【セリエA注目プレビュー】上位で迎える今季最初のデルビー・デッラ・カピターレ!

2022.11.06 13:00 Sun
Getty Images
セリエA第13節、ローマvsラツィオが、日本時間6日26:00にスタディオ・オリンピコでキックオフされる。開幕から好調を維持し、第2集団に属する首都チームが対峙する今季最初のデルビー・デッラ・カピターレ。昨シーズンのヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)制覇で得た自信を武器に、勝負強さが光るモウリーニョ体制2年目のローマ(勝ち点25)は、ここまで8勝1分け3敗の4位に位置。前節ヴェローナ戦では18歳MFヴォルパートの1ゴール1アシストの活躍で3-1の逆転勝利を飾ると、直近のヨーロッパリーグ(EL)ではルドゴレツ相手に苦戦を強いられながらも、途中出場のMFザニオーロが2つのPK奪取にダメ押しゴールを挙げる圧巻のゲームチェンジャーぶりを発揮し、同じく3-1の逆転勝利。グループ2位通過でプレーオフ行きを決めた。

FWディバラ離脱後はFWエイブラハム不振で決定力を欠き、相手を圧倒する強さはないが、DFスモーリングを中心とするソリッドな守備、勝負所を見極めた手堅い戦い方で着実に勝ち点を重ねており、インテル戦に続くビッグマッチ勝利となれば、混戦の第2集団で優位に立てるはずだ。
一方、サッリ体制2年目のラツィオ(勝ち点24)はここまで7勝3分け2敗の5位に位置。昨季同様の攻撃の破壊力を維持しつつ、今季はリーグ2位の8失点と守備面で大きな改善を見せる。ただ、直近のサレルニターナ戦では格下相手に今季リーグ最多の3失点で敗戦。さらに、ELではグループ首位で臨んだフェイエノールトとの最終節を0-1で落とし、まさかのグループ3位敗退に。

今季初の連敗に加え、サレルニターナ戦では不可解な判定によって絶好調のMFミリンコビッチ=サビッチが警告を受け、累積警告でデルビー欠場が決定。負傷離脱中の主砲インモービレと中盤の要を欠く中、タフなデルビーではリバウンドメンタリティが試される。
なお、昨季の対戦では初戦をラツィオが3-2、第2戦をローマが3-0で勝利と五分の戦績だ。また、2015-16シーズンのローマのシーズンダブルを最後にほぼ五分の戦いが続いている。

◆ローマ◆
【3-4-2-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ルイ・パトリシオ
DF:マンチーニ、スモーリング、イバニェス
MF:カルスドルプ、クリスタンテ、マディ・カマラ、ザレフスキ
MF:ザニオーロ、ペッレグリーニ
FW:エイブラハム

負傷者:DFスピナッツォーラ、MFワイナルドゥム、ダルボエ、FWディバラ
コロナ陽性者:なし
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはワイナルドゥム、ダルボエ、ディバラの長期離脱組に加え、スピナッツォーラが欠場となる。

スタメンに関しては前述の11人を予想したが、マディ・カマラ、ザレフスキに代えてマティッチ、エル・シャーラウィを起用する可能性もある。

◆ラツィオ◆
【4-3-3】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:プロベデル
DF:ラッツァーリ、カサレ、ロマニョーリ、マルシッチ
MF:ベシーノ、カタルディ、ルイス・アルベルト
FW:ペドロ、フェリペ・アンデルソン、ザッカーニ

負傷者:FWインモービレ
コロナ陽性者:なし
出場停止者:ミリンコビッチ=サビッチ(1/1)

ミリンコビッチ=サビッチが累積警告で欠場。負傷者ではエースのインモービレが唯一の欠場者となる模様だ。

スタメンは前述の11人の起用が濃厚だが、負傷明けのパトリックが起用可能な場合、カサレに代わってロマニョーリの相棒を担うことになる。インモービレ不在のセンターフォワードは引き続きフェリペ・アンデルソンが務める。

★注目選手
◆ローマ:DFクリス・スモーリング
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頼れるディフェンスリーダーが攻守のカギ握る。ローマ加入4シーズン目でディフェンスリーダーとして存在感を示す32歳は、チーム同様にビルドアップに課題を残すものの、守備面においては3バックの中央で求められる要素を完璧に満たし、圧倒的な空中戦に加え、カバーリング、シュートブロックで再三の好守を披露。さらに、攻撃面ではセットプレーのターゲットとしてチーム2位の3ゴールを記録している。

今回のデルビーでは相手にボールを握られる展開の中、インモービレ不在でより流動的な小兵アタッカーに対して、カバーリング、ラインコントロールと守備面での繊細な対応が重要となる。また、ここ数試合ではバイタルエリア付近で前向きな相手選手にあっさりとミドルシュートを打たれるシーンが多く、名手ルイス・アルベルトらを抑え込む上では持ち場を離れての潰しや、的確なコーチングで味方を動かすことも求められる。

そして、攻撃ではインモービレ、ミリンコビッチ=サビッチの不在もあり、セットプレーではチームとして完全に制空権を握れるため、エイブラハムやマンチーニらと共にペッレグリーニの正確なプレースキックを確実に枠へ飛ばし、インテル戦のように決定的な仕事を果たしたい。

◆ラツィオ:FWペドロ・ロドリゲス
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古巣相手に2つ目の恩返し弾狙う。インモービレ不在の中、ザッカーニ、フェリペ・アンデルソンと共に攻撃の主軸を担う百戦錬磨のベテランアタッカーがラツィオのキーマンの一人だ。サッリ・ボールを深く理解する35歳FWは、今季もここまで公式戦15試合4ゴール2アシストと、途中投入がメインも安定した数字を残す。インテル戦では途中出場からの1ゴール1アシスト、スタメンでプレーしたアタランタ戦でも1アシストとビッグマッチでの勝負強さも健在だ。

今回の古巣対戦では相手の屈強な3バックに対して、基準点を置かない3トップが機能する可能性が高いと思われるが、スペースを消された際にはルイス・アルベルトやベシーノのミドルシュートと共に、ラインブレイクや駆け引きの名手の質の高い動き出しが崩しのカギとなりそうだ。昨季の初対戦では1ゴール1アシストの活躍を見せており、3度目の古巣対戦では2つ目の恩返し弾を狙いたい。

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