浦和がサポーターの違反行為で会見、「今後の罰則の厳格化」を語った田口誠社長「チームのためにメリットにならないことをするのは、ファンでもサポーターでもない」と糾弾
2023.08.05 16:07 Sat
浦和レッズは5日、サポーターによる違反行為に関してオンライン会見を実施した。
浦和のサポーターは、2日に行われた第103回天皇杯の名古屋グランパス戦で、試合後にピッチ内に侵入する騒動を起こしていた。
この行為はSNS上でも動画が複数投稿され、大きな騒動に。浦和は翌日の3日に処分を発表。立ち入り禁止エリアへの侵入を主導した31名に9試合、統括するリーダーに16試合、侵入した45名には厳重注意の処分が下された。
会見には、田口誠 代表取締役社長、須藤伸樹 マーケティング本部長が出席。冒頭、田口社長は今回の事案について改めて謝罪。再発防止などについて言及した。
「この度は私ども浦和レッズのサポーターによります、天皇杯名古屋グランパス戦における違反行為にてお騒がせ致しましていること、クラブを代表いたしまして、心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません」
「名古屋グランパスのサポーターの皆様をはじめとして、当日のご来場者様、ご迷惑をお掛けした関係各所の皆様、そして、サッカー、スポーツを愛する皆様に心より謝罪を申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
「先日のリリースにも記載させていただきました通り、自クラブのファン・サポーターに対し、秩序ある適切な態度を保持するよう努める義務を負う立場にありながら、こうした事態を招いてしまった事実を、大変重く受け止めております」
「事案の発生を受け、私共としては把握できる事実、適正な判断基準に則り、行為者に対して一刻も早く適切な処分を下すことを最優先で取り組むべきことであると判断いたしました。それこそが私たちの誠意であり、当然に果たすべき義務であると考えました」
「把握できる事実や適切な判断基準は、我々の判断基準に則ったものではありません。日本サッカー協会様、Jリーグ様との連携を通じて把握した事実があり、両団体の定めるガイドラインを判断基準としております」
「しかしながら、過去に起きた事案、今回の事案を受けて、ガイドラインのみに則して罰則を課すという従前からの判断基準を、今後見直す必要があると考えております。外部有識者の力を借りるなどし、客観性を担保しつつ、違反行為の内容によっては、ガイドラインに基づく罰則をさらに厳格化する毅然とした対応を行なっていく方針を固め、具体運用の検討を開始しております」
「今回発生した事案の調査の継続と並行し、従来通りファン・サポーターの対話を重視する姿勢、社会の一員としての姿勢、そしてクラブ理念を重要視しながら、新たな罰則規定の検討などの再発防止策に危機感を持って取り組んでまいります」
今回実際に起こった内容について須藤氏が説明。名古屋サポーターからの声かけに対し、挑発と受け取った浦和サポーターが詰め寄って行き、バックスタンドの名古屋エリアに侵入。結果的におよそ100名がバックスタンドの名古屋エリアに入って行ったとのこと。また、試合後に日本サッカー協会、Jリーグ、愛知県サッカー協会、名古屋と共に事案を確認。「双方暴力は振るっていない」という事実があり、両サポーターの和解もその場で成立したとした。
一方で、ガイドラインをベースに下したという処分。浦和のファン・サポーターをはじめ、他クラブのファンや関係者も、今回発表された処分には納得がいっていないという意見が多く見られているが、須藤氏は「日本サッカー協会、Jリーグ、愛知県サッカー協会、名古屋、浦和のサポーターの代表が話し合い、確認した事実を元に、ガイドラインに基づいて処分を下した。違反行為の調査は継続しており、JFAも映像をもって分析を続けている。更なる申し出、新たな違反者が確認された場合は、適切に処分をしていく」とコメント。改めて「暴力行為は確認されていない」とし、ガイドライン以上の処分を下す根拠が今のところはなかったとして、発表された処分になったという。なお、調査結果次第では、更なる処分があるとした。
