【CL決勝特集①・勝ち上がりを回想】攻守両面隙なし! 盤石の戦いぶりで初のファイナル進出~マンチェスター・シティ~
2021.05.28 19:00 Fri
2020-21シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝、マンチェスター・シティvsチェルシーが日本時間5月29日28時からポルトガル・リスボンのエスタディオ・ド・ドラゴンで開催される。初のファイナル進出で悲願のビッグイヤー獲得を目指す今季のプレミアリーグ王者と、2011-12シーズン以来2度目の優勝を目指すチェルシーによる、イングランド勢対決のファイナルだ。
2020-21シーズンCL戦績
11勝1分け
25得点4失点
◆多数の離脱者も、恵まれたグループを無敗突破!

ベスト8で涙を呑んだ昨季からの巻き返しを誓う中、グループステージではポルト、マルセイユ、オリンピアコスという4大リーグ以外の3クラブと同居したグループCに入った。
グループステージ全体の流れではポルトとの初戦でいきなり先制を許してバタついたものの、その試合をきっちり逆転で飾ったことが勢いをもたらすことに。すでに突破を決めた中でのポルトとのリターンマッチは“塩試合”と揶揄される0-0のドローとなったが、オリンピアコスとマルセイユ相手には1ゴールも許さない圧倒ぶりをみせ、文句なしの首位通過となった。
▽グループステージ結果
マンチェスター・シティ 3-0 ポルト
マルセイユ 0-3 マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ 3-0 オリンピアコス
オリンピアコス 0-3 マンチェスター・シティ
ポルト 0-0 マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ 3-0 マルセイユ
◆カンセロ躍動で古豪ボルシアMGを危なげなく撃破!

決勝トーナメント初戦となったラウンド16ではインテル、シャフタールを退け、前身UEFAチャンピオンズカップ時代の1977-78シーズン以来となる決勝トーナメントに駒を進めたボルシアMGと対戦。なお、コロナ禍において今回のラウンドはいずれも中立地ブダペストのプスカシュ・アレーナでの開催となった。
アウェイ扱いの1stレグに向けて公式戦18連勝と異次元の強さを見せていたチームは、試合の数日前にマルコ・ローゼ監督の今季限りでの退任および来季のドルトムント行きを発表し混乱に見舞われたブンデスの古豪を圧倒。戦術面では互いの特徴を出し合ったものの、個々のクオリティ、チームとしての完成度の差が顕著に表れた。とりわけ、左サイドバックのポジションで“カンセロロール”と名づけられた指揮官の求める多彩な役割を完璧に遂行したDFカンセロが“司令塔”として2-0の勝利に特大の貢献を見せた。
大きなアドバンテージを得て臨んだホーム扱いの2ndレグでは初戦で1ゴール1アシストの活躍を見せたMFベルナルド・シウバを“ゼロトップ”で起用。負傷明けのMFデ・ブライネもスタートから起用し、より中盤を厚くしたゲームコントロール優先の戦いを見せた。その中でデ・ブライネの見事な左足のミドルシュート、後半戦に入って“ストライカー”に変貌を遂げたMFギュンドアンの前半序盤の連続ゴールによって早々に突破を決定づけ、2戦共に2-0のスコア以上の力の差を見せつけた。
▽ラウンド16結果
ボルシアMG 0-2 マンチェスター・シティ
【マンチェスター・シティ】
ベルナルド・シウバ(前29)
ガブリエウ・ジェズス(後20)
マンチェスター・シティ 2-0(AGG:4-0) ボルシアMG
【マンチェスター・シティ】
デ・ブライネ(前12)
ギュンドアン(前18)
◆次代を担う若手の競演! ドルトムントに手を焼くもドイツ勢を連破

