【CLグループD展望】昨季準優勝インテルがGS突破の本命、久保ソシエダはベンフィカとの2位争いに挑む構図
2023.09.20 13:30 Wed
2023-24シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)は9月19日からグループステージが開幕。グループDは20日に第1節のレアル・ソシエダvsインテル、ベンフィカvsレッドブル・ザルツブルクでスタートする。
◆編集部予想
◎本命:インテル
○対抗:ベンフィカ
△連下:レアル・ソシエダ
▲大穴:レッドブル・ザルツブルク
◆充実のスカッド、頭一つ抜けた総合力 ~インテル~

今回の4チームの顔ぶれを見れば、昨シーズンのファイナリストであるインテルをグループステージ突破の本命から外すわけにはいかない。
昨季決勝戦はマンチェスター・シティに0-1で惜敗も、クラブにとって13年ぶりの大舞台を経験した選手たちには自信がみなぎる。セリエA開幕4連勝で首位に立ち、新キャプテンのFWラウタロ・マルティネスは4試合で5ゴールと絶好調。直近のミラノ・ダービーでは同じく好調のミランに5-1の圧勝を収めた。
また、昨季終了後にGKオナナ、DFシュクリニアル、MFブロゾビッチ、FWジェコ、FWルカクといった各ポジションの主力級が相次いで退団も、最高経営責任者(CEO)のジュゼッペ・マロッタ氏が今夏も卓越した手腕を発揮。経験豊かな実力者を次々と獲得し選手層をキープした。
さらに、最前線にはラウタロの新たな相棒としてFWテュラム、FWアルナウトビッチとFWサンチェスをバックアッパーとして獲得。2チーム編成も可能なほどに戦力が揃っており、国内とCLの戦いを並行するなかでも大きな不安要素は見当たらない。総合力はグループDで頭一つ抜けている。
◆CL経験値は十分、懸念はストライカー ~ベンフィカ~

3シーズン連続のCL参戦となるベンフィカ。総合力ではインテルに及ばないが、グループステージ突破の可能性は十分だ。
昨季はラウンド16でインテルに敗れて敗退も、パリ・サンジェルマン(PSG)、ユベントスと同居したグループステージを4勝2分けの無敗で首位突破。2021-22シーズンはベスト8に進出しており、CLでの経験値はインテルに勝るとも劣らない。
ポルトガル王者として臨む今季はMFディ・マリアが13年ぶりに帰還。W杯王者の一員となって帰ってきた35歳は国内リーグ開幕から5試合で4ゴール2アシストと健在で、DFオタメンディ、MFジョアン・マリオ、MFラファ・シウバといった各ポジションの軸が引き続きチームをけん引する。
懸念材料はストライカーか。一昨季はFWヌニェス(現リバプール)、昨季はFWゴンサロ・ラモス(PSG)という絶対的な点取り屋が君臨し、彼らが最前線で攻撃の起点にもなることによって、欧州の舞台で一定の成果を上げてきたチームだ。
今夏退団したラモスの後釜はFWペタル・ムサとフィオレンティーナから獲得したFWカブラウが収まるも、昨季ラモスのバックアッパーという域を抜け出せなかった190cmのストライカーと前ヴィオラの主力FWがチャンスメイクに関与できなければ、ポルトガルの雄の戦いは苦しくなるだろう。
◆初戦でインテル叩いて勢いに乗れるか ~ソシエダ~

