【ラ・リーガ第34節プレビュー】2季ぶり優勝懸かるレアル・マドリーはエスパニョール戦! 久保は古巣バルサ戦
2022.04.29 19:00 Fri
先週末に行われた第33節ではグラナダ相手に取りこぼしたアトレティコ・マドリーを除き、上位3チームが順当に勝ち点3を積み重ねた。ただ、ミッドウィークに行われた延期分でバルセロナが敗れたことにより、首位のレアル・マドリーは引き分け以上で今節での優勝を決められることになった。
第34節の注目試合は2シーズンぶり35度目のプリメーラ制覇に王手をかけたレアル・マドリー(勝ち点78)と、13位のエスパニョール(勝ち点39)の一戦だ。
レアル・マドリーは前節、オサスナを相手にFWベンゼマの2度のPK失敗、DFアラバの負傷交代と幾つかのアクシデントに見舞われながらも、FWアセンシオとMFルーカス・バスケスのゴールで相手を突き放し、3-1の勝利。リーグ4連勝を達成した。
しかし、ミッドウィークに行われたチャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグでは敵地でマンチェスター・シティ相手に3-4で敗戦。内容面では完全に相手に圧倒され、更なる失点を喫してもおかしくない厳しい試合となったが、ベンゼマの2ゴール、FWヴィニシウスの1ゴールと両エースの驚異的な決定力によって最少得点差での敗戦でベルナベウでの2ndレグに望みを繋いだ。
チームとしてはその大一番を前にホームでリーグ優勝を決めたいところだが、シティ戦で前半のみの出場となったアラバを始め多くの選手が激しい消耗を強いられており、来週水曜日に控えるリターンレグを万全の状態で戦うためには大幅なターンオーバーが見込まれる。優勝を決めるピッチにベンゼマやMFモドリッチら主力がいないのは非常に残念だが、アンチェロッティ監督はアセンシオやMFカマヴィンガ、FWベイル、MFイスコといったメンバーを代役として起用する可能性は高そうだ。ただ、対戦相手のエスパニョールは前回対戦で1-2と敗れた相手だけに控え選手たちの奮起でリベンジを果たしたい。
先週末に敵地で行われたレアル・ソシエダとの上位対決は泥臭く勝ち切ったものの、延期分のラージョ戦では公式戦連敗中のカンプ・ノウで前半序盤に喫した失点を最後まで取り返すことができず、対戦相手に史上初のシーズンダブルを献上すると共に、クラブワーストタイのカンプ・ノウでの公式戦3連敗となった。
MFペドリの離脱によってアタッキングサードでのアイデアを欠き、今冬加入のアタッカー陣のパフォーマンスにも翳りが見え、ここ数試合はFWデンベレの個人技に著しく依存。さらに、多くの選手が軽傷を抱える最終ラインも攻守に精彩を欠いている印象だ。短い時間で多くの課題を修正するのは困難だが、カンプ・ノウでこれ以上の失態は許されない。
一方、マジョルカは前節アラベスとの残留争い直接対決を2-1の勝利で飾り、残留圏内に再浮上。ただ、同試合で新体制初スタメンを飾った久保は右サイドハーフでプレーしたものの、チームスタイルの影響もあってなかなか存在感を示せず。アギーレ監督からも試合後に継続性の欠如を指摘され、ポジション固めへのアピールとはいかなかった。そのため、守備的に戦うであろう古巣対戦のアウェイゲームではベンチスタートの可能性が高いか。ただ、攻撃面の能力は買われており、ビハインドを背負った際にはチャンスを与えられるはずだ。
熾烈なCL出場権争いでは3位のセビージャ(勝ち点63)が残留圏内ギリギリにいる17位のカディス(勝ち点31)、4位のアトレティコ(勝ち点61)が8位のアスレティック・ビルバオ(勝ち点48)とタフな相手と対戦する。
バルセロナの取りこぼしによって2位フィニッシュのチャンスもあるセビージャは、カディス相手に連勝を狙う。前節は3-2で勝利したものの、残留争いに身を置くレバンテ相手にかなり苦しい戦いとなっただけに気を引き締めて臨みたい。相手はここまで29得点と深刻な得点不足に陥っているだけに前半の内に先制し、心を折りたい。
前節はグラナダ相手に攻撃が停滞し、0-0のドローと痛恨の取りこぼしとなったアトレティコ。対戦相手のアスレティックは前回対戦で0-0のドローに終わったように堅守を売りとするチームだけに、FWフェリックスを欠く中でFWグリーズマンやFWルイス・スアレスらベテランプレーヤーにアタッキングサードでのアイデア、精度を求めたい。
その2チームを追う5位のベティス(勝ち点57)と、6位のレアル・ソシエダ(勝ち点55)は、15位のヘタフェ(勝ち点35)と、11位のラージョ(勝ち点40)とほぼ残留を決めているマドリード勢と対戦する。
