今季2度目のマドリードダービーは昨季王者アトレティコに軍配! 主力温存のレアルにウノセロ勝ちでダービー12戦ぶり白星《ラ・リーガ》
2022.05.09 06:06 Mon
ラ・リーガ第35節、アトレティコ・マドリーvsレアル・マドリーが8日にワンダ・メトロポリターノで行われ、ホームのアトレティコが1-0で勝利した。
新旧王者が激突した今季2度目のマドリード・ダービー。
昨シーズンの王者であるアトレティコ(勝ち点61)は、新王者に20ポイント差を付けられる4位に低迷。前節はアスレティック・ビルバオに敵地で0-2の完敗を喫し、2戦未勝利のチームは前回対戦で敗れた新王者相手に3戦ぶりの白星を狙った。シメオネ監督はこの一戦に向け、先発5人を変更。レナン・ロージとエルモソに代えてサビッチ、ヘイニウド、エクトル・エレーラ、ルイス・スアレス、グリーズマンに代えてコケ、マテウス・クーニャ、アンヘル・コレアを起用した。
一方、レアル(勝ち点81)は前節、エスパニョールに4-0で快勝し、サンティアゴ・ベルナベウで2シーズンぶり35度目のプリメーラ制覇を決定。さらに、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグのマンチェスター・シティ戦では試合終了間際の90分からロドリゴの連続ゴールによって土壇場で追いつくと、延長戦ではベンゼマのPKによるゴールで逆転に成功。これぞ“ベルナベウ劇場”という圧巻のレモンターダでファイナル進出を決めた。
アンチェロッティ監督は120分の激闘から中3日の過密日程となった敵地でのダービーに向け、ナチョとミリトン、クロース、カゼミロを除く先発7人を変更。GKに控えのルニンを起用した他、ルーカス・バスケス、バジェホといった控え選手を抜擢。なお、マリアーノのウォームアップ中の負傷でヨビッチが急遽スタメンに入り、3トップは右からアセンシオ、ヨビッチ、ロドリゴという並びとなった。
多数の主力温存でチグハグなプレーが目立つレアルに対して、ホームのアトレティコが強度の高いプレーでペースを握りにかかる。
後方からのロングフィードを積極的に使い、セカンドを効果的に回収するアトレティコは開始4分にボックス右へ抜け出したコレアが枠の左に外れる際どいシュートを放つと、直後の8分にもカラスコが切れ味鋭いカットインでボックス左に侵入し、ニア下を狙った鋭いシュートを放ってゴールへ迫る。
ここ数試合の課題であるフィニッシュの精度に引き続き課題を残して早い時間帯の先制を逃したホームチームだが、以降も攻守両面で相手を上回って優勢にゲームを進めていく。
一方、守備ではカゼミロやミリトンを軸に最後のところで粘りを見せるレアルだが、攻撃面では両エース不在の影響も多分にあり、前線でなかなかボールが収まらず。全体を押し上げることができない上、アセンシオやロドリゴの単騎突破というシーンもほとんど作れない。
前半半ばから終盤にかけてもホームチーム優勢の状況が続く中、その流れ通りにゴールが生まれる。36分、アセンシオの中盤での不用意なバックパスをカットしたマルコス・ジョレンテのスルーパスに抜け出したクーニャがボックス内で2人のセンターバックと交錯。一度プレーは流されたが、オンフィールドレビューの結果、DFバジェホがクーニャの足を踏んだとの判定でPKが与えられる。これをキッカーのカラスコが冷静に右隅へ突き刺し、40分の先制点とした。
これで勢いづくアトレティコは前に出てきたレアルのサイドバックの背後を効果的に突きながら、ボックス内でのコンビプレーで2点目を狙う。対するレアルは好調ロドリゴの個人技に攻め手を見いだそうとする中、前半終了間際にはクロースの強烈なミドルシュートでホームチームのゴールを脅かすシーンを創出。
さらに、前半アディショナルタイムにはバイタルエリアでのアセンシオとロドリゴのパス交換からDFヴルサリコのスライディングでのクリアボールに反応したヨビッチがボックス右でGKと一対一となるビッグチャンスを迎えるが、ここはうまく間合いを詰めたアトレティコ守護神に軍配が上がった。
今季2度目の首都決戦はアトレティコの1点リードで後半に突入。前半の戦いを見れば、何かアクションを起こす必要があるのはアウェイチームだったが、先に動いたのはホームチーム。シメオネ監督はコレアを下げてグリーズマンをハーフタイム明けにピッチへ送り込んだ。