田口社長は今回の事案が発生した理由について問われ「ルールを守るという意識がサポーターも低く、それを正すチームの姿勢に問題があったと思います。過去から同じような問題が繰り返され、指摘されています」とコメント。「スタッフも何もしていないわけではなく、チームのためにやっていますが、結果が出なければ評価には繋がらない。仕組み、お互いの価値観を話していて歩み寄れない部分がある」と語り、対話を重視してきているが、クラブとして上手く一部サポーターの舵取りができていないとした。
また、再発防止については「規則の厳格化、こういった事象を2度と起こさない、厳格化することを公表することで抑止力になり、2度と許さないということ。覚悟を持って臨んでいく」とコメント。こうした事案を起こさせないためにも、厳罰を考えるとも語った。
浦和はJリーグ発足初期の頃にもピッチに侵入したことがあり、これまではそのことは守られてきたが、今回の件が発生した。かつては選手としてもプレーしていた田口社長は、自身の思いとして「競技場のグラウンドはサッカーに限らないですが、聖地だと思っています。そういうところに足を踏み入れてはいけない。サッカーを愛する人、スポーツを愛する人には、その大切さを神聖さを理解してもらいたい」とコメント。犯した罪の重さを感じて欲しいと語った。
過去には、差別的な横断幕を掲げたことで無観客試合の処分が下ったほか、コロナ禍での声出し応援禁止の時期に、度重なる声出しを行い、2000万円の罰金処分もクラブには下されている。過去にはサポーター同士の揉め事で2000万円の罰金も課せられるなど、これまで多くの問題行動が起きていた。
浦和のサポーターは世界的にも認められる迫力がある一方で、クラブのブランドイメージの失墜や信用の毀損など、マイナス面も多い。
田口社長は信頼回復に向けて問われ「今回の事案は重い事案。信頼というか、レッズに対する愛着が薄れていくもの。それを回復、取り戻すということは相当な決意が必要となる」とコメント。「ちょっと処分というものをやって終わりということではなく、恒久的にそういうことが起こらないクラブにしなければいけない。その1つが規則の厳格化。それ以外にもやれることをやっていく」と、1つずつやっていくとした。
また、「レッズのファンは、レッズが弱い時、2部に落ちた時もものすごい熱い応援をしてくれた。それ以外でも、レッズがビッグクラブになってくるのを支えてくれた」と、これまでのサポートには感謝を示したが、「そういうことは非常に大切にしたいですが、ファン・サポーターってなんなんだと考えた時に、根本としてチームのためにメリットにならないことをするのは、ファンでもサポーターでもない」と糾弾。「我々は地道に積み上げていくしか、信頼の回復はない」と、しっかりと正していくことで、少しずつ信頼を取り戻していくしかないと語った。
浦和のサポーターは、2日に行われた第103回天皇杯の名古屋グランパス戦で、試合後にピッチ内に侵入する騒動を起こしていた。
この行為はSNS上でも動画が複数投稿され、大きな騒動に。浦和は翌日の3日に処分を発表。立ち入り禁止エリアへの侵入を主導した31名に9試合、統括するリーダーに16試合、侵入した45名には厳重注意の処分が下された。
「この度は私ども浦和レッズのサポーターによります、天皇杯名古屋グランパス戦における違反行為にてお騒がせ致しましていること、クラブを代表いたしまして、心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません」
「今回の事案は、先人が紡いできた、日本サッカーの歴史に泥を塗る愚行であり、また夏休み中ということもあり、多くのお子様がスタンドに足を運んでいた中、絶対に見せてはいけない姿、絶対に感じさせてはいけない恐怖や不安を与えてしまったことは痛恨の極みでございます」
「名古屋グランパスのサポーターの皆様をはじめとして、当日のご来場者様、ご迷惑をお掛けした関係各所の皆様、そして、サッカー、スポーツを愛する皆様に心より謝罪を申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
「先日のリリースにも記載させていただきました通り、自クラブのファン・サポーターに対し、秩序ある適切な態度を保持するよう努める義務を負う立場にありながら、こうした事態を招いてしまった事実を、大変重く受け止めております」
「事案の発生を受け、私共としては把握できる事実、適正な判断基準に則り、行為者に対して一刻も早く適切な処分を下すことを最優先で取り組むべきことであると判断いたしました。それこそが私たちの誠意であり、当然に果たすべき義務であると考えました」