コパ・デル・レイ制覇にMFホアキンの現役続行宣言と幸せに溢れるベティスは、その勢いに乗って残留確定に勝ち点を積み上げたいヘタフェ相手に勝ち切れるか。ソシエダはバルセロナを破ったラージョとの対戦となるが、日程面のアドバンテージを生かしながら決定力不足という明確な課題をサスペンション明けのMFダビド・シルバの復帰を追い風に解決したい。
その他ではCL準決勝1stレグでリバプールに0-2のスコア以上の完敗を喫した7位のビジャレアル(勝ち点52)のパフォーマンスに注目。ホームでのリターンレグに向け、大幅なターンオーバーが見込まれるが、最下位のアラベス(勝ち点25)を相手にリーグ3連勝を飾り、良い形で逆転を期す運命の第2戦に臨めるか。
《ラ・リーガ第34節》
▽4/29(金)
《28:00》
セビージャ vs カディス
▽4/30(土)
《21:00》
アラベス vs ビジャレアル
《23:15》
レアル・マドリー vs エスパニョール
《25:30》
バレンシア vs レバンテ
《28:00》
アスレティック・ビルバオ vs アトレティコ・マドリー
▽5/1(日)
《21:00》
エルチェ vs オサスナ
《23:15》
グラナダ vs セルタ
《25:30》
ラージョ vs レアル・ソシエダ
《28:00》
バルセロナ vs マジョルカ
▽5/2(月)
《28:00》
ヘタフェ vs ベティス
第34節の注目試合は2シーズンぶり35度目のプリメーラ制覇に王手をかけたレアル・マドリー(勝ち点78)と、13位のエスパニョール(勝ち点39)の一戦だ。
レアル・マドリーは前節、オサスナを相手にFWベンゼマの2度のPK失敗、DFアラバの負傷交代と幾つかのアクシデントに見舞われながらも、FWアセンシオとMFルーカス・バスケスのゴールで相手を突き放し、3-1の勝利。リーグ4連勝を達成した。
チームとしてはその大一番を前にホームでリーグ優勝を決めたいところだが、シティ戦で前半のみの出場となったアラバを始め多くの選手が激しい消耗を強いられており、来週水曜日に控えるリターンレグを万全の状態で戦うためには大幅なターンオーバーが見込まれる。優勝を決めるピッチにベンゼマやMFモドリッチら主力がいないのは非常に残念だが、アンチェロッティ監督はアセンシオやMFカマヴィンガ、FWベイル、MFイスコといったメンバーを代役として起用する可能性は高そうだ。ただ、対戦相手のエスパニョールは前回対戦で1-2と敗れた相手だけに控え選手たちの奮起でリベンジを果たしたい。
自分たちの失態によって宿敵に今節での優勝のチャンスを与えた2位のバルセロナ(勝ち点63)は、MF久保建英を擁する16位のマジョルカ(勝ち点32)を相手にバウンスバックの白星を目指す。
先週末に敵地で行われたレアル・ソシエダとの上位対決は泥臭く勝ち切ったものの、延期分のラージョ戦では公式戦連敗中のカンプ・ノウで前半序盤に喫した失点を最後まで取り返すことができず、対戦相手に史上初のシーズンダブルを献上すると共に、クラブワーストタイのカンプ・ノウでの公式戦3連敗となった。
MFペドリの離脱によってアタッキングサードでのアイデアを欠き、今冬加入のアタッカー陣のパフォーマンスにも翳りが見え、ここ数試合はFWデンベレの個人技に著しく依存。さらに、多くの選手が軽傷を抱える最終ラインも攻守に精彩を欠いている印象だ。短い時間で多くの課題を修正するのは困難だが、カンプ・ノウでこれ以上の失態は許されない。
一方、マジョルカは前節アラベスとの残留争い直接対決を2-1の勝利で飾り、残留圏内に再浮上。ただ、同試合で新体制初スタメンを飾った久保は右サイドハーフでプレーしたものの、チームスタイルの影響もあってなかなか存在感を示せず。アギーレ監督からも試合後に継続性の欠如を指摘され、ポジション固めへのアピールとはいかなかった。そのため、守備的に戦うであろう古巣対戦のアウェイゲームではベンチスタートの可能性が高いか。ただ、攻撃面の能力は買われており、ビハインドを背負った際にはチャンスを与えられるはずだ。
熾烈なCL出場権争いでは3位のセビージャ(勝ち点63)が残留圏内ギリギリにいる17位のカディス(勝ち点31)、4位のアトレティコ(勝ち点61)が8位のアスレティック・ビルバオ(勝ち点48)とタフな相手と対戦する。
バルセロナの取りこぼしによって2位フィニッシュのチャンスもあるセビージャは、カディス相手に連勝を狙う。前節は3-2で勝利したものの、残留争いに身を置くレバンテ相手にかなり苦しい戦いとなっただけに気を引き締めて臨みたい。相手はここまで29得点と深刻な得点不足に陥っているだけに前半の内に先制し、心を折りたい。
