【ラ・リーガ・シーズンプレビュー】メッシ、S・ラモスらの旅立ちで過渡期に! 待たれる新スターの台頭
2021.08.13 20:30 Fri
2021-22シーズンのラ・リーガが8月13日(金)に開幕を迎える。昨シーズンは一時四つ巴の大混戦となった中、終盤戦で粘り、勝負強さを発揮したアトレティコ・マドリーが7シーズンぶり11度目の優勝を果たした。新シーズンも昨季王者を軸に混戦の覇権争いが予想される。
◆大刷新の2強と異なり継続路線、連覇狙える陣容維持~アトレティコ・マドリー~

ディフェンディングチャンピオンのアトレティコが今シーズンの大本命だ。昨シーズン、不動の闘将は新布陣、新スタイルへの変更に踏み切り、ボール保持、能動的な崩しと積年の課題に着手。長年求めていたエースFWスアレスの活躍もあり、自慢の堅守をほぼ維持しながらも得点数を伸ばし、攻守両面で隙のないチームを作り上げた。最後はレアル・マドリー、バルセロナ、セビージャのライバル3チームを振り切って文句なしの王者に輝いた。
新シーズンに向けては退団濃厚と見られるMFサウール、DFトリッピアーの去就は気がかりも、戦力の流出はMFトレイラ、FWムサ・デンベレといったレンタルバック組ら準主力に留まっている。逆に、新戦力補強では中盤の複数ポジションをカバーし、ダイナミズムと崩しのアイデアをもたらすシメオネ意中の同胞MFデ・パウルをウディネーゼから獲得したほか、フルミネンセの逸材FWマルコス・パウロを確保。
デンベレの後釜であり、スアレスのバックアップを担うFWヴラホビッチ(フィオレンティーナ)、FWラファ・ミル(ウォルバーハンプトン)、中盤にクオリティを与えるMFベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ)らを移籍市場閉幕までに獲得できればベストだが、現時点でも十分に戦えるスカッドを維持している。
新シーズンも代名詞の[4-4-2]、[3-4-2-1]の可変式の布陣を継続する見込みだが、昨季のトライ&エラーが試合中のスムーズな陣形変更など、プラスアルファをもたらすことが期待される。また、昨季序盤戦は躍進の主役を担ったが、以降は度重なるケガにより2年連続期待外れとなったFWフェリックスの覚醒に期待したい。

昨シーズン、アトレティコにわずかに及ばず連覇を逃した挙句、11年ぶりの無冠という屈辱を味わったレアル・マドリーは、シーズン終了後のジダン監督の辞任に伴い、昨季までエバートンを率いていたアンチェロッティ監督が6年ぶりの帰還。人心掌握と戦術的な柔軟性に優れたイタリア人指揮官の下で覇権奪還のシーズンに臨む。
ただ、今夏のメルカートにおいては近年のエルブランコの象徴の一人だったカピタンのDFセルヒオ・ラモス、主力DFヴァランがそれぞれパリ・サンジェルマン(PSG)、マンチェスター・ユナイテッドに旅立つことに。一方、純粋な新戦力補強はバイエルンからフリー加入のDFアラバのみと、カルレットの復帰を祝うような大型補強は実現せず。今後、PSGのFWムバッペや指揮官の古巣エバートンの逸材FWリシャルリソン、手薄なセンターバック、守備的MFの補強に成功すれば、十分に戦える陣容となるが、現時点では主力の加齢によるパフォーマンス低下を含め、昨季と比べても厳しい戦いが見込まれる。
ここまでのプレシーズンの戦いを見ると、[4-3-3]、[4-2-3-1]といった昨季からのメインシステムを継続する見込みで、監督交代による大幅なスタイル変更は期待できない。また、スカッドにもほぼ手が加えられておらず、覇権奪還に向けては現有戦力の底上げが必須。DFミリトン、MFバルベルデ、FWヴィニシウスら若手の覚醒に加え、2年連続期待外れのFWアザール、現時点でも去就が不透明なMFウーデゴール、FWベイル、FWヨビッチらレンタルバック組の奮起に期待したい。
