【プレミア注目プレビュー】苦境脱出目指す両雄が激突! 崖っぷちのオーレは背水の陣

2021.10.30 13:00 Sat
Getty Images
プレミアリーグ第10節、トッテナムvsマンチェスター・ユナイテッドが、日本時間30日25:30にトッテナム・ホットスパースタジアムでキックオフされる。正指揮官就任2年半が過ぎた中、最も苦境に立たされるスールシャールが背水の陣で臨む、スパーズとの重要なビッグマッチだ。現在、6位のトッテナム(勝ち点15)は、前節のウェストハム戦で0-1の敗戦を喫し、公式戦連敗と共にリーグ連勝がストップした。ここに来て守備に安定感が出始めた一方、エースFWケインの状態がなかなか上がり切らず、ヌーノスタイルの浸透の遅れを含め攻撃面の停滞が著しい状況だ。直近のEFLカップではバーンリーを相手にFWルーカス・モウラのゴールで勝ち切り公式戦3試合ぶりの白星を手にしたが、その代償に多数起用した主力のコンディションが気がかりな点だ。

一方、トッテナムと1ポイント差の7位に位置するユナイテッド(勝ち点14)は、直近のリーグ戦3敗1分けの4試合未勝利と泥沼の状況に陥る。とりわけ、前節は宿敵リバプール相手に、プレミアリーグにおけるクラブワーストとなる0-5の屈辱的な惨敗を喫した。これにより、ファン、首脳陣、一部主力の信頼を失ったスールシャール監督の解任の可能性が高まり、今節を含めチャンピオンズリーグ(CL)のアタランタ戦、マンチェスター・ダービーの結果いかんでクラブを去ることになりそうだ。
EFLカップ敗退に伴い、この試合に向けて中5日と十分な準備期間を得た中、ノルウェー人指揮官は公式戦10試合連続失点中且つ、直近2試合で9失点と崩壊中の守備の立て直しを含め、ドラスティックな戦術変更に踏み切るか…。

なお、昨シーズンの対戦は1勝1敗の全くの五分。ユナイテッドホームの初戦はトッテナムが6-1で圧勝も、トッテナムホームの2戦目はユナイテッドが3-1の逆転勝利でリベンジを果たしている。
◆トッテナム◆
【4-2-3-1】
▽トッテナム予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ロリス
DF:エメルソン、ロメロ、ダイアー、レギロン
MF:ホイビュルク、スキップ
MF:ルーカス・モウラ、エンドンベレ、ソン・フンミン
FW:ケイン

負傷者:MFセセニョン、FWブライアン・ヒル
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはセセニョンに加え、直近のバーンリー戦で負傷交代したブライアン・ヒルの欠場が決定している。

スタメンに関しては、コンディションの問題がなければ、ここ最近固定されている前述の11人がピッチに立つはずだ。変更点がある場合は右サイドバックにタンガンガ、トップ下にロ・チェルソが入るぐらいか。

◆マンチェスター・ユナイテッド◆
【4-2-3-1】
▽マンチェスター・ユナイテッド予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:デ・ヘア
DF:ワン=ビサカ、ヴァラン、マグワイア、ショー
MF:マクトミネイ、マティッチ
MF:サンチョ、ブルーノ・フェルナンデス、ラッシュフォード
FW:クリスティアーノ・ロナウド

負傷者:DFヴァラン、FWマルシャル、アマド・ディアロ
出場停止者:MFポグバ(1/3)

前節リバプール戦でのラフプレーによる一発退場でポグバが3試合出場停止中だ。負傷者に関しては数試合の離脱が続いているヴァランとマルシャルがトレーニングに戻っており、戦列復帰が見込まれる。

リバプール戦の惨敗を受け、背水の陣で臨むスールシャール監督は今回の一戦において、システム変更含め何らかの変化をもたらすことが予想される。最終ラインに関してはヴァランが起用可能な場合、リンデロフに代わってマグワイアの相棒を務めることになる。また、2セントラルMFは経験豊富なマティッチをフレッジ(マクトミネイ)に代えて起用するか。

そして、最も注目されるのが、MFブルーノ・フェルナンデスを除く前線3枚の構成だ。対戦相手のトッテナムはカウンターの脅威を除き、ビルドアップや崩しの巧さ、怖さを欠いており、その相手にいつも通り攻撃的に戦う場合は、リバプール戦と同様のメンバーを起用する可能性が高い。逆に、守備のバランスを重視する場合は、FWクリスティアーノ・ロナウドやFWグリーンウッド、FWラッシュフォードと守備の強度、賢さを欠くメンバーをベンチに置き、FWカバーニ、MFリンガード、FWサンチョらをスタートから起用するはずだ。

とりわけ、C・ロナウドとカバーニの起用法は大きなポイントとなっており、カバーニの最前線、C・ロナウドの左ウイング起用や、2トップへの変更など、ノルウェー人指揮官の選択はいかに…。

★注目選手
◆トッテナム:DFクリスティアン・ロメロ
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スパーズの注目プレーヤーはイングランドの空気に馴染み本領発揮に近づくアルゼンチン代表DF。今夏、アタランタから新ディフェンスリーダーとして大きな期待を集めて加入した23歳は、コパ・アメリカで負ったケガや代表活動による隔離などの影響もあり、プレミアリーグへの適応に苦戦した。

それでも、徐々にプレミアリーグのスタイルに順応し、周囲のチームメートとの連携が深まると、ここ最近では昨シーズンのセリエA最優秀DFの本領を発揮し始めている。持ち味である圧倒的な対人戦の強さ、メンタル面を含めた相手アタッカーとの駆け引き、優れた危機察知能力と守備者としての非凡な才能を発揮。さらに、正確なフィードや足元の巧さを生かした持ち出しや縦パスで攻撃面への貢献も光る。

今回のユナイテッド戦ではセリエA、代表戦でも対峙経験のあるC・ロナウド、カバーニという強力FWを封じ込めると共に、相手の守備の出方次第ではあるが、攻撃の出発点としても存在感を発揮したい。

◆マンチェスター・ユナイテッド:FWエディンソン・カバーニ
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ユナイテッドの注目プレーヤーは苦境のチームにおいて待望論あがる百戦錬磨のストライカー。昨夏、パリ・サンジェルマンからフリートランスファーで加入したカバーニは、プレミアリーグ初挑戦ながら昨季の公式戦39試合17ゴール6アシストとさすがの存在感を示した。ただ、加入2年目となった今季はC・ロナウドの電撃復帰の煽りを受け、背番号7と共に出場機会まで譲ることになり、ここまで公式戦6試合無得点と厳しい滑り出しとなっている。

ただ、昨季同様に決定的な仕事以外に、献身的な守備や利他的なプレーでチームを助けており、前節のリバプール戦では5点ビハインドに数的不利という絶望的な状況でも、懸命にボールに食らいつく気概を見せ、戦う姿勢を最後まで示した。

そういった姿勢は現スカッドに欠けている部分であり、多くのファンや識者はC・ロナウドをベンチに置き闘志に溢れるエル・マタドールの先発起用を望む。スタートか途中出場かはノルウェー人指揮官のプラン次第だが、攻守両面で多くの仕事がこなせる34歳FWがユナイテッド勝利のカギを握るはずだ。

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