vol.10/サウジアラビア代表【カタールW杯出場国ガイド】地の利を生かして番狂わせ狙う
2022.11.18 21:30 Fri
11月20日、フットボール界における4年に1度の祭典、ワールドカップがカタールの地で遂に開幕する。約1カ月の激闘をより深く、より楽しむべく、超ワールドサッカー編集部が出場国32カ国ガイドを作成。10カ国目は、サウジアラビア代表を紹介する。
◆サウジアラビア代表
監督:エルヴェ・ルナール
主将:サルマン・アル・ファラジュ
予選成績:7勝2分け1敗
W杯出場数:2大会ぶり6回目
W杯最高位:ベスト16
FIFAランク:51位
◆地の利を生かして番狂わせ狙う

ザンビア、コートジボワール、モロッコとアフリカの代表チームで確かな手腕を発揮したフランス人指揮官の下、中東開催の地の利を生かして番狂わせを狙うアジア屈指の強豪。日本、オーストラリアと同居したアジア最終予選を首位通過したチームは、[4-2-3-1]と[4-1-4-1]を併用しながら能動的な戦いを志すが、今大会においては格上相手に弱者の戦いを徹底する形となりそうだ。
守備陣では経験豊富な守護神アル・オワイスを軸に、アル・ブライヒ、アル・ブレイク、アル・シャフラニと国内屈指の強豪アル・ヒラルで主軸を担うベテラン選手が主軸を担う。ワールドクラスのアタッカー陣を擁するグループリーグのライバルに対して、最も重要な役割を担う。
中盤ではサレム・アル・ドサリと共に最多17ゴールを記録するアル・ムワラドがドーピング問題による予防措置で直前にメンバーを外れた影響が危惧される。個での打開力が高くカウンターの起点役を担うはずだった28歳の不在は、ルナール監督にとっても大きな誤算だ。代役を担うハッタン・バヘブリらの奮起に期待したい。また、フィジカル能力の高さを武器に中盤の底に入るカンノやキャプテンで司令塔を担うアル・ファラジュの仕事も重要だ。
◆超WS的注目プレーヤー
FWファラス・アル・ブライカン(アル・ファトフ)

サウジアラビアの注目プレーヤーは、若き主砲のアル・ブライカンだ。22歳のストライカーは代表通算26試合6ゴールと数字上のインパクトは大きくないが、名将ルナール監督が厚い信頼を寄せる大器だ。181cmとそこまでサイズに恵まれていないが、優れたアスリート能力と高精度の左足のキックを特長とする万能型のストライカーだ。アルゼンチン相手には分が悪いが、アジリティに難があるポーランド、メキシコの守備陣に対しては十分に勝負できるはずだ。
◆登録メンバー
GK
1.モハメド・アル・ヤミ(アル・アハリ)
21.モハメド・アル・オワイス(アル・ヒラル)
22.ナワフ・アル・アキディ(アル・ナスル)
DF
2.スルタン・アル・ガナム(アル・ナスル)
3.アブドゥラー・マドゥ(アル・ナスル)
4.アブドゥレラー・アル・アムリ(アル・ナスル)
5.アリ・アル・ブライヒ(アル・ヒラル)
6.モハメド・アル・ブレイク(アル・ヒラル)
12.サウド・アブドゥルハミド(アル・ヒラル)
13.ヤセル・アル・シャフラニ(アル・ヒラル)
17.ハッサン・タムバクティ(アル・シャハブ)
MF
7.サルマン・アル・ファラジュ(アル・ヒラル)
8.アブドゥレラー・アル・マルキ(アル・ヒラル)
10.サレム・アル・ドサリ(アル・ヒラル)
14.アブドゥラー・オタイフ(アル・ヒラル)
15.アリ・アル・ハッサン(アル・ナスル)
16.サミ・アル・ナジェイ(アル・ナスル)
18.ナウフ・アル・アビド(アル・シャハブ)
19.ハッタン・バヘブリ(アル・シャハブ)
20.アブドゥルラフマン・アル・アブード(アル・イテハド)
23.モハメド・カンノ(アル・ヒラル)
24.ナセル・アル・ドサリ(アル・ヒラル)
26.リヤド・シャラヒリ(アブハ)
FW
9.ファラス・アル・ブライカン(アル・ファトフ)
11.サレー・アル・シェフリ(アル・ヒラル)
25.ハイサム・アシリ(アル・アハリ)
◆グループステージ日程
▽11/22
《19:00》
vsアルゼンチン代表
@ルサイル・スタジアム
▽11/26
《22:00》
vsポーランド代表
@エデュケーション・シティ・スタジアム
▽11/30
《28:00》
vsメキシコ代表
@ルサイル・スタジアム
◆サウジアラビア代表
監督:エルヴェ・ルナール
主将:サルマン・アル・ファラジュ
予選成績:7勝2分け1敗
W杯出場数:2大会ぶり6回目
W杯最高位:ベスト16
FIFAランク:51位
◆地の利を生かして番狂わせ狙う

Getty Images
ザンビア、コートジボワール、モロッコとアフリカの代表チームで確かな手腕を発揮したフランス人指揮官の下、中東開催の地の利を生かして番狂わせを狙うアジア屈指の強豪。日本、オーストラリアと同居したアジア最終予選を首位通過したチームは、[4-2-3-1]と[4-1-4-1]を併用しながら能動的な戦いを志すが、今大会においては格上相手に弱者の戦いを徹底する形となりそうだ。