「把握できる事実や適切な判断基準は、我々の判断基準に則ったものではありません。日本サッカー協会様、Jリーグ様との連携を通じて把握した事実があり、両団体の定めるガイドラインを判断基準としております」
「しかしながら、過去に起きた事案、今回の事案を受けて、ガイドラインのみに則して罰則を課すという従前からの判断基準を、今後見直す必要があると考えております。外部有識者の力を借りるなどし、客観性を担保しつつ、違反行為の内容によっては、ガイドラインに基づく罰則をさらに厳格化する毅然とした対応を行なっていく方針を固め、具体運用の検討を開始しております」
「今回発生した事案の調査の継続と並行し、従来通りファン・サポーターの対話を重視する姿勢、社会の一員としての姿勢、そしてクラブ理念を重要視しながら、新たな罰則規定の検討などの再発防止策に危機感を持って取り組んでまいります」
今回実際に起こった内容について須藤氏が説明。名古屋サポーターからの声かけに対し、挑発と受け取った浦和サポーターが詰め寄って行き、バックスタンドの名古屋エリアに侵入。結果的におよそ100名がバックスタンドの名古屋エリアに入って行ったとのこと。また、試合後に日本サッカー協会、Jリーグ、愛知県サッカー協会、名古屋と共に事案を確認。「双方暴力は振るっていない」という事実があり、両サポーターの和解もその場で成立したとした。
一方で、ガイドラインをベースに下したという処分。浦和のファン・サポーターをはじめ、他クラブのファンや関係者も、今回発表された処分には納得がいっていないという意見が多く見られているが、須藤氏は「日本サッカー協会、Jリーグ、愛知県サッカー協会、名古屋、浦和のサポーターの代表が話し合い、確認した事実を元に、ガイドラインに基づいて処分を下した。違反行為の調査は継続しており、JFAも映像をもって分析を続けている。更なる申し出、新たな違反者が確認された場合は、適切に処分をしていく」とコメント。改めて「暴力行為は確認されていない」とし、ガイドライン以上の処分を下す根拠が今のところはなかったとして、発表された処分になったという。なお、調査結果次第では、更なる処分があるとした。
田口社長は今回の事案が発生した理由について問われ「ルールを守るという意識がサポーターも低く、それを正すチームの姿勢に問題があったと思います。過去から同じような問題が繰り返され、指摘されています」とコメント。「スタッフも何もしていないわけではなく、チームのためにやっていますが、結果が出なければ評価には繋がらない。仕組み、お互いの価値観を話していて歩み寄れない部分がある」と語り、対話を重視してきているが、クラブとして上手く一部サポーターの舵取りができていないとした。
また、再発防止については「規則の厳格化、こういった事象を2度と起こさない、厳格化することを公表することで抑止力になり、2度と許さないということ。覚悟を持って臨んでいく」とコメント。こうした事案を起こさせないためにも、厳罰を考えるとも語った。
浦和はJリーグ発足初期の頃にもピッチに侵入したことがあり、これまではそのことは守られてきたが、今回の件が発生した。かつては選手としてもプレーしていた田口社長は、自身の思いとして「競技場のグラウンドはサッカーに限らないですが、聖地だと思っています。そういうところに足を踏み入れてはいけない。サッカーを愛する人、スポーツを愛する人には、その大切さを神聖さを理解してもらいたい」とコメント。犯した罪の重さを感じて欲しいと語った。
過去には、差別的な横断幕を掲げたことで無観客試合の処分が下ったほか、コロナ禍での声出し応援禁止の時期に、度重なる声出しを行い、2000万円の罰金処分もクラブには下されている。過去にはサポーター同士の揉め事で2000万円の罰金も課せられるなど、これまで多くの問題行動が起きていた。
浦和のサポーターは世界的にも認められる迫力がある一方で、クラブのブランドイメージの失墜や信用の毀損など、マイナス面も多い。
田口社長は信頼回復に向けて問われ「今回の事案は重い事案。信頼というか、レッズに対する愛着が薄れていくもの。それを回復、取り戻すということは相当な決意が必要となる」とコメント。「ちょっと処分というものをやって終わりということではなく、恒久的にそういうことが起こらないクラブにしなければいけない。その1つが規則の厳格化。それ以外にもやれることをやっていく」と、1つずつやっていくとした。