◆青天霹靂のメッシ退団で混乱必至~バルセロナ~

昨シーズンの主力大量流出に続き、今夏はクラブだけでなくリーグを代表する大エース、FWメッシの電撃退団という大混乱に見舞われたバルセロナ。クーマン体制1年目は終盤戦の勝負弱さにケチが付いた一方、MFペドリを筆頭に多くの若手が台頭し、世代交代に目途が立ち始めた。だが、更なる飛躍が期待された新シーズンに向けてはバルトメウ前体制の放漫経営が祟り、予期せず世界最高のフットボーラーを失うという最悪の結末を迎えた。
2004年のトップチーム昇格以降、初めてメッシ不在で臨むシーズンに向けてはDFフィルポ、FWトリンコン、DFトディボといった若手の余剰人員の整理に成功したものの、MFピャニッチやDFユムティティ、MFコウチーニョ、FWブラースヴァイトら高年俸のベテランの売却が進まず。現時点でPSGに移籍したエースの穴を埋めるような補強は望めない。それでも、DFエリック・ガルシア、FWアグエロをマンチェスター・シティ、FWデパイをリヨンからいずれもフリーで獲得。また、リーグ屈指の右サイドバックであるDFエメルソンをベティスから買い取り、MFワイナルドゥム(PSG)を逃した中盤を除き、スカッドのバランスはやや改善されている。
昨シーズンは一部の試合を除きほぼ守備を免除されていたメッシに合せて既存の[4-3-3]に加え、[3-4-1-2]の布陣を採用していたクーマン監督だが、諸刃の剣とも言えるアンタッチャブルなエースの退団に伴い、戦術面においてはより自分の色を出しやすくなっている。そのため、指揮官としての本領発揮が覇権奪還の鍵を握るはずだ。その中で加入以降、オランダ代表の恩師の期待に早くも応えてゴールを量産するデパイ、人種差別問題によって厳しい目を向けられるFWグリーズマンらがメッシの穴をいかに埋められるかがブラウグラナの浮沈を左右する。
◆上位陣の戦力低下受け、優勝争い参戦も~セビージャ、ビジャレアル~

王者アトレティコを除く2チームが戦力を落としており、昨季以上に3強以外に優勝のチャンスが舞い込んでくるはずだ。とはいえ、3強に太刀打ちできるのは、昨季4位のセビージャとヨーロッパリーグ(EL)王者のビジャレアルの2チームに限られる。
昨シーズン、クラブ史上最速でチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に成功したセビージャは、今夏の移籍市場においても敏腕SDモンチのしたたかな戦略の下、控えGKヴァツリークやDFエスクデロ、MFフランコ・バスケスといった比較的年俸の高いベテラン選手を放出し、MFラメラをFWブライアン・ヒルとのトレードでトッテナムから、守護神ブヌの競争相手としてエイバルの守護神ドミトロビッチをフリーで獲得。さらに、開幕後にもリーベル・プレートDFモンティエル、ブレーメンDFアウグスティンソン、ポルトMFヘスス・コロナらを新たにスカッドへ加える見込みだ。
メガクラブ行きが有力視されるDFクンデの去就は気がかりも、敏腕SDは後釜獲得の算段も当然立てており、昨季以上のスカッドを構築してくるはずだ。ロペテギ体制3年目で戦術面も十分に浸透しており、ラメラといった新たな攻撃オプションがうまく機能すれば、昨季の4位以上の順位も期待できる。
一方、ELにめっぽう強い智将エメリの下でクラブ史上初のEL制覇を成し遂げた昨季7位のビジャレアルも、新シーズンに向けて上々の仕上がりを見せている。ここまではエースFWジェラール・モレノとの契約延長に成功したほか、メガクラブが狙うDFパウ・トーレスも現時点で残留。さらに、ラ・リーガ屈指のDFマンディをベティスから、かつて活躍したFWトコ・エカンビ、FWバカンブを彷彿とさせる点取り屋のFWディアをスタッド・ランスから獲得するなど、手薄なポジションにピンポイント補強を敢行した。
