【CLグループC展望】“死の組”が誕生! 三つ巴の争い制するのは?
2022.09.07 19:00 Wed
2022-23シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)グループステージが9月6日に開幕する。グループCはバイエルン、バルセロナ、インテルの三つ巴となる今グループステージ最激戦区となった。
◎本命:バイエルン
○対抗:バルセロナ
△連下:インテル
☆大穴:ビクトリア・プルゼニ◆破壊力維持も勝負所の決定力に課題か~バイエルン~

今グループステージで“死の組”と評されるグループCの本命は、ブンデスリーガ10連覇中のバイエルンだ。
昨季は伏兵ビジャレアルに苦杯を舐めさせられて無念のベスト8敗退となったドイツの盟主は、今夏の移籍市場で長らく主砲を担ってきたFWレヴァンドフスキが奇しくも同じグループとなったバルセロナに流出。その一方で、リバプールのエースFWマネに加え、今後のディフェンスリーダーと目されるDFデ・リフト、多才なDFマズラウィ、MFグラフェンベルフ、FWテルという若手の逸材を補強。指揮官の愛弟子であるMFライマーの確保こそならずも充実した補強となった。
レヴァンドフスキからマネへの前線のタレントの移行により、当初は得点力不足が懸念されたものの、より流動性、スピードを手にした新たな攻撃陣はここまでのリーグ5試合で17ゴールを記録。ゴールスコアラーも分散しており、より的を絞り辛くなっている印象だ。
◆超大型補強で昨季の屈辱晴らせるか~バルセロナ~

バイエルンの対抗馬は今夏に超大型補強を敢行したカタルーニャの雄だ。
昨季のグループステージでは直接的な敗退の原因はベンフィカ相手の体たらくだったものの、バイエルンに2戦連続0-3の惨敗を喫したバルセロナ。昨季、屈辱のシーズン無冠に終わったチームは、今夏の移籍市場で前述のレヴァンドフスキを始め、FWハフィーニャ、DFクンデ、MFケシエ、DFクリステンセンら積極補強を敢行し、移籍市場の主役となった。
プレシーズン、開幕の段階からその補強効果は出ており、ラ・リーガ開幕戦のラージョ戦こそゴールレスドローに終わったものの、以降はセビージャを3-0で粉砕するなど、3試合連続3ゴール以上を奪っての3連勝。注目の新エースストライカーは打開力に優れる両ウイングやチャンスメークに特長を持つ若手インテリオールを脇に従え、すでに5ゴールを挙げる強烈な存在感を示す。サイドバックにはやや不安を残すものの、守備面に関してもDFアラウホに加えて、クンデの加入によって大きな問題となっていたスピードタイプのアタッカー、被カウンター時の対応に関して改善が見受けられる。
ここまでの国内リーグでのパフォーマンス、スカッドの質だけを考えれば、バイエルンと遜色ない実力があると見て問題はないが、チャビ監督の采配面や強豪対決において守勢に回った際の戦い方にまだまだ未知数な部分もあり、リベンジを期すバイエルンとの第2節のアウェイゲームが試金石となる。
◆ポテンシャル十分も開幕からの調子は今一つ~インテル~

昨季のセリエA2位チームでCLベスト16のインテルは現時点で3番手の評価だ。
今夏の移籍市場ではDFバストーニ、DFシュクリニアルの主力センターバック2人、DFダンフリースらの慰留に成功し、MFペリシッチ、FWサンチェスらベテランを除き現有戦力を維持。さらに、FWルカクの帰還、MFムヒタリアン、GKオナナ、DFアチェルビといったベテラン、DFベッラノーヴァ、MFアスラニといった若手逸材を獲得し、スカッドの拡充を果たした。
ただ、覇権奪還を目指すセリエAでは直近のミラノ・ダービー、指揮官の古巣ラツィオとの強豪対決をいずれも接戦の末に落として3勝2敗スタートと、思わぬ苦戦を強いられている。再結成の“ラウカク”を含め得点力は計算できるものの、開幕5試合で8失点と持ち味の堅守がピリッとしない。ミラン戦ではFWレオンの圧倒的な個人技に守備陣が蹂躙されており、バイエルン、バルセロナの強力攻撃陣との対戦を前に大きな不安要素となっている。
ただ、敗退となったものの昨季のリバプール戦のようなパフォーマンスを見せられれば、両者と互角以上に戦うことは十分に可能。その消耗が激しい戦い方を過密日程の中で実行する上ではリーグ戦での積極的なターンオーバーなど、チームとしての総合力が非常に重要となりそうだ。
◆グループをかき回す役割を果たせるか~ビクトリア・プルゼニ~

抽選会後の選手、スタッフの反応を見れば、組み分け決定時点ですぐさま突破の望みが限りなく薄いことを悟ったチェコ王者。今回のグループステージでは開き直って、“死の組”をかき回す役割を担うことになる。
UEFAコンペティションでの経験豊富なプルゼニは、チェコ代表の実力者を多くスカッドに抱える好チームだが、やはり前述の3強との実力差は非常に大きい。したがって、グループステージを通じて“弱者の戦い”を徹底することになる。
ただ、リーグ戦においてもシビアな戦いが続く3チームに対して、比較的CLの戦いに集中できる環境であるため、カタール・ワールドカップ開催に伴う異例の過密日程を追い風に、疲弊する格上の隙を突き勝ち点奪取を狙いたい。
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◆編集部予想◎本命:バイエルン
○対抗:バルセロナ
△連下:インテル
☆大穴:ビクトリア・プルゼニ◆破壊力維持も勝負所の決定力に課題か~バイエルン~

