponía a defender como un hijo de p***".<a href="https://twitter.com/hashtag/LuisEnrique?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#LuisEnrique</a> Mbappé <br><br> Lunes 7, '; Capítulo 2. <a href="https://t.co/VSYqtTAIsl">pic.twitter.com/VSYqtTAIsl</a></p>— Fútbol en Movistar Plus+ (@MovistarFutbol) <a href="https://twitter.com/MovistarFutbol/status/1841780582251901164?ref_src=twsrc%5Etfw">October 3, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.10.04 14:10 Fri3
マドリーは今夏左SBも補強へ…新指揮官のスタイルに合致した複数候補をリストアップ
レアル・マドリーは今夏の移籍市場で左サイドバックの補強にも動くようだ。 UEFAスーパーカップを除き今シーズンの主要タイトルをすべて逃すことが決定的となったマドリー。エル・クラシコ敗戦翌日にはカルロ・アンチェロッティ監督の今シーズン限りの退団が決定し、新シーズンはレバークーゼンの指揮官を今季限りで退任するシャビ・アロンソ監督を新指揮官に迎えて捲土重来を期す。 新シーズンに向けてはすでにリバプールのイングランド代表DFトレント・アレクサンダー=アーノルドの獲得が内定。また、懸念のセンターバックではボーンマスのスペイン代表DFディーン・ハイセン、リバプールとアーセナルでプレーするフランス代表のイブラヒマ・コナテ、ウィリアム・サリバらの名前が挙がっている。 そんななか、クラブはフランス代表DFフェルラン・メンディの離脱が続き、2番手のスペイン人DFフラン・ガルシアの力不足も否めない左サイドバックの補強にも動くようだ。 以前にはバイエルンのカナダ代表DFアルフォンソ・デイビス獲得に動いていたが、現在のターゲットは新指揮官の教え子とクラブ在籍歴がある3選手が有力な候補だという。 1人目はレバークーゼンでプレーするスペイン代表DFアレハンドロ・グリマルドで、スペイン『Cadena SER』は適切な移籍金で獲得可能な元バルセロナDFが指揮官のラブコールに応じる可能性は高いとみている。 その他ではミランのフランス代表DFテオ・エルナンデス、ジローナのスペイン人DFミゲル・グティエレス、ベンフィカU-21スペイン代表DFアルバロ・カレーラス。いずれもクラブのカンテラに在籍経験があり、スペイン『Relevo』は900万ユーロ(約14億8000万円)の買い戻し条項を有するグティエレスは具体的なターゲットになると考えている。 また、それ以外でもボーンマスのハンガリー代表DFミロシュ・ケルケズ、アヤックスのオランダ代表DFジョエル・ハトにも関心を示しているという。 いずれの選手も3バックと4バックを併用する新指揮官のスタイルに合致しそうなプロフィールの持ち主だが、どの選手がエル・ブランコの新戦力になるのか。 2025.05.13 22:33 Tue4
【2024-25 ラ・リーガ前半戦ベストイレブン】3つ巴の争いも3位のバルサから最多4選手を選出
2024-25シーズンのラ・リーガは第19節を消化。そこで本稿では前半戦のベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定した。 ◆ラ・リーガ前半戦ベストイレブン GK:レミロ DF:ミンゲサ、ビビアン、リュディガー、ミゲル・グティエレス MF:ヤマル、バルベルデ、ペドリ、ハフィーニャ FW:レヴァンドフスキ、グリーズマン GK アレックス・レミロ(29歳/レアル・ソシエダ) 出場試合数:19(先発:19)/失点数:13 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 安定感際立つラ・レアル最後の砦。サモラ賞レースでは12失点のオブラクが首位に立っているが、アトレティコとソシエダの守備力を考慮してレミロを選出。比較的メンバーが入れ替わるディフェンスラインで新加入アゲルドとともに攻守に安定したパフォーマンスを披露。ここまでチーム総得点が17点と常にロースコアの戦いを強いられるなか、高い集中力を維持し、12度のクリーンシートを達成。試合の流れを変えるパラドンの数々も印象的だ。 DF オスカル・ミンゲサ(25歳/セルタ) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> バルサ育ちがガリシアの地で完全覚醒。バルセロナDFクンデやソシエダDFアランブル、ラージョDFラティウ、エスパニョールDFエル・ヒラリと今季前半戦は右ラテラルの活躍が光ったが、セルタで攻守に躍動したミンゲサを選出。バルセロナ時代にはディフェンスラインの便利屋という印象にとどまったが、今季のセルタでは左右のサイドバックとウイングバックを主戦場に2ゴール5アシストを記録。ビルドアップへの貢献度を含め、攻撃面において完全に殻を破った。すでに国内外の強豪クラブが関心を示しており、その去就にも注目が集まる。 DF ダニ・ビビアン(25歳/アスレティック・ビルバオ) 出場試合数:16(先発:14)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今季も抜群の安定感誇るディフェンスリーダー。昨季に完全に一本立ちした25歳は、屈強なフィジカルを武器に対人守備で無類の強さ。加えて、昨季の経験によって攻守両面で判断の質、ポジショニング、プレーの安定感が増しており、味方へのコーチングを含めてますますリーダーらしい存在感を放った。マドリー戦ではムバッペを完璧に封じ込んだのも印象的だった。 