昨季、格下リヨン相手に涙を呑んだ準々決勝ではボルシアMGに続き、ドイツ勢のドルトムントとの対戦となった。今回のラウンドでは古巣対戦のMFサンチョが負傷で間に合わなかったものの、MFフォーデン、FWハーランドという今後のフットボール界を担う大器の初競演に注目が集まった。
その注目の初戦ではホームのシティがボールを握り、ドルトムントがカウンターで応戦する構図の下、アウェイチームの善戦によって想定以上に拮抗した展開となった。デ・ブライネ、フォーデン、FWマフレズの見事なコンビネーションからデ・ブライネが前半序盤に先制点を挙げるが、その後は2点目が遠い。ボールを握って試合自体は支配したものの、相手キーマンのハーランドに存在感を示されると、84分にはそのハーランドのお膳立てからMFロイスに痛恨のアウェイゴールを献上。しかし、1-1のスコアでのタイムアップかに思われた90分にこの試合のもう一人の注目選手だったフォーデンが値千金の勝ち越しゴールを奪い、2ndレグに向けてアドバンテージを手にした。
迎えた2ndレグでも抜群の存在感を放ったのはシティの至宝。前半序盤にイングランド代表の後輩MFベリンガムに初戦のアドバンテージを引っくり返される先制ゴールを許す苦しい入りとなったが、フォーデンを中心に積極果敢に攻めたアウェイチームは後半序盤に相手MFジャンのハンドで得たPKをマフレズが決めて2戦合計スコアで再び一歩前に出た。さらに、どっちに転ぶかわからない一進一退の攻防の中、試合を決めたのがフォーデンの左足だった。75分、ボックス手前右から振り抜いた強烈な左足のシュートがGKヒッツの手を弾いて右ポストの内側を叩いてネットを揺らした。そして、ハーランドらとの初対決を制したフォーデンが2戦連発の活躍でチームをベスト4に導いた。
▽準々決勝結果
マンチェスター・シティ 2-1 ドルトムント
【マンチェスター・シティ】
デ・ブライネ(前19)
フォーデン(後45)
【ドルトムント】
ロイス(後39)
ドルトムント 1-2 マンチェスター・シティ
【ドルトムント】
ベリンガム(前15)
【マンチェスター・シティ】
マフレズ(後10[PK])
フォーデン(後30)
◆指揮官の修正力光り、自滅の昨季ファイナリストを撃破

クラブ史上初のファイナル進出を目指して臨んだ準決勝の舞台では、同じく大会初制覇を目指す昨季の準優勝チームであるパリ・サンジェルマン(PSG)と対戦。戦前は世界屈指のタレント同士による個の勝負にスポットライトが集まったが、勝敗の行方を決めたのは世界屈指の名将ペップ・グアルディオラによる卓越した修正力だった。
今季途中からPSGの新監督に就任した元トッテナム指揮官のポチェッティーノは、ホームでの1stレグで立ち上がりからアグレッシブに前から圧力をかける戦い方を選択。すると、攻守両面で圧倒されたシティは15分にセットプレーからDFマルキーニョスに先制点を決められた上、以降もFWムバッペ、FWネイマール、FWディ・マリアらビッグタレントに再三の決定機を許し、1点ビハインドで試合を折り返すのが精いっぱいという大苦戦を強いられた。
しかし、後半に向けてデ・ブライネ、ベルナルド・シウバを最前線に並べた[4-4-2]への布陣変更と共に、フォーデンらの立ち位置に修正を加えたスペイン人指揮官の采配が完璧に嵌った。デ・ブライネのクロスがそのまま入った幸運な同点ゴール、マフレズの直接FKが割れた壁の間を抜ける逆転ゴール、その後のMFグイエの愚行退場と、相手の自滅に救われた感もあったが、試合の流れ自体はシティが完璧に掴んでおり、勝利に相応しい内容だった。