前節はグラナダ相手に攻撃が停滞し、0-0のドローと痛恨の取りこぼしとなったアトレティコ。対戦相手のアスレティックは前回対戦で0-0のドローに終わったように堅守を売りとするチームだけに、FWフェリックスを欠く中でFWグリーズマンやFWルイス・スアレスらベテランプレーヤーにアタッキングサードでのアイデア、精度を求めたい。
その2チームを追う5位のベティス(勝ち点57)と、6位のレアル・ソシエダ(勝ち点55)は、15位のヘタフェ(勝ち点35)と、11位のラージョ(勝ち点40)とほぼ残留を決めているマドリード勢と対戦する。
コパ・デル・レイ制覇にMFホアキンの現役続行宣言と幸せに溢れるベティスは、その勢いに乗って残留確定に勝ち点を積み上げたいヘタフェ相手に勝ち切れるか。ソシエダはバルセロナを破ったラージョとの対戦となるが、日程面のアドバンテージを生かしながら決定力不足という明確な課題をサスペンション明けのMFダビド・シルバの復帰を追い風に解決したい。
その他ではCL準決勝1stレグでリバプールに0-2のスコア以上の完敗を喫した7位のビジャレアル(勝ち点52)のパフォーマンスに注目。ホームでのリターンレグに向け、大幅なターンオーバーが見込まれるが、最下位のアラベス(勝ち点25)を相手にリーグ3連勝を飾り、良い形で逆転を期す運命の第2戦に臨めるか。
《ラ・リーガ第34節》
▽4/29(金)
《28:00》
セビージャ vs カディス
▽4/30(土)
《21:00》
アラベス vs ビジャレアル
《23:15》
レアル・マドリー vs エスパニョール
《25:30》
バレンシア vs レバンテ
《28:00》
アスレティック・ビルバオ vs アトレティコ・マドリー
▽5/1(日)
《21:00》
エルチェ vs オサスナ
《23:15》
グラナダ vs セルタ
《25:30》
ラージョ vs レアル・ソシエダ
《28:00》
バルセロナ vs マジョルカ
▽5/2(月)
《28:00》
ヘタフェ vs ベティス
バルセロナの関連記事
ラ・リーガの関連記事
|
|
バルセロナの人気記事ランキング
1
バルセロナの至宝ガビに衝撃の事実「彼は靴紐の結び方をよく知らない」
バルセロナのスペイン代表MFガビの秘密が1つ明らかになった。イギリス『SPORT BIBLE』が伝えている。 今季17歳という若さでファーストチームデビューを果たしたカンテラの至宝ガビ。10月にはスペイン代表デビューし、85年ぶりに最年少出場記録を塗り替えた。 ここまで公式戦に17試合に出場しているが、チャビ・エルナンデス新監督就任以降の6試合でもスタメン起用されており、新体制でもその存在感を遺憾なく発揮している。 その実力もさることながら、別の注目を浴びていたのがガビのスパイクの靴紐だ。 ガビは試合中に靴紐が解けた状態でプレーすることがよくあり、一種の迷信的な行いなのではないかとも噂されていたが、スペイン人記者のマルク・マルバ・プラッツ氏によると、その理由は単純なものだった。 「ガビは幼い頃から靴紐をほどいたままプレーしている。それは、靴紐の結び方をよく知らないからだ。彼は気にしていないし、それでプレーしている」 最近では、同僚のU-19スペイン代表MFニコ・ゴンサレスが、自身のインスタグラムで「学ぶ時間…」というコメントを添えて、ガビの靴紐を結んであげている写真を掲載しており、ガビの靴紐の秘密に関しては、チームメイトにも知れ渡っているようだ。 <span class="paragraph-title">【写真】スパイクのひもが解けまくるガビ</span> <span data-other-div="movie"></span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/gavi1.jpg" style="max-width:100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/gavi2.jpg" style="max-width:100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/gavi3.jpg" style="max-width:100%;"></div> 2021.12.21 21:15 Tue2
浦和がバルサ、リバプールと並ぶ!! 『世界の熱狂的なサポーター5選』に浦和サポーターが選出!
