レーティング:レアル・マドリー 1-0(AGG:6-2) リバプール《CL》
2023.03.16 07:05 Thu
チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16の2ndレグ、レアル・マドリーvsリバプールが15日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、ホームのマドリーが1-0で勝利。この結果、2戦合計6-2としたマドリーの準々決勝進出が決まった。超WSの選手採点結果と寸評は以下の通り。
▽レアル・マドリー採点

GK
1 クルトワ 7.0
後半はほぼ仕事機会がなかったが、前半はヌニェスの決定機な2本のシュートなど際どい枠内シュートを見事に阻止。前回対戦の不出来を見事に払しょく
DF
2 カルバハル 5.5
前半は軽率なプレーやヌニェスとのマッチアップで苦戦。ただ、後半はチームのサポートもあって完全に持ち直した
(→ルーカス・バスケス -)
3 ミリトン 7.0
リュディガーと共に出色のパフォーマンスでゴールにカギをかけた。圧巻の対人能力に加えて判断面での成長も著しい
昨季までのライバルチーム相手に90分間ソリッドなプレーを見せた。ミリトンやナチョとの関係性が機能しており、守備面では良さばかりが目立った
6 ナチョ 7.0
序盤こそサラーに手を焼いたが、時間の経過と共に完璧に対応。攻撃でも的確なプレーが光り、前回対戦に続く素晴らしいパフォーマンスに
MF
10 モドリッチ 6.5
前回対戦ほどのスーパーな活躍ではなかったが、クロースと共に秀逸なゲームメイクを披露。相手の急造中盤に主導権を渡さず
(→セバージョス -)
12 カマヴィンガ 6.5
守備では球際の強さと守備範囲の広さを生かしてクリーンシートに貢献。攻撃では決勝点の起点や鋭いミドルシュートでゴールへ迫った
8 クロース 6.5
守備面で身体を張りつつ、相変わらずの立ち位置の妙、正確無比なパスで前半序盤以降は安定したボール保持に貢献
(→チュアメニ -)
FW
15 バルベルデ 6.5
前回対戦とは異なり右ウイングでプレー。守備面での奮闘に加え、ヴィニシウスと共に推進力を与えるプレーで再三の決定機にも絡んだ
9 ベンゼマ 6.5
足首の負傷によって万全の状態ではなかったが、見事な決定力で決勝点を記録。相変わらずボールの収まりやポストワークが安定
(→ロドリゴ -)
20 ヴィニシウス 6.5
前回対戦のように同胞GKからゴールはならずも決勝点をアシスト。再三の鋭い仕掛けで攻撃の起点となり続けた
(→アセンシオ -)
監督
アンチェロッティ 6.5
バタバタした前回対戦の反省を生かして危なげない戦いぶりで完勝。後半はほぼ相手に何もさせなかった
▽リバプール採点

GK
1 アリソン 6.5
孤軍奮闘の活躍は結果に繋がらずも、前回対戦での痛恨のミスを挽回する働きは見せた
DF
66 アレクサンダー=アーノルド 4.5
前回対戦に続きヴィニシウスに完敗。得点が必要な中で攻撃面の貢献が期待されたものの、そのストロングポイントでも活躍できなかった
5 コナテ 6.0
失点場面ではやや集中力を欠いたが、右サイドバックのカバーにソリッドさを欠く相棒へのサポートと守護神と共に奮闘を見せた
4 ファン・ダイク 5.5
大きなミスはなかったが、やはり全盛期を知るだけに身体のキレや精度の部分で物足りない
26 ロバートソン 6.0
コナテと共にバックラインでは普段通りの安定したプレーを見せた。ただ、ミルナーや前線の選手の問題もあって攻撃面で輝きを放ち切れなかった
(→ツィミカス -)
MF
18 ガクポ 5.0
慣れないインサイドハーフ起用で攻撃では持ち味を発揮できず。ただ、守備では身体を張ったプレーやプレスバックでピンチを防ぐなどやるべきタスクはこなした
(→カルヴァーリョ -)
3 ファビーニョ 4.5
守備は無難にこなしたが、マイボール時は判断、精度が低くミルナーと共に攻撃のブレーキに
7 ミルナー 5.0
ヘンダーソンやバイチェティッチの急遽不在によって中盤でプレー。ハードワークをこなしたが、攻撃面での立ち位置や精度が厳しかった
(→オックスレイド=チェンバレン 5.0)
久々の出場となったが、ほぼ何もできなかった
FW
11 サラー 5.0
試合の入り自体は悪くなかったが、周囲の問題もあって相手の徹底監視に遭い、時間を経るごとに存在感を失った
20 ジョタ 4.5
センターフォワードでの起用となったが、効果的なプレーはほぼなかった。序盤のシュートミスに加え、プレッシングや動き出しの部分では長期離脱による錆びつきが顕著だった
(→フィルミノ 5.0)
相手が後ろに重心を置き始めたこともあり、なかなか中央で起点を作れず
27 ヌニェス 5.5
前半は最も可能性を感じさせる存在だったが、後半はチームと共にトーンダウン
(→エリオット 5.0)
後半チーム唯一のシュートを放ったが、それ以外では力不足を露呈
監督
クロップ 5.0
バイチェティッチとヘンダーソンの急遽不在でより厳しいやり繰りとなったが、各選手の立ち位置や起用法に疑問符。モチベーターとしてもチームを鼓舞し切れなかった
★超WS選定マン・オブ・ザ・マッチ!