10シーズンぶりにCL参戦のラ・レアル。CL経験値のほとんどないチームは“勢い”が最も重要だ。
MF久保建英を擁し、スペイン代表の主力級でもあるFWオヤルサバル、MFスビメンディ、MFメリーノ、DFル・ノルマンなどがチームの中心として君臨。スカッドの骨格はしっかりしている印象だ。
また、久保の相棒FWセルロートが退団したセンターフォワードにFWアンドレ・シウバ、両サイドバックにアーセナルからDFティアニー、スタッド・レンヌのDFアマリ・トラオレ(オドリオソラ)を獲得。CL参戦を控え、選手層拡大に成功したと言ってよい。
ただ、グループステージ突破の次点候補としたベンフィカとの決定的な違いは経験値。久保やメリーノら中心選手はヨーロッパリーグ(EL)の経験こそ豊富だが、キャリア初のCL挑戦となり、チーム全体でもCL出場歴を持つのは前述の新加入3人を含めても数人しかいない。
それでも、裏を返せば可能性を秘めたフレッシュなチームとも言える。選手たち各々の実力に疑いの余地はなく、本拠地アノエタで戦うグループ初戦のインテル戦で勝ち点3を積み上げれば、勢いに乗ること間違いなしだ。
◆有望な若手とCL初采配の指揮官 ~ザルツブルク~

5シーズン連続でCL参戦のザルツブルク。“若手の登竜門”として名高いチームには、今季もビッグクラブが関心を寄せる有望な若手が所属も、グループステージ突破は容易ではない。
毎年のようにビッグクラブへ選手を送り出すオーストリアの絶対王者。2019-20シーズンはFWハーランド(現シティ)をドルトムント、FW南野拓実(モナコ)をリバプールへ売却し、昨季活躍したFWオカフォーは今夏からミランへと旅立った。
今季もインテルなどから関心が寄せられる20歳MFグルナ=ドゥアト、19歳FWカリム・コナテ、攻撃的MFの逸材グルーク、DFデディッチといった注目株が在籍。彼らは皆、CLというショーウィンドウを経由してビッグクラブへ向かうわけだが、ザルツブルクの欧州における競争力は決して高くない。
2021-22シーズンにクラブ史上初のグループステージ突破も、ラウンド16はバイエルンに2戦合計2-8で大敗。昨季はミラン、チェルシーと同居したグループステージを3位で敗退し、ELでもローマに敗れて決勝トーナメントのプレーオフで敗退。格上に善戦しても、最後は及ばないといった印象だ。
今季からチームを率いるのは46歳のゲルハルド・シュトルバー監督。大きな実績がなく、CL初采配ながらも躍進を狙うという点では、マティアス・ヤイスレ前監督やジェシー・マーシュ元監督と同じだ。若手の躍動と指揮官の采配が命運を握るのは間違いない。
◆編集部予想
◎本命:インテル
○対抗:ベンフィカ
△連下:レアル・ソシエダ
▲大穴:レッドブル・ザルツブルク
◆充実のスカッド、頭一つ抜けた総合力 ~インテル~

Getty Images
今回の4チームの顔ぶれを見れば、昨シーズンのファイナリストであるインテルをグループステージ突破の本命から外すわけにはいかない。
また、昨季終了後にGKオナナ、DFシュクリニアル、MFブロゾビッチ、FWジェコ、FWルカクといった各ポジションの主力級が相次いで退団も、最高経営責任者(CEO)のジュゼッペ・マロッタ氏が今夏も卓越した手腕を発揮。経験豊かな実力者を次々と獲得し選手層をキープした。
オナナの後釜にGKゾマー、最終ラインにはDFパヴァールをそれぞれバイエルンから獲得。中盤はMFフラッテージとMFクラーセンが加わり、DFクアドラードとDFカルロス・アウグストという両サイドのバックアッパー確保にも成功した。
さらに、最前線にはラウタロの新たな相棒としてFWテュラム、FWアルナウトビッチとFWサンチェスをバックアッパーとして獲得。2チーム編成も可能なほどに戦力が揃っており、国内とCLの戦いを並行するなかでも大きな不安要素は見当たらない。総合力はグループDで頭一つ抜けている。
◆CL経験値は十分、懸念はストライカー ~ベンフィカ~

