トゥヘル監督、ロシア人オーナーやクラブへの批判に理解「問題がないふりをしてはいけない」

トーマス・トゥヘル監督が、チェルシーを取り巻く問題に持論を述べた。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えている。

ロシア軍の侵攻が始まり、激化するウクライナ情勢。すでに各地で両軍の戦闘が起こっており、首都キエフでは多くの国民が命を落としている。
エスカレートする侵略戦争に、イングランド・サッカー界からもロシアへの非難の声が。マンチェスター・シティのウクライナ代表DFアレクサンドル・ジンチェンコがマンチェスター市内で行われている反戦デモに参加した一方で、マンチェスター・ユナイテッドはロシアの民間航空会社である『アエロフロート』とのスポンサー契約を解消した。

そうした中、大きな非難を浴びているのがロマン・アブラモビッチ氏がオーナーを務めるチェルシー。その莫大な資金力でクラブの飛躍に大きく寄与したロシア人実業家には、オーナー兼剥奪の可能性も取り沙汰されている。

27日に行われるカラバオカップ決勝のリバプール戦の前日会見において、トゥヘル監督もこの問題について反応。オーナーやクラブへの批判の声に理解を示しつつも、自分たちが得ている情報は少ないと話した。「問題がないふりをしてはいけない。ここにいる全ての人にとって状況は最悪だ。誰もこんなことは予想していなかったし、かなり非現実的だ。我々の心も、決勝戦への興奮も曇っている。我々以上に、現地にいるすべての関係者が大きな不安を抱えている。当然ながら、我々は彼らに最高の祝福と敬意を送る」

「今の国内の雰囲気を鑑みても、クラブの状況にはまだ不確定要素が多く、私がコメントしても意味がない。我々は問題を認識しているが、皆さんが思っているほど多くの内部情報や洞察力を持っているわけではない。結局のところ、政治的なことではなく、競技に集中することがチームやスタッフが持つ権利だと思っている。隠しているわけではないが、状況は明らかだ。間違いなく、恐ろしいことになっている」

「何か決定があるまでコメントしないという選択を取りたい。この問題は我々の気を散らし、心配事になるのはわかっている。クラブやそれを代表する我々に対する批判的な意見も理解できる。我々がこの問題から完全に解放されることはない」

「しかし、監督としての私、そして選手として彼らを理解してもらえるかもしれない。何が起こっているのか、オーナーがどれだけこの問題に関与しているのか、我々が洞察することはできない。何が起こっていても責任は感じないだろうが、これは恐ろしいことだ。間違いない。ヨーロッパでの戦争は、私にとって長年考えられないことだった」