レアル・マドリーがアトレティコとの120分の激闘制し決勝進出! カルバハルが3G演出でリベンジに貢献【スーペル・コパ】
2024.01.11 06:50 Thu
スーペル・コパ・デ・エスパーニャ準決勝、レアル・マドリーvsアトレティコ・マドリーが10日にサウジアラビアのキング・ファハド国際スタジアムで行われ、120分の戦いを5-3で制したレアルが決勝進出を決めた。
昨シーズンのコパ・デル・レイ王者として今大会に臨んだレアル。ラ・リーガ首位ターンに加え、直近のコパ初戦で4部のアランディナを3-1で一蹴した好調のチームは2シーズンぶりのスーペル・コパ制覇に向け、今季リーグ戦前回対戦で敗れた因縁の相手にリベンジを狙った。アンチェロッティ監督はクロースをベンチに置いたものの、負傷明けのメンディを含め現状のベストメンバーを起用。ロドリゴとヴィニシウスが2トップに入った。
一方、昨季ラ・リーガ2位チームとして参戦のアトレティコは、新年初戦のジローナ戦で敗戦を喫したなか、直近のコパでは3部のルーゴを3-1で破ってバウンスバックを達成。4チーム制移行後、初制覇を狙うシメオネのチームはジローナ戦から先発2人を変更。ヴィツェルとリケルメに代えてサビッチ、サウールを起用した。
決勝進出を懸けた今季2度目のマドリード・ダービーは、前回対戦同様に早い時間帯にスコアが動く。開始6分、ボックス左のサムエウ・リーノの絶妙なコントロールシュートでGKケパのファインセーブを強いたアトレティコ。このプレーで得た右CKでグリーズマンの左足アウトスウィングのボールをファーで競り勝ったエルモソがピッチへ叩きつけるヘディングで流し込んだ。
相手の得意の形から早々に先制点を奪われたレアルはすぐさま反撃を開始。だが、自陣でコンパクトなブロックを構えるアトレティコの堅守を揺さぶり切れない。
互いにセットプレーでゴールを奪い合い、1-1のイーブンに戻った試合は追いついたレアルが優勢に進めていく。ベリンガム、ロドリゴを起点に着実にフィニッシュまで持ち込むと、思わぬ伏兵が決定的な仕事を果たす。
29分、左から中央を経由したボールがボックス手前右のカルバハルに渡ると、対峙したDFの股間を抜く絶妙な斜めのラストパスをゴール前に送り込む。これを攻撃参加していた左サイドバックのメンディが左足アウトで押し出す形でコースを変えてゴール左隅に流し込んだ。
DF3人がゴールスコアラーとなる思わぬ打ち合いの展開のなか、今度はアタッカーがスコアシートに名を連ねる。37分、ペナルティアーク左でデ・パウルのパスを足元に受けたグリーズマンが巧みな右への切り返しでDF2枚を振り切って利き足とは逆の右足シュートをゴール左下隅に突き刺した。
なお、これでアトレティコ通算174ゴール目となったグリーズマンは、ルイス・アラゴネスを抜いてクラブ最多得点者となった。
2-2の振り出しに戻った試合は再びレアルペースで進んでいくが、43分にボックス内でうまく反転シュートに持ち込んだロドリゴの決定的なシュートはGKオブラクの好守に阻まれて勝ち越しの3点目とはならなかった。
互いに選手交代なしで臨んだ後半はボールを握って押し込むレアル、ロングカウンターで応戦するアトレティコという構図の下で睨み合いの状況が続く。
その流れで前半同様にアトレティコが先にチャンスを作り出す。54分、カルバハルの横パスを引っかけたモラタからラストパスを受けたリーノがボックス左から強烈な左足シュートを放つが、これは惜しくも枠の右へ外れた。
時間の経過とともに試合は完全に膠着状態に。これを受け、65分過ぎに両ベンチが動く。レアルはモドリッチを下げてクロースを、アトレティコはサウール、リーノを下げてモリーナ、リケルメを同時投入した。
