マテウス・クーニャが移籍後初弾もアトレティコは2度のPKで追いつかれ格下相手に痛恨のドロー《ラ・リーガ》

2021.10.29 06:32 Fri
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アトレティコ・マドリーは28日、ラ・リーガ第11節でレバンテと対戦し2-2の引き分けに終わった。
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前節レアル・ソシエダとの首位攻防戦をドローで終えたアトレティコは、その試合から先発を3人変更。レマル、デ・パウル、ロージに代えてカラスコ、エクトル・エレーラ、ホセ・ヒメネスを先発で起用した。いまだに今季勝利の無いレバンテに対し、フェリックス、スアレス、グリーズマンの強力3トップで試合に臨んだアトレティコは左CKの二次攻撃から先制に成功する。
12分、左CKのこぼれ球をボックス内で拾ったH・エレーラが素早くシュート。さらに相手DFに跳ね返ったボールからボックス左のグリーズマンがふわりとしたクロスを供給すると、ファーサイドのフェリペが頭で折り返したボールを最後はゴール前に入ったグリーズマンが頭で押し込んだ。

先制したアトレティコだが、36分に左CKのこぼれ球をボックス左で拾ったヴェソをスアレスが倒してしまいPKを献上。これをバルディに決められて、試合は振り出しに戻った。
1-1で迎えた後半は立ち上がりから一進一退の攻防に。そんな中、アトレティコは58分にスアレスとH・エレーラを下げてアンヘル・コレアとデ・パウルを、67分にエルモソを下げてロージを投入。トリッピアーを右サイドバックに下げ、右MFにグリーズマンを据えた[4-4-2]に布陣を変更した。

その後も膠着状態が続くと、アトレティコは72分にグリーズマンを下げてマテウス・クーニャをピッチに送り出す。すると76分、中央をドリブルで切り裂いたデ・パウルのラストパスからボックス内に抜け出したマテウス・クーニャが相手GKの股下を抜くシュートでゴールネットを揺らした。

その後、81分にシメオネ監督が退席処分となるアクシデントに見舞われたアトレティコは、84分にピンチ。カンテロのパスでボックス左深くまでに侵入したホセ・モラレスのクロスをニアのデ・フルートスが触ると、これがロージの腕に当たる。

主審は一度プレーは流したが、2分後に行われたオンフィールドレビューでロージのハンドが認められレバンテにPKが与えられると、このPKをバルディがゴール左隅に決めた。

結局、試合はそのまま2-2でタイムアップ。2度のPKで追いつかれたアトレティコは、2試合連続のドローとなった。

また、同日に行われたラ・リーガ第11節のグラナダvsソシエダは、0-2でソシエダが勝利した。

前節アトレティコと引き分け、暫定首位をキープしたソシエダはゴールレスで迎えた後半に先制する。55分、左サイドから仕掛けたポルトゥのラストパスをボックス左深くで受けたヤヌザイがシュート。これは飛び出したGKが弾くも最後はイサクが流し込んだ。

先制したソシエダは、直後の57分にピンチを迎える。デニス・スアレスのスルーパスに反応したアスパスがゴール前まで持ち込みシュート。さらにGKライアンの弾いたボールを走り込んだサンティ・ミナがヘディングで狙ったが、素早く体制を立て直したライアンが、このシュートも処理した。

ソシエダは、77分にもアスパスのスルーパスからゴール前に抜け出したブライス・メンデスにゴールネットを揺らされたが、これはオフサイドの判定で取り消され、難を逃れる。

すると79分、ソシエダはベニャトの左CKからエルストンドがヘディングシュートを流し込み、決定的な2点目を奪取。そのまま逃げ切ったソシエダが勝利し暫定首位をキープしている。

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【ラ・リーガ第31節プレビュー】3強はいずれも下位と対戦、奇跡のレモンターダ期すマドリーはアラベス戦で連敗ストップなるか