リュディガー(レアル・マドリー)
守護神クルトワを含めて守備陣の活躍が光ったウノセロの勝利の中で良い意味で予想を裏切るハイパフォーマンスを見せた元チェルシーDFをMOMに選出。立ち上がりのカルバハルのミスをカバーするプレーや、気迫と冷静さをうまく織り交ぜた再三の好守で相手アタッカー陣のメンタルを削った。
レアル・マドリー 1-0(AGG:6-2) リバプール
【レアル・マドリー】
ベンゼマ(後33)
▽レアル・マドリー採点

(C)CWS Brains,LTD.
GK
1 クルトワ 7.0
後半はほぼ仕事機会がなかったが、前半はヌニェスの決定機な2本のシュートなど際どい枠内シュートを見事に阻止。前回対戦の不出来を見事に払しょく
DF
2 カルバハル 5.5
前半は軽率なプレーやヌニェスとのマッチアップで苦戦。ただ、後半はチームのサポートもあって完全に持ち直した
3 ミリトン 7.0
リュディガーと共に出色のパフォーマンスでゴールにカギをかけた。圧巻の対人能力に加えて判断面での成長も著しい
22 リュディガー 7.0
昨季までのライバルチーム相手に90分間ソリッドなプレーを見せた。ミリトンやナチョとの関係性が機能しており、守備面では良さばかりが目立った
6 ナチョ 7.0
序盤こそサラーに手を焼いたが、時間の経過と共に完璧に対応。攻撃でも的確なプレーが光り、前回対戦に続く素晴らしいパフォーマンスに
MF
10 モドリッチ 6.5
前回対戦ほどのスーパーな活躍ではなかったが、クロースと共に秀逸なゲームメイクを披露。相手の急造中盤に主導権を渡さず
(→セバージョス -)
12 カマヴィンガ 6.5
守備では球際の強さと守備範囲の広さを生かしてクリーンシートに貢献。攻撃では決勝点の起点や鋭いミドルシュートでゴールへ迫った
8 クロース 6.5
守備面で身体を張りつつ、相変わらずの立ち位置の妙、正確無比なパスで前半序盤以降は安定したボール保持に貢献
(→チュアメニ -)
FW
15 バルベルデ 6.5
前回対戦とは異なり右ウイングでプレー。守備面での奮闘に加え、ヴィニシウスと共に推進力を与えるプレーで再三の決定機にも絡んだ
9 ベンゼマ 6.5
足首の負傷によって万全の状態ではなかったが、見事な決定力で決勝点を記録。相変わらずボールの収まりやポストワークが安定
(→ロドリゴ -)
20 ヴィニシウス 6.5
前回対戦のように同胞GKからゴールはならずも決勝点をアシスト。再三の鋭い仕掛けで攻撃の起点となり続けた
(→アセンシオ -)
監督
アンチェロッティ 6.5
バタバタした前回対戦の反省を生かして危なげない戦いぶりで完勝。後半はほぼ相手に何もさせなかった
▽リバプール採点

(C)CWS Brains,LTD.