後半はなかなか攻め切れないレアルだったが、71分に相手の隙を突いてゴールに迫る。相手ボックス付近で得たFKの場面でヴィニシウスが意表を突いたリスタートから浮き球のパスをボックス右のスペースに落とすと、これに反応したカルバハルがダイレクトシュートを枠に飛ばす。だが、ここは集中力を維持していたGKオブラクの好守に阻まれる。
互いにゴールを奪うために一工夫が足りないが、思わぬ形で試合が動く。78分、相手陣内左サイドで余裕を持って仕掛けたリケルメがゴール前に鋭いクロスを供給。これにモラタ、リュディガー、GKケパの3人が反応すると、交錯の影響もあってケパがファンブルしたボールが自らの足に当たってゴールネットに吸い込まれた。
ミス絡みの不運な失点でビハインドを背負ったレアルは直後にメンディ、チュアメニを下げてカマヴィンガ、ブラヒム・ディアスの投入で一気に前がかる。すると、85分にはボックス左に抜け出したヴィニシウスのシュート、ボックス内でこぼれを拾ったベリンガムの連続シュートでゴールに迫ると、最後はこぼれに反応したカルバハルが相手のゴールカバーを冷静に外す左上隅へのシュートを突き刺し、すぐさま同点に追いついた。
その後、延長戦、PK戦やむなしで後ろを固めるアトレティコに対して、レアルが90分間で決着を付けるべく攻勢を強める。だが、後半アディショナルタイムにボックス右で仕掛けたブラヒム・ディアスのシュートはわずかに枠の左に外れ、試合は延長戦に突入となった。
互いに消耗色濃い様相を呈した延長戦では後半終盤の流れを踏襲する形で進むが、マドリーも引いた相手に効果的な揺さぶりをかけられずに攻撃が停滞。互いに決定機を作れぬまま延長後半へと折り返す。
延長後半に入ってレアルはヴィニシウス、ロドリゴの2トップを下げてセバージョス、ホセルを投入。ベリンガムとホセルを最前線に並べ、異なるアプローチでゴールを目指す。すると、結果的にこの交代策が土壇場での勝ち越しゴールをもたらした。
116分、相手陣内右サイドでうまくDFを浮き球のボールコントロールでかわしたカルバハルがゴール前のスペースへクロスを入れると、飛び込んだホセル、DFサビッチに当たったボールがゴールネットに吸い込まれた。
カルバハルとホセルで演出したオウンゴールによってリードを手にしたレアルは、さらに延長後半ラストプレーでもアトレティコがセットプレーでGKオブラクを攻撃参加させた流れからロングカウンターに転じ、最後はオブラクとの競走を制したブラヒム・ディアスが無人のゴールへグラウンダーのロングシュートを流し込んでトドメを刺した。
この結果、120分間の壮絶なマドリード・ダービーでアトレティコにリベンジを果たしたレアルがファイナル進出を決定。この結果、レアルは14日に行われる決勝でバルセロナvsオサスナの勝者と対戦する。
昨シーズンのコパ・デル・レイ王者として今大会に臨んだレアル。ラ・リーガ首位ターンに加え、直近のコパ初戦で4部のアランディナを3-1で一蹴した好調のチームは2シーズンぶりのスーペル・コパ制覇に向け、今季リーグ戦前回対戦で敗れた因縁の相手にリベンジを狙った。アンチェロッティ監督はクロースをベンチに置いたものの、負傷明けのメンディを含め現状のベストメンバーを起用。ロドリゴとヴィニシウスが2トップに入った。
一方、昨季ラ・リーガ2位チームとして参戦のアトレティコは、新年初戦のジローナ戦で敗戦を喫したなか、直近のコパでは3部のルーゴを3-1で破ってバウンスバックを達成。4チーム制移行後、初制覇を狙うシメオネのチームはジローナ戦から先発2人を変更。ヴィツェルとリケルメに代えてサビッチ、サウールを起用した。
相手の得意の形から早々に先制点を奪われたレアルはすぐさま反撃を開始。だが、自陣でコンパクトなブロックを構えるアトレティコの堅守を揺さぶり切れない。