昨シーズンの一時低迷した要因は、度重なる主力の負傷離脱にあり、今シーズンは同じ轍さえ踏まなければ、トップ4、優勝争いに十分絡める力は有している。
その他では昨季5位のレアル・ソシエダ、6位のベティス、後半戦で最も好調なチームのひとつだったセルタといったクラブがヨーロッパの戦いに絡んでくるはずだ。
◆久保建英が古巣帰還、原大智がラ・リーガ初参戦~日本人選手~

昨シーズンはMF久保建英、MF乾貴士、FW武藤嘉紀、FW岡崎慎司と4人の日本人選手がプレーしたが、エイバル、ウエスカのセグンダ降格に伴い、レンタル先をヘタフェから古巣マジョルカに変更した久保を除き、3選手がプリメーラの舞台を去ることになった。一方、クロアチアのイストラからアラベスに加入したFW原大智がラ・リーガ初挑戦となる。
昨シーズンは大きな飛躍が期待された久保だが、前半戦をビジャレアル、後半戦をヘタフェで過ごした中、リーグ戦31試合(先発10試合)出場で1ゴール1アシストと期待外れの1年となった。
その後、主力として臨んだ今夏の東京オリンピックではチームをベスト4に導く原動力となったが、準決勝のスペイン戦、3位決定戦のメキシコ戦ではいずれもインパクトを残せず。銅メダルを逃したメキシコ戦後には、「今までサッカーをやってきて、こんなに悔しいことはない」と人目もはばからず号泣し、悔しさを露わにした。
そして、失意に終わった五輪後に久保は自身を更なる高みに導くため、新たな修行先に古巣マジョルカを選択。自身の退団後にタフなセグンダの戦いをエスパニョールに次ぐ2位で終え、1年でのプリメーラ復帰を果たしたマジョルカでは、前回在籍以上のインパクトを残し、チームを残留に導くと共に、来夏のレアル・マドリー帰還を勝ち取る活躍が求められる。
[4-2-3-1]をメインシステムで採用するマジョルカにおいて久保の起用ポジションはトップ下か右ウイングが見込まれる。トップ下ではMFダニ・ロドリゲス、MFフェバス、右ウイングではFWムブラ、FWモジェホがポジション争いのライバルになりそうだ。
一方、その久保とFC東京のユース時代から共にプレーしてきた原は、イストラでの公式戦18試合8ゴールの活躍を評価されて系列クラブのアラベスに今夏ステップアップを果たした。
これまでラ・リーガに挑戦したFWハーフナー・マイク(コルドバ)、FW指宿洋史(セビージャ)といった大型ストライカーは思うように結果を残せなかったが、ウイングでもプレー可能なスピードとモビリティを持つ191cmのストライカーは初挑戦のプリメーラでインパクトを残せるか。
チームを率いるカジェハ監督はダイレクト志向が強い[4-3-3]や[4-4-2]の布陣を採用しており、原の直接のライバルはFWホセル、FWグイデッティというターゲットマン2人と、モビリティ型のFWルーカス・ペレスという3人のセンターフォワード。また、ウイングでの起用となる場合は経験豊富なMFエドガル・メンデス、FWリオハに加え、マンチェスター・ユナイテッドから再レンタルの逸材FWペリストリとポジションを争うことになる。
◆大刷新の2強と異なり継続路線、連覇狙える陣容維持~アトレティコ・マドリー~

Getty Images
ディフェンディングチャンピオンのアトレティコが今シーズンの大本命だ。昨シーズン、不動の闘将は新布陣、新スタイルへの変更に踏み切り、ボール保持、能動的な崩しと積年の課題に着手。長年求めていたエースFWスアレスの活躍もあり、自慢の堅守をほぼ維持しながらも得点数を伸ばし、攻守両面で隙のないチームを作り上げた。最後はレアル・マドリー、バルセロナ、セビージャのライバル3チームを振り切って文句なしの王者に輝いた。
