【CLプレビュー】盤石レッズが逃げ切るか、イタリア王者の要塞攻略か《リバプールvsインテル》

2022.03.08 17:00 Tue
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16の2ndレグ、リバプールvsインテルが、日本時間8日29:00にアンフィールドでキックオフされる。逆転突破を期すイタリア王者が、難攻不落の要塞に乗り込むベスト8進出を懸けた名門対決第2ラウンドだ。
PR
先月16日にジュゼッペ・メアッツァで行われた1stレグでは、世界最高クラスのトランジションゲームが繰り広げられた。ホームチーム優勢の時間帯が長く続いたものの、FWフィルミノ、FWサラーが後半半ば過ぎの75分、83分にいずれもセットプレーの流れで奪った2ゴールによってリバプールが敵地で2-0の先勝を飾った。
勇猛果敢なインテルは少なくともドローに値する圧巻のパフォーマンスを見せたが、リバプールの堅守、勝負強さ、選手層の厚さとスカッドとしての総合力の高さが勝敗を分けた印象だ。それでも、今シーズンからアウェイゴール・ルールが撤廃されたことにより、インテルにも逆転のチャンスは十分にあるはずだ。

敵地で苦しみながらも望外の2-0という結果を持ち帰ったリバプールは、以降に行われた公式戦5試合に全勝。PK戦の末に勝ち切ったEFLカップ決勝のチェルシー戦、1-0で競り勝った直近のウェストハム戦と難しい試合もあったものの、1stレグ同様の勝負強さを発揮し、公式戦連勝を「12」まで伸ばしている。

負傷者の復帰や新戦力の躍動もあり、過密日程においてうまくローテーションを行っており、今回の大一番に向けても万全の状態で臨めるはずだ。
一方、アタッキングサードでの精度には課題も、見事な奮闘を見せたインテルは、難攻不落のアンフィールド攻略に挑む。1stレグ敗戦後は格下サッスオーロにホームで敗れて今季初の公式戦連敗を喫すると、格下ジェノア戦、コッパ・イタリア準決勝1stレグのミラノ・ダービーをいずれもゴールレスドロー。4試合連続無得点を含む公式戦5試合未勝利と、インザーギ新体制で最も困難な時期を経験した。

それでも、直近のサレルニターナ戦では悩めるエースFWラウタロ・マルティネスのトリプレッタに、FWジェコのドッピエッタと、攻撃陣がこれまでの鬱憤を晴らす大量5ゴールを奪い、6戦ぶりの白星を手にした。依然として逆転突破は困難と言わざるを得ないが、少なくとも良い精神状態で敵地へ乗り込めるはずだ。

◆リバプール◆
【4-3-3】
▽リバプール予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:アリソン
DF:アレクサンダー=アーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン
MF:ヘンダーソン、ファビーニョ、ナビ・ケイタ
FW:サラー、マネ、ルイス・ディアス

負傷者:なし
コロナ陽性者:なし
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはフィルミノ、チアゴに加え、体調不良で直前のウェストハム戦を欠場していたマティプが前々日からトレーニングに復帰したことで、主力全選手が少なくともメンバー入り可能な状態だ。その一方で、コナテが屋外での前日練習を回避しており、コンディションに若干の不安を残す。

スタメンに関しては1stレグの後半途中から機能したメンバーを軸に、前述の11人を予想。コナテの起用が難しい場合はマティプが代役を担い、前線に関してはマネか、ルイス・ディアスを外してジョタを起用する可能性もある。

◆インテル◆
【3-5-2】
▽インテル予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ハンダノビッチ
DF:シュクリニアル、デ・フライ、バストーニ
MF:ダンフリース、ビダル、ブロゾビッチ、チャルハノール、ペリシッチ
FW:ジェコ、ラウタロ・マルティネス

負傷者:なし
コロナ陽性者:なし
出場停止者:MFバレッラ(2/2)

レアル・マドリーとのグループ最終節で退場のバレッラが引き続き欠場となる。一方、負傷者に関してはゴセンス、ホアキン・コレアの戦列復帰によって全選手が起用可能だ。

スタメンに関しては善戦した1stレグと同じメンバーが起用される見込み。また、ゴセンス、ホアキン・コレアの復帰に伴い、試合途中の[3-4-2-1]や、より攻撃的な4バックへの変更など、逆転突破に向けた攻撃的な布陣変更が可能となる。