敵地から2つのアウェイゴールを持ち帰る会心の1stレグを経て臨んだホームでの2ndレグでは、守護神エデルソン、DFルベン・ディアスやDFジンチェンコら守備陣の奮闘が光る勝利となった。試合前から降っていた雪の影響で、世界屈指のボールプレーヤーたちの輝きが少なからず弱まった中、エデルソンの見事なフィードを起点としたマフレズのゴールで前半の11分に先制したシティ。だが、以降はケガの影響でムバッペ不在となったものの、PSGの迫力のある攻撃に晒された。それでも、ルベン・ディアスが取り仕切る守備陣が再三の好守で失点を許さない。その守備陣の期待に応えた攻撃陣は63分に再び高速カウンターからマフレズがトドメの2点目を挙げると、ディ・マリアの愚行退場によって初戦に続き退場者を出した相手の攻撃を難なく凌ぎ切って2戦合計4-1の快勝で初のファイナル進出を果たした。
▽準決勝結果
パリ・サンジェルマン 1-2 マンチェスター・シティ
【パリ・サンジェルマン】
マルキーニョス(前15)
【マンチェスター・シティ】
デ・ブライネ(後19)
マフレズ(後26)
マンチェスター・シティ 2-0(AGG:4-1) パリ・サンジェルマン
【マンチェスター・シティ】
マフレズ(前11)
マフレズ(後18)
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本稿ではファイナリスト2チームの今シーズンここまでの勝ち上がりを振り返っていく。◆マンチェスター・シティ2020-21シーズンCL戦績
11勝1分け
25得点4失点

Getty Images
ベスト8で涙を呑んだ昨季からの巻き返しを誓う中、グループステージではポルト、マルセイユ、オリンピアコスという4大リーグ以外の3クラブと同居したグループCに入った。
グループステージ全体の流れではポルトとの初戦でいきなり先制を許してバタついたものの、その試合をきっちり逆転で飾ったことが勢いをもたらすことに。すでに突破を決めた中でのポルトとのリターンマッチは“塩試合”と揶揄される0-0のドローとなったが、オリンピアコスとマルセイユ相手には1ゴールも許さない圧倒ぶりをみせ、文句なしの首位通過となった。
この時期にはリーグ戦の不振に加え、FWアグエロとFWガブリエウ・ジェズスという2人のストライカーをケガで欠く状況が続いたものの、この緊急事態がFWフェラン・トーレスらのセンターフォワード起用、中盤の選手たちの得点意識を高める、チームとしての底上げに繋がった。
▽グループステージ結果
マンチェスター・シティ 3-0 ポルト
マルセイユ 0-3 マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ 3-0 オリンピアコス
オリンピアコス 0-3 マンチェスター・シティ
ポルト 0-0 マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ 3-0 マルセイユ
◆カンセロ躍動で古豪ボルシアMGを危なげなく撃破!

Getty Images
決勝トーナメント初戦となったラウンド16ではインテル、シャフタールを退け、前身UEFAチャンピオンズカップ時代の1977-78シーズン以来となる決勝トーナメントに駒を進めたボルシアMGと対戦。なお、コロナ禍において今回のラウンドはいずれも中立地ブダペストのプスカシュ・アレーナでの開催となった。
アウェイ扱いの1stレグに向けて公式戦18連勝と異次元の強さを見せていたチームは、試合の数日前にマルコ・ローゼ監督の今季限りでの退任および来季のドルトムント行きを発表し混乱に見舞われたブンデスの古豪を圧倒。戦術面では互いの特徴を出し合ったものの、個々のクオリティ、チームとしての完成度の差が顕著に表れた。とりわけ、左サイドバックのポジションで“カンセロロール”と名づけられた指揮官の求める多彩な役割を完璧に遂行したDFカンセロが“司令塔”として2-0の勝利に特大の貢献を見せた。
大きなアドバンテージを得て臨んだホーム扱いの2ndレグでは初戦で1ゴール1アシストの活躍を見せたMFベルナルド・シウバを“ゼロトップ”で起用。負傷明けのMFデ・ブライネもスタートから起用し、より中盤を厚くしたゲームコントロール優先の戦いを見せた。その中でデ・ブライネの見事な左足のミドルシュート、後半戦に入って“ストライカー”に変貌を遂げたMFギュンドアンの前半序盤の連続ゴールによって早々に突破を決定づけ、2戦共に2-0のスコア以上の力の差を見せつけた。