新シーズンに向けては退団濃厚と見られるMFサウール、DFトリッピアーの去就は気がかりも、戦力の流出はMFトレイラ、FWムサ・デンベレといったレンタルバック組ら準主力に留まっている。逆に、新戦力補強では中盤の複数ポジションをカバーし、ダイナミズムと崩しのアイデアをもたらすシメオネ意中の同胞MFデ・パウルをウディネーゼから獲得したほか、フルミネンセの逸材FWマルコス・パウロを確保。
新シーズンも代名詞の[4-4-2]、[3-4-2-1]の可変式の布陣を継続する見込みだが、昨季のトライ&エラーが試合中のスムーズな陣形変更など、プラスアルファをもたらすことが期待される。また、昨季序盤戦は躍進の主役を担ったが、以降は度重なるケガにより2年連続期待外れとなったFWフェリックスの覚醒に期待したい。
◆カルレット帰還も重鎮退団の影響懸念~レアル・マドリー~

Getty Images
昨シーズン、アトレティコにわずかに及ばず連覇を逃した挙句、11年ぶりの無冠という屈辱を味わったレアル・マドリーは、シーズン終了後のジダン監督の辞任に伴い、昨季までエバートンを率いていたアンチェロッティ監督が6年ぶりの帰還。人心掌握と戦術的な柔軟性に優れたイタリア人指揮官の下で覇権奪還のシーズンに臨む。
ただ、今夏のメルカートにおいては近年のエルブランコの象徴の一人だったカピタンのDFセルヒオ・ラモス、主力DFヴァランがそれぞれパリ・サンジェルマン(PSG)、マンチェスター・ユナイテッドに旅立つことに。一方、純粋な新戦力補強はバイエルンからフリー加入のDFアラバのみと、カルレットの復帰を祝うような大型補強は実現せず。今後、PSGのFWムバッペや指揮官の古巣エバートンの逸材FWリシャルリソン、手薄なセンターバック、守備的MFの補強に成功すれば、十分に戦える陣容となるが、現時点では主力の加齢によるパフォーマンス低下を含め、昨季と比べても厳しい戦いが見込まれる。
ここまでのプレシーズンの戦いを見ると、[4-3-3]、[4-2-3-1]といった昨季からのメインシステムを継続する見込みで、監督交代による大幅なスタイル変更は期待できない。また、スカッドにもほぼ手が加えられておらず、覇権奪還に向けては現有戦力の底上げが必須。DFミリトン、MFバルベルデ、FWヴィニシウスら若手の覚醒に加え、2年連続期待外れのFWアザール、現時点でも去就が不透明なMFウーデゴール、FWベイル、FWヨビッチらレンタルバック組の奮起に期待したい。
◆青天霹靂のメッシ退団で混乱必至~バルセロナ~

Getty Images
昨シーズンの主力大量流出に続き、今夏はクラブだけでなくリーグを代表する大エース、FWメッシの電撃退団という大混乱に見舞われたバルセロナ。クーマン体制1年目は終盤戦の勝負弱さにケチが付いた一方、MFペドリを筆頭に多くの若手が台頭し、世代交代に目途が立ち始めた。だが、更なる飛躍が期待された新シーズンに向けてはバルトメウ前体制の放漫経営が祟り、予期せず世界最高のフットボーラーを失うという最悪の結末を迎えた。
2004年のトップチーム昇格以降、初めてメッシ不在で臨むシーズンに向けてはDFフィルポ、FWトリンコン、DFトディボといった若手の余剰人員の整理に成功したものの、MFピャニッチやDFユムティティ、MFコウチーニョ、FWブラースヴァイトら高年俸のベテランの売却が進まず。現時点でPSGに移籍したエースの穴を埋めるような補強は望めない。それでも、DFエリック・ガルシア、FWアグエロをマンチェスター・シティ、FWデパイをリヨンからいずれもフリーで獲得。また、リーグ屈指の右サイドバックであるDFエメルソンをベティスから買い取り、MFワイナルドゥム(PSG)を逃した中盤を除き、スカッドのバランスはやや改善されている。