また、「レッズのファンは、レッズが弱い時、2部に落ちた時もものすごい熱い応援をしてくれた。それ以外でも、レッズがビッグクラブになってくるのを支えてくれた」と、これまでのサポートには感謝を示したが、「そういうことは非常に大切にしたいですが、ファン・サポーターってなんなんだと考えた時に、根本としてチームのためにメリットにならないことをするのは、ファンでもサポーターでもない」と糾弾。「我々は地道に積み上げていくしか、信頼の回復はない」と、しっかりと正していくことで、少しずつ信頼を取り戻していくしかないと語った。
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印象に残っているゴールは、ゴール自体はたくさんないんですが、多くの方が言ってくれるであろう天皇杯決勝のゴールが忘れられないですし、あそこに至るまでのプロセスも含めて、自分自身も忘れられないゴールになりましたし、サポーターにとっても「宇賀神と言ったらあのゴールだよね」というゴールだったんじゃないかなと思います アシストで言うと、そこまで多くはなかったですが、ガンバに負けた翌年のホームでのガンバ戦で、リベンジじゃないんですが、ズラタン選手が決めたゴールのアシストというのは、自分の人生だったりサッカー人生を表すようなアシストだったかなと思います。悔しい思いをあの場で結果として形で表現できたというのは、凄く印象に残るアシストだったと思います <h3>ー浦和というのはどういったものか</h3> 僕の人生そのものですね。25年前にこの大原に初めて練習しに来た日のことを、本当に昨日のことのように覚えていますし、自分の人生の大半を占めるのが、この浦和レッズで、この赤いユニフォームで、このエンブレムがあって、僕の人生そのものだと思います <h3>ー今後について</h3> 一度退団するときに、多くの皆さんの前で言わせていただいたことから僕はブレることはなく、このクラブのGMになること、責任者になることが僕の次のまず最初の夢で、その夢を叶えた後は、このクラブがいるべき場所にもう一度戻さなくてはいけない。それは何なの?と言われたら、Jリーグと言ったら浦和レッズだよね。アジアの代表と言ったら浦和レッズだよね。世界でも通用するクラブだよねって言われなければいけないクラブ、存在だと思うので、自分はこのクラブをそういうクラブにすることを見据えて、浦和レッズのGMになりたいなと思っています そして、このエンブレムを背負って戦う人間の覚悟と責任、このクラブを応援してくれるサポーターの人たちが、自信を持って「俺浦和レッズが好きなんだよ」、「浦和レッズが俺の人生なんだ」と言ってもらえるようなクラブにしたいと思っています <h3>ー優勝争いを継続してできるクラブになっていくために大切なことは</h3> やはりクラブとしてやるサッカーの継続性がないというのは正直なところだと思います。監督が代わる毎にサッカーが変わっていたら継続性はないですし、もちろん浦和を背負う責任という言葉がありますけど、それだけではサッカーは勝てないので、そこを構築していくのが次自分がやりたい仕事の1つだと思います ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ)が居なくなってから監督がコロコロ代わり、長期政権を築けていないというのは、そういうところの1つだと思っています もちろんピッチに立つのは選手なので、選手が結果を残し続ければそんなことは関係ないという見方もあると思いますけど、5年10年先、常にトップに浦和レッズがいるということにはできないと思うので、フットボールの本質のところの再構築が必要かなと思っています <h3>ーGM就任に向けて、来年、再来年と引退後の計画は</h3> 正直何も決まっていないです。クラブともそういう話は少ししていますけど、正直何も決まっていません。具体的な話はまだないので、これから話していければと思いますし、GMになるという夢はブレることはないので、それに向かってどのような第一歩を踏み出すことが良いのかを、色々な方と話して模索しているところです <h3>ーGMは矢面に立つ仕事。サポーターの罵声も浴びることもあるが</h3> 何年浦和レッズでやっていると思っているんですか(笑)。