GK
1 アリソン 6.5
孤軍奮闘の活躍は結果に繋がらずも、前回対戦での痛恨のミスを挽回する働きは見せた
DF
66 アレクサンダー=アーノルド 4.5
前回対戦に続きヴィニシウスに完敗。得点が必要な中で攻撃面の貢献が期待されたものの、そのストロングポイントでも活躍できなかった
5 コナテ 6.0
失点場面ではやや集中力を欠いたが、右サイドバックのカバーにソリッドさを欠く相棒へのサポートと守護神と共に奮闘を見せた
4 ファン・ダイク 5.5
大きなミスはなかったが、やはり全盛期を知るだけに身体のキレや精度の部分で物足りない
26 ロバートソン 6.0
コナテと共にバックラインでは普段通りの安定したプレーを見せた。ただ、ミルナーや前線の選手の問題もあって攻撃面で輝きを放ち切れなかった
(→ツィミカス -)
MF
18 ガクポ 5.0
慣れないインサイドハーフ起用で攻撃では持ち味を発揮できず。ただ、守備では身体を張ったプレーやプレスバックでピンチを防ぐなどやるべきタスクはこなした
(→カルヴァーリョ -)
3 ファビーニョ 4.5
守備は無難にこなしたが、マイボール時は判断、精度が低くミルナーと共に攻撃のブレーキに
7 ミルナー 5.0
ヘンダーソンやバイチェティッチの急遽不在によって中盤でプレー。ハードワークをこなしたが、攻撃面での立ち位置や精度が厳しかった
(→オックスレイド=チェンバレン 5.0)
久々の出場となったが、ほぼ何もできなかった
FW
11 サラー 5.0
試合の入り自体は悪くなかったが、周囲の問題もあって相手の徹底監視に遭い、時間を経るごとに存在感を失った
20 ジョタ 4.5
センターフォワードでの起用となったが、効果的なプレーはほぼなかった。序盤のシュートミスに加え、プレッシングや動き出しの部分では長期離脱による錆びつきが顕著だった
(→フィルミノ 5.0)
相手が後ろに重心を置き始めたこともあり、なかなか中央で起点を作れず
27 ヌニェス 5.5
前半は最も可能性を感じさせる存在だったが、後半はチームと共にトーンダウン
(→エリオット 5.0)
後半チーム唯一のシュートを放ったが、それ以外では力不足を露呈
監督
クロップ 5.0
バイチェティッチとヘンダーソンの急遽不在でより厳しいやり繰りとなったが、各選手の立ち位置や起用法に疑問符。モチベーターとしてもチームを鼓舞し切れなかった
★超WS選定マン・オブ・ザ・マッチ!
リュディガー(レアル・マドリー)
守護神クルトワを含めて守備陣の活躍が光ったウノセロの勝利の中で良い意味で予想を裏切るハイパフォーマンスを見せた元チェルシーDFをMOMに選出。立ち上がりのカルバハルのミスをカバーするプレーや、気迫と冷静さをうまく織り交ぜた再三の好守で相手アタッカー陣のメンタルを削った。
レアル・マドリー 1-0(AGG:6-2) リバプール
【レアル・マドリー】
ベンゼマ(後33)
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ええ、何せ翌木曜にはマドリッドがサン・イシドロ祭の祝日で賑わう中、エスタディオ・バジェカスに足を運んだ私だったんですけどね。昼間に降ったにわか雨も上がり、お日様がさんさんと輝く中でキックオフとなったベティス戦は、ラージョが前半37分にペドロ・ディアスのミドルシュートがバーに当たって落ちたボールをデ・フルートスがヘッドで決めて先制。更に前半ロスタイムにもルジューヌの直接FKがゴールとなり、2-0で折り返す最高の展開に。 やっぱりここ3週間、コンフェレンスリーグ準決勝フィオレンティーナ戦から週2試合となり、しかも先週は延長戦でチェルシーとの決勝に進出とあって、ベティスは疲れているはずという予想が当たったと、ホクホクしながら、後半を捨てて、私がコリセウムに向かったところ、やられました!うーん、やはり「Salimos un poco aturdidos quizás por la euforia, en la segunda parte/サリモス・ウン・ポコ・アトゥルディードス・キサ・ポル・ラ・エウフォリア、エン・ラ・セグンダ・パルテ(ボクらは多分、歓喜しすぎていて、ちょっとボオッとして後半に入った)」(ラティウ)のせいだったんでしょうかね。 メトロからアトーチャ駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)に乗り換える前、早くも6分にはクチョのゴールで1点を返され、15分には英雄だったルジューヌがアブデをエリア内で倒してPKを献上。イスコに2点目を決められて、最後は2-2で引き分けてしまうんですから、ガッカリじゃないでうか。