★注目選手
◆リバプール:FWルイス・ディアス
Getty Images

加入から1カ月で早くも信頼掴む大器。今冬の移籍市場最終盤に総額6000万ユーロと言われる移籍金で、ポルトから加入したコロンビア代表FW。加入当初は高額な移籍金、CLでの直接対決でのパフォーマンスもあり、一部で懐疑的な目も向けられていたが、ここまでの1カ月で当初のネガティブな反応を完全に払しょくして見せた。

最大の特長であるスプリント能力やドリブルテクニックは、ある程度通用すると思われていたが、周囲とのコンビネーションや世界屈指のインテンシティを誇るクロップのチームスタイルへの適応には、ある程度時間を要すると考えられていた。しかし、セルジオ・コンセイソンの下で攻守両面でのハードワークを植え付けられていた左ウイングは、リバプールのトランジションの速さに順応。加えて、個人技に走らず、的確に味方を使う利他的なプレーは好印象だ。

ここまで公式戦8試合で1ゴールと数字上のインパクトはもう一つだが、途中出場で流れを変えたインテル戦、EFLカップ決勝ではマン・オブ・ザ・マッチ級のインパクトと、早くもマネやフィルミノ、ジョタに比肩する貢献度の高さを見せている。先発起用も期待される今回の2ndレグでは、チームプレーヤーとしてのタスクをこなすと共に、直近のハマーズ戦でKOPを沸かせた驚異的なドリブル突破など、カウンターシチュエーションでの決定的な仕事を期待したい。

◆インテル:FWエディン・ジェコ
Getty Images

慣れ親しんだイングランドの地で主砲の役目果たせるか。昨シーズンまでのエースFWルカクのチェルシー移籍に伴い、昨夏ローマからインテルに加入した35歳のベテランストライカーは、今季ここまで37試合16ゴール8アシストと期待以上の数字を残している。

圧倒的なフィジカルを武器に個での局面打開、カウンターの担い手としても存在感を放った前エースのような仕事はできないが、円熟味のポストワーク、組み立てへの貢献と異なる特徴で周囲を生かしている。

善戦した前回対戦では立ち位置の妙、戦術眼を生かしたファーストディフェンス、攻撃的なウイングバックの攻撃参加を促すポストワークとチャンスメークの部分ではきっちり存在感を放った。その一方で、フィニッシュの局面では世界最高峰のDFファン・ダイクに気圧されたか、やや消極的な選択が目立っていた。

逆転突破を目指す敵地での一戦では、相棒ラウタロと共にゴールという結果が求められるだけに、前回対戦の反省を踏まえて更なる奮起を期待したい。

ちなみに、ジェコはマンチェスター・シティ、ローマ時代を合わせてリバプールと通算14度対戦し、5ゴールを記録。そして、その内の4ゴールは今回の試合会場アンフィールドで挙げたもの。さらに、同スタジアムでは直近の対戦で2試合連発中だ。

PR
関連ニュース

スロット監督がリバプールの監督就任を認める…フェイエノールトもラストマッチと発表

フェイエノールトは17日、アルネ・スロット監督(45)の退任を発表した。クラブ公式サイトが伝えた。 スロット監督は2021年7月にフェイエノールトの監督に就任。2年目の2022-23シーズンは見事にエールディビジ優勝に導くと、今シーズンはリーグ優勝こそPSVに譲ったが、KNVBベーカーで優勝を果たしていた。 そのスロット監督は、シーズンが終了する前からユルゲン・クロップ監督が退任するリバプールの後任監督として浮上。最有力候補とされてきた中、本人が記者会見で認め、クラブも最終節のエクセルシオール戦がラストマッチになることを認めた。 「来シーズン、リバプールで監督に就任することを確認できる」 「これまでは、これが最後の試合に向けての積み上げであるとは考えていなかったが、今はそう考え始めている。週の初めにはトレーニングやそのようなことについて考えることになる」 「でも、今はその気持ちが強くなっている。だから、(記者会見に)少し遅れたんだ。何人かの人たちに、ただ握手する以上に、個人的に別れを告げて、彼らのために時間を取りたかったからだ」 「良い結果が役に立つことは理解しているが、人々が私が去るのは本当に残念だと思っていると感じるのはとても嬉しいことだ」 両クラブからの公式発表はまだない状況。互いにラストマッチを迎える監督を送り出してからの正式発表になると見られている。 <span class="paragraph-title">【動画】フェイエノールトがスロット監督との別れを発表…</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="en" dir="ltr"><a href="https://t.co/iIvj8pJzUo">pic.twitter.com/iIvj8pJzUo</a></p>&mdash; Feyenoord Rotterdam (@Feyenoord) <a href="https://twitter.com/Feyenoord/status/1791457718642831841?ref_src=twsrc%5Etfw">May 17, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.05.18 11:27 Sat