▽ラウンド16結果
ボルシアMG 0-2 マンチェスター・シティ
【マンチェスター・シティ】
ベルナルド・シウバ(前29)
ガブリエウ・ジェズス(後20)
マンチェスター・シティ 2-0(AGG:4-0) ボルシアMG
【マンチェスター・シティ】
デ・ブライネ(前12)
ギュンドアン(前18)
◆次代を担う若手の競演! ドルトムントに手を焼くもドイツ勢を連破

Getty Images
昨季、格下リヨン相手に涙を呑んだ準々決勝ではボルシアMGに続き、ドイツ勢のドルトムントとの対戦となった。今回のラウンドでは古巣対戦のMFサンチョが負傷で間に合わなかったものの、MFフォーデン、FWハーランドという今後のフットボール界を担う大器の初競演に注目が集まった。
その注目の初戦ではホームのシティがボールを握り、ドルトムントがカウンターで応戦する構図の下、アウェイチームの善戦によって想定以上に拮抗した展開となった。デ・ブライネ、フォーデン、FWマフレズの見事なコンビネーションからデ・ブライネが前半序盤に先制点を挙げるが、その後は2点目が遠い。ボールを握って試合自体は支配したものの、相手キーマンのハーランドに存在感を示されると、84分にはそのハーランドのお膳立てからMFロイスに痛恨のアウェイゴールを献上。しかし、1-1のスコアでのタイムアップかに思われた90分にこの試合のもう一人の注目選手だったフォーデンが値千金の勝ち越しゴールを奪い、2ndレグに向けてアドバンテージを手にした。
迎えた2ndレグでも抜群の存在感を放ったのはシティの至宝。前半序盤にイングランド代表の後輩MFベリンガムに初戦のアドバンテージを引っくり返される先制ゴールを許す苦しい入りとなったが、フォーデンを中心に積極果敢に攻めたアウェイチームは後半序盤に相手MFジャンのハンドで得たPKをマフレズが決めて2戦合計スコアで再び一歩前に出た。さらに、どっちに転ぶかわからない一進一退の攻防の中、試合を決めたのがフォーデンの左足だった。75分、ボックス手前右から振り抜いた強烈な左足のシュートがGKヒッツの手を弾いて右ポストの内側を叩いてネットを揺らした。そして、ハーランドらとの初対決を制したフォーデンが2戦連発の活躍でチームをベスト4に導いた。
▽準々決勝結果
マンチェスター・シティ 2-1 ドルトムント
【マンチェスター・シティ】
デ・ブライネ(前19)
フォーデン(後45)
【ドルトムント】
ロイス(後39)
ドルトムント 1-2 マンチェスター・シティ
【ドルトムント】
ベリンガム(前15)
【マンチェスター・シティ】
マフレズ(後10[PK])
フォーデン(後30)
◆指揮官の修正力光り、自滅の昨季ファイナリストを撃破

Getty Images
クラブ史上初のファイナル進出を目指して臨んだ準決勝の舞台では、同じく大会初制覇を目指す昨季の準優勝チームであるパリ・サンジェルマン(PSG)と対戦。戦前は世界屈指のタレント同士による個の勝負にスポットライトが集まったが、勝敗の行方を決めたのは世界屈指の名将ペップ・グアルディオラによる卓越した修正力だった。
今季途中からPSGの新監督に就任した元トッテナム指揮官のポチェッティーノは、ホームでの1stレグで立ち上がりからアグレッシブに前から圧力をかける戦い方を選択。すると、攻守両面で圧倒されたシティは15分にセットプレーからDFマルキーニョスに先制点を決められた上、以降もFWムバッペ、FWネイマール、FWディ・マリアらビッグタレントに再三の決定機を許し、1点ビハインドで試合を折り返すのが精いっぱいという大苦戦を強いられた。