▽世界各国のフットボールシーンにおいて、熱狂的なサポーターを抱えることで知られるクラブがいくつかある。日本を代表する熱狂的なサポーターと言えば、浦和レッズサポーターだが、『Fox Sports』が選ぶ『世界の熱狂的なサポーター5選』に見事選ばれた。 ▽浦和が選ばれた『世界の熱狂的なサポーター5選』には、リーベル・プレート(アルゼンチン)、ガラタサライ(トルコ)、リバプール(イングランド)、バルセロナ(スペイン)が入っており、浦和サポーターは世界でも“熱狂的”なファンで知られるクラブと肩を並べることとなった。 ▽浦和については「Jリーグの20シーズン中、14シーズンで最高の平均入場者数を誇り、サポーターが作る最高のコレオグラフィーがある」と紹介。「次東京に行く際は、埼玉スタジアムでの試合を観て欲しい」と、観戦を勧めている。以下、4クラブのサポーターの特徴を紹介。 ◆リーベル・プレート(アルゼンチン) ▽リーベル・プレートは、アルゼンチンで最もサポーターが多いクラブの1つで、ボカ・ジュニアーズとの激しいライバル関係は有名だ。ロス・ミジョナリオス(億万長者)の愛称でも知られ、ボカ・ジュニアーズとのダービーは、死人が出るほどの激しい試合になるとも言われている。 ◆ガラタサライ(トルコ) ▽ガラタサライは、ファンの大声援が地響きを起こすとも称されるほど。悪名高い「Wellcome to Hell(地獄へようこそ)」というバナーは広く知られている。1993年のマンチェスター・ユナイテッド戦、2001年のパリ・サンジェルマン戦ではサポーターが衝突し、まさに“地獄”となってしまった。 ◆リバプール(イングランド) ▽サポーターを「12人目の男」と考えるリバプール。「You'll Never Walk Alone」の大合唱は有名であり、スタジアムが素晴らしい雰囲気で包まれる。2005年のチャンピオンズリーグ決勝のミラン戦では、ビハインドで迎える後半にサポーターの大声援が選手の背中を後押しし、逆転での優勝に繋がったとも。 ◆バルセロナ(スペイン) ▽かつては「ソシオ」がチームを支えるほど、サポーターとの関係が重要視されているバルセロナ。近年、胸スポンサーを入れるようになったが、それまではサポーターの会員費と入場料収入でクラブは運営されていた。かつて、レアル・マドリーへ禁断の移籍をしたルイス・フィーゴが凱旋した時には、豚の頭が投げ込まれるほど熱狂的だ。 2017.10.12 22:45 Thu3
メッシとC・ロナウドは似ているのか、バルセロナとレアル・マドリーからの退団の類似点と相違点
世界中で大きな話題となっているアルゼンチン代表FWリオネル・メッシのバルセロナ退団問題。様々な報道がなされ、新天地の候補もいくつか噂されている。 メッシがバルセロナを去ることになる要因についても様々なものが挙げられているものの、やはり1つのクラブで長年プレーした選手、しかも世界最高峰の選手が退団を望むということは、サッカー界にとっては事件のようなものだ。 <div id="cws_ad">◆メッシ、バルサとアルゼンチンで積み上げた700のゴール!<br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiJpdXJXdEtuTyIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> しかし、過去にもスター選手が、引退以外の形でチームを去って行くことは多くあったが、世界最高峰の選手ともなればそう多くはない。最も記憶にあるのは、やはりポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが挙げられるだろう。 世界最高の評価を分け合う2人のスターの退団に関して、類似点と相違点を改めて比較してみたいと思う。 <span class="paragraph-title">◆退団時の年齢</span> C・ロナウドとメッシの年の差は2歳。C・ロナウドはマンチェスター・ユナイテッドから2009年7月にレアル・マドリーへ加入。エースとしてチームを長年牽引すると、2018年7月にユベントスへと移籍。9年間の在籍でチームを去ったが、当時の年齢は「33歳」だった。 メッシは、2000年7月にニューウェルズ・オールドボーイズからバルセロナのカンテラに入団。