DF アントニオ・リュディガー(31歳/レアル・マドリー) 出場試合数:19(先発:18)/得点数:0 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> エル・ブランコの屋台骨支える。ディフェンスラインのマルチロールだったナチョの退団に加え、今季もミリトン、カルバハルが長期離脱となったマドリーのディフェンスラインでフル稼働。チュアメニやルーカス・バスケスとビッグマッチにおいて脆さを見せる相棒たちを見事にカバー。ムバッペの加入でより攻撃偏重なチームにおいて1試合平均1失点でとどまっている最大の要因は地対空で無類の強さをみせ、要所での気の利いたカバーリングを見せるドイツ代表の存在が非常に大きい。 DF ミゲル・グティエレス(23歳/ジローナ) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> チーム苦戦の中で個人としては充実の前半戦。今季もミチェル監督仕込みの攻撃的なポジショナルプレーにおいて偽SB以上にフレキシブルな役割を担い、ピボーテやインテリオールとしてもプレー。昨季に比べて前線の質がやや低下し、1ゴール4アシストの数字にとどまったが、高精度のクロスやキーパスでその数字以上のチャンスを演出し続けている。 MF ラミン・ヤマル(17歳/バルセロナ) 出場試合数:16(先発:14)/得点数:5 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 17歳の怪物がトップ・オブ・トップの領域に。今季の前半戦では過密日程の疲労や細かいケガがありながらも、5ゴール10アシストを記録。レヴァンドフスキ、ハフィーニャとの最強ユニットでリーグダントツの51ゴールを挙げた攻撃陣を牽引。クンデの絶妙な後方からの支援を受けつつ、攻撃面では異次元の輝きを放っており、複数人にマークされながらも局面を打開。ときおり若さゆえのセルフィッシュな姿を見せる場面もあるが、視野や判断、オフ・ザ・ボールの向上によってコンプリートアタッカーに成長している。 MF フェデリコ・バルベルデ(26歳/レアル・マドリー) 出場試合数:19(先発:19)/得点数:5 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 躍動続けるエル・ブランコの新8番。クロースの背番号を継承し、気持ち新たに臨んだシーズンでより責任感を増したウルグアイ代表はピボーテにインテリオール、ときに右のラテラルでも起用され、チームのために献身。ベリンガムとともに前がかりなチームを守備で支えつつ、5ゴール2アシストを記録。“バルベルデ砲”と称される強烈なミドルシュートは、チームの窮地や勝負所で決まる場面が多く、勝負強さを含めてマドリーの前半戦ベストプレーヤーと言える活躍だった。 MF ペドリ(22歳/バルセロナ) 出場試合数:19(先発:17)/得点数:4 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 多くのケガを乗り越えて天才が完全復活。近年はピッチに出れば活躍を見せるものの、度重なるケガで稼働率の問題を抱えてきたが、今季は前半戦全試合に出場。試行錯誤のコンディション調整がようやく実を結び、離脱期間に集中して取り組んだウエイトトレーニングは主に守備面で力強さをもたらし、チーム事情で主戦場はインテリオールやトップ下からピボーテに変化。そのぶんボールに絡む機会が増えてゲームメイカー、リンクマンとして質の高い仕事を見せつつ、前半戦だけで4ゴールを記録。キャリアハイの6ゴール更新は確実か。 MF ハフィーニャ(28歳/バルセロナ) 出場試合数:19(先発:18)/得点数:11 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 新生バルサの象徴の一人に。昨季終了時点では換金対象の一人と目されたが、フリック監督の信頼を得て開幕から絶対的な主力に加え、テア・シュテーゲンら不在のなかで多くの試合でゲームキャプテンも務めた。左ウイングを主戦場に11ゴール8アシストとゴール関与数では前半戦リーグトップに輝くなど、圧巻の輝きを放った。さらに、元々定評がある運動量を武器に、守備面でもハイプレスに献身的なプレスバックとチームのために身を粉にして働く姿は、多くのクレから称賛を浴びている。 FW ロベルト・レヴァンドフスキ(36歳/バルセロナ) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:16 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 恩師との再タッグで完全復活。加入2年目となった昨季は19ゴールを挙げるも、シーズンを通して安定感を欠いたが、今季はバイエルン時代に指導を受けたドイツ人指揮官の下で完全復活。ヤマル、ハフィーニャの両翼に加えて、配球力に優れるセンターバックコンビなどチーム全体でビルドアップ、チャンスメークの質が上がったなかで、よりボックス付近での仕事に集中できる環境が整えられて本領を発揮。ここまで16ゴールと2位以下に5点以上の差を付けてピチーチレースを独走。ケガさえなければ、1年目の23ゴールを更新し、自身初のピチーチ獲得は濃厚だ。 FW アントワーヌ・グリーズマン(33歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:19(先発:17)/得点数:7 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250117_101_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 前半戦のMVP。11ゴール3アシストを記録した昨季に比べて7ゴール4アシストと数字は劣るものの、前線と中盤で多くの役割をこなすなど、その数字以上のインパクトを残した。フランス代表引退によってコンディションも維持できており、セルロートやアルバレスとの連携も深まりつつある後半戦ではさらなる躍動で、アトレティコを優勝へ導けるか。 2025.01.18 18:31 Sat5