昨シーズンは一部の試合を除きほぼ守備を免除されていたメッシに合せて既存の[4-3-3]に加え、[3-4-1-2]の布陣を採用していたクーマン監督だが、諸刃の剣とも言えるアンタッチャブルなエースの退団に伴い、戦術面においてはより自分の色を出しやすくなっている。そのため、指揮官としての本領発揮が覇権奪還の鍵を握るはずだ。その中で加入以降、オランダ代表の恩師の期待に早くも応えてゴールを量産するデパイ、人種差別問題によって厳しい目を向けられるFWグリーズマンらがメッシの穴をいかに埋められるかがブラウグラナの浮沈を左右する。
◆上位陣の戦力低下受け、優勝争い参戦も~セビージャ、ビジャレアル~

Getty Images
王者アトレティコを除く2チームが戦力を落としており、昨季以上に3強以外に優勝のチャンスが舞い込んでくるはずだ。とはいえ、3強に太刀打ちできるのは、昨季4位のセビージャとヨーロッパリーグ(EL)王者のビジャレアルの2チームに限られる。
昨シーズン、クラブ史上最速でチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に成功したセビージャは、今夏の移籍市場においても敏腕SDモンチのしたたかな戦略の下、控えGKヴァツリークやDFエスクデロ、MFフランコ・バスケスといった比較的年俸の高いベテラン選手を放出し、MFラメラをFWブライアン・ヒルとのトレードでトッテナムから、守護神ブヌの競争相手としてエイバルの守護神ドミトロビッチをフリーで獲得。さらに、開幕後にもリーベル・プレートDFモンティエル、ブレーメンDFアウグスティンソン、ポルトMFヘスス・コロナらを新たにスカッドへ加える見込みだ。
メガクラブ行きが有力視されるDFクンデの去就は気がかりも、敏腕SDは後釜獲得の算段も当然立てており、昨季以上のスカッドを構築してくるはずだ。ロペテギ体制3年目で戦術面も十分に浸透しており、ラメラといった新たな攻撃オプションがうまく機能すれば、昨季の4位以上の順位も期待できる。
一方、ELにめっぽう強い智将エメリの下でクラブ史上初のEL制覇を成し遂げた昨季7位のビジャレアルも、新シーズンに向けて上々の仕上がりを見せている。ここまではエースFWジェラール・モレノとの契約延長に成功したほか、メガクラブが狙うDFパウ・トーレスも現時点で残留。さらに、ラ・リーガ屈指のDFマンディをベティスから、かつて活躍したFWトコ・エカンビ、FWバカンブを彷彿とさせる点取り屋のFWディアをスタッド・ランスから獲得するなど、手薄なポジションにピンポイント補強を敢行した。
昨シーズンの一時低迷した要因は、度重なる主力の負傷離脱にあり、今シーズンは同じ轍さえ踏まなければ、トップ4、優勝争いに十分絡める力は有している。
その他では昨季5位のレアル・ソシエダ、6位のベティス、後半戦で最も好調なチームのひとつだったセルタといったクラブがヨーロッパの戦いに絡んでくるはずだ。
◆久保建英が古巣帰還、原大智がラ・リーガ初参戦~日本人選手~

Getty Images
昨シーズンはMF久保建英、MF乾貴士、FW武藤嘉紀、FW岡崎慎司と4人の日本人選手がプレーしたが、エイバル、ウエスカのセグンダ降格に伴い、レンタル先をヘタフェから古巣マジョルカに変更した久保を除き、3選手がプリメーラの舞台を去ることになった。一方、クロアチアのイストラからアラベスに加入したFW原大智がラ・リーガ初挑戦となる。
昨シーズンは大きな飛躍が期待された久保だが、前半戦をビジャレアル、後半戦をヘタフェで過ごした中、リーグ戦31試合(先発10試合)出場で1ゴール1アシストと期待外れの1年となった。
その後、主力として臨んだ今夏の東京オリンピックではチームをベスト4に導く原動力となったが、準決勝のスペイン戦、3位決定戦のメキシコ戦ではいずれもインパクトを残せず。銅メダルを逃したメキシコ戦後には、「今までサッカーをやってきて、こんなに悔しいことはない」と人目もはばからず号泣し、悔しさを露わにした。