中盤ではサレム・アル・ドサリと共に最多17ゴールを記録するアル・ムワラドがドーピング問題による予防措置で直前にメンバーを外れた影響が危惧される。個での打開力が高くカウンターの起点役を担うはずだった28歳の不在は、ルナール監督にとっても大きな誤算だ。代役を担うハッタン・バヘブリらの奮起に期待したい。また、フィジカル能力の高さを武器に中盤の底に入るカンノやキャプテンで司令塔を担うアル・ファラジュの仕事も重要だ。
前線では最多10ゴールのアル・シェフリを20代前半のアル・ブライカン、アシリという2人の若手が支える。堅守速攻を貫く上で孤立無援が予想される中、前線での競り合い、ボールキープ、少ない決定機を決め切る勝負強さが求められる。
◆超WS的注目プレーヤー
FWファラス・アル・ブライカン(アル・ファトフ)

Getty Images
サウジアラビアの注目プレーヤーは、若き主砲のアル・ブライカンだ。22歳のストライカーは代表通算26試合6ゴールと数字上のインパクトは大きくないが、名将ルナール監督が厚い信頼を寄せる大器だ。181cmとそこまでサイズに恵まれていないが、優れたアスリート能力と高精度の左足のキックを特長とする万能型のストライカーだ。アルゼンチン相手には分が悪いが、アジリティに難があるポーランド、メキシコの守備陣に対しては十分に勝負できるはずだ。
◆登録メンバー
GK
1.モハメド・アル・ヤミ(アル・アハリ)
21.モハメド・アル・オワイス(アル・ヒラル)
22.ナワフ・アル・アキディ(アル・ナスル)
DF
2.スルタン・アル・ガナム(アル・ナスル)
3.アブドゥラー・マドゥ(アル・ナスル)
4.アブドゥレラー・アル・アムリ(アル・ナスル)
5.アリ・アル・ブライヒ(アル・ヒラル)
6.モハメド・アル・ブレイク(アル・ヒラル)
12.サウド・アブドゥルハミド(アル・ヒラル)
13.ヤセル・アル・シャフラニ(アル・ヒラル)
17.ハッサン・タムバクティ(アル・シャハブ)
MF
7.サルマン・アル・ファラジュ(アル・ヒラル)
8.アブドゥレラー・アル・マルキ(アル・ヒラル)
10.サレム・アル・ドサリ(アル・ヒラル)
14.アブドゥラー・オタイフ(アル・ヒラル)
15.アリ・アル・ハッサン(アル・ナスル)
16.サミ・アル・ナジェイ(アル・ナスル)
18.ナウフ・アル・アビド(アル・シャハブ)
19.ハッタン・バヘブリ(アル・シャハブ)
20.アブドゥルラフマン・アル・アブード(アル・イテハド)
23.モハメド・カンノ(アル・ヒラル)
24.ナセル・アル・ドサリ(アル・ヒラル)
26.リヤド・シャラヒリ(アブハ)
FW
9.ファラス・アル・ブライカン(アル・ファトフ)
11.サレー・アル・シェフリ(アル・ヒラル)
25.ハイサム・アシリ(アル・アハリ)
◆グループステージ日程
▽11/22
《19:00》
vsアルゼンチン代表
@ルサイル・スタジアム
▽11/26
《22:00》
vsポーランド代表
@エデュケーション・シティ・スタジアム
▽11/30
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vsメキシコ代表
@ルサイル・スタジアム
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「生きるか死ぬか」日本代表を誰よりも知り愛する男、長友佑都が見せた矜持/日本代表コラム
「この局面を打開したときには、2022倍の称賛で称えてもらえればと思います」 試合前にそう口にしていたのは日本代表DF長友佑都(FC東京)。長年日本代表を支えてきた長友だが、ここ最近はパフォーマンスの低下が指摘。批判の声が高まっていた。 イタリアの名門であり世界でも有数のビッグクラブであるインテルで長年レギュラーを張っていた長友。その時代に日本代表で見せていたプレーは、多くの日本人が心を動かされていた。 外国人選手と比べれば明らかに引けをとる小柄な体格でありながら、アグレッシブさと豊富な運動量で左サイドを上下に動く姿。そして右足を遜色ない左足からのクロスと、まさにサイドを制圧していた。 しかし、ガラタサライに移籍してからチームで構想外となったころから、徐々に狂い始める。半年間試合でプレーできないと、その後に加入したマルセイユではレギュラーを掴むも、全盛期の動きはなかなか見せられず。2021年夏にFC東京に復帰してからも、随所に違いは見せたが、やはりみんなが心を動かされた長友とは言い難かった。 日本代表としてもその間プレーを続けた長友。運動量は変わらず、アグレッシブなプレーも見えた一方で、やはりサイドでの違いを見せていたという動きは正直なかった。 <span class="paragraph-title">◆批判を跳ね返した最高のパフォーマンス</span> 試合前、縦に突破してのクロスがないように思えるという質問を受けた長友。