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3シーズン連続のCL参戦となるベンフィカ。総合力ではインテルに及ばないが、グループステージ突破の可能性は十分だ。
昨季はラウンド16でインテルに敗れて敗退も、パリ・サンジェルマン(PSG)、ユベントスと同居したグループステージを4勝2分けの無敗で首位突破。2021-22シーズンはベスト8に進出しており、CLでの経験値はインテルに勝るとも劣らない。
ポルトガル王者として臨む今季はMFディ・マリアが13年ぶりに帰還。W杯王者の一員となって帰ってきた35歳は国内リーグ開幕から5試合で4ゴール2アシストと健在で、DFオタメンディ、MFジョアン・マリオ、MFラファ・シウバといった各ポジションの軸が引き続きチームをけん引する。
懸念材料はストライカーか。一昨季はFWヌニェス(現リバプール)、昨季はFWゴンサロ・ラモス(PSG)という絶対的な点取り屋が君臨し、彼らが最前線で攻撃の起点にもなることによって、欧州の舞台で一定の成果を上げてきたチームだ。
今夏退団したラモスの後釜はFWペタル・ムサとフィオレンティーナから獲得したFWカブラウが収まるも、昨季ラモスのバックアッパーという域を抜け出せなかった190cmのストライカーと前ヴィオラの主力FWがチャンスメイクに関与できなければ、ポルトガルの雄の戦いは苦しくなるだろう。
◆初戦でインテル叩いて勢いに乗れるか ~ソシエダ~

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10シーズンぶりにCL参戦のラ・レアル。CL経験値のほとんどないチームは“勢い”が最も重要だ。
MF久保建英を擁し、スペイン代表の主力級でもあるFWオヤルサバル、MFスビメンディ、MFメリーノ、DFル・ノルマンなどがチームの中心として君臨。スカッドの骨格はしっかりしている印象だ。
また、久保の相棒FWセルロートが退団したセンターフォワードにFWアンドレ・シウバ、両サイドバックにアーセナルからDFティアニー、スタッド・レンヌのDFアマリ・トラオレ(オドリオソラ)を獲得。CL参戦を控え、選手層拡大に成功したと言ってよい。
ただ、グループステージ突破の次点候補としたベンフィカとの決定的な違いは経験値。久保やメリーノら中心選手はヨーロッパリーグ(EL)の経験こそ豊富だが、キャリア初のCL挑戦となり、チーム全体でもCL出場歴を持つのは前述の新加入3人を含めても数人しかいない。
それでも、裏を返せば可能性を秘めたフレッシュなチームとも言える。選手たち各々の実力に疑いの余地はなく、本拠地アノエタで戦うグループ初戦のインテル戦で勝ち点3を積み上げれば、勢いに乗ること間違いなしだ。
◆有望な若手とCL初采配の指揮官 ~ザルツブルク~

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5シーズン連続でCL参戦のザルツブルク。“若手の登竜門”として名高いチームには、今季もビッグクラブが関心を寄せる有望な若手が所属も、グループステージ突破は容易ではない。
毎年のようにビッグクラブへ選手を送り出すオーストリアの絶対王者。2019-20シーズンはFWハーランド(現シティ)をドルトムント、FW南野拓実(モナコ)をリバプールへ売却し、昨季活躍したFWオカフォーは今夏からミランへと旅立った。
今季もインテルなどから関心が寄せられる20歳MFグルナ=ドゥアト、19歳FWカリム・コナテ、攻撃的MFの逸材グルーク、DFデディッチといった注目株が在籍。彼らは皆、CLというショーウィンドウを経由してビッグクラブへ向かうわけだが、ザルツブルクの欧州における競争力は決して高くない。
2021-22シーズンにクラブ史上初のグループステージ突破も、ラウンド16はバイエルンに2戦合計2-8で大敗。昨季はミラン、チェルシーと同居したグループステージを3位で敗退し、ELでもローマに敗れて決勝トーナメントのプレーオフで敗退。格上に善戦しても、最後は及ばないといった印象だ。
今季からチームを率いるのは46歳のゲルハルド・シュトルバー監督。大きな実績がなく、CL初采配ながらも躍進を狙うという点では、マティアス・ヤイスレ前監督やジェシー・マーシュ元監督と同じだ。若手の躍動と指揮官の采配が命運を握るのは間違いない。
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