戦い方に大きな変化はないものの、立ち上がりからボールを握ったレアルはヨビッチ、アセンシオと早い時間帯にフィニッシュのシーンを作り出し、後半はよりオープンな形で試合が推移していく。
60分付近にはレアルのカウンターから右サイドを突破したルーカス・バスケスの折り返しを、ペナルティアーク付近に走り込んだカゼミロが右足ダイレクトシュート。直後にはアトレティコのカウンターからボックス左でジョレンテからの丁寧な横パスを、ドフリーのカラスコが右足で狙うが、こちらは枠を捉え切れない。
この直後の61分には攻守に精彩を欠いたヨビッチ、疲労を考慮されたカゼミロがベンチに下がり、ヴィニシウスとバルベルデが同時投入される。この交代でカマヴィンガがアンカー、ロドリゴがセンターフォワードにポジションを変更。
だが、直後の63分にはポジションを変えたカマヴィンガのパスミスとスリップからアトレティコに決定的なカウンターを許し、グリーズマンにクーニャへのラストパスを通されるが、ここはGKルニンの好守で事なきを得た。
その後、レアルは68分にクロース、ミリトンを下げてモドリッチ、メンディを投入。主力を入れ替えて攻撃の活性化を図りつつ、きっちりプレータイムを調整する。一連の交代策で攻撃にリズムが生まれ始めると、70分には直前にも鋭いミドルシュートを放っていたバルベルデが2本目のシュートを枠に飛ばすが、これはGKオブラクの好守に阻まれる。
一方、ヘイニウドの筋肉系のトラブルによってフェリペのスクランブル投入を余儀なくされたアトレティコは、並びを[3-5-2]の形に変更。ウノセロでの逃げ切りを意識しつつ、前がかるアウェイチームに対して、得意のカウンターでトドメを刺しにいく。
すると、70分過ぎには狙い通りの形から続けてチャンスが訪れ、グリーズマンがボックス内で左足を振っていくが、出場13試合無得点のフランス代表のシュートは枠を捉え切れず。さらに、77分にはクーニャのラストパスに抜け出したカラスコが得意の形でボックス内に持ち込んでゴール左下隅を狙った右足のシュートを放つが、今度は左ポストを叩いた。
互いに決定機を決め切れずにダービーは最少得点差のまま後半最終盤に突入。すでに優勝を決めて失うものがないアウェイチームが、攻撃のギアを上げてホームチームのゴールに襲い掛かっていく。流れの中ではなかなか決定機まで持ち込めないが、88分にはボックス手前中央の好位置で得たFKの場面でキッカーのアセンシオが壁の下を抜く鋭いシュートを枠の右隅へ飛ばす。だが、このシュートはGKオブラクのビッグセーブに阻まれた。
そして、レアルの猛攻をチーム一丸となった守備で撥ね返し続けたアトレティコは、2016年2月以来、12戦ぶりのダービー勝利を飾り、昨季王者の意地を見せると共に5位のベティスとの勝ち点差を6ポイントに広げてトップ4フィニッシュに大きく近づいた。
一方、主力温存でリーグ連勝が「5」でストップしたレアルだが、後半の巻き返しによって新王者としての意地は少なからず見せることができた。
新旧王者が激突した今季2度目のマドリード・ダービー。
昨シーズンの王者であるアトレティコ(勝ち点61)は、新王者に20ポイント差を付けられる4位に低迷。前節はアスレティック・ビルバオに敵地で0-2の完敗を喫し、2戦未勝利のチームは前回対戦で敗れた新王者相手に3戦ぶりの白星を狙った。シメオネ監督はこの一戦に向け、先発5人を変更。レナン・ロージとエルモソに代えてサビッチ、ヘイニウド、エクトル・エレーラ、ルイス・スアレス、グリーズマンに代えてコケ、マテウス・クーニャ、アンヘル・コレアを起用した。
アンチェロッティ監督は120分の激闘から中3日の過密日程となった敵地でのダービーに向け、ナチョとミリトン、クロース、カゼミロを除く先発7人を変更。GKに控えのルニンを起用した他、ルーカス・バスケス、バジェホといった控え選手を抜擢。なお、マリアーノのウォームアップ中の負傷でヨビッチが急遽スタメンに入り、3トップは右からアセンシオ、ヨビッチ、ロドリゴという並びとなった。
今季優勝チームを初めて迎えるため、通常であれば、選手入場時にパシージョ(花道)を行うことが通例となっているが、ホームサポーターの心情、ライバル関係を考慮した結果、ロヒブランコスはパシージョ実施を拒否。立ち上がりからバチバチの展開となった。