確かにそれはあるとし、「僕が打開できれば良いですし、批判もされないと思うので、僕がやらなければいけないです」と語った。もちろん、過去とはチームも違い、選手も違うため、戦い方も変わっている。ただ、実際に深い位置まで上がってのクロスは減っていた。 強い覚悟を持っていた長友は、実際にサウジアラビア代表戦でもスターティングメンバーとしてピッチに立った。代表通算133試合目。多くのファンが埼玉スタジアム2002のスタンドに集まった。中には批判的に長友を見ていた人もいただろう。ただ、長友はプレーで答えを示した。 まずそのプレーが出たのは13分だ。遠藤航、伊東純也、大迫勇也と繋ぎボールは遠藤へ。そこに顔を出した長友はボックスないでパスを受けた。 仕掛けながら左足でクロスを入れると、これは相手DFがブロック。チャンスを潰したかと思われたが、長友は倒れ込んだ状態でしっかりとボールをキープ。相手が詰めてくるが、マイボールのスローインにつなげた。 このプレーにはスタンドからも大きな拍手が送られ、我々が見たかった長友がやっと戻ってきたという感覚にすらなった。 これまでの最終予選ではあまり見られなかった気迫のこもったプレー。まさに長友らしさが存分に出たプレーで、批判に回答を出した。 試合後長友は「(応援は)すごく伝わってきました。ブーイングされるかなと思ったんですけど、すごく暖かい声援と愛をもらったので、今日は絶対に最高のパフォーマンスで恩返ししたいなという気持ちで入りました」と語り、ファン・サポーターの後押しはしっかりと届いていたようだ。 この試合の長友は13分のプレーに始まり、アグレッシブさを失わなかった。試合前に指摘された深い位置まで上がってのクロスも多く見られた。左サイドに入ったMF南野拓実はこれまで通り中に入ってのプレーが増えたが、その空いたスペースを積極的に長友は狙い、高い位置を取り続けた。 長友は、「たくさんの批判を頂いたので、その批判が僕の心に火をつけてくれたなと。改めて批判というのは僕のガソリンなので、必要なものなんだなと感じましたね。追い込まれれば追い込まれるほど、力を発揮できました」と語り、自身の問題点を指摘してくれる声のおかげでもあると語った。 守備時もしっかりと対応し、高い位置をとってサウジアラビアの右サイドを封じ込めた長友。周りの選手との連係もこれまで以上に高まり、最終予選では最も良いパフォーマンスを見せたと言えるだろう。 <span class="paragraph-title">◆「今日だけは称賛してください(笑)」</span> <span data-other-div="page2"></span> そして極め付けは2点目の伊東のゴールに繋がったプレー。ボックス手前でのルーズボールに詰めると、そのボールが伊東に渡って強烈なシュートが叩き込まれた。 サウジアラビアの戦意を失わせるゴールに繋がったプレー。後半の立ち上がり、リードしている状況でもアグレッシブに入った結果だ。これも長友らしさ。どこか噛み合っていなかった歯車が、この試合はハマった感じがあった。 69分でピッチを後にした長友だったが、そのアグレッシブさは交代時にも。代わりに入る中山雄太、前田大然に対し大きな声で檄。「僕の魂の叫びは聞こえました? W杯の時の緊張感や興奮を思い出して、久しぶりに今日は生きるか死ぬかなんだなと思って」と試合後に応えたが、その声はしっかりと観るものにも届いていた。 この試合では、代わりに入った中山は長友ほどのテンション、そしてアグレッシブさを感じられなかった。中山が試合になかなか入れず、良くなかったとも言えるが、それ以上に長友の気迫溢れるプレーが素晴らしかったと言えるだろう。 試合後、メディアの取材に応じた長友は最後に「今日だけは称賛してください(笑)」とコメントした。試合前には、「2022倍の称賛で」と冗談のように話していたが、それに値する活躍をしっかりとピッチで見せた。 2022倍には足りないかもしれないが、それはまだこの先にも戦いがあり、3月のオーストラリア代表戦でも同じパフォーマンスを見せてもらいたいところ。その時まで、「2022倍の称賛」は取っておいても良いだろう。ただ、日本代表として誰よりも戦ってきた長友の意地とプライドは十分に感じられるパフォーマンスだった。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 <span class="paragraph-title">【動画】長友も躍動! 南野&伊東のゴールでサウジアラビア撃破!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="UH3PZJLlv5A";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2022.02.02 13:10 Wed5