そして、失意に終わった五輪後に久保は自身を更なる高みに導くため、新たな修行先に古巣マジョルカを選択。自身の退団後にタフなセグンダの戦いをエスパニョールに次ぐ2位で終え、1年でのプリメーラ復帰を果たしたマジョルカでは、前回在籍以上のインパクトを残し、チームを残留に導くと共に、来夏のレアル・マドリー帰還を勝ち取る活躍が求められる。
[4-2-3-1]をメインシステムで採用するマジョルカにおいて久保の起用ポジションはトップ下か右ウイングが見込まれる。トップ下ではMFダニ・ロドリゲス、MFフェバス、右ウイングではFWムブラ、FWモジェホがポジション争いのライバルになりそうだ。
一方、その久保とFC東京のユース時代から共にプレーしてきた原は、イストラでの公式戦18試合8ゴールの活躍を評価されて系列クラブのアラベスに今夏ステップアップを果たした。
これまでラ・リーガに挑戦したFWハーフナー・マイク(コルドバ)、FW指宿洋史(セビージャ)といった大型ストライカーは思うように結果を残せなかったが、ウイングでもプレー可能なスピードとモビリティを持つ191cmのストライカーは初挑戦のプリメーラでインパクトを残せるか。
チームを率いるカジェハ監督はダイレクト志向が強い[4-3-3]や[4-4-2]の布陣を採用しており、原の直接のライバルはFWホセル、FWグイデッティというターゲットマン2人と、モビリティ型のFWルーカス・ペレスという3人のセンターフォワード。また、ウイングでの起用となる場合は経験豊富なMFエドガル・メンデス、FWリオハに加え、マンチェスター・ユナイテッドから再レンタルの逸材FWペリストリとポジションを争うことになる。
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先週末に行われた第34節ではバルセロナ、レアル・マドリーの2強が揃って勝利。トップ5争いではアスレティック・ビルバオが取りこぼした一方、ビジャレアルとレアル・ベティスは揃って勝ち点3を積み上げている。 今節はラ・リーガタイトルレースを左右するリーグ戦では今季2度目となるエル・クラシコが最注目カードだ。 首位のバルセロナ(勝ち点79)は前節、大幅なターンオーバーを敢行したなかで最下位のバジャドリーに2-1の逆転勝利。4ポイント差を維持してホーム開催の頂上決戦を戦うことになった。ただ、ミッドウィークに行われたチャンピオンズリーグ(CL)の準決勝2ndレグでは初戦に続く打ち合いとなったインテルとの敵地での死闘を延長戦の末に3-4で落とし、無念のベスト4敗退。シーズン3冠の夢が潰え、心身ともにダメージを抱える形で今回の大一番を戦うことになった。 対する2位のマドリー(勝ち点75)は前節、セルタとのホームゲームを3-2で勝利。後半の連続失点はいただけなかったが、MFアルダ・ギュレルの1ゴール1アシストの活躍にFWムバッペのドブレーテの活躍によってリーグ連勝で敵地でのクラシコを戦うことになった。今季3度の対戦でいずれも敗れている宿敵にリベンジを果たし、逆転での連覇に望みを繋げるためには攻撃陣の活躍とともに守備面でパーフェクトな対応を見せる必要がある。 その頂上決戦とともに注目度が高い一戦は、3位のアトレティコ・マドリー(勝ち点67)と11位のレアル・ソシエダ(勝ち点43)の強豪対決だ。 アトレティコは前節、下位に沈むアラベスと対戦。試合を通して攻撃が停滞し、選手交代も嵌らず。逆転優勝の可能性が完全に潰えた。残り4試合ではスーペル・コパ・デ・エスパーニャ出場圏内の2位フィニッシュとともに、CL出場権確保となる勝ち点3を手にしたい。いずれも古巣対戦となるFWセルロートやFWグリーズマンらストライカー陣の活躍に期待だ。 対するソシエダは前節、アスレティックとのバスク・ダービーを0-0のドローで終えた。