Getty Images
今グループステージで“死の組”と評されるグループCの本命は、ブンデスリーガ10連覇中のバイエルンだ。
レヴァンドフスキからマネへの前線のタレントの移行により、当初は得点力不足が懸念されたものの、より流動性、スピードを手にした新たな攻撃陣はここまでのリーグ5試合で17ゴールを記録。ゴールスコアラーも分散しており、より的を絞り辛くなっている印象だ。
攻守両面での安定感を考えれば、バルセロナ、インテル相手に一日の長があるが、唯一の懸念材料は直近のボルシアMG、ウニオン・ベルリンの2試合連続ドローで露呈したように接戦において、これまで頼れるエースが果たしてきた決定的な仕事を誰がこなすかという点だ。ボルシアMG戦に関しては相手守護神がまさに神がかりなパフォーマンスを見せたが、ポーランド代表FWの不在を少なからず感じたはずだ。したがって、バルセロナ、インテルとの直接対決ではマネを中心に攻撃陣の勝負強い仕事が求められる。
◆超大型補強で昨季の屈辱晴らせるか~バルセロナ~

Getty Images
バイエルンの対抗馬は今夏に超大型補強を敢行したカタルーニャの雄だ。
昨季のグループステージでは直接的な敗退の原因はベンフィカ相手の体たらくだったものの、バイエルンに2戦連続0-3の惨敗を喫したバルセロナ。昨季、屈辱のシーズン無冠に終わったチームは、今夏の移籍市場で前述のレヴァンドフスキを始め、FWハフィーニャ、DFクンデ、MFケシエ、DFクリステンセンら積極補強を敢行し、移籍市場の主役となった。
プレシーズン、開幕の段階からその補強効果は出ており、ラ・リーガ開幕戦のラージョ戦こそゴールレスドローに終わったものの、以降はセビージャを3-0で粉砕するなど、3試合連続3ゴール以上を奪っての3連勝。注目の新エースストライカーは打開力に優れる両ウイングやチャンスメークに特長を持つ若手インテリオールを脇に従え、すでに5ゴールを挙げる強烈な存在感を示す。サイドバックにはやや不安を残すものの、守備面に関してもDFアラウホに加えて、クンデの加入によって大きな問題となっていたスピードタイプのアタッカー、被カウンター時の対応に関して改善が見受けられる。
ここまでの国内リーグでのパフォーマンス、スカッドの質だけを考えれば、バイエルンと遜色ない実力があると見て問題はないが、チャビ監督の采配面や強豪対決において守勢に回った際の戦い方にまだまだ未知数な部分もあり、リベンジを期すバイエルンとの第2節のアウェイゲームが試金石となる。
◆ポテンシャル十分も開幕からの調子は今一つ~インテル~

Getty Images
昨季のセリエA2位チームでCLベスト16のインテルは現時点で3番手の評価だ。
今夏の移籍市場ではDFバストーニ、DFシュクリニアルの主力センターバック2人、DFダンフリースらの慰留に成功し、MFペリシッチ、FWサンチェスらベテランを除き現有戦力を維持。さらに、FWルカクの帰還、MFムヒタリアン、GKオナナ、DFアチェルビといったベテラン、DFベッラノーヴァ、MFアスラニといった若手逸材を獲得し、スカッドの拡充を果たした。
ただ、覇権奪還を目指すセリエAでは直近のミラノ・ダービー、指揮官の古巣ラツィオとの強豪対決をいずれも接戦の末に落として3勝2敗スタートと、思わぬ苦戦を強いられている。再結成の“ラウカク”を含め得点力は計算できるものの、開幕5試合で8失点と持ち味の堅守がピリッとしない。ミラン戦ではFWレオンの圧倒的な個人技に守備陣が蹂躙されており、バイエルン、バルセロナの強力攻撃陣との対戦を前に大きな不安要素となっている。
ただ、敗退となったものの昨季のリバプール戦のようなパフォーマンスを見せられれば、両者と互角以上に戦うことは十分に可能。その消耗が激しい戦い方を過密日程の中で実行する上ではリーグ戦での積極的なターンオーバーなど、チームとしての総合力が非常に重要となりそうだ。
◆グループをかき回す役割を果たせるか~ビクトリア・プルゼニ~

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抽選会後の選手、スタッフの反応を見れば、組み分け決定時点ですぐさま突破の望みが限りなく薄いことを悟ったチェコ王者。今回のグループステージでは開き直って、“死の組”をかき回す役割を担うことになる。
UEFAコンペティションでの経験豊富なプルゼニは、チェコ代表の実力者を多くスカッドに抱える好チームだが、やはり前述の3強との実力差は非常に大きい。したがって、グループステージを通じて“弱者の戦い”を徹底することになる。
ただ、リーグ戦においてもシビアな戦いが続く3チームに対して、比較的CLの戦いに集中できる環境であるため、カタール・ワールドカップ開催に伴う異例の過密日程を追い風に、疲弊する格上の隙を突き勝ち点奪取を狙いたい。
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