先週末に行われた第30節は首位のバルセロナがドロー、2位のレアル・マドリーが敗戦、3位のアトレティコ・マドリーが勝利と三者三様の結果で優勝争いに動きがあった。さらにオトラ・リーガでも上位陣の取りこぼしによってヨーロッパ出場権争いはより拮抗してきている。 UEFAコンペティションの準々決勝の狭間での開催となる第31節は上位3チームがいずれも下位との対戦となる。また、FW浅野拓磨の負傷離脱で日本人対決はならずも、8位のレアル・ソシエダと10位のマジョルカによるトップハーフ対決にも注目が集まる。 首位のバルセロナは前節、レアル・ベティスとの絶好調同士の対戦を1-1のドローで終えた。古巣対戦となったMFガビの恩返しゴールで先制に成功したが、セットプレーからすぐに追いつかれる。後半は押し気味に進めたものの、相手の堅守を前に勝ち越しゴールを奪えず。リーグ連勝が「9」でストップしたが、2位チームの敗戦によって4ポイント差での首位キープに成功した。 さらに、チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグではドルトムントとのホームゲームに4-0で先勝。古巣対戦のFWレヴァンドフスキのドブレーテに、FWハフィーニャが1ゴール2アシストの活躍を見せるなど強力トリデンテ揃い踏みの活躍によって敵地での2ndレグを前に準決勝への切符をほぼ手中に収めた。そのリターンレグへ余裕を持って臨めるなか、リーグ2戦ぶりの白星を目指す今節は降格圏の18位に低迷するレガネスと対戦。前回対戦ではホームでまさかの敗戦を喫した相手ではあるが、現状のフォームを鑑みればいくつかのポジションでターンオーバーを敢行しても勝ち点3を取りこぼす可能性は低い。 2位のマドリーは前節、バレンシアとのホームゲームで1-2の敗戦。ホームでは圧倒的に相性がいいお得意様との対戦だったが、FWヴィニシウス・ジュニオールのPK失敗なども響き後半アディショナルタイムに喫した失点によって痛恨の取りこぼしとなった。さらに、敵地で行われたCLではMFライスに圧巻の直接FK2発を叩き込まれるなど0-3の完敗。大会連覇に向けて崖っぷちの状況だ。 サンティアゴ・ベルナベウで奇跡のレモンターダが必要となるなか、今節は降格圏手前の17位アラベスとのアウェイゲームで公式戦連敗ストップを狙う。リーグ戦でもこれ以上勝ち点の取りこぼしが許されない状況だが、アーセナル戦をベストな状態で迎えるためにターンオーバーの採用が濃厚だ。2ndレグをサスペンションで欠場するMFカマヴィンガやFWブラヒム・ディアス、FWエンドリッキ、MFギュレルら若き力の躍動によって弾みを付ける勝利を掴みたい。 3位のアトレティコは前節、セビージャとのアウェイゲームで2-1の逆転勝利。公式戦4試合ぶりの白星を挙げた。開始早々に先制点を奪われるもFWアルバレスのPKで同点に追いつくと、後半アディショナルタイムにはMFバリオスが見事な個人技から左足ミドルシュートを突き刺し、劇的な勝利を収めた。これで首位との勝ち点差を「7」に縮めて逆転優勝へ望みを繋げた。マンデーナイト開催となる今節は最下位のバジャドリーとのホームゲームとなり、きっちり連勝を飾りたい。 MF久保建英を擁するソシエダは前節、下位に沈むラス・パルマスを相手に3-1の快勝。途中出場の久保も鋭い仕掛けからのチャンスメイクに幻のゴラッソと見せ場も作り、久々のリーグ連勝に花を添えた。先発復帰が見込まれる今節は右足ハムストリングの負傷で戦線離脱の浅野との日本人対決はならずも、チームとしては逆転でのヨーロッパコンペティション出場権獲得へ是が非でも勝ち点3がほしいところ。日本人エースの躍動に期待したい。 ヨーロッパリーグ(EL)とカンファレンスリーグ(ECL)参戦組の4位アスレティック・ビルバオ、6位のベティスはそれぞれ9位のラージョ・バジェカーノ、5位のビジャレアルというタフな相手との上位対決に臨む。 敵地でELレンジャーズ戦を戦ったアスレティックは前半序盤に数的優位、後半半ばにPK獲得と先勝のチャンスが十二分にありながらも0-0のドローに終わり、ホーム開催の2ndレグへアドバンテージを得られず。一方、ベティスはヤギエロニアとのホーム開催の初戦を2-0で勝利しており、こちらはリーグ上位対決により注力できる状況だ。 《ラ・リーガ第31節》 ▽4/11(金) 《28:00》 バレンシア vs セビージャ ▽4/12(土) 《21:00》 レアル・ソシエダ vs マジョルカ 《23:15》 ヘタフェ vs ラス・パルマス 《25:30》 セルタ vs エスパニョール 《28:00》 レガネス vs バルセロナ ▽4/13(日) 《21:00》 オサスナ vs ジローナ 《23:15》 アラベス vs レアル・マドリー 《25:30》 ベティス vs ビジャレアル 《28:00》 アスレティック・ビルバオ vs ラージョ ▽4/14(月) 《29:00》 アトレティコ・マドリー vs バジャドリー 2025.04.11 19:00 Fri

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