多数の主力温存でチグハグなプレーが目立つレアルに対して、ホームのアトレティコが強度の高いプレーでペースを握りにかかる。
後方からのロングフィードを積極的に使い、セカンドを効果的に回収するアトレティコは開始4分にボックス右へ抜け出したコレアが枠の左に外れる際どいシュートを放つと、直後の8分にもカラスコが切れ味鋭いカットインでボックス左に侵入し、ニア下を狙った鋭いシュートを放ってゴールへ迫る。
ここ数試合の課題であるフィニッシュの精度に引き続き課題を残して早い時間帯の先制を逃したホームチームだが、以降も攻守両面で相手を上回って優勢にゲームを進めていく。
一方、守備ではカゼミロやミリトンを軸に最後のところで粘りを見せるレアルだが、攻撃面では両エース不在の影響も多分にあり、前線でなかなかボールが収まらず。全体を押し上げることができない上、アセンシオやロドリゴの単騎突破というシーンもほとんど作れない。
前半半ばから終盤にかけてもホームチーム優勢の状況が続く中、その流れ通りにゴールが生まれる。36分、アセンシオの中盤での不用意なバックパスをカットしたマルコス・ジョレンテのスルーパスに抜け出したクーニャがボックス内で2人のセンターバックと交錯。一度プレーは流されたが、オンフィールドレビューの結果、DFバジェホがクーニャの足を踏んだとの判定でPKが与えられる。これをキッカーのカラスコが冷静に右隅へ突き刺し、40分の先制点とした。
これで勢いづくアトレティコは前に出てきたレアルのサイドバックの背後を効果的に突きながら、ボックス内でのコンビプレーで2点目を狙う。対するレアルは好調ロドリゴの個人技に攻め手を見いだそうとする中、前半終了間際にはクロースの強烈なミドルシュートでホームチームのゴールを脅かすシーンを創出。
さらに、前半アディショナルタイムにはバイタルエリアでのアセンシオとロドリゴのパス交換からDFヴルサリコのスライディングでのクリアボールに反応したヨビッチがボックス右でGKと一対一となるビッグチャンスを迎えるが、ここはうまく間合いを詰めたアトレティコ守護神に軍配が上がった。
今季2度目の首都決戦はアトレティコの1点リードで後半に突入。前半の戦いを見れば、何かアクションを起こす必要があるのはアウェイチームだったが、先に動いたのはホームチーム。シメオネ監督はコレアを下げてグリーズマンをハーフタイム明けにピッチへ送り込んだ。
戦い方に大きな変化はないものの、立ち上がりからボールを握ったレアルはヨビッチ、アセンシオと早い時間帯にフィニッシュのシーンを作り出し、後半はよりオープンな形で試合が推移していく。
60分付近にはレアルのカウンターから右サイドを突破したルーカス・バスケスの折り返しを、ペナルティアーク付近に走り込んだカゼミロが右足ダイレクトシュート。直後にはアトレティコのカウンターからボックス左でジョレンテからの丁寧な横パスを、ドフリーのカラスコが右足で狙うが、こちらは枠を捉え切れない。
この直後の61分には攻守に精彩を欠いたヨビッチ、疲労を考慮されたカゼミロがベンチに下がり、ヴィニシウスとバルベルデが同時投入される。この交代でカマヴィンガがアンカー、ロドリゴがセンターフォワードにポジションを変更。
だが、直後の63分にはポジションを変えたカマヴィンガのパスミスとスリップからアトレティコに決定的なカウンターを許し、グリーズマンにクーニャへのラストパスを通されるが、ここはGKルニンの好守で事なきを得た。
その後、レアルは68分にクロース、ミリトンを下げてモドリッチ、メンディを投入。主力を入れ替えて攻撃の活性化を図りつつ、きっちりプレータイムを調整する。一連の交代策で攻撃にリズムが生まれ始めると、70分には直前にも鋭いミドルシュートを放っていたバルベルデが2本目のシュートを枠に飛ばすが、これはGKオブラクの好守に阻まれる。
一方、ヘイニウドの筋肉系のトラブルによってフェリペのスクランブル投入を余儀なくされたアトレティコは、並びを[3-5-2]の形に変更。ウノセロでの逃げ切りを意識しつつ、前がかるアウェイチームに対して、得意のカウンターでトドメを刺しにいく。