「私は反対票を投じる」プレミアで浮上したVAR不要論、被害者の1人であるクロップ監督が語った理由は?

リバプールのユルゲン・クロップ監督が、プレミアリーグで投票が行われるVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)について持論を語った。イギリス『BBC』が伝えた。 今シーズン限りでリバプールの監督を退任するクロップ監督。リバプールを指揮する試合は、残り1試合となった。 プレミアリーグやチャンピオンズリーグ(CL)などでタイトルを獲得。今シーズンはEFLカップ(カラバオカップ)を制し、プレミアリーグも終盤まで優勝争いを繰り広げていた。 黄金期を作り出したクロップ監督もあと1試合で別れ。そんな中、プレミアリーグは来シーズンからのVARの適用に関してクラブ投票を行うこととなった。 6月6日に行われる年次総会で各クラブが投票。廃止するのかどうかを投票するという。 VARは2019年にプレミアリーグで導入。しかし、VARにあってはならない誤審が頻発しており、その数は他のリーグをはるかに超えている。 リバプールも重大な被害を受けたクラブの1つ。昨年9月のトッテナム戦ではルイス・ディアスのゴールが取り消されたが、オフサイドの適用ミスは明らかな人的ミス。その他の事象でも、テクノロジーの問題ではなく、取り扱う審判団に多くの問題があった。 クロップ監督はこのVARに対して持論を展開。VARそのものには反対はしないが、今のプレミアリーグのやり方に反対すると見解を述べた。 「クラブはVARに対して投票しているとは思わない。私はVARがどう使われるかということに投票していると思う。なぜなら、それは明らかに正しくないからだ」 「彼らの今のやり方ならば、私は反対票を投じる。彼らは適切に使用することができていないからだ」 見逃したジャッジをビデオで振り返ることができるVAR。誤審は確かに減っていると思われるが、一方であり得ないミスの多さに各クラブは怒りを持っている。あくまでも扱うのは人間であり、最終ジャッジは主審となるだけに、テクノロジーを問題視するのか、審判団を問題視するのかで投票は変わりそうだ。 <span class="paragraph-title">【動画】あり得ない大誤審…審判の連携ミスが生んだゴール取り消し</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="8qmCqWw9xCE";var video_start = 188;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.05.17 21:45 Fri

チアゴが契約満了でリバプール退団…ケガに苦しんだ4シーズンもクロップ監督は賛辞「彼は最も美しい絵だけを描くゲームのアーティスト」

リバプールは17日、元スペイン代表MFチアゴ・アルカンタラ(33)の退団を発表した。 バルセロナのアカデミー出身のチアゴは、2011年7月にファーストチームに昇格。2013年7月にバイエルンへと完全移籍。2020年9月にリバプールに加入した。 リバプールでは4シーズンを過ごしたがほとんどの期間で負傷離脱している状況に。今シーズンもわずか1試合、5分間の出場に終わってしまった。 4シーズンで公式戦98試合で3ゴール6アシスト。リバプールではFAカップとコミュニティシールドのタイトルを獲得した。 チアゴの退団について、ユルゲン・クロップ監督がコメントしている。 「彼がリバプールに来る前から、サッカーが本当に好きなら、チアゴ・アルカンタラのプレーを観てみることは大いに意味があると信じていた」 「技術的にはとても優れている。世界中のどのチームでもプレーできる才能があり、彼を我々と一緒に迎えることができたのは光栄だった」 「私は彼がここに来る前からサッカー選手として彼について多くのことを知っていた。彼がバルセロナやバイエルンで何をしたか、どうしてあなたには分からないか? 彼が我々と一緒に新たな挑戦をすることを決めたとき、私はこれ以上嬉しいことはなかった」 「その時点から、私は彼を間近で見ることができ、『凄い』としか言えない。最も重要なのは、彼が新しい物語の一部であり、彼の特別な資質のおかげでチームとしての発展を助けてくれたことだ」 「ケガが彼にとっても我々にとってもフラストレーションだったことは知っているが、出場可能になったときの彼がプレーできたレベルは信じられないほどだった。これは私が覚えていることだ」 「これから彼は家族とともに新たな方向に進むことになるだろう。我々は彼らの幸運を祈るばかりだ。彼が次にどこでプレーするにせよ、私は喜んで見守るつもりだ。最も美しい絵だけを描くゲームのアーティストだ」 2024.05.17 17:30 Fri