ヨーロッパリーグ(EL)準決勝2ndレグのマンチェスター・ユナイテッド戦を控えるなか、大幅にメンバーを入れ替えた相手に見せ場の少ない痛み分けの結果に終わった。MF久保建英に関しては攻撃面で見せ場を作ったが、チームに4試合ぶりの白星をもたらすには至らなかった。それでも、混戦模様のEL、カンファレンスリーグ(ECL)出場権争いではまだチャンスが残っており、敵地から勝ち点3を持ち帰りたい。相手の左サイドの守備は比較的ウィークポイントとなっており、違いとともに決定的な仕事を見せたい。 4位以下のトップ5争いではEL準決勝敗退となった4位のアスレティック(勝ち点61)が17位のアラベス、5位のビジャレアル(勝ち点58)が15位のジローナ。ECL決勝進出を果たした6位のベティス(勝ち点57)が、9位のオサスナと対戦する。欧州の戦いで明暗分かれたアスレティックとベティスはともに厳しいコンディションのなか、勝ち点3を手にできるか。 FW浅野拓磨を擁する10位のマジョルカ(勝ち点44)は、最下位のバジャドリーと対戦。前節、浅野が途中出場で戦列復帰を果たしたが、チームはジローナに0-1で敗戦。逆転での欧州出場権獲得へは今回の一戦での勝ち点3が必須。引き続きジョーカー起用が見込まれる日本人FWの決定的な仕事も求められるところだ。 それ以外では降格圏のラス・パルマス、レガネスの2チーム、セビージャといった下位チームの戦いにも注目だ。 《ラ・リーガ第35節》 ▽5/9(金) 《28:00》 ラス・パルマス vs ラージョ ▽5/10(土) 《21:00》 バレンシア vs ヘタフェ 《23:15》 セルタ vs セビージャ 《25:30》 ジローナ vs ビジャレアル マジョルカ vs バジャドリー 《28:00》 アトレティコ・マドリー vs レアル・ソシエダ ▽5/11(日) 《21:00》 レガネス vs エスパニョール 《23:15》 バルセロナ vs レアル・マドリー 《25:30》 アスレティック・ビルバオ vs アラベス 《28:00》 ベティス vs オサスナ 2025.05.09 19:00 Fri4
【ラ・リーガ第36節プレビュー】2年前の再現狙うバルサがダービーで優勝決めるか?
先週末に行われた第35節ではリーグタイトルレースを決定づける大一番となったエル・クラシコを逆転で制したバルセロナが優勝に王手をかけた。また、アトレティコ・マドリーのチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得が決定している。 ミッドウィーク開催となる今節の最注目カードは2シーズンぶりのプリメーラ制覇に王手をかけた首位のバルセロナ(勝ち点82)と、14位のエスパニョールによるバルセロナ・ダービー。 奇しくもバルセロナが2022-23シーズンに優勝を決めたのはRCDEスタジアムで4-2の勝利を収めたダービーで、今回も同じ条件での通算48度目の戴冠を目指す。ちなみに、2位のレアル・マドリー(勝ち点75)と7ポイント差且つ当該戦績で上回るフリックのチームの今節での優勝条件は前日に試合を行うマドリーの結果に左右される部分もあるが、勝利すれば文句なしで決められる。 ホーム開催となった前節のクラシコでは4-3の逆転勝利を収めたバルセロナ。試合開始から15分までにFWムバッペにドブレーテを許す最悪な入りとなったが、そこからDFエリック・ガルシア、FWラミン・ヤマル、FWハフィーニャの3連続ゴールで逆転。さらに、前半終了間際にもハフィーニャのドブレーテで点差を広げた。後半はハフィーニャらが相手守護神クルトワの再三のビッグセーブに阻まれ、トドメをさせずにムバッペにトリプレーテを献上。試合終盤はかなり緊迫した攻防に持ち込まれたが、インテル戦を教訓に勝ち切って今季クラシコ全勝を達成した。 