すると、70分過ぎには狙い通りの形から続けてチャンスが訪れ、グリーズマンがボックス内で左足を振っていくが、出場13試合無得点のフランス代表のシュートは枠を捉え切れず。さらに、77分にはクーニャのラストパスに抜け出したカラスコが得意の形でボックス内に持ち込んでゴール左下隅を狙った右足のシュートを放つが、今度は左ポストを叩いた。
互いに決定機を決め切れずにダービーは最少得点差のまま後半最終盤に突入。すでに優勝を決めて失うものがないアウェイチームが、攻撃のギアを上げてホームチームのゴールに襲い掛かっていく。流れの中ではなかなか決定機まで持ち込めないが、88分にはボックス手前中央の好位置で得たFKの場面でキッカーのアセンシオが壁の下を抜く鋭いシュートを枠の右隅へ飛ばす。だが、このシュートはGKオブラクのビッグセーブに阻まれた。
そして、レアルの猛攻をチーム一丸となった守備で撥ね返し続けたアトレティコは、2016年2月以来、12戦ぶりのダービー勝利を飾り、昨季王者の意地を見せると共に5位のベティスとの勝ち点差を6ポイントに広げてトップ4フィニッシュに大きく近づいた。
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ブラウグラナの未来。驚異的なデビューシーズンを飾った同僚ペドリはシーズン総括の“期待以上”の枠に回ってもらい、加入2年目の超万能型MFを選出。代表の恩師であるクーマン監督からの厚い信頼に応え、ピボーテ、インテリオール、センターバックと様々なタスクを完璧にこなし、シーズンを通して攻守両面で決定的な仕事を果たした。戦術眼、テクニック、アスリート能力と3拍子揃ったコンプリートMFとして、前目で使われれば果敢なゴール前への飛び出し、後ろ目で使われれば、安定した繋ぎ、局面を変える持ち出し、強度の高い守備とその貢献度は驚異的だった。 MF ルカ・モドリッチ(35歳/レアル・マドリー) 出場試合数:35(先発:32)/得点数:5 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 老いては益々壮んなるべし。中盤の名パートナーであるカゼミロとクロースの活躍も光ったが、そのトリボーテを代表してエルブランコの背番号10を選出。昨季終盤の鬼気迫るパフォーマンスを今季も継続した35歳は、最終ラインと前線に多くの離脱者に見舞われた今季のチームをベンゼマらと共に牽引。円熟味を増す抜群のゲームメイクに加え、中盤での泥臭い仕事、クラシコ初戦、最終節のビジャレアル戦で見せた貴重なゴールと試合の際を見極めたプレーを幾度も見せた。36歳で臨む新シーズンも大暴れを期待したい。 MF ヤニック・カラスコ(27歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:30(先発:25)/得点数:6 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 後半戦の攻撃の中心選手。サイドアタッカーではルーカス・バスケス(レアル・マドリー)やエメルソン(ベティス)、アクーニャ(セビージャ)らの活躍も見事だったが、優勝チームに敬意を評してベルギー代表MFを選出。今季は左右のサイドハーフに加え、左のウイングバック、2シャドーの一角と様々なポジションをこなし、M・ジョレンテと共にチームに多くのオプションをもたらした上、6ゴール10アシストと数字の面でも申し分ない結果を残した。とりわけ、シーズン終盤戦においてはアタッカー陣に離脱者が目立った中、9試合中8試合でゴールかアシストを記録。その突破力とラストプレーの精度は見事だった。 FW リオネル・メッシ(33歳/バルセロナ) 出場試合数:35(先発:33)/得点数:30 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 2年ぶりの30ゴールの大台到達で5年連続8度目のピチーチ獲得。シーズン開幕直後は退団問題、試行錯誤を繰り返したチームの影響もあってスロースタートも、昨年11月以降に本来のコンディションを取り戻すと、チームの布陣が定まった中盤戦から後半戦にかけては出場8試合連続ゴールを記録。ブスケッツ、ジョルディ・アルバとのホットラインに加え、ペドリやデ・ヨング、グリーズマンとの連携も深まり、終盤戦では様々なパターンからゴールを陥れた。 