それでも、相手を押し込んでことで獲得したセットプレーでゴールをこじ開ける。20分、右CKの場面でモドリッチが右足アウトスウィングの正確なボールを入れると、中央でうまくマークを振り切ったリュディガーが左隅へ叩き込んだ。
互いにセットプレーでゴールを奪い合い、1-1のイーブンに戻った試合は追いついたレアルが優勢に進めていく。ベリンガム、ロドリゴを起点に着実にフィニッシュまで持ち込むと、思わぬ伏兵が決定的な仕事を果たす。
29分、左から中央を経由したボールがボックス手前右のカルバハルに渡ると、対峙したDFの股間を抜く絶妙な斜めのラストパスをゴール前に送り込む。これを攻撃参加していた左サイドバックのメンディが左足アウトで押し出す形でコースを変えてゴール左隅に流し込んだ。
DF3人がゴールスコアラーとなる思わぬ打ち合いの展開のなか、今度はアタッカーがスコアシートに名を連ねる。37分、ペナルティアーク左でデ・パウルのパスを足元に受けたグリーズマンが巧みな右への切り返しでDF2枚を振り切って利き足とは逆の右足シュートをゴール左下隅に突き刺した。
なお、これでアトレティコ通算174ゴール目となったグリーズマンは、ルイス・アラゴネスを抜いてクラブ最多得点者となった。
2-2の振り出しに戻った試合は再びレアルペースで進んでいくが、43分にボックス内でうまく反転シュートに持ち込んだロドリゴの決定的なシュートはGKオブラクの好守に阻まれて勝ち越しの3点目とはならなかった。
互いに選手交代なしで臨んだ後半はボールを握って押し込むレアル、ロングカウンターで応戦するアトレティコという構図の下で睨み合いの状況が続く。
その流れで前半同様にアトレティコが先にチャンスを作り出す。54分、カルバハルの横パスを引っかけたモラタからラストパスを受けたリーノがボックス左から強烈な左足シュートを放つが、これは惜しくも枠の右へ外れた。
時間の経過とともに試合は完全に膠着状態に。これを受け、65分過ぎに両ベンチが動く。レアルはモドリッチを下げてクロースを、アトレティコはサウール、リーノを下げてモリーナ、リケルメを同時投入した。
後半はなかなか攻め切れないレアルだったが、71分に相手の隙を突いてゴールに迫る。相手ボックス付近で得たFKの場面でヴィニシウスが意表を突いたリスタートから浮き球のパスをボックス右のスペースに落とすと、これに反応したカルバハルがダイレクトシュートを枠に飛ばす。だが、ここは集中力を維持していたGKオブラクの好守に阻まれる。
互いにゴールを奪うために一工夫が足りないが、思わぬ形で試合が動く。78分、相手陣内左サイドで余裕を持って仕掛けたリケルメがゴール前に鋭いクロスを供給。これにモラタ、リュディガー、GKケパの3人が反応すると、交錯の影響もあってケパがファンブルしたボールが自らの足に当たってゴールネットに吸い込まれた。
ミス絡みの不運な失点でビハインドを背負ったレアルは直後にメンディ、チュアメニを下げてカマヴィンガ、ブラヒム・ディアスの投入で一気に前がかる。すると、85分にはボックス左に抜け出したヴィニシウスのシュート、ボックス内でこぼれを拾ったベリンガムの連続シュートでゴールに迫ると、最後はこぼれに反応したカルバハルが相手のゴールカバーを冷静に外す左上隅へのシュートを突き刺し、すぐさま同点に追いついた。
その後、延長戦、PK戦やむなしで後ろを固めるアトレティコに対して、レアルが90分間で決着を付けるべく攻勢を強める。だが、後半アディショナルタイムにボックス右で仕掛けたブラヒム・ディアスのシュートはわずかに枠の左に外れ、試合は延長戦に突入となった。
互いに消耗色濃い様相を呈した延長戦では後半終盤の流れを踏襲する形で進むが、マドリーも引いた相手に効果的な揺さぶりをかけられずに攻撃が停滞。互いに決定機を作れぬまま延長後半へと折り返す。