しかし、後半に向けてデ・ブライネ、ベルナルド・シウバを最前線に並べた[4-4-2]への布陣変更と共に、フォーデンらの立ち位置に修正を加えたスペイン人指揮官の采配が完璧に嵌った。デ・ブライネのクロスがそのまま入った幸運な同点ゴール、マフレズの直接FKが割れた壁の間を抜ける逆転ゴール、その後のMFグイエの愚行退場と、相手の自滅に救われた感もあったが、試合の流れ自体はシティが完璧に掴んでおり、勝利に相応しい内容だった。
敵地から2つのアウェイゴールを持ち帰る会心の1stレグを経て臨んだホームでの2ndレグでは、守護神エデルソン、DFルベン・ディアスやDFジンチェンコら守備陣の奮闘が光る勝利となった。試合前から降っていた雪の影響で、世界屈指のボールプレーヤーたちの輝きが少なからず弱まった中、エデルソンの見事なフィードを起点としたマフレズのゴールで前半の11分に先制したシティ。だが、以降はケガの影響でムバッペ不在となったものの、PSGの迫力のある攻撃に晒された。それでも、ルベン・ディアスが取り仕切る守備陣が再三の好守で失点を許さない。その守備陣の期待に応えた攻撃陣は63分に再び高速カウンターからマフレズがトドメの2点目を挙げると、ディ・マリアの愚行退場によって初戦に続き退場者を出した相手の攻撃を難なく凌ぎ切って2戦合計4-1の快勝で初のファイナル進出を果たした。
▽準決勝結果
パリ・サンジェルマン 1-2 マンチェスター・シティ
【パリ・サンジェルマン】
マルキーニョス(前15)
【マンチェスター・シティ】
デ・ブライネ(後19)
マフレズ(後26)
マンチェスター・シティ 2-0(AGG:4-1) パリ・サンジェルマン
【マンチェスター・シティ】
マフレズ(前11)
マフレズ(後18)
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プレミアリーグ第31節、マンチェスター・ユナイテッドvsマンチェスター・シティが、日本時間6日24:30にオールド・トラッフォードでキックオフされる。シティ司令塔のラストダンスに注目集まる今季2度目のマンチェスター・ダービーだ。 13位のユナイテッド(勝ち点37)は前節、ノッティンガム・フォレストとの一戦に0-1の敗戦。古巣対戦のエランガに恩返しゴールを許すと、後半最終盤の猛攻も実らず、上位相手に力負けとなった。週明けにはヨーロッパリーグ(EL)準々決勝1stレグのリヨン戦を控えるなか、ホーム開催のダービーマッチに臨む。現状でのプライオリティは間違いなくリヨン戦にあるが、体たらくが続くシーズンにおいてダービーでの不甲斐ない戦いは許されない。より守備的に堅守速攻型のスタイルで臨む可能性が高く、割り切ってターンオーバーを行うプランもなくはないが、ベストメンバーで宿敵を撃破しELに弾みを付けるような戦いを期待したい。 対する5位のシティ(勝ち点51)は前節、下位に沈むレスター・シティ相手に2-0の勝利を収めてリーグ3戦ぶりの白星。熾烈なチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いにおいて5位をキープした。スコアは2-0も、80%近いボール支配率に相手シュートを1本に抑え込むなど余力を残した上での完勝だった。エースのハーランドら一部主力を欠くも、マーモウシュやオライリーら代役がしっかりと活躍しており、敵地でのダービーへ自信を持って臨めるはずだ。 なお、近年のリーグ戦績、タイトル数ではシティが圧倒的に優位に立っているが、プレシーズンマッチ的な色合いが強いコミュニティ・シールドはシティが勝利も、昨季のFAカップ決勝、直近のリーグ戦ではユナイテッドがいずれも2-1で勝利を収めている。そのため、今回の対戦も拮抗した展開も想定される。ちなみに、ユナイテッドがシティ相手にシーズンダブルを決めたのは2019-20シーズン。ホームで5シーズンぶりのダブル達成となるか。 ◆マンチェスター・ユナイテッド◆ 【3-4-2-1】 ▽予想スタメン <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250406_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©超ワールドサッカー<hr></div> GK:オナナ DF:マズラウィ、マグワイア、ヨロ MF:ダロト、カゼミロ、ウガルテ、ドルグ MF:ブルーノ・フェルナンデス、ガルナチョ FW:ホイルンド 負傷者:DFマルティネス、ショー、エバンス、ヘヴン、デ・リフト、MFメイヌー、FWアマド 出場停止者:なし 出場停止者はいない。負傷者に関してはメイヌーに復帰の可能性がある一方、打撲の影響でデ・リフトの状態が懸念される。 ELを考慮してターンオーバーの可能性もあるが、前述のメンバーの起用を予想。デ・リフトが間に合う場合はマグワイアに代わって中央に入る可能性が高い。前線ではマウントやザークツィーにもチャンスがありそうだ。 ◆マンチェスター・シティ◆ 【4-2-3-1】 ▽予想スタメン <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250406_100_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">©超ワールドサッカー<hr></div> GK:エデルソン DF:マテウス・ヌネス、クサノフ、ルベン・ディアス、グヴァルディオル MF:ギュンドアン、ニコ・ゴンサレス MF:サヴィオ、フォーデン、ドク FW:マーモウシュ 負傷者:DFストーンズ、アケ、アカンジ、MFロドリ、FWハーランド 出場停止者:なし 出場停止者はいない。負傷者に関しても直近数試合と大きな変化はない。 スタメンは前述の11名を予想。ディフェンスラインではリコ・ルイス、オライリー。中盤から前ではコバチッチ、ベルナルド・シウバ、デ・ブライネ、グリーリッシュとベテランの起用も十分にある。 ★注目選手 ◆マンチェスター・ユナイテッド:MFブルーノ・フェルナンデス <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250406_100_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 赤い悪魔の主将の矜持で花道は飾らせない。リーグ戦での低迷に、週明けのリヨン戦の重要度を考えると、ユナイテッドにとっては難しいモチベーションで挑むダービーとなるが、ホーム開催の宿敵との一戦ということもあり、メンバー構成いかんは別として気概を示したい。 そのダービーの重要性を最も知る一人であるポルトガル代表MFとしては普段通りに中盤と前線のリンクマン、チャンスメイカー、フィニッシャーというマルチタスクをこなしながら、気持ちの部分でもチームを鼓舞し続けたい。 堅守速攻のスタイルで臨む可能性が高いなか、被カウンターの局面で脆さもある相手に対して、高精度のパスやクロスから味方の決定機を演出したい。 ◆マンチェスター・シティ:MFケビン・デ・ブライネ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250406_100_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 敵地で挑むラストダービー。リーグテーブル上は大一番とは言えない今回のダービーだが、シティにとってはCL出場権争いとともに、在籍10年のレジェンドMFのラストダービーという部分で非常に重要な一戦となる。 デ・ブライネは今回のダービー2日前に自身のSNSを通じて今季限りでのシティズンズ退団を発表。2015年8月にヴォルフスブルクから加入し、ここまで公式戦413試合で106ゴール174アシストを記録。