FW カリム・ベンゼマ(33歳/レアル・マドリー) 出場試合数:34(先発:33)/得点数:23 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> エルブランコの絶対的エースとして抜群の存在感を放った。アトレティコに優勝をもたらしたルイス・スアレスと天秤にかける形となったが、23ゴール9アシストという数字面の優位性に加え、メッシ同様にその替えの利かなさを鑑みて選出した。ヴィニシウス、アセンシオに少なからず成長が見られたものの、アザールの体たらくによってチャンスメイク、フィニッシュと膨大な仕事量をシーズン通してこなした。決定力、勝負強さだけでなく、今季はセルヒオ・ラモスらが度々不在の中でリーダーとしての仕事ぶりも光った。 FW ジェラール・モレノ(29歳/ビジャレアル) 出場試合数:33(先発:30)/得点数:23 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210601_100_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ラ・リーガ最高のスペイン人ストライカー。昨季、18ゴールを挙げてスペイン人最多得点者に与えられるサラ賞を初受賞したビジャレアルの絶対的エースは、昨季の数字を大幅に更新して2年連続のサラ賞を獲得した。エメリ新監督の下、右ウイング、センターフォワード、セカンドトップを主戦場に多士済々な相棒をうまく生かしつつ、その卓越した左足の精度、決定力を武器にゴールを量産。チャンスメイクの部分でも7アシストとリーグ屈指の万能型アタッカーの本領を発揮。なお、ジュゼッペ・ロッシに並ぶクラブ最多得点者(82点)となった29歳は、今夏のステップアップも噂される中で去就が注目されるところだ。 2021.06.02 19:01 Wed4
アトレティコの新FWはマテウス・クーニャに! 東京五輪で金メダリスト獲得に向け原則合意か?
アトレティコ・マドリーがヘルタ・ベルリンに所属するU-24ブラジル代表FWマテウス・クーニャ(22)の獲得に迫っているようだ。ドイツ『スカイ』が報じている。 アトレティコは今夏の移籍市場でウルグアイ代表FWルイス・スアレスのバックアップを担う新ストライカー獲得を優先事項としていた。ここまではセビージャ移籍が決定したU-24スペイン代表FWラファ・ミルを初め、インテルのアルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネス、フィオレンティーナのセルビア代表FWドゥシャン・ヴラホビッチらの獲得に動いていた。 しかし、ラウタロとヴラホビッチに関しては所属クラブの徹底抗戦に遭っており交渉が難航していた。 そういった中、同じく以前から獲得候補に挙がっていた東京オリンピックの金メダリストの獲得に本腰を入れ始め、アトレティコとヘルタは3000万ユーロ(約38億6000万円)+ボーナスという条件で原則合意に至ったようだ。 なお、クーニャに対してはエバートンも獲得に動いていた模様だが、選手自身がアトレティコ行きを望んでいるという。 『スカイ』によれば、クーニャは今週ミッドウィークにマドリードに渡り、メディカルチェックを受診した後に、アトレティコとの契約にサインする見込みだ。 母国コリチーバの下部組織出身のクーニャは2017年にスイスのシオンでヨーロッパでのキャリアをスタート。その後、2018年にRBライプツィヒに完全移籍したが、在籍1年半でブンデスリーガ35試合2ゴールと思うような結果を残せず。2020年1月にヘルタに活躍の場を移していた。 そのヘルタでは昨シーズンの公式戦28試合に出場し、8ゴール7アシストを記録。また、先の東京五輪では5試合に出場し3ゴールを挙げる活躍を見せ、ブラジルの大会連覇に大きく貢献していた。 184cmという恵まれた体躯の割に相手を背負うポストプレーに課題を残すものの、ウイングでもプレー可能なスピードと突破力、オフ・ザ・ボールの動き出しにも優れる万能型のストライカー。また、依然として決定力には伸びしろを残すが、強烈なミドルシュートなど多彩なフィニッシュにも定評がある。 現在、2トップや1トップ2シャドーをメインとするアトレティコにとっては理想的なプレースタイルの持ち主と言えそうだ。 2021.08.23 23:12 Mon5