延長後半に入ってレアルはヴィニシウス、ロドリゴの2トップを下げてセバージョス、ホセルを投入。ベリンガムとホセルを最前線に並べ、異なるアプローチでゴールを目指す。すると、結果的にこの交代策が土壇場での勝ち越しゴールをもたらした。
116分、相手陣内右サイドでうまくDFを浮き球のボールコントロールでかわしたカルバハルがゴール前のスペースへクロスを入れると、飛び込んだホセル、DFサビッチに当たったボールがゴールネットに吸い込まれた。
カルバハルとホセルで演出したオウンゴールによってリードを手にしたレアルは、さらに延長後半ラストプレーでもアトレティコがセットプレーでGKオブラクを攻撃参加させた流れからロングカウンターに転じ、最後はオブラクとの競走を制したブラヒム・ディアスが無人のゴールへグラウンダーのロングシュートを流し込んでトドメを刺した。
この結果、120分間の壮絶なマドリード・ダービーでアトレティコにリベンジを果たしたレアルがファイナル進出を決定。この結果、レアルは14日に行われる決勝でバルセロナvsオサスナの勝者と対戦する。
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アトレティコ・マドリーのアルゼンチン代表FWジュリアーノ・シメオネ(22)に対する評価が高まってきた。「若き日の父親ディエゴを彷彿とさせる」などとマドリード紙が称える。 父ディエゴ・シメオネが指揮するアトレティコに16歳で入団したジュリアーノ。 トップチームで父親から初めて起用されたのは19歳。しかし、そこからしばらくセカンドチームを主戦場とし、23-24シーズンはアラベスへ武者修行…現役時代からアトレティコ魂を持つ父ディエゴに肩を並べるのは難しいだろうと誰もが思うなか、昨夏アラベスより復帰した。 それでも迎えた今季、ジュリアーノはラ・リーガ第10節あたりからスターターに定着し、ワイドアタッカーとして奮闘。4日のコパ・デル・レイ準々決勝ヘタフェ戦では2得点を記録した。 『マルカ』などに寄稿するマドリードのジャーナリスト、アドリアン・ブランコ氏は、自身のXでジュリアーノを称賛。 「ジュリアーノ・シメオネは今季アトレティコのビッグネームである。彼がアトレティコの復活、成長、競争力を象徴する存在となっているのだ。そのプレーにはエネルギー、犠牲、決意、熱意が溢れ、とにかく情熱的。彼の血にも“チョリズモ”が流れている」 『Relevo』も社説でジュリアーノを称賛した。 「ジュリアーノは“魂”そのものか。ピッチ脇でチョロ(父ディエゴ)が望むこと全てをフィールド全域に伝えるのが、このシメオネ家の三男だ。彼がアトレティコに来たのは父親のおかげだと誰もが言ったが、今ここに残っているのは父親が持っていたもの全てを彼も持つからだ」 「ジュリアーノが自らのゴールを祝っている様子を見ると、いつだったか…ビセンテ・カルデロンでエンブレムを指差して歌っていた若き日のディエゴを思い出す。今や、ジュリアーノがアトレティコのスターターであることに異論を唱える者はいない。間違いなく、息子3人の中でジュリアーノが最も父親に似ている」 2025.02.05 20:41 Wed4
現役時代のシメオネ監督はどんな人物だった? かつての同僚が明かす
アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督について、現役時代のチームメイトたちが振り返った。スペイン『マルカ』が伝えている。 現役時代セビージャやアトレティコ、そしてインテルなどで活躍したシメオネ氏。特に現在監督を務めるアトレティコには1994年から1997年までの3年間と2003年から2005年1月までの1年半の2度在籍し、公式戦155試合出場29ゴールを記録した。 <div id="cws_ad"><div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJKcDZqR25nZCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script></div> 監督としてピッチサイドで感情を全面に出したスタイルでチームを鼓舞するシメオネ氏だが、現役時代からこの情熱的なスタイルは一貫したもので、共にプレーした多くの選手たちに大きな印象を与えていたようだ。 アトレティコでのチームメイトだった元スペイン代表DFトニ・ムニョス氏は、選手時代のシメオネ氏の情熱を振り返っている。 「彼は全てにおいて情熱的で、ピッチ上でも自分が感じたことを表現していた。苦しむことを楽しんでいたし、全員に対して高い要求を持っていて、強いパーソナリティのある選手だった」 またムニョス氏は、シメオネ氏の優れた戦術眼が得点に繋がっていたと話す。 「戦術的にもとても優れていた。常に1シーズンで8から14ゴールくらいを決めていたが、それは彼がフリーキックや攻撃参加が上手かっただけでなく、試合を読む力に非常に長けていたからだ」 「彼のフットボールに対する思いはとても大きかった。私にシエスタすらさせてくれなかったよ。常にフットボールについて話していて、寝ていても起こされたものだ」 「彼のウォーミングアップは試合前のホテルから始まっていた。チームメイトに指示をして人を集めて、ランチやディナーの時、気付いたら相手がどういう風にプレーするのかという話をしていた」 またセビージャ時代のチームメイトである元スペイン代表DFマノーロ・ヒメネス氏も、シメオネ氏がピッチ上で見せる姿に感嘆していたと明かし、選手時代から名監督としての片鱗を見せていたと語った。 「彼は熱量に溢れていた。失敗した時には怒り、野心と高い要求を求める選手だった。彼はチームのみんなのリスペクトを勝ち取った。なぜなら、失敗しても自分の足でもう一度立ち上がることのできる、勇気ある選手だったからだ」 「彼はハードワーカーで、自分の持つ全てをピッチで出し尽くし、全てのボールを200%の力で追う、今で言うBox to Box タイプのMFだった」 「アグレッシブさとクオリティを兼ね備え、前線への攻撃参加もできた、完全な選手だった。彼が監督になる姿は容易に想像できた」 「選手の時も監督の時も、エル・チョロ(シメオネ愛称)は誇張して大袈裟に行動したりしない。あれが彼のそのままの生き方なんだ」 「彼はベンチで静かに座っているようなタイプではない。自分のメンタルの強さやウイニング・スピリットを常に示してきた人物で、それは彼のDNAの中にあるものなんだ」 また、同じくセビージャ時代の同僚でチームのCBであったホセ・ミゲル・プリエト氏も、シメオネ氏は選手時代からリーダシップを発揮していたと明かした。 「彼はよく試合の前、失敗はピッチに持ち込まずロッカールームに置いていけと私たちに言ったよ」 「常にフットボールのことを考えていて、その執着にも似た思いは今でも増していると思う」 「試合中は全てのプレーに関わっていたし、サッカーというものを理解していた。優れたMFがいれば、CBの力を引き出すことができる。私たちが活躍できたのは彼のおかげだ」 しかし、そんな情熱的なシメオネ氏だが、抜けている部分もあったとプリエト氏は語る。 「私たちはトレーニングに彼の車に乗って行ったことがあったが、車のタイヤがパンクしていたのにずっと変えていなかったんだ。だから私がタイヤの買い方を教えてやったんだ」 2020.06.10 12:45 Wed5