いえ、「Tenemos dos finales por delante y hay que ganarla/テネモス・ドス・フィナレス・ポル・デランテ・イ・アイ・ケ・ガナールラ(ウチには2つの決勝があって、勝たないといけない)」とイニゴ・ペレス監督も言っていた通り、日曜のセルタ戦、最終節のマジョルカ戦に勝てば、来季のコンフェレンスリーグの切符どころか、36節で勝ち点4差になってしまったセルタを追い越して、未だにEL行きも夢じゃないんですけどね。 せっかくの直接ライバルたちと差をつける機会を失ってしまったのは残念ではありますが、まあ、最後まで競うものが残留ではないだけ、ラージョは百万倍幸せ。だってえ、ファンに総動員をかけ、アスレティック戦前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)を焚いて、チームバスをお出迎えしてもらい、普段の数倍は力強いコリセウムの応援を受けながら、GKダビド・ソリアとウナイ・シモンのロングゴールキックと延々にボールが宙を舞っていた試合、ヘタフェは後半31分にグルセタ、44分にはCKからビビアンのシュートを浴びて、ウィリアムス兄弟のいなかったアスレティックに0-2で負け、来季のCL出場確定を祝われてしまったんですよ。 おかげでとうとう、試合の終盤にはスタンドから、「jugadores mercenarios/フガドーレス、メセナリオス(選手は金で雇われた傭兵)」というカンティコが出ていた程だったんですが、つまりこれって、6連敗の彼らは未だに残留確定ができておらず。エスパニョール、アラベス、レガネスと共に降格最後の1チームになる可能性があるってことで、奇跡が起こって、お隣さんが残留できても、ヘタフェが落ちたら、そんな悲劇はない?いやまあ、それでも日曜のマジョルカ戦、最終節のセルタ戦で勝ち点を貯められれば、回避可能なんですけどね。揃って相手がヨーロッパの大会出場を目指しているチームというのが辛いところかと。 そんなヘタフェにはもう少しのガッツと幸運を祈るしかないんですが、え?何で木曜にプレーしたアトレティコの話が抜けているんだって?いやあ、私がバジェカスに行ったのも実はもう、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)であの、ちっちもさっちもいかない彼らのアウェイゲームを見ているのに耐えられなかったからで、案の定、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継でも一向にいい話は聞こえてこず。挙句の果てに前半24分にはCKから、カテナにヘッドでゴールを挙げられて先制されると、後半途中にはシメオネ監督がフリアン・アルバレス、セルロートを下げる不可解采配を見せ、ええ、今のコレアとグリーズマンではゴールをまったく期待できませんですからね。 最後は後半37分にもブドミルに頭で決められ、2-0ですごすご完敗と、その気合のないプレーぶりにラジオの解説者たちがカンカンだったのを聞くにつけ、見ないで本当に良かったとホッとしたのは私だけではない?これで彼らはコパ・デル・レイ準決勝でバルサに負けて、今季全てのタイトル獲得可能性がほぼ消えて以来、アウェイ戦5試合でたったの1勝。そんな情けない有様にならなければ、もっと遅くまでリーガで粘れたんじゃないかと思うんですが、これには「監督がアウェイで選手たちがいいレベルを見せるのに必要なモチベーションを与えられない監督の責任」といくらシメオネ監督が言い張ったって、やっぱり当事者たちの自覚の問題があるのでは? おまけにこのオサスナ戦では後半途中にバリオスがジョレンテの腰に頭をぶつけ、脳震盪で交代。日曜のスィートホーム、メトロポリターノでの今季最終戦、ベティス戦にも出られなくなってしまうとは如何に。昨季同様、シーズン終盤は突極のアウェイ弱者になり下がったアトレティコにはもう、何を言っていいか、私もわからないんですが、そんなところを含めて、彼らは人間的な愛すべきチーム。今はせめて、クラブW杯では心を入れ替えて、今季のCLグループフェーズ、PSG戦やレバークーゼン戦で見せた強さを再現してくれることを願うしかありませんね。 ご挨拶: サイトのサービス終了をもって、このコラムも今回で終わりとなります。長年のおつき合い、ありがとうございました。この先もサッカーファンの旅行先として最適なマドリッドの魅力、リーガやマドリッドのクラブの試合やニュース、スペイン代表などについて、お伝えする方法を模索中なので、その際にはよろしくお願いします。 2025.05.17 21:00 Sat4
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