満員のスタジアムへ村井満チェアマン「100%のお客様を迎えることを目指したい」と今後に期待、一方で声出し応援は「まだ時間はかかると思う」と専門家

2021.11.01 18:15 Mon
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JリーグとNPB(プロ野球機構)は1日、「第42回 新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施した。

感染者数の急下降が続き、一定のワクチン接種の効果、そして感染防止対策の継続が効果を発揮している日本。Jリーグとプロ野球は「ワクチン・検査パッケージ」を用いた実証実験を行っている。

また、政府は大規模イベントの人数制限を新たに策定し、これまでの「50%または5000人の少ない方」というものから、「50%以下」に変更された。

今回の会議では、Jリーグ、プロ野球共にシーズンが佳境に入っており、残りのシーズンと来シーズンに向けての前向きな議論がなされたという。

その中で賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部・感染症学教室特任教授)は「ワクチン効果は高いが、時間が経つと効果が薄まるので気をつけなければいけない」と語り、「症状が出る前にうつってしまうので感染経路がわからない」と、改めてこのウイルスの特徴を語った。

また、「ワクチン・検査パッケージ」の結果が示されたといい「ワクチン接種証明書のオペレーションがどうだったか、お客さんの行動がどうだったのか。多くはマスクをしっかりとつけて、あまり大きな声も出さずにしっかりとした観戦マナーが守られていた。今のようなしっかりとした感染対策をすることで、ワクチン効果があり、ワクチン証明書を提示した後でも、効果がある」と、しっかりとした対策がなされていたとコメント。「ワクチンの効果は無限にあるわけでは無いので、そういった部分を注意」と、ワクチンを打っているからと安心しないことが大事だとした。

また、「ワクチン接種の証明が9割以上と多く、陰性証明は少なかった」と、検査結果の提出での利用者が少なかったことを触れ、「今後も検査を受けやすい体制を作った方が良いという話をさせていただきました」と、より検査を簡易的にできる方法が必要だとした。

これは選手にも言えることであり「検査体制については、Jリーグから隔週でPCR検査をやっているが、1週間に1回PCRの方が、1週間に1回抗原検査がいいのかという話があった」とコメント。「PCRの感度は高いですが、検査結果が出るまでに時間がかかるので、抗原検査を使っていけばクラスターを防ぐ可能性はあるのではないかという話をした」と、よりリスクを減らす方法も考えてくべきだと議論がなされたという。

検査の件には三鴨廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)も「抗原定性検査は、感度は悪いが頻度を上げるためには必要」と語り、「経済性も考えたウィズコロナ時代の検査が考えられるべき」と、費用面も含めて、より検査を頻繁に行える方法は重要だとした。また「次目指すのは元の姿。球場、スタジアムを満員にしてやっていくことがゴール。その第一歩を踏み出せたと感じている」と、前向きな議論にも手応えを語った。

舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)は、感染を起こさないでいられるのも日本ならではだとコメント。「非常に大事な情報は、マスクをつける、声を出さないで拍手で応援するということを90%を超える人が実践してやっていることが示された」とし、「それは簡単なことではなく、日本だからできること。海外では考えられないことをNPBとJリーグがリーダーシップを発揮して、根付いていることが確認できた」と、実証検証での良いデータを喜んだ。

人数の緩和が行えている中、満員になることも今後は目指していくこと。村井満チェアマンは「基本的にはできる限り100%のお客様を迎えることを目指したいと思う」と語り、「去年から今年にかけても1800試合ぐらいやって、95%は有観客でやってきた。基本方針としてファン・サポーターとともにとしてやってきたので、可能な限り増やしていきたい」と、満員に近づけていきたいと語った。

その中で、大事にしたいことは“機動性”だという。「数を増やすだけではなく、観戦状況に合わせて機動性を上げる。機動性を高めたオペレーションができることを目指したいです」と、感染状況の変化にしっかりと対応し、その時にあった観戦ガイドラインを適用できることが大事だとした。

この点はNPBの斉藤惇コミッショナーも言及。「エンターテインメント、スポーツは安心感が大事。緊張して警戒しながら楽しむことはなかなかない
」とし、「とにかく色々なリスクを感じないで、スポーツ、野球を見て楽しむということを提供する責任があると思う。結果として安心して楽しめるぞとなればたくさんのお客様が来てくれると思うし、来ていただきたい。安心して楽しめる状況を作りたいと思っている」と、まずは安心であることを証明していくことが大事だとした。

一方で、気になるのは声出しでの応援だ。観客動員数は増やせている一方で、応援スタイルはこれまで通りの声出しなどが認められず、手拍子や太鼓などに限られている。

賀来先生は「ポイント中のポイント」と新型コロナウイルスの対策では最も重要なポイントだと指摘。「声出しができないことは寂しいこと」といちファンとしての気持ちを語りながら、「不織布マスクで大きな声を出した時にどれだけ漏れていくのか。不織布なら漏れない、漏れても1mぐらいなら距離を空けることでできるかもしれない。ワクチンがより接種が進むことであったり、飲み薬が出てきたりなどの、色々な条件が揃い、クリアされれば、最終的にはマスクをつけながら声出し、マスクを外しても声出しは可能性はあるが、まだ時間はかかると思う」と語り、一番慎重になるべきところであり、まだまだ時間がかかるとした。

その点には三鴨先生も同意見。「マスクをとるのは2、3年は屋内では厳しいかもしれない」と語り、「マスクをとって応援したいのは人間の心理。そういったことを含めた実証実験をやらなければいけない」とコメント。しかし、「万が一何かが起きた場合に、誰が責任を取るのかという難しいものがある」と、実験にもリスクが伴うことを語り、「そういったことを含めて、検討していく必要がある」と、まだまだ声出し応援は先になるだろうとした。

舘田先生は別の視点で話しており、「声を出したりをしたいわけであり、大事な方向性でもあると思う」としながらも、「その前に観客をフルで入れて、スポーツ観戦ができる状況を作りたい。その先に声を出したり、マスクを外すということはあると思う」とし、「まずは満員を入れることが必要だと思っている」と、声出し応援の解禁よりも、スタジアムの収容率を100%にする方が先ではないかと語った。


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