6度のプレミアリーグ制覇や、CL初制覇など15のタイトルを獲得。2022-23シーズンにはトレブル“3冠”を達成し、シティで獲得できるタイトルを全て手にしていた。 しかし、近年は度重なる負傷によるパフォーマンスの低下もあって以前のような絶対的な存在にはなり切れず、33歳MFはこのタイミングでマンチェスターを離れる決断を下した。 なお、プレミアリーグでのダービーは15試合に出場し6勝4分け5敗の戦績。3ゴール4アシストと好相性とは言い難いが、2ゴール1アシストの活躍で4-1の快勝に導いた2022年3月の対戦以来の躍動を期待したい。 2025.04.06 15:20 Sun4
【プレミアリーグ第32節プレビュー】マドリー戦控えるアーセナルはビーズと対峙、首位リバプールはハマーズ戦
先週末に行われた前節は首位リバプールを始め上位5チームがいずれも勝ち点を取りこぼす波乱の一節となった。また、最下位のサウサンプトンが7節を残してプレミアリーグ史上最速での2部降格が決定した。 UEFAコンペティションの準々決勝2ndレグを控えるなか、今節はヨーロッパ参戦組の戦いに注目だ。 1stレグで明暗分かれたチャンピオンズリーグ(CL)勢の2位アーセナルと7位のアストン・ビラは、それぞれ12位のブレントフォード、最下位のサウサンプトンと対戦する。 リーグ前節はエバートン相手に消化不良の1-1のドローに終わったアーセナルだが、CL準々決勝1stレグでは前大会王者レアル・マドリーとのホームゲームで会心の3-0の勝利を挙げた。攻守両面で相手を上回った上、MFライスの圧巻の直接FK2発にMFメリーノにもゴールが生まれ、先勝に成功した。 アウェイチームに多くの悪夢を味わわせてきた要塞サンティアゴ・ベルナベウでのリターンレグに向けて細心の注意を払う必要はあるが、ベスト4進出へ大きなアドバンテージを得たことは間違いない。今回のホームゲームでは難敵ビーズ相手に勝ちたい気はやまやまではあるが、リーグ逆転優勝とCL準決勝進出を天秤にかけて割り切ったターンオーバーもありか。MFヌワネリやMFジョルジーニョ、FWスターリングらの活躍にも期待しつつ、良い形でマドリー戦に繋げたい。 アストン・ビラは前節、ノッティンガム・フォレストとの上位対決を2-1で制して公式戦7連勝を達成。しかし、CLではパリ・サンジェルマン(PSG)とのアウェイゲームではFWロジャーズのゴールで先制に成功も、そこからの3連続失点によって厳しい1-3の敗戦となった。これで公式戦連勝が「7」でストップしたエメリのチームは、ホーム開催の2ndレグで逆転を目指す。 プレミアリーグの来季CL出場権が5チームに確定したなか、熾烈なCL出場権争いにおいて勝ち点3を積み上げる必要があり、PSGとのリターンレグへ極端なターンオーバーは難しい。ただ、前線に関しては豊富なタレントが揃っており、やりくり上手のスペイン人指揮官が最適の組み合わせを選び出し、降格が決定したセインツ相手に勝ち切りたい。 一方、降格決定後初のホームゲームとなるセインツはユリッチ監督を即時解任。シーズン残りはラスク暫定監督の下で戦うことになる。DF菅原由勢の起用法にも注目したい。 ヨーロッパリーグ(EL)参戦組の13位マンチェスター・ユナイテッド、14位のトッテナムは5位のニューカッスル、17位のウォルバーハンプトンと対戦する。 ユナイテッドは前節、膠着のマンチェスター・シティとのダービーマッチを0-0のドローで終え、リーグ2戦未勝利に。続くEL準々決勝1stレグでは敵地リヨンに乗り込んだ一戦を2-2のドローで終えた。DFヨロの加入後初ゴールにFWザークツィーのゴールで一時逆転に成功したが、GKオナナの2失点に絡むプレーなどもあり、後半アディショナルタイムの土壇場被弾で先勝を逃した。 ホームでのリターンレグへ弾みを付ける公式戦4試合ぶりの白星がほしい一方、リーグ戦でのUEFAコンペティション出場権獲得の現実味は薄く割り切ってターンオーバーを敢行する可能性は高そうだ。ただ、公式戦4連勝と絶好調のマグパイズ相手に大敗となれば、肝心のリヨン戦に響くことになるためメンバーは入れ替えながらもしっかりとした戦いは見せたい。 一方、スパーズは前節、サウサンプトン相手に3-1の快勝。リーグ4戦ぶりの白星を挙げた。ただ、ホームで戦ったELではフランクフルト相手に1-1のドローに終わった。開始早々に先制を許したなか、DFペドロ・ポロのゴールで同点に追いつき以降は再三の決定機を作り出したが、相手GKの好守にも阻まれて先勝を逃した。2ndレグを敵地で戦うためユナイテッド以上にシビアな状況となっており、リーグ3連勝と好調を維持するウルブスとのアウェイゲームではターンオーバーが濃厚だ。一部主力を温存しつつ、総力戦で挑む2ndレグへFWリシャルリソンやMFグレイ、FWオドベールら控え組の状態を上げたいところだ。 カンファレンスリーグ(ECL)参戦の4位チェルシーは前節、ブレントフォードとゴールレスドロー。リーグ連勝を逃した。ただ、ECLではレギア・ワルシャワとのアウェイゲームをFWジョージのファーストチーム初ゴールにFWマドゥエケの2ゴールの活躍で3-0の先勝。大きなアドバンテージを得てロンドンに帰還した。降格圏の18位イプスウィッチ・タウンをホームで迎え撃つ一戦ではECLで温存した主力を起用し、しっかりと勝ち切ってCL出場権獲得へ勝ち点3を積み上げたい。 前節、フルアム相手にまさかの2-3の敗戦を喫して優勝へ足踏みとなった首位のリバプールは、16位のウェストハムとのホームゲームでバウンスバックの勝利を目指す。フルアム戦では相手のパフォーマンスを褒めるべき部分はあったものの、らしくないミスも目立っておりその修正は必要だ。ただ、11日にはエースFWサラーの契約延長という最高の知らせが発表され、良い雰囲気が期待されるアンフィールドで白星を取り戻したい。 マンチェスター・ダービーをドローで終えて6位後退のマンチェスター・シティは、MF鎌田大地を擁する好調の11位クリスタル・パレスとのホームゲームに臨む。今季限りで退団のMFデ・ブライネのラストダービーというモチベーションはあったが、全体的なパフォーマンスは振るわず。同じ[3-4-2-1]で堅守速攻を貫くソリッドな相手に対して、メンバーの入れ替えも行いながらしっかりと結果を残したい。 対するパレスは前節、ブライトン&ホーヴ・アルビオン相手に2-1の勝利。FWエンケティア、DFグエイの退場は余計だったが、エースFWマテタに負傷明け後初のゴールが生まれるなど実りある内容での勝利でもあった。その一戦で決勝点の起点、相手の退場を誘発するなど存在感を示した鎌田には2試合連続のスタメンを期待したい。 そのパレスに敗れた9位のブライトンは、リーグ連敗という苦境のなかで19位レスター・シティ相手に公式戦5試合ぶりの勝利を目指す。対戦相手はリーグ8連敗と泥沼の状況にあるが、この一戦では出場停止のDFファン・ヘッケに加え、パレス戦の接触プレーで痛めたMF三笘薫にも欠場の可能性が報じられており、チームとしては総力戦で勝ち点3を掴みたい。 《プレミアリーグ第32節》 ▽4/12(土) 《20:30》 マンチェスター・シティ vs クリスタル・パレス 《23:00》 ブライトン vs レスター・シティ ノッティンガム・フォレスト vs エバートン サウサンプトン vs アストン・ビラ 《25:30》 アーセナル vs ブレントフォード ▽4/13(日) 《22:00》 チェルシー vs イプスウィッチ リバプール vs ウェストハム ウォルバーハンプトン vs トッテナム 《24:30》 ニューカッスル vs マンチェスター・ユナイテッド ▽4/14(月) 《28:00》 ボーンマス vs フルアム 2025.04.12 12:00 Sat5