インテル戦に続く激闘から中3日で臨むアウェイ開催のダービーマッチは決してラクな試合とはならないが、マドリー撃破の勢いそのままに優勝を成し遂げたい。また、ピチーチ争いでムベッペ(27ゴール)に2点差を付けられたFWレヴァンドフスキ(25ゴール)のゴールにも期待したいところだ。 敵地でのクラシコで屈辱的な逆転負けを喫し、逆転での連覇の夢がほぼ潰える形となったマドリー。この試合後にアンチェロッティ監督の今季限りでの退任およびブラジル代表監督就任のアナウンスも行われ、クラブは6月開催のFIFAクラブ・ワールドカップとともにシャビ・アロンソ新監督招へい決定的な来シーズンへ目を向けている。 とはいえ、自分たちの取りこぼしでライバルに優勝をプレゼントするわけにはいかず、9位のマジョルカ(勝ち点47)をホームで迎え撃つ中2日の一戦ではバウンスバックの勝ち点3を掴みたい。クラシコでMFルーカス・バスケス、FWヴィニシウスと新たな負傷者を出し、今季限りでの退団も噂されるFWロドリゴも起用が難しい状況となっており、唯一の希望であるムバッペやクラシコで不完全燃焼に終わったMFギュレルやFWエンドリッキの意地に期待したい。 対するマジョルカは前節、FW浅野拓磨の今季初アシストの活躍もあって最下位のバジャドリーに2-1で逆転勝利。ヨーロッパへの望みを繋いだ。残り3試合すべてで勝利を手にすることが必要となるなか、手負いのエル・ブランコを撃破できるか。引き続きスタメン起用が期待される浅野としてはディフェンスラインに不安を抱える相手に積極的なチャレンジを期待したい。 3位のアトレティコ(勝ち点70)は前節、レアル・ソシエダを相手に古巣対戦のFWセルロートのポーケル(1試合4ゴール)の活躍によって4-0の圧勝。低調だったアラベス戦のゴールレスドローを見事に払拭し、3節を残してCL出場権獲得を決定。最低限のノルマを達成したなか、残り試合では5ポイント差のマドリーを抜いての2位フィニッシュを目指す。10位のオサスナ(勝ち点45)のホームに乗り込む今回の一戦では[4-3-3]の新布陣継続やセルロートのパフォーマンスに注目しつつ、サスペンション明けのFWアルバレスの活躍にも期待だ。 そのアトレティコに無惨な大敗を喫したMF久保建英を擁する12位のソシエダ(勝ち点43)は、7位のセルタ(勝ち点49)との対決に臨む。逆転でのヨーロッパ出場権獲得へわずかながら可能性を残すなか、難敵相手のホームゲームでリーグ6試合ぶりの白星を掴めるか。アトレティコ戦で孤軍奮闘の活躍を見せた久保には、残り2試合となるホームゲームでラ・レアルファンを沸かせる活躍を期待したい。 4位のアスレティック・ビルバオ(勝ち点64)、5位のビジャレアル(勝ち点61)、6位のレアル・ベティス(勝ち点58)が2枠を争うCL出場権争いでは、最も厳しい立場にあるベティスが8位のラージョ・バジェカーノ(勝ち点47)という難敵とのアウェイゲームを戦うことになり、ここが正念場だ。 また、残留争いでは直近のセルタ戦で数的優位を活かせずに惨敗し、クラブハウス到着後に一部過激サポーターの暴力的な抗議を受けた16位のセビージャ(勝ち点38)、19位のラス・パルマス(勝ち点32)の対戦はいろんな意味で注目が集まる重要な一戦となる。 《ラ・リーガ第36節》 ▽5/13(火) 《26:00》 バジャドリー vs ジローナ 《27:00》 レアル・ソシエダ vs セルタ 《28:30》 セビージャ vs ラス・パルマス ▽5/14(水) 《26:00》 アラベス vs バレンシア ビジャレアル vs レガネス 《28:30》 レアル・マドリー vs マジョルカ ▽5/15(木) 《26:00》 オサスナ vs アトレティコ・マドリー ラージョ vs ベティス 《28:30》 エスパニョール vs バルセロナ ヘタフェ vs アスレティック・ビルバオ 2025.05.13 19:30 Tue5