2005年7月にファーストチームへ正式に昇格し、スター選手とプレーをしながら、自身がエースへと成長していった。今夏バルセロナを退団するとなれば、メッシも「33歳」。奇しくも、長年のライバルであったC・ロナウドと同じ年齢で、長年活躍したチームを去ることとなる。 <span class="paragraph-title">◆クラブ会長との関係</span> 類似点という意味では、選手と会長の関係も似ている部分がある。 C・ロナウドは、マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長との関係に問題があり、退団時にはサラリーアップの約束が果たされていないと主張していた。当時、マドリーはC・ロナウドとの契約延長を画策していたが、自身の扱いに不満を覚え、結果的にユベントスへ売却する事となった。 一方のメッシも、クラブとの関係は何年にもわたって冷え切っている。今夏にも契約延長交渉を行うとされていたが、一転して交渉がストップ。コーチングスタッフとの確執や、言われもない責任を問われたほか、バルトメウ会長が掲げているクラブのプロジェクトにもうんざりしているとされてきた。 また、新たに就任したロナルド・クーマン監督が相棒でもあったウルグアイ代表FWルイス・スアレスに対して電話で構想外を伝えたことが決定打となったともされ、クラブの進む方向性に大きな疑念を抱いた結果が、今回の退団希望につながったようだ。 互いに会長との関係がこじれた結果、退団を希望するという状況に。その点では似ていると言えるだろう。 一方で相違点もいくつかある。 <span class="paragraph-title">◆クラブにおける存在</span> C・ロナウドとメッシの大きな違いは、クラブにおける存在価値だろう。互いに世界最高峰の選手であることは疑いの余地はないが、かたや移籍で加入した選手、かたや下部組織から育った選手だ。 前述の通り、マンチェスター・ユナイテッドから加入したC・ロナウドは公式戦438試合で450ゴール133アシストを記録。ラ・リーガ2回、チャンピオンズリーグ4回など、16のタイトルをもたらせた。 一方のメッシは現時点で20年在籍。731試合で634ゴール285アシストを記録し、ラ・リーガ10回、チャンピオンズリーグ4回など、34のタイトルをもたらせている。 タイトルの差、クラブで残した数字にも差はあるが、メッシの存在はサッカーを超えたものになっていると言える。バルセロナの人々にとっての存在の大きさは、マドリッドの人々にとってのC・ロナウドとは比較にならないだろう。 <span class="paragraph-title">◆移籍金</span> また、両者の移籍金についても差が生まれることになる。C・ロナウドは3年契約で10億ユーロの契約解除条項があったものの、最終的には1億1200万ユーロ(約140億5000万円)の移籍金でユベントスへと移籍。クラブ側がC・ロナウドの希望に沿った形となった。 一方で、メッシはクラブを自分の意思で退団できるリリース条項があったものの、クラブ側は6月10日でその期限が切れていると主張。本来であればフリーで他クラブへ移籍できたところが、この条項が適用されなければ7億ユーロ(約878億円)の契約解除金がかかる可能性も。途方も無い金額だけに、移籍金がかかるのであれば、実質メッシの移籍は不可能と考えるべきだろう。 <span class="paragraph-title">◆監督との関係</span> また、監督との関係も異なる。C・ロナウドが退団したタイミングで指揮を執っていたのはジネディーヌ・ジダン監督だ。ジダン監督はC・ロナウドを信頼しており、チームの中でも当然のことながら中心に置いて考えていた。 一方で、キケ・セティエン監督との関係もあまり良くなかったメッシだが、新たに就任したロナルド・クーマン監督はよりその間に溝を生むことに。「チームを優先する」という明確な意図を示したクーマン監督だが、メッシが気にしたのはスアレスへの扱い。自身のことよりも、チームメイトへの扱いを大きく気にしているとも言われ、今回の決断をしたとみられている。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2020.08.26 21:15 Wed4