誰よりもその厳しさを分かっているつもりですし、誰よりもその人たちの力が凄いことも知っているので、もちろん結果が出なければ、そういう反応をしてもらいたいですし、チャレンジしなければ失敗を失敗と分からないので、色々なことにチャレンジしながら、色々な人に色々な反応をしてもらいながら成長していければと思います <h3>ーレッズのアカデミーの選手たちにもコメントを</h3> アカデミー出身の選手として、こうやって長く浦和レッズでプレーして引退することができたというのは、また1つ今アカデミーにいる選手たちの希望になれたかなと思います 僕自身もアカデミー出身ということで、その中でもずっと試合に出続けてきたわけでもないですし、苦しい時期の方がアカデミー時代は多かったと思います。ただ、 やっぱりプロサッカー選手になりたい、浦和レッズの選手になりたいんだと思い続けた結果が、今僕がこの場に座っている、この場にいることだと思うので、プロサッカー選手になりたいというだけではなく、浦和レッズの選手になりたいと強く思ってもらいたいと思います <h3>ー浦和に復帰して、以前所属していた時との違いは感じたか</h3> 気持ちの面で、退団する前も強い気持ち、愛を持ってこのクラブにいたつもりでしたけど、一度外に出て、このクラブの凄さがわかりましたし、自分のこのクラブに対する気持ちというのも改めて大きいんだなということを感じることができました 選手の部分でいうと、だいぶ静かだなと思います。前にいた時の方が、元気なやつが多かったので、僕が歳をとったのか、最近の若い子達はみんな静かだなという印象があります <h3>ー時には厳しい声をかけてくれるサポーターとどう向き合ってきたのか</h3> ぶつかり合うということは、それだけその物事に対して真剣に向き合っているという証拠だと思っていたので、特にあのピッチにおいては、ぶつかり合うことが当たり前だと思っていたし、時には勝った後でも「宇賀神、今日よくなかったな」と言われましたが、それが当たり前だと思っていました そこで自分が納得しているようじゃ成長はそこで止まると思っていましたし、ぶつかり合うことは大切だと思っていたので、逃げないことが大切だと思っていました よく阿部(勇樹)さんとか、那須(大亮)さんとかに「やめろ!」って止められていましたけど、僕はずっと納得いっていなくて、なんで心と心でぶつかり合わないんだと。それも含めて浦和レッズだし、それも含めて埼玉スタジアムでの空間だったので、立場が変わって、クラブに入ったとしても、お互いの意見をぶつけ合うことは変わりない、逃げないことが自分の成長に、お互いの成長に繋がると思います <h3>ー今のチームに何が足りなくて、何が必要になっていくのか</h3> 今シーズン残念ながら残留争いをするという苦しいシーズンになってしまいましたけど、そのターニングポイントとなった柏戦の前にやった選手ミーティングでも言わせてもらいました。「1人1人が仲間を信じる力が足りない」。それは断言できます 自分がピッチレベルでプレーしてみて、何が足りないのかなと考えたら、各々が全力で頑張っているというのは、もちろん見ていてわかるし、誰1人手を抜いている事は日々の練習でもないですけど、全員が頑張っているけど、それが1つじゃない。選手ミーティングでも言いましたけど、人それぞれできることの限界はあるし、選手のプレースタイル、プレーの範囲、寄せるスピード、それぞれの特徴をもっと理解して、仲間を信じて、ここはお前に任せたぞってできる選手が少なすぎるというのが、僕が一緒にプレーしていて感じる部分です 言葉で表すと簡単というか、役割分担すれば良いんじゃないのと思うかもしれないですが、ピッチでやるのは難しく、1人1人が自覚するというか、足りないなと思います 極端なことを言うんですが、「失点したら全部周ちゃんのせいなんだよ。周ちゃんが全部止めたら0-0なんだから」といつも言います。極端ですけど。だから、寄せ切れないかもしれないけど、このコースを消したらあとは周ちゃん止めてよ。それぐらいで良いんだよと。全部僕が止めなきゃいけないんだ、僕のせいで取られちゃったじゃなくて、その辺りが信頼関係。ここまでやれば周ちゃん止めてくれるよねと言うことをお互いが理解すれば、これだけ良い選手がたくさんいるので、監督が良く言う「ワンチーム」って言う言葉がぴったりなチームになれるんじゃないかなと思っています 2024.11.26 16:10 Tue5