マティプが今季限りでリバプール退団…2016年加入で通算201試合出場、「8年間は素晴らしいものだった」

リバプールは17日、元カメルーン代表DFジョエル・マティプ(32)の退団を発表した。 シャルケ時代に内田篤人氏とも共闘したマティプは2016年夏にリバプール入りし、通算201試合に出場(11ゴール)。後に加入のヴィルヒル・ファン・ダイクが中心と化す最終ラインだが、ジョー・ゴメスやイブラヒマ・コナテとの争いになるなかで、2021-22シーズンはプレミアリーグ31試合でプレーするなど、シーズンでも43試合に出場した。 ユルゲン・クロップ監督からは195cmのサイズがありながら、ボールを持ち上がれるセンターバックとして長らく計算され、チャンピオンズリーグ(CL)やプレミアリーグをはじめ、7つのタイトルに貢献するが、今季が契約最終年。今季は昨年12月の前十字じん帯断裂により、14試合の出場にとどまるなか、契約満了に伴う退団が決まった。 ケガも多かったが、8シーズンにわたってリバプールに貢献したマティプは「ここリバプールでの8年間は素晴らしいものだった」と振り返り、感謝の言葉を述べた。 「素晴らしいクラブで、素晴らしい監督と素晴らしいチームとともに、エキサイティングな歴史の一部になれた。素晴らしいタイトルを獲得し、世界一のファンがいる」 「クラブを支える個性豊かな人々、そしてリバプールを愛するファンのみんなと素晴らしい時間を経験させてもらって感謝の気持ちでいっぱいだ」 「妻と僕は初日から歓迎され、サポートを感じたし、子供と一緒にここで想像しうる最高の時間を過ごした。僕らはそれを特別な思い出としてずっと大切にしていく」 また、同じく退任するクロップ監督は「フットボールに携わるなかで、彼ほど愛される選手はあまりいない。悪くも言えるかもわからない。素晴らしいプロフェッショナルで、フットボーラーとしても素晴らしい。そして人としてもだ。これほど長く彼とともにできて幸せだった。今、できるのは彼が新たな方向に向かうのを祈ることだけだ」と話した。 2024.05.17 17:25 Fri

クロップ監督の右腕・リンダース氏がザルツブルクの監督就任! リバプールでコーチを務めたマトス氏がアシスタントに

レッドブル・ザルツブルクは15日、新監督にペピン・リンダース氏(41)が就任することを発表した。契約期間は3年間となる。 リンダース氏は、オランダ出身の指導者でPSVのユースでテクニカルコーチとしてキャリアをスタートさせた。 その後、ポルトの下部組織でテクニカルコーチを務めると、2013年7月からファーストチームでルイス・カストロ監督、パウロ・フォンセカ監督の下でテクニカルコーチを務めた。 2014年8月にはリバプールへと移りユースのコーチを務めると、2015年7月にブレンダン・ロジャーズ監督の下でアシスタントコーチに就任すると、その後に就任したユルゲン・クロップ監督の下でもアシスタントコーチとなった。 2018年1月にはNECナイメヘンで自身初となる監督業をスタート。シーズン終了で退任すると、再びリバプールに戻りアシスタントコーチを務めていた。 クロップ監督が今シーズン限りでリバプールを離れることが決定すると、リンダース氏も併せて退団。そして再び監督業を行うこととなった。 なお、ヴィトール・マトス氏(36)がアシスタントコーチとしてザルツブルクに到着予定。ポルト、リバプールでリンダース氏と仕事を共にしてきた。 